始めに言っておくが、今回は森も樹木も木材も登場しない。あくまで私の興味の対象であり、その備忘録的な意味で記す。
先週は、NHKで洞窟の番組が続いた。
一つはNHKスペシャルで、ロシアの水中洞窟。なんと真冬極寒の大地の底に発見された水没した洞窟に潜るのだ。全長5キロ以上。このオルダ洞窟は、世界一美しい水中洞窟と言われているらしいが……。
一方、BSプレミアムでは、ギアナ高地の洞窟をやっていた。俳優の桐谷健太が潜るのだが……。
私は、かつて洞窟潜り、いわゆるケイビングをしていたのでどちらも注目したわけだが、興味深かったことがある。
それは、オルダ洞窟が石膏洞窟であり、ギアナ高地の洞窟は珪岩洞窟だったこと。これは仰天だったのだ。
一般に洞窟と言えば、石灰岩洞窟だろう。石灰洞窟、あるいは鍾乳洞と呼ぶものだ。石灰岩はCO2を溶かし込んだ水によって溶ける。だから穴が穿たれるわけだ。
ほかに比較的知られるのは熔岩洞窟だ。主に火山活動によって玄武岩質熔岩が流れる過程で、熔岩が流れ動きガスが抜けることで空洞ができる。
ほかにも海岸などには海食洞窟とかもある。また特殊なものなら氷河の中にできる氷の氷河洞窟なんてのもある。
しかし、今回は石膏に珪岩だよ。こんな洞窟は極めて珍しい上に、ここまで巨大な洞窟を形成するとは……。石膏(硫酸カルシウム)は、まだ理解できないことはないが、もっとも硬い岩の一つである石英などの珪岩に空洞ができるとは。
一応、番組では生成過程を説明していた。
ギアナ高地の洞窟は、イマイチ理解しにくかったが……。
私がソロモン諸島のシンボ島でケイビングしたパツキオ洞窟は、火口に空いている。火口洞窟自体はよくあるが、そんなに深くない。ところが、この洞窟はかなた深く、しかも岩は安山岩だったのだ。これは珍しい……と思っていたら、その後安山岩洞窟は各地で見つかり、何も特殊なものではないことがわかってきた。流動性の低い安山岩でも、高温になれば割れ目をつくるのだろう。
パツキオ洞窟の洞口
ところが奥へ奥へと進む(下る)と、石膏に覆われたホールに出た。岩から石膏が噴き出して表面を覆っているのだ。柔らかくて、泥のようだった。
石膏に覆われたホール
その一角には、謎の結晶ができた壁もあった。
結晶
方解石か、塩類か……。標本取って持ち帰ればよかった。。。
まだまだ洞窟には知らないことがいっぱいある。今回の番組は、地学マニアの血が騒いだのだった。
※シンボ島の探検の話は、『森は怪しいワンダーランド』に記しました。
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