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2017/05/15

箱根細工はツキ板?

先日の「ブラタモリ」は、箱根の関所がテーマだったが、目を引いたのは箱根寄木細工だった。

色の違う木材を張り合わせて模様や文字を絵画的に描いた木工品(主に小箱)だが、ちょっと想定していなかった点があった。
 
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すごく細かな模様だが……これ、木を寄せただけではなかったのね。
 
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鉋をかけるのだった。
 
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なんと! この模様は鉋クズとなってしまうのだ……。
 
いえ、もちろんクズではありません(~_~;)。 暑さは0,2~3ミリくらいだろうか。これほど薄くして、別の木工品の表面に張り付けることで完成なのだった。こんなに薄くして利用するなんて。
 
箱根細工について詳しく考えたことはなかったが、なんとなく寄せた木の板をそのまま小箱などに仕上げるイメージを持っていた。しかし、模様と本体は別だったのだ。
 
 
そこで気になるのは接着剤。寄せ木の接着もだが、本体に張り付ける際には何を使っているのだろうか。現代はなんとでもなるが、江戸時代の接着剤は何を使ったのかね。ニカワでそんなにきれいに張り合わせられるのだろうか。接着面が極薄になっても離れない品質が求められる。
 
 
それにしても、ある意味、現代に通じるのではないか。きれいな模様のあるのは表面だけでいい。内側は見えないのだし。銘木のツキ板を無骨な集成材や合板に張って、豪華な無垢材に見せる技術に通じる。
いわば寄木細工は、化粧ツキ板みたいなものである。
 
現代は、集成材とかツキ板張り付けとかいうと、なんとなくまがい物のイメージがあるが、箱根細工は伝統工芸だ。ツキ板使って、箱根細工の現代版を生み出せる可能性もありそうだ。
 
 
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現代のツキ板でも、こんな象嵌ぽいことも行える。

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