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2017/06/09

南洋材の終焉?

マレーシア・サラワク州(ボルネオ島)は、木材の伐採税の税額を今の約60倍に引き上げると言い出した。
 
同州の伐採税は、土地によって木材1立方メートルにつき0,8リンギ~3リンギ。それを今年7月1日からすべての木材の伐採税を同50リンギとする。税額は30年間見直しされていなかったものを、いきなりの60倍である。
 
サラワクの森林の約3分の1の伐採権を所有する大手木材業者がつくるサラワク木材協会は増税の見直しを求めているが、州政府は、引き上げに応じない業者は取引を停止することを示唆しているらしい。
 
今回は本気のよう? もちろん、だから確実といえないのがこの世界なのだが、これまで幾度も繰り返してきた禁伐令とはちょっと違う雰囲気。
 
昨年のサラワク州の木材輸出で日本への輸出額は全体の38%に当たる。おそらく丸太だけでなく合板など日本向け製品についても価格は上がるだろう。
 
 
いよいよ最終局面かな、と思う。
 
私が40年近く前にボルネオ(サバ州)に行った際、現地で木材買付けを行っている日本の商社マンにお世話になったが、その際に聞いた話では、日本が南洋材を買い付けた最初は、フィリピンだったという。ルソン島、ミンダナオ島と時期が違うのだが、いずれも伐りすぎて山を草原にしてしまい、次がカリマンタン(インドネシア領ボルネオ)。そしてサバ州へと渡ってきたという。
 
フィリピンは素晴らしかったそうだ。森全体がフタバガキ科(ラワン)の大木に覆われていて伐り放題。それがなくなったので西カリマンタン、東カリマンタンへと行ったのだが、どんどんラワン(こちらではメランティなど)の密度は落ちてきた。材質もよくない。
 
今はサバ州で伐っているが、ここの資源量はさらに落ちる……。
 
そんな嘆き?を聞いたので、「隣のサラワク州はどうですか」と問いかけてみた。
 
「サラワク州の森なんて、ろくな木がない。あんな森から木材を求めないといけなくなったら、もう日本は終わりだね」
 
こんな返事が返ってきた。それから10年もしないうちに日本の木材商社はサラワクに押しかけるようになるのだが……。そして熱帯雨林伐採反対運動が巻き起こる。 
一方で、東南アジアから離れて、ニューギニアやソロモンへと木材を求める範囲は広がっていく……。
 
 
それから30年近く、日本は主にサラワクから南洋材(の製品)を輸入し続けている。もちろん量は減ったし、原木ではなく、合板なと現地で加工された製品に代わったが。
意外とサラワクにも木材資源はある? いや、昔なら相手にしなかった木材でも必要に迫られたのだろう。
 
だが、いよいよ終焉……?
南洋材は主に型枠合板などに使われるので無駄遣いと言われて批判も根強い。しかし南洋材という言葉からなんとなく漂う熱帯ジャングルの香り。そこにはちょっぴり懐かしい時代の思いも残している。
いよいよ消えて、南洋材という言葉も死語になるかもしれない。

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