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森と林業の本

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2017/06/12

Yahoo!ニュース「森林再生は街の長屋再生…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「森林再生は、街の長屋再生に学べ 」を執筆しました。

 
長屋再生の現場を歩いたのは、別に取材のつもりではなく、たまたま近くに行ったので飲みに行こうぜ、ついでに前から聞いていた長屋再生事業も見せてよ、というノリでお願いしたものだが、歩いて見れば、まさに私が考えていた「森林の資産価値を上げる」発想とピッタリ合致。
 
本文に書かなかったことにいくつか触れると、並の不動産屋なら、古い家屋は撤去して駐車場にしましょう、と勧めるのが常套。それを手間ヒマかけて、リノベーションするとともに入りたい人(入れたい人)を探してくるわけである。すると、駐車場なんかよりずっと長く利益を産むだけでなく、地域全体が豊かになるわけだ。
 
これって、よい木材がない森林を負債として、伐採してバイオマス発電燃料にし、跡地にはソーラーパネル並べて太陽光発電しましょ、と言っているコンサルに対するアンチテーゼと同じようなものだ。
 
もはや日本は空き家1000万戸時代を迎えようとしている(現在でも800万戸を越えた)が、空き家を負債ではなく資本にする手段を考えないと底無しの負債地獄に陥るだろう。
同じく日本には数百万ヘクタールの森林が、世話もせずにまともに木が育っていないとか、皆伐して荒れたまま放置されている。これを負債の処分として先のしれている発電事業に走るのか、森林のリノベーションを考えるのか。地域により利益をもたらすのはどちらか。
 
 
森林再生、林業振興を考えるのなら、山村で悩んでいるより、街の長屋再生現場を見た方がよいと思うよ。ちなみに補助金を使わないところもね。
 
 
ちなみに、昭和町の仕掛け人の正体を明かすと、丸順不動産の小山隆輝氏だが、街案内と解説は有料である(笑)。物見遊山や本気度のない視察は避けるように。私は踏み倒したから、お詫びにYahoo!ニュースに書いたけどね(⌒ー⌒)。

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コメント

補助金に頼らないってところが素晴らしい!!
昭和町は御堂筋線ですね、遠目から拝見してみます(笑)

森林環境税が新たに創設される都道府県も増えてきましたね。
補助金がなくなったら、山からの出材はどうなるんでしょうね。
バイオマス発電事業も各県で複数箇所でこれから事業スタートする所も増えてきておりますが、燃やすことばかりに目を向けて、木が売れないからって本当にこれでいいんでしょうか・・・。

議員の先生に組合つくって補助金もらうやり方も考えたほうがいいよってアドバイス頂きますが、結局は森友学園、加計学園→文部科学省と同じで大手木材業者、木材組合→林野庁とならないか心配しています。
弊社としては自民党の政策である日銀の為替円安によって状況が一転したので自民党を支持せざるを得ないですが。

御堂筋線は地下鉄ですから、遠目でも見えないのでは……(~_~;)。
案内料を払って視察してください。
 
補助金は、麻薬であって切れたらアウトですからね。実は、彼のところに行政が援助(補助金)の申し出があるそうですが、断っているとのことです。行政には、何もしないでくれ、と。
 
議員も官僚も、政策を実行する手段としては金をばらまくしか思いつかないのです。本当によい施策なら、当事者に対して言葉を使って説得して動かしてもらいたい。

長屋の再生事業では、リノベーション後借り手が表れて利益を生み出しています。
さて、森林を再生したとして、そこから利益が生まれてくるのでしょうか。利益が生まれてくる可能性は少ないでしょう。
ですから、現実の利益である補助金や一時期の利益である皆伐による安売りに陥るのではないでしょうか。
森林再生事業では補助金でない利益を生み出す方策が必要です。それを今必死で考えています。

長屋でも、借り手を見つけてからリノベーションするケースが多いんですよ。潜在的な利用者を見つけて、彼らの望む形にリノベする。その代わり費用もそれなりに出してもらう。

森林から利益を生み出す方法は千差万別ですが、たとえば企業のCSRを例とするなら、この森をこんな美しい森にするから参加しませんか、という募集の仕方はあるはずです。あるいは歩いて楽しめる森、花が咲き乱れる森にするから客を呼んできてください、と観光業者と組むこともありえる。
策を練りましょう。きっと、何かあるはずです。

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