昨日のYahoo!ニュースの記事 で、オリンピックの選手村施設に木材を無償提供すると、大会後に返却されて「オリンピックで使用された木材です」と掲げて再利用できる、という発想であることを紹介した。
後利用においては、国際オリンピック委員会の規定により、商業目的での使用はできない。譲渡や売却を行う際にも、商業目的での使用を禁止することを条件づけることが求められる。
とあった。なんだ、オリンピックのレガシー(遺産)だぞ、と自慢して再利用するにしても、窮屈なことではないか。実質的に民間には使わせないということか。無償提供しても、その金額を取り戻せるような使い道は禁止なのだ。
では、公共施設で何に利用できる? 一度使われた木材ということは寸法も決まっているし、量もしれている。せいぜいベンチくらいではないか、と私はSNSに皮肉ぽく記したのだが、ふと我に返った。
ベンチ。いいじゃないか。
地元生駒の駅前に「日本一短い商店街」なんて自慢?している通りがあるが、ご多分に漏れずに廃れている。シャッターが下りた店も結構ある。私は、せめてここにベンチを置かないか、と提案したことがあった。
なぜなら商店街を歩くのはお年寄りが多いからだ。彼らに座ってもらうことで、滞在時間を長くできる。幾人か座ればよもやま話に花が咲いて賑やかになる。どうせなら、ベンチの周辺に飲料やスナック系の食べ物の出店を出せば、座った時に食べたり飲んだりするだろう。
そのうち小中高生も学校帰りに座りだすかもしれない。もしや年寄りと小学生の交流が始まるかもしれない。馴染になれば、そのうち買い物もするだろう。
……という発想であった。私も、その商店街をしょっちゅう歩いて座るところが欲しかったし、学生がつるんでいるのを見ていたからである。
そして、先例もあるのだ。
これは、長野県上田市の駅前商店街。空き店舗のシャッターの前を見映えをよくしようと木材で飾りつけ、ベンチを置いた。すると人が溜まりだしたそうである。それも地元の人だけでなく、観光客が座って話し込んだりしているらしい。(上田市は真田一族の里であり、上田城もあるのでわりと観光客が多い。)
これも殺風景な配電盤を隠すために木の囲いをつけたのだが、横にベンチを置いた。プランターもある。
すると、このようにお年寄りが座って愛嬌を振る舞ってくれる(^o^)。チェンソーアートの展示場にもなるし、街の雰囲気をよくすること間違いなし。
そういや、生駒にもあった。
商店街ではないが、某テーラーの前のバス停に。
木のベンチに、パックワークした布を張るだけで、いきなりオシャレになるではないか。バスを待たなくても座りたくなる(笑)。ただし、このベンチは、テーラーが引っ越した際に取り除かれてしまった。。。
ベンチから始まるまちづくりだ。ただし、金属や樹脂製のベンチでは、風情がない。やはり木製だろう。ある程度、デザインに統一感を出すことも必要かな。あるいはデザインを競い合うか。
こうなりゃ、オリンピックのレガシーなんぞドーデモよいから、ベンチをつくろう。
ベンチを作ろう!!に賛同する、『ベンツ仙人』です。(苦笑)
『ベンチing(?)コンテスト』に参加しますっ!!
昨日にウッドデザイン賞応募を済ませて、『次のテーマ』を考えていたところです。当方で、事務局を担当しても良いですし、、、、。
投稿: ベンツ仙人 | 2017/07/29 10:28
いっそ「ベンチ仙人」に名前変えてください(^o^)。
「ベンチで町おこし」を訴えて、もっとも相応しいデザインを選ぶコンテスト……いいかもしんない。
このビジネスモデルにパテントは取らないから、どんどんやってくれい。
投稿: 田中淳夫 | 2017/07/29 20:56