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2017/08/10

杉皮の和紙

奈良県森林技術センターを訪れたら、ロビーの壁に「杉樹皮の和紙」が展示されてあった。

 
スギやヒノキの皮を材料に和紙を作る研究が行われたようだ。「こんな研究が行われていたんですね?」と、目の前の前センター所長に聞いたら、「35年前に僕が研究したヤツや」と答が……(笑)。
 
最速で答を得られたようだ(^o^)。
 
 
スギの樹皮で和紙をつくると言っても、樹皮全部ではなく、内樹皮だけを分離して行うようだ。
すでに吉野町の和紙職人が作っているとか。
 
002
 
これが杉皮和紙。名刺用紙に仕立ててある。
 
通常のコウゾによる和紙とはちょっと違った触感であるが、よい使い道はないのだろうか。
 
もともと和紙の定義として材料が決まっているわけではない。あえて言えば木質繊維ではなく、樹皮繊維を原料とすることだろうか。
コウゾ、ミツマタ、ガンピが3大原料だが、そのほとんどが輸入物。コウゾは栽培こそ簡単だが、使えるようにするのは手間がかかる。枝分かれしすぎたら皮むきが大変。私もやったことがあるが、蒸して剥いて乾かして、叩いて繊維をほぐして……。
 
ならばスギやヒノキの樹皮というのも調達が楽な原料にならないだろうか。外樹皮と内樹皮を分けるのは面倒だが、コウゾの処理と比べて難しいというわけではない。むしろ楽なように思う。
 
繊維の質が違う? いや、その心配はないと思う。なぜなら和紙と呼んでいるものも、その原料の半分くらいは木質パルプを混ぜているのは公然の秘密だからだ。
全部コウゾやミツマタで作っている和紙など希少だ。和紙にも洋紙と同じ樹木の木質部の繊維をほどしたパルプを使っているのだ。
 
 
ならばスギの樹皮を使ってもたいして変わらない。いや、樹皮なのだから和紙の定義に合うではないか。スギやヒノキの樹皮なら製材所に始末に困るほどあるだろう。コウゾやミツマタは慢性的に足りないのだから、新たな資源にできる。コウゾと混ぜたら品質は変わるまい。
 
 
ああ、でも木質パルプを使っている業者にとっては、樹皮なんて面倒だから嫌がるかな。それで世間が騙せている限り、面倒なスギ樹皮なんか使わないか。
 

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