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森と林業の本

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2017/08/22

虫の声から見た森林環境論

暑さがぶり返してきたが、ツクツクボウシの鳴き声を聞いた。季節はやはり進んでいたか。

 
そこで森の中を久しぶりに歩いてみた。当然、暑いし、緑がギシギシと取り囲むように伸びてきているように感じて、少々恐れを感じる。
  
そんな中で虫の声のシャワーを浴びた。
 
夏の終わりはとくに虫の声が激しい気がする。セミを始めとして、バッタも見かける。秋の虫も増えてきたのだろうか。
 
Photo_2  Photo
 
この虫の声、デシベル単位で表示したら、どれほどの音量だろう。結構な騒音レベルではないか。そもそも人が聞き取れるのは20~30キロヘルツ間だというが、そこから外れた低周波・高周波の鳴き声もあるだろう。
 
森の環境とは、こうした音も入っている。緑の色や草の匂い、など視覚、嗅覚はよく指摘されるが、聴覚も忘れてはならない。音には風の音、動物の鳴き声などもあるだろうが、虫の声はバカにならないはずだ。
 
そんな音響、虫の声から森を見たらどうなるか。
 
低周波の森、高周波の森、なんてのもあるかもしれない。季節によっても変わるし、気象や生息する虫の酒類でも変わるのではないか。熱帯雨林と日本の森の違いとか、針葉樹林と広葉樹林ではどう違うか、アマゾンとアフリカの森の違いは何かとか。
 
 
こんな点を誰か研究していないのだろうか。
 
熱帯雨林では、100キロヘルツ以上の高周波音がかなり強いという観測結果が出ているそうだ。間の耳には聞こえないが、熱帯雨林の中、もしくは周辺で暮らせば、常に浴びていることになる。
音源ははっきりしないが、虫の声ではないか、と推測されている。高周波を浴びることが「森の心地よさ」に結びつく可能性だってあるかもしれん。
 
 
が、虫の声を聞いても、あんまり嫌な気持ちにならない。むしろ時折車やバイクの排気音が聞こえると気持ちをかき乱される。また電車の音も聞こえるが、自動車ほどではないにしろ、何か違和感がある。
 
よく「虫の声を心地よく感じるのは日本人だけ」という俗説?があるが、怪しい。今どきの「日本スゴイ」の走りだろう。虫の声を好む外国人だっているはずだ。
 
森林環境の研究はいろいろな角度から行われているが、音響から、とくに虫の声から研究したら生命の世界がまた違って見えるかもしれない。

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