大和森林物語5は、『林政意見』!
毎日新聞奈良県版に連載している「大和森林物語」の5回目は、土倉庄三郎の5回目でもあり、『林政意見』を取り上げた。
庄三郎らが対策として挙げたのは、国有林を分割して、国に残す一部以外は府県郡村に移管することだ。自治体が森林を基本財産とすることで林業振興と貧民の救済につなげることを訴えた。
林業は山に近いところで経営すべきで、遠くの中央政府が机上で行うものでない、という信念があったのだろう。
また山川省を設けて、全国の山林河川の業務を統一するよう提案した。治山・治水は両輪なのである。省庁の縦割りが災害対策の進まぬ理由と見抜いていた。これも現代に通じる問題点と言えるかもしれない。
そして林学の専門教育を受けた官吏の養成も主張した。3年後、続編に当たる「再ビ林政ノ刷新ヲ論ズ」を発表しているが、この点に関して各府県に森林行政機関を設けて、専門の官吏を養成すべしとした。地方の人材を侮るな、ともある。
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