無料ブログはココログ

森と林業と動物の本

« Yahoo!ニュース「名古屋城天守閣のために…」を書いた裏事情 | トップページ | 多肉植物の生命力 »

2017/08/25

有機肥料を森林資源に

アメリカの市場調査会社が、オーガニック(有機)肥料の市場が、2017年から25年までに毎年7,6%ずつ成長するという見通しを発表している。25年には64億ドルの市場になるというのだ。現在からすると、1,9倍である。

 
これは世界的に有機農法が広がるという見立てである。今でもヨーロッパで拡大中だが、今後はアジア太平洋地域の伸びが大きいという。
また内容は、大半が家畜の排泄物を利用したものとなるというが……。
 
 
残念ながら日本の有機農産物の伸びは大きくない。微増というか誤差範囲というか。全農家数の0,5%、農地面積の0,2%にすぎない。消費者も、欲しいと言いつつ価格が少し上がると手を出さない。よくアンケートでは1割程度高いのなら……と出るのだが、実際に1割上がると買わない(笑)。
 
ただ、「日本はガラパゴスだから」と開き直れない事情が生れている。オリンピックだ。ここでは選手向きに有機農産物やアニマルウェルフェア(家畜の適正環境による飼育)が要求されているからだ。
どうするんだろうか。輸入する。。。? オリンピックは和食や国産材を売り込むチャンスとか言っているが、情けないことになるかもしれない。
 
とはいえ、世界的に有機農法が広がるのなら、遅れて日本市場でも増えるだろう。その時も輸入有機農産物で対応するのは、情けないを通り越して恥ずかしい。
実は、日本国内の有機農家の使う有機肥料は、素材が輸入品だったりする。魚粉や鶏糞、腐葉土や土砂まで輸入が多いのだ。つまり国産有機農作物と言っても、実は海外産に支えられていることになる。 
 
 
それで思った。有機肥料の生産がビジネスにならないだろうか。そして、ここに林家が参入する余地はないだろうか。
 
手間をかけずに山中に埋めるだけ。最初に落ち葉や家畜排泄物、食品廃棄物などを運びこめば、その後何もしない。数年かけて自然に堆肥になるのを待つ。堆肥の材料の質(有害物を排除し、には気を配る必要はあるが、それ以外は時間に任せる。
 
日本で有機肥料をつくるというと、なんだか大げさなプラント設備を建設することが多いのだが、それは促成醗酵させようとするから。時間をかければ何も手をいれなくてもできる。山奥なら臭い対策も必要なかろう。
何十年とかかる木を育てるより数年でできる完熟堆肥の方が儲かるような気がする。
 
完全に分解されてできた堆肥は、森林資源ではないだろうか。

« Yahoo!ニュース「名古屋城天守閣のために…」を書いた裏事情 | トップページ | 多肉植物の生命力 »

森林活用(茶・蜂蜜・山菜…樹木葬)」カテゴリの記事

コメント

完熟堆肥・・・良いかも、です。当方で「試しますか?!」ね。当方ならば『竹炭』を混ぜますが、、、。
家屋の近くでの利用ですから、竹炭で消臭が叶うなら、バツチリです。兎に角、研究に値すると思います。

国産堆肥が高くて輸入に頼るのは、第一に場所代。だから早く堆肥化しようと加熱したり攪拌したりと手間をかける。それが設備費やコストを上げる。
本来、単に積み上げて寝かせるだけで堆肥化できるのに。時間が解決してくれるでしょう。

臭い対策も、上に土壌をかぶせるという(コンポストと同じ)手段でかなり防げるはずです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 有機肥料を森林資源に:

« Yahoo!ニュース「名古屋城天守閣のために…」を書いた裏事情 | トップページ | 多肉植物の生命力 »

February 2025
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  

森と筆者の関連リンク先

  • Yahoo!ニュース エキスパート
    Yahoo!ニュースに執筆した記事一覧。テーマは森林、林業、野生動物……自然科学に第一次産業など。速報性や時事性より、長く読まれることを期待している。
  • Wedge ONLINE執筆記事
    WedgeおよびWedge on lineに執筆した記事一覧。扱うテーマはYahoo!ニュースより幅広く、森林、林業、野生動物、地域おこし……なんだ、変わらんか。
  • 林業ニュース
    日々、森林・林業関係のニュースがずらり。
  • 森林ジャーナリストの裏ブログ
    本ブログの前身。裏ブログとして、どーでもよい話題が満載(^o^)
  • 森林ジャーナリストの仕事館
    田中淳夫の公式ホームページ。著作紹介のほか、エッセイ、日記、幻の記事、著作も掲載。