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2017/08/11

「バイオマス」は「丸太」なのか?

今日が祝日であることを、ほとんど気づいていなかったのだが。

 
久しぶりに大阪に出た。普段、あまり大型書店に行けないので、こういう機会に覗く。
すると、何かと本を買ってしまうのだが……。
 
ふと目についたのが、「環境ビジネス」という雑誌。季刊で発行しているらしいが、最新号はバイオマス特集のよう。
 
Photo
 
こーゆー表紙。私は当然ながら買わず(~_~;)、立ち読みしただけなのである。内容は,それなりにいろいろ説明しているが、それについては触れない。ただ、表紙が気にかかった。
 
丸太の山積みなのである。
 
やっぱりバイオマス=木材=丸太、という連想なのだろう。
 
写真の丸太は相当素性がよいし、これを燃やすのか?と思ってしまう。この写真は、あくまでイメージであるのかもしれない。しかし、専門の雑誌が表紙写真に選んだ時点で、大きな勘違いが広がっていることを示すのではなかろうか。
 
そもそもバイオマス・エネルギーにする木材は製材端材や、建築廃材、その他木片・木屑であるべきなのだが、十分建材になりそうな丸太を燃やすのはスタート時点で掛け違いが起きていると思う。
 
バイオマスエネルギーの利用を、熱ではなく発電としたこと。
未利用材区分をつくって、それをFITでもっとも高く設定したこと。
小規模分散ではなく、大規模集中型施設を推進したこと。
 
これらは制度というかシステム設計の過ちだが、加えてイリーガルな世界が広がっている。
 
燃料の素性のチェック体制がまるで甘いこと。廃棄物処理のいい加減さ。産廃を未利用材と偽れば、FITの差額は莫大である。産廃の場合は、燃焼灰が強アルカリや強酸性になることもあるが、どのように処分しているのか。。。
 
そういうことを専門誌には追求してもらいたいんだけどねえ。
 

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コメント

木質バイオマスのエネルギー利用としての《発電》とか、言うのでしょうが、何らかの企みを感じます。

木は製材して利用するのが一番で、製材の過程で発生する副産物を更に活用するのであれば、全体的に見て《麗しい方法》。勿論、枝や皮も副産物利用の部類。

ま、簡単に、燃すなよっ!!・・・ですかね。

ツイッターに書き込みがあったのですが、バイオマス熱ボイラーは厚生労働省の管轄、発電用ボイラーは経済産業省の管轄だそうです。
経産省が主導する事業だから、発電しか興味ないわけです。縦割り行政が、ここまで及んでいるのですかね。

当然の疑問として、コージェネの所管はどこなんでしょうね?

コジェネが普及しない理由も、そこにあったか(笑)。

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