WEBRONZAに「九州北部大水害と林業の関係を考える 」を執筆しました。
このサイトは有料ページなので、契約していない人は冒頭しか読めない。
もっとも内容は、7月の水害発生時にブログやYahoo!ニュースに記した路線である。
ただ今回は、ちゃんと水文学の専門家に取材して、原稿チェックも念入りにしてもらったから自信を持って世に問える。(え、ブログ記事は自信がないのかって?)
それに本当に書きたかったこと、執筆した理由は、冒頭部分に示してあり読める。
>水害と森林の関わりについては、長年の研究で積み重ねた科学的な知見がある。
この部分である。
水害に限らない。どんな事象でも、それなりに科学的なテーマはコツコツ研究されており、多くの知見の上に現在がある。それに対して敬意を持たねばならない。
ところが、ときに過去の積み重ねを否定する声が出てくる。むしろ過去の研究成果をひっくり返すことが正しい、かっこいいと主張する輩が増えている。
「人が森に手を加えたから水害が起きるのだ」と唱えると、納得した気持ちになって心地よいのだろう。
とくにSNSでは、他人の発言にツッコミを入れるのを楽しんでいるようなところがあり、「こいつの知らないことを俺は知っている」と言いたがりが集まっている。
しかし長い年月をかけて見つけてきた科学的知見を軽視するなかれ。もしひっくり返したければ、積み上げてきた論文と同量の新事実を見つけるべきだろう。
修正することはあっても、それも積み重ねの上だ。アインシュタインの相対性理論が登場したからと言ってニュートン力学が否定されたわけでもなlい。
拙著には、かつて「森は酸素を出さない」とか「木を伐って森を守る」なんて一般人の常識とは逆の言葉が並んだから、奇をてらう意見を集めているかのように誤解する人もいた。
逆だ。私は可能な限り定説となった知見を選んで扱っている。 むしろ間違った常識が広がっていることに警笛を鳴らしているつもりだ。
おりしもフェイクニュース、オルタナティブ・ファクトなんて言葉が流行り出したが、踊らされてはいけない。
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