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森と林業の本

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2017/09/19

林野庁が「森林バンク」とな?

林野庁が放置人工林の整備のために「森林バンク」制度を創設する計画のようだ。年揚げの通常国会に法案を提出する予定とか。

 
Photo
 
ネットでは、こちら 。   
 
とうとう出てきたか、というのが最初の感想である。以前より議員WGやら識者の懇談会等で、提案が出されているのを聞いていたからだ。そして、私なりに森林バンク構想を練っていた(笑)。
 
今回の構想は、放置されている人工林を整備することを目的に掲げてある。この手の問題が起きると、必ずと言ってよいほど森林バンク的な機関が想定されるが、その根底には国に任せたら安心、みたいな発想があるのではないか。
私は反対だ。国に任せたら不安である。責任なく、机上の論理ばかりになりかねない。
 
 
今回は、市町村が森林を借り上げて、実際の作業は木材生産会社などに委託するとしているが……ちゃっかり林道整備や林業機械は国が支援するそうだ。
加えて、記事には無料で借り上げて管理するのに「年間500億円規模かかる」と試算しており、そこに国の森林環境税を当てるというのだ。この金額はなんだ(笑)。ここが怪しい。
 
手入れすると言って、逆にひどい施業をする例は多い。重機で土壌を引っかき回したり、バイオマス燃料用に皆伐して、「放置森林を手入れしました」と言いかねない。     
そもそも環境保全のため、とお題目を掲げるのなら、たとえば1ヘクタール以上の皆伐は禁止とか、再造林を10年以上監視するスキムを盛り込むべきだろう。10年後に成林していなかったら罰則を与えるぐらいでないと信用できない。
 
以前も少し紹介したが、「農地バンク」なるものがある。農地をやる気のある「担い手」の元に集めることを目指したが、発足後ほとんど機能していない。農業も大規模化することで「成長産業」とする計画だったが、見事に失敗しているのだよ……。
 
 
ちなみに私が考えている森林バンクは、「意欲ある林業経営者」に森林を預けるのではなく、「金のある異業種企業」に森林を斡旋するバンクである。森林を所有する名誉を与えて、金を出させる。ただし、実際の森林経営は専門のプロに委託しなければならない。国の森林総合監理士もいいが、地元で養成されたフォレスターも混ざった森林経営委員会を作らせたらよくないか?
また斡旋業務は、新たな組織を創設せずとも地方の金融機関が担ってくれるのが一番だと思う。だって、地元の企業の財務状態をもっともよく知っているから。
 
 
まあ、ああだこうだ、と、私も責任負わずに机上の論理で考えているだけだけどね(;´д`)。
 

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