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2017/09/12

倒されたアカメガシワ

タナカ山林の見回りに行った。少し日が開いたかな、と思うが、実際は一週間ぐらい。

 
が、異変があった。
 
179_2
 
道に近いところに生えていたアカメガシワの木が倒されている。
 
アカメガシワは、明るい土地にどんどん生えて生長も早い。だから皆伐した跡にもどんどん生えてくる。私は、たいてい草刈りと同時に伐っていたのだが、3本だけ残していた。皆伐跡地は当分草むらになるだろうが、アカメガシワならすぐに延びて樹林ぽくなるのではないか、と思ったからだ。
それに全部駆逐するのではなく、数本残しておこう、次の森の構成樹種に入れようというつもりもあった。
 
その3本が、写真の通り、無理やり倒されている。すでに直径は10センチ近いから、思いつきで押したら倒れた、ということは有り得ない。倒された幹を見ると、樹皮に何か傷がついているし、根元は伐られていない。何か強い力で押し倒したとしか思えない。
かといって、車などが突っ込んだ様子もない。あくまでアカメガシワ3本だけが倒されているのだ。
 
近隣の住人が、道沿いの木を邪魔に感じて倒したのか、と想像したが、それもおかしい。こんな倒し方をしても見通しがよくなるわけもなく。
 
 
さらによく見ると、こんな木も。。。。
 
179_5
 
こちらは、枝を引っ張って引き裂くように倒したようだ。
 
 
いたずらにしては手が込んでいる……というか、簡単にできることではないので、かなり力がいるだろう。
 
なんか、ムカつく。見れば根元にアイスクリームの容器のようなプラスチックゴミもあるし……。
 
私は手ぶらだったので、この日は処置できなかったが、結局、アカメガシワは伐らないといけないだろうな。もう一度立てるのは無理だ。
この手の不愉快なことが起きるのなら、山を一般開放なんぞしたくないという山主の気持ちもわかるよ。日本の森に「万人の立入権」は与えられないな。
 
 
 
179
 
ちなみに、こちらは皆伐した土地とは別に間伐だけで済ませた区画。
伐ってから3年は経つのに、あんまり植生の回復は進んでいない。切株からの萌芽は出ているのに、あんまり生長していない。皆伐区が草ぼうぼうなのと対称的だ。
そこそこブッシュ状態から林床が明るくなるように抜き伐りしたつもりだったが、効果は薄い。
 
やっぱり間伐では、里山の遷移をもどして若木を増やすのは無理、という実験結果が出たのであった。

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