拙文(『森と日本人の1500年 』平凡社新書)が、某社の小論文模試の問題に使われたようだ。
農・水産・環境学系コース用の設問である。
その通知が来て、解答例文と解説集が届いた。それに目を通すと面白い。
まず引用された拙文。(全部じゃない。全体を知りたい方は、本書を手に取ってください。)
ここで注目してほしいのは、問題の(2)の方。「これからの日本の林業の活性化について,あなたの考えを横書き・800字以内で述べなさい」だと。
受験生に、林業振興のために必要な方策を論じさせようというのだ。
当然、受験生は高校生で、林業に詳しいどころか興味のある人だって超少ないと思うが……。これ、受験勉強の問題として読むのではなく、高校生に林業を考えさせるチャンス、いや解決策を論じさせる事例として捉えると面白いではないか。
もちろん、受験生の持つ情報は少ない。だが、課題文で触れている事項から論理的に考えればそれなりに方向性が見えてくるはずだ。
そこで、解説文の一部を紹介する。まず「出題のねらい」。
「
今後必要となるであろう林業への取り組みについて考えさせよう」とは!
そして、ヒントも示している。
ちなみに解説者は、それなりに林業について詳しいようで、拙著には記していないことも触れて説明していることが気付いた。『森と日本人の1500年』の出版は2014年だが、解説の中には平成26年の木材自給率を紹介している。しかし、この数字が発表されたのは翌年だから、拙著の出版後だ。つまり解説者自ら別途情報を得たのだろう。ほかにも自伐林業を紹介したりもしているのには驚く。
案外、林業マニアだったりして(笑)。
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