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2017/09/11

『文明崩壊』とFSC

昨日の新聞の裏面にこんな広告があった。

 
Photo
 
見た通り、王子製紙のネピアの広告だが、FSCをこんなに大きく扱っているので目に止まったのだ。材料がFSCの紙を使った商品はそこそこ増えてきたが、それを前面に謳った広告はそんなに見ない。日本も、ようやくここまで来たか……と思ったわけである。
 
 
実は、現在読んでいるのが『文明崩壊』(上・下)。ジャレド・ダイアモンド著。草思社
 
Dsc_0595  
 
2冊で厚さが6センチにもなる。正直、全部通して読みきる自信がない(-.-)。
とはいえ、実に興味深い内容だ。イースター島、ピトケアン島とヘンダーソン島、アメリカ先住民(アナサジ族)、マヤ、ヴェンキングとグリーンランド、ルワンダの大虐殺、ドミニカとハイチ、中国、オーストラリア……多くの国の文明とその盛衰を説き明かし、その根底に環境破壊があったことを指摘していく。
環境の歴史と文明論という、私的には涎の出そうなテーマなので懸命に読んでいる。
 
この場合、破壊される環境の多くが森林である。
そして、森林を守った文明として取り上げられるのが、ニューギニア高地と日本。それにトンガとティコピア島なのだ。(世界最古の農業を始めたのはニューギニア高地民。)
 
日本も、ご多分にもれず森林破壊を続けてきたが、江戸時代にそれにストップをかけることに成功している。それはなぜか……?
 
一方で、大企業と環境をテーマに論じる中で、唯一の成功例、というか希望のある取り組みとして紹介するのが森林管理協議会、つまりFSCだ。
 
オレゴン州の2つのホームセンター「ホーム・デポ」で行った実験が紹介されている。
同じ質・大きさの合板にFSCのロゴマークラベルを張ったものと張っていないものを用意して売上を見るのだ。
すると同じ値段の時は、倍以上も売上が違う。もちろんFSC付きの方が売れるのだ。
ラベル付きの方を2%高くしたときも37%の客がFSC合板を選んだ。
 
アメリカでは、FSCがそんなに普及しているのか。オレゴン州は、そんなに先進的な「意識高い系」の州ではなく、平均的なアメリカ人の住む地域である。
日本では、そもそも区別のつく客自体がどれほどいるのか心配になる。
 
ちなみに本書の発行は2005年だが、原著の発行は当然ながら数年前だ。そして執筆期間を考えると、この実験が行われたのは2000年前後ではないか。今から20年近く前でも、アメリカでは森林認証制度について広く知られていたのである。
 
その点、日本はようやく広告に大きく出たことを驚くレベルなのだから……政府も相変わらずFSCを横目に見ているしね。
 
国内の森林は守ったが、海外の森林の破壊には知らんぷり。これが日本の実態かもしれない。

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