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森と林業と動物の本

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2017年10月

2017/10/31

大和森林物語~林業家のスイス研修

昨日に続いて、自分の記事の紹介になるが……毎日新聞奈良県版に連載中の「大和森林物語」は9回目になった。

 
毎回紹介するのは止めたが、忘れられない程度に(~_~;)紹介しておく。本日10月31日に掲載された記事がウェブにも転載されている。
 
 
ちょっと、このタイトルだけではわからないだろうが、奈良県では今年の夏も林業家をスイスに2週間の研修に送り込んでいる。その話。奈良県から一気に海外まで飛んでしまったよ。
 
実際に参加した森林組合員の中森さんの話を中心にしているが、多岐にわたる感想の中で、今回は都市林業を紹介した。首都ベルンの近郊で本格的な林業をやっていて、その側を市民が平気でジョギングしている……という状況の紹介だ。
 
 
その中でも、私が気に入ったのは、以下の写真。お借りした写真の一部を拡大したのだが、森の中に、丸太を使ったベンチなどがつくられている。その太さの木がゴロゴロしているのも感心するのだが、逆にこれぐらいなら日本でもすぐにできること。
 
2_2
 
でも、日本では公園など特別な場所でさえ、なかなか見かけない。現場の人の一工夫で、簡単に森が楽しくなるのにね。そもそも林業現場に市民を入るのを極端に嫌うし。
 
 
ちなみに、日本人が研修に行ったことは現地の新聞に掲載にされたようだ。全然読めないけれど(~_~;)。
 
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2017/10/30

Wedgeに「間違いだらけの獣害問題」書いた裏事情

Wedge10月号に「捕獲すれども被害は減らず、間違いだらけの獣害対策 」を執筆しました。

それがウェブ版のWedgeInfinity に転載されました。
 
Img002
 
これ、実は半年ぐらいかけて取材していて、なかなかの力作です(笑)。
もともと、現在の獣害対策はおかしい、間違いだらけだし、ジビエ振興が対策になるわけがない、という私の見聞から始まった。その点からすると、2年以上前にもYahoo!ニュースに「ハンターが減ったから獣害が増えた?いえ反対です 」という記事も書いている。
 
しかも、Wedgeの記事として取材を初めてから「獣害とジビエは違うのだから、別の記事にしようか」と提案されて、それで先に書いたのが「ジビエ・ビジネスの光と影 」である。
 
 
ついでに言えば、派生して書いたのがYahoo!ニュースの「獣害駆除にもアニマルウェルフェア 」。こちらの取材はWedgeの記事を書き終えてからではあるが(^o^)。
 
 
結構、動物記事は多いのだよ。
 ゛
もともと私の森林ジャーナリストとしての原点は、野生動物にある。。。。というと不思議に思われるかもしれないが、かれこれ学生時代まで遡る話。ボルネオにオランウータンを追いかけに行ったのが、森林問題に目覚めるきっかけだった。卒論も獣害だったし。
 
だから、原点なのだよ、この記事は。
 

2017/10/29

戦国の植林~直虎の時代

NHKの「女城主直虎」を見ていたら、いきなり伐採シーンがあって、その後山崩れが起きたので植林する……という展開となっていた。

 
それがすごいのだ。まずマツを植林するシーンがある。ちゃんと三寸の深さで掘って苗を植えて踏み固める、隣とは一尺半空ける……という作法が紹介されている。
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時代は、長篠の合戦直後という設定だから、1575年である。場所は、井伊谷、つまり天竜地方である。
 
まあ、その時代に木を伐ったら山が崩れるという知識があるのはよいが、その対策として植林するという発想はどれだけあったのだろうか。しかも技術として植林が確立していたのだろうか。
 
もしあったら、吉野で植林が始まった時期とかなり近いことになる。(吉野の植林時期は、川上郷で文亀年間、西暦1500年当たりとされているが、これは元亀年間の誤記であり、これなら1570年当たりになるのではないか、と言われている。)
 
 
そして、その数年後?かに、育った苗木が紹介されている。
 
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これって、スゴイよね。だって、苗木を植えるシーンを撮影した後に、その苗木を引き抜き、今度は数年育った幼木を植え直して撮影したということを意味するのだから(^o^)。
 
写真の背景からして、同じ場所であるのは間違いないが、大変な手間をかけて数分のシーンを撮ったのだろう……でも、どこの山だろうなあ。
 
 
ちとマジに考えると、長篠の合戦後に山崩れが起きて、その後植林をしようとするまでに早くても1年ぐらいかかるのでないか。さもないと苗木の調達が難しいだろう。それとも山取り苗か?
 
そして絵にある寸法まで育つには3~4年はかかるように思う。その間、下刈りしたのかなあ。草生えていないし。
 
ま、こんな意地悪? いや深読みするのも歴史ドラマを見る際には面白いのではないかい。
 

2017/10/28

日本のトロル

ノルウェーに行って気になっていたことがあった。

 
ノルウェー各地でトロルを見かけたのだ。
街角にも、おみやげ屋にもある。
 
2 オスロ空港
 
これ、北欧の妖精の一つらしい。トロル、トロール、トロルド、トゥロール……微妙に違うものの、姿形ははっきり描かれていなくて、巨人だったり小人だったりするらしい。男、女、子供、老人、ときにヴァイキング姿、サッカー姿、サーファー姿、スキーヤー姿などもあるとか。
ある種、変身できる森の妖精・妖怪と見立てたらよいのかもしれない。また人に害悪を与える場合もあれば、助ける場合もある。だから、こんな標識もある。
 
Photo トロル注意!
 
ハリーポッターやムーミンにも登場しているというのだが、よく知らない。
 
 
ただ意外な形で、日本にも広がっていることをご存じだろうか。
こんな姿で(~_~;)。
 
Photo_2
 
となりのトトロ」のトトロとは、登場人物のメイが森で出会った不思議な生き物?の名前だ。
ただし、名をつけたのはメイ。絵本で見たトロルと重ねて「トロルでしょ」と言おうとするのだが、そこでなまって(うろ覚えだった?)「トトロでしょ!」と言ったことからトトロと名付けられるのだ。
この命名は、なんでも宮崎駿の知人の娘が、トロルのことをトトロと発音したことを覚えていて採用したのだ、とどこかの記事で読んだ記憶がある。
 
 
いずれにしても、日本では「トトロ」という妖精?妖怪?はすっかり根付いているが、原型はトロルにあるのだよ……ということを今頃言いたくなったのである(笑)。

2017/10/27

来年度予算要求④流通コスト対策

来年度の林野庁予算要求内容も、先週に①、②を紹介し、③に相当するのはYahoo!ニュースに書いたので、今回は④になるのだよ。
 
 
今回は、川上側から川中・川下側。流通コストの削減を後押しする施策を考えているようだ。
その方法は、伐採から建設までの各業種を連携させること。それによって無駄を省き、コストを圧縮させようというわけだ。そこで連携ができた製材所を支援する。つまり建設業者との連携ができている製材業者に対して優先的に補助対象とするという策。
木材加工施設などを造る際の補助金は、現在もあるが、ちゃんと売り先も確保しておけよ、ということだろうか。
 
私はずっと林野庁を貶してきたように思う人もいるかもしれないが、,これはいいんじゃないか? と、珍しく褒める。
売り先とそこで必要とされる木材の質(木取り)がわかっていれば、無駄が出ないことは以前から指摘されてきた。しかし、みんな化かし合いをやっている。いかに安く買いたたいて、高く売るかに腐心してきたからだ。だから、どの業者も疑心暗鬼になる。それを補助金をチラつかせることで、連携させようというわけだ。
 
一方で、伐採から製材、そして建設まで全部こなす業者を増やす算段もしている。たとえば製材業者が伐採事業に進出する際、設備導入を補助するそうだ。
 
これは、どうかなあ。どの業態も、結構なノウハウを必要とする。建設なんて、簡単にできないし、しても販売ノウハウを持つのは大変だ。
家の産直を謳って、山側の業者が欠陥住宅ばかりつくったり、逆に川下の工務店が原木や製材を買い叩いた事例を思い出す。
一方で「顔の見える家づくり」を持て囃した時代があった。まさに伐採から製材、建築までネットワークを組んでトレーサビリティのも持たせる方法だった。だが、結果的にほとんどのネットワークが休眠してしまっている。結局、ここでも疑心暗鬼になって、誰がどれだけ儲けるか、利益配分がおかしくなった。
 
結局、多種業界を一社でやろうとして成功できる地力のあるのは、相応の資金力と人材を揃えられる大手だけになるような気がする。
 
A材対策というものもあった。今売れるのはB材C材D材と安いものばかり。質が良くて利益も大きい建築用材の需要拡大の必要性がある。
そこでA材に関して、強度と乾燥度を担保したJAS認定を受けた木材を工務店・ビルダーが購入した場合に補助金を出す案だ。
 
なぜこれが、A材対策になるのかよく理解できない。
そもそもA材を使わず、集成材やパネルを使う建築の場合は関係ない。補助金分を儲けるめに、工法を変えてまで無垢のA材を使おうというビルダーがどれだけいるのか。
いっそ、補助金をビルダーに払うのではなく、A材が売れたら山側に払うのならわかるが。もっとも、これもビジネス的モラルハザードだなあ。

2017/10/26

Yahoo!ニュース「森をなくすことに補助金?…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「森をなくすことに補助金!林業政策の大転換 」を書きました。

 
 
これは、先週に続けて書いてきた「来年度の林野庁予算請求 」の続きだ。もっとも引っかかった点を、どうせならとブログではなくYahoo!ニュースに記そうと思ったのである。
 
 
実は、以前、林業の補助金がいつ頃からどんなものが出始めたか、ということを調べたことがある。すると、戦前にもわずかながら造林に補助金は出されたようだ。そして戦中にも出されていた。やはり、造林は大切と見なされたみたいだ。
 
そして戦後は、時代と共に次々とスケールアップされていく。
 
しかし、70年代だったか「これ以上は出せません」という声が、林野官僚から出てきた。
やはり、「営利事業に税金は使えない」という原則に従おうとしていた。その点、真っ当な神経を持っていたと言えるだろう。
 
が、結局は歯止めがなくなるのである。
 
もはや地球環境だ、公益的機能だ、という言葉自体が消えつつある。むしろ林業振興のため……いや、失業対策のため? になりつつあるのではないか。
 
お役人、といえば「杓子定規」というイメージを当てはめることが多いが、いまや「なし崩し」「理由は後から付いてくる」の方が近いかもしれない。
 
 
でも、これで喜ぶ山主や、素材生産業者は多いだろうなあ。再造林セットなんて、誤魔化すことはいくらでもできる。また植えるだけで放置して、その後は枯れたり食われても知らぬ存ぜぬになるのではないか。
 
……こうしたことを書くと、山主、儲かるのは素材生産業者の方だと思うが、きっと反発が噴き出るだろう。せっかく儲けるチャンスなのに邪魔するな、と。ま、モラルハザードを来した人に文句を言っても仕方がないが。
 
 
あえてマシな形を考えるなら、皆伐・主伐に補助金を出すのではなく、再造林を10割補助にするようにしたらどうか。そして10年後に成林していなかったら補助金返却を迫る、ぐらいにしてほしい。それなら、ずっと先になるが森にもどるだろう。
 
Photo 植林された皆伐地

2017/10/25

もさもさ(^o^)

某神社の本殿前の木。

 
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なんか、笑う。おそらく大きくなりすぎ枝葉が広がったので幹の途中で伐採したのだろう。根元から伐らなかったのは、ある意味、木を残したかったのかもしれないが、結果的に木は枯れなかったのだからよかった(^o^)。
 
が、切り口からモサモサと萌芽が出たのだね。まさか、こんな形状を狙ったわけではないだろうが、なんとも珍妙な本殿前の造形となってしまった。
 
これ、実は本殿前の両脇に2本あるのですよ。どちらも、モサモサ(笑)。
 
 
全然関係ないが、先日の小浜で寄った若狭彦神社には、巨木の杉2本が参道にあって、これを鳥居と見立てていた。
 
7
 
別に上でつながっているわけではない。参道脇に木を植えるのは、鳥居の起源と関係あるのだろうか。

2017/10/24

キノコの見方

某大学のキャンパス内で、キノコ群を発見。

 
1  
 
造成終わったばかりで、バーク(樹皮)をマルチング用に敷きつめた場所だったが、そのバークに菌糸が付着していたのかな?
 
キノコの名前はわからない。が、こーゆーキノコを見つけると、上から目線より、
 
5
 
コビトの気持ちになって見ると、結構楽しい世界が広がっている。

2017/10/23

若狭塗り箸の今

昨夜は、台風の風でビルが揺れるという希有な体験をした。

そして今朝は台風一過の青空……を期待したのだが、なんとまだまだ降り続ける吹き続ける。ずっと遠方に去ったはずの台風なのに、なんてしぶといんだ。
 
1
各地で川が氾濫したり山崩れも起きたらしい。今日案内していただけるはずの林業家の山も崩れたとかで、訪問も中止。私としては長靴も用意していたのだが、時間を持て余す結果になった。
 
とはいえ、ホテルにこもるのもナンなので、出かけた。
 
その一つが、「箸のふるさと館WAKASA」。小浜は、若狭塗り箸として知られる塗り箸の産地である。日本の塗り箸の過半を占めているのだが、以前割り箸取材の際に訪れたことがある。せっかくだから再訪して、現状を聞いてみた。
 
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意外や、塗り箸の売上はたいして落ちていないという。長い目で見てはじり貧ではあるらしいが、割り箸のように樹脂箸に食われてガクンと落ちた……ということはないそうだ。
みんな八角箸、六角箸、アメ箸、鉛筆箸などデザインを工夫したり、人気の動物などの絵柄を取り入れたり、そば箸、ラーメン箸、合格祈願箸、親子ペア箸……など、あの手この手で工夫しているという。その点が、割り箸業界とは違うのかなあ。
一方で、伝統的な本漆の箸はめっきり減ったそう。
 
こうした業界の動きを知っておくことも大切なんじゃないか。
 
 
 
ところで、奈良の早春を彩るのが、東大寺二月堂の「お水取り」だが、その水は、小浜から送られる。だから、小浜では「お水送り」という。
その行事の行われる神宮寺にも行ったのだが、土砂降りのためか閉まっている(泣)。
ほかにも若狭彦神社(上社、下社)も濡れながら参拝。 
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神宮寺の水と、若狭彦神社の千年杉。
 
 
さて、帰ろうとしたら、高速道路が通行禁止(泣)。(泣)。。
そこで山越えで滋賀に抜けるルートで帰途につこうとしたら,またもや途中で通行禁止。・°°・(>_<)・°°・。。
台風には祟られました。。。
 
 

2017/10/22

台風下の講演会

台風下の講演会
小浜に来ている。選挙投票日と台風直撃。こんな日に参加者いるの? と思っていたが、時間になると続々と足を運んでいただいた。
最終的には8割入り。60人くらいにはなっただろうか。イメージ的には満席だ。

お陰さまで講演会も盛り上がった。
感謝感激である。

今はホテルの部屋に帰っているが、窓の外は、文字通り嵐。ゴウゴウ、ドンドンと風が鳴る。8階建てのビルが揺れる。すごいぞ、台風。


明日は地元林業家のところにお邪魔する予定だが、大丈夫か?

2017/10/21

街の人工森

このところ大阪と京都の街中で「森」を見てきた。

ちょっと特徴的。
 
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こちらは大阪・なんばパークス。下から上から。
 
緑化業界?ではわりと有名だと思うが、大阪ミナミの大阪球場跡地に立てられた地上10階建ての複合商業ビル。シネコンからレストラン街まであるビルの屋上が、3階以上の屋上には段々畑か棚田のように緑化されて森をつくってある。設計者はアメリカ人。
 
オープンが2003年だから、14年経つわけだ。
 
私は、オープン当初に訪れているが、さすがにその際は屋上庭園と言っても、植えられたばかりの草木はまばらで貧弱だった。
 
それが今では……。
 
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太いサクラが育っている。20年経たずして、直径30センチ級になるのだ。これを育てるには土も深くないといけないだろう。ハロウィンのカボチャがあるのはご愛嬌だが。
 
人工的な自然ではあるが、近くに住んでいたら毎日散歩してもいいな、と思わせる。
 
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木のステップは一部腐朽していた。これは、どの頻度で交換するのだろうか。
 
 
一方、京都駅前の地下街には、臨時の北山台杉の庭が。
 
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某有名なプラントハンター? 造園家の作である。
 
こちらは期間限定なんだろう。このまま育つと困るだろう。触るのも中を歩くのも禁止。
なんのため? 外国人観光客にアピールして、台杉仕立ての庭木の注文が入ることを狙っているんだろうか?
 

2017/10/20

来年度予算②所有者不明山林問題

所有者不明の土地の問題がクローズアップされている。私も、それに関する記事を執筆するため取材したおかげで、わりと身近に感じているのだが……来年度の施策にもその対策が盛り込まれているようだ。
 
 
もっとも、これまで手を打ってこなかったわけではない。
たとえば「要間伐森林制度」というのが2012年に設けられている。知事の裁定によって、所有者の分からない林地の間伐を第三者(森林組合)に任せるというものだ。
共有者不確知森林制度」もある。こちらはなんと今年2017年に開始したものだが、共有林で一部の持ち主が不明の場合は、市町村による公告と知事の裁定を経て、判明している持ち主らの合意のみで伐採を可能にするもの。
 
ところが、どちらも公告申請件数は現在までにゼロ。
なんたって、公告というのはかなり強権の発動であり、訴訟リスクがあるからだろう。伐採してから、所有者が見つかり、訴えられたらイヤだと感じるのだろう。それに手続きも煩雑。
 
それを来年度からより簡単な手続きで、間伐や伐採を行えるように見直す……それが可能かどうかも検討するということらしい。
 
 
でも、まあ、これらの見直しが行えても、適用するのは伐採あるいは林道・作業道を入れる必要のある山林ということだろう。伐りたい山があるのに、一部の反対で伐れない……なんか、伐るのが至上命題みたい。
 
それは昨日のエントリーとも共通するが、ようは木材生産量を増やすことだけが目的なのだ。森をよくする、美しい森をつくる、という目的を感じない。
たとえば雑木林などの山林、間伐をしても利益が出そうにない森に関しては放置するのだろうか。
 
その前に、所有者を探し出す、説得するというプロセスが見えないのだが……。
 
実際に強権を発動してまで実行するのは、所有者不明山林と言われるうちの何%だろうか。
 

2017/10/19

来年度の林野庁予算要求を見る1

選挙戦も終盤だが、こうなると私は興味を失う(~_~;)。
 
そこで、一歩進んで選挙後の内閣にとって最初で最大の仕事となる2018年度予算案づくりに眼を向けてみた。すでに大枠は決まっているのだ。
 
 
林野庁は、相変わらず「林業の成長産業化」施策を掲げているが、要求額は約300億円。
いくつか興味深い点があるが、その一つは「森林管理を伐採業者に委ねるスキーム」だ。「意欲と能力のある伐採業者」を選んで絞り込み、設備導入費や間伐費の補助を集中的に支援する計画である。
 
これ自体は、以前から言われてきたのだが、そこに3段階設けている。
①森林所有者の管理責務を明確化する
②所有者が管理できない場合は自治体が「意欲と能力のある伐採業者」に管理を委託する
③委託先が見つからなければ市町村が管理する
 
この②と③が、結果的に「意欲と能力のある伐採業者」に委託するのだろう。
そこで業者の要件が問題となる。どうやら自治体が業者のリストをつくるらしい。
 
その基準が「確実に利益を上げられる業者」であることだ。事業量の増加に対応できることや、「主伐や再造林のガイドラインがある」といった要件を想定している。
 
そこに高性能林業機械や路網整備費、間伐作業費などの補助金を集中的に支給する構想のよう。
これって、ようするに大規模に伐採できる業者を優先するということだろう。どんどん伐れよ、息切れするな、休むな、社員旅行はハワイだぞ、なんていうイケイケドンドン業者である。
 
今後も規模拡大路線を続けていくわけか。なんか、九州辺りの大面積皆伐を得意としている業者を想定しているように感じる。宮崎には、NPO法人ひむか維森の会が作り上げた「責任ある素材生産事業体認証制度」(CRL認証)もあるから、この認証を受けた業者ならガイドラインを持っていると認定できるだろうし。
 
将来に向けて森づくりにじっくり取り組みます、小さく、少しずつ、持続的に林業続けます、という業者は多分排除されるだろう。「排除の論理」(笑)。   
 
そこに加えて、森林環境税の導入も睨んでいるようだ。ここで得た資金を、上記補助金に回すつもりか。もはや新増税は確実に通ると、決めているのだね。
各党の公約を見ても、どこがどんな政権を立てても、この方向性は変わらないのか。あるいは、各自治体は抵抗できるのだろうか。

2017/10/18

横長部屋の講演

今日は、大阪で「日本芝草学会」で講演。

楽しく話させていただいた。
ただ部屋が驚くほど横長なの(笑)。
3つの教室を連ねたようだが、幅50メートルくらいある?プロジェクターも3つ。

だから私も、首を右左に振りながら話したのでした(^-^)v 

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2017/10/17

Yahoo!ニュース「総選挙の各党の環境と森林政策……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「総選挙の各党の環境と森林政策を見てみた 」を執筆しました。

 
これ、なんとなく乗り気はしなかった。いまさらという気分と、どうせこの手のテーマはアクセス数も増えないだろうし、という打算(~_~;)から。
 
実はYahoo!ニュースの編集部から、 「希望の党の“花粉症ゼロ”という政策について何か書きませんか」という提案をいただいていたのだ。
しかし、それを受け取ったのがノルウェー旅行の真っ最中。ちょっと時間的に無理であるし、論じるまでもないというかたいして紙数を費やせないと思って流していた。
 
しかし、帰国後はそれなりに時流に触れる。私も選挙に行かねばならない。 
で、一応やっとくべきだな、という使命感? 森林ジャーナリストと名乗らせていただいている限りは、業界記事ばかり書くのではなく、世間に示すべきものがあるという崇高な(笑)思いを持って調べだした。
 
しかし、各党の公約を調べるというのは、思っている以上に手間だ。というより、いくら公約のホームページを探し出して読んでも、森林や林業政策とか環境理念に触れている部分を見つけることが困難なのだ。
 
いかに、今回の選挙に向けた公約が薄っぺらというか、考える暇がなかったというか。。。新党も多いこともあるが、世間の興味が地方や環境などに向いていないことを示しているのではないか。
 
まあ、各種マスコミでは、憲法や原発などの政策比較が行われている。それに加えて見てください。あと数日で結論が出るのだから。
 
 

2017/10/16

「日本再興戦略」にリグニンの文字

日本最高! じゃない、日本再興戦略というのを知っているだろうか。
昨年日本再興戦略 2016 」が政府によって閣議決定されているのだが、その中に
(8)攻めの農林水産業の展開と輸出力の強化
という項目がある。
そこには人材力の強化とか輸出力の強化とかスマート農業とか……ま、相変わらずの能天気な項目が並んでいるのだが……この中の林業分野を見てみた。
 
 
林業の成長産業化
① 新たな木材需要の創出
② 原木の安定供給体制の構築
の二つがある。
 
この内容も、そんなに目新しくない。新国立競技場において国産材を積極利用などグダグダと並べて、結局はCLT(直交集成板)などの新たな木材製品の活用が比較的大きく取り上げられている。
 
しかし、その後に付け足しのように木質バイオマスの利用促進や、セルロースナノファイバーの国際標準化・製品化と並ぶ。
そして付け足しの付け足しとしてリグニンを用いた高付加価値製品の研究開発が入っていた。ここに、私はここに眼を向けた。
 
リグニンは、農水省のバイオマス推進基本計画の中でも活用に触れている。
 
思えばリグニンの利活用研究は、三重大学の舩岡教授によって20年も前に始まっていたのだが、研究室レベルでは上手くいくのに実用化が進まなかった。ある意味、無念の塊なのである。
 
私も何度も紹介してきている。そして今回は森林総研の研究である。
それについても紹介している。
 
 
 
今回もわずか数行の記述ではあるが、少なくても研究室レベルから政府の戦略レベルまで持ち上がったということだ。セルロースナノファイバーと並んで、リグニンが林業に関わるようになる可能性があるかもしれないのだ。
   
それがどうした、と言われるかもしれないが、私はちょっと唾を付けておく(~_~;)。今後、大きく注目されるようになったときに、ちゃんと私は10年以上前から注目していたんだよ、今回の再興戦略にも入れられているのに気付いていたよ、とアピールするために(笑)。
 

Photo (農水省HPより)

2017/10/15

10月22日は、ぜひ……

私の手元に、総選挙の入場整理券が届いた。

 
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そう、10月22日は衆議院議員総選挙と最高裁判所裁判官国民審査の日である。
皆さん、必ず行ってくださいよ!……と一応は言っておく(~_~;)。
 
私は、明日にでも期日前投票に行っておこうかな。。。
 
そう、22日は地元にいないのだ。この日、私は福井県小浜市に行く。れいなん森林組合の招きによる講演会である。
小浜市にあるが、福井県嶺南地方の6市町を管轄する大きな森林組合だ。敦賀市やおおい町、高浜町、若狭町、美浜町も含む。森林の水PR館という施設も持っていて、この日は森の感謝祭も開催中
、  
 
告知は、こちら(チラシ)
 
演題 期待される林業イノベーション
日時 平成29年10月22日(日曜日) 13時30分から
場所 れいなん森林組合 森林(もり)の研修館 小浜市神宮寺5-30
定員 先着150名まで(入場無料)
 
連絡先 れいなん森林組合 0770-65-5600(山本・小谷)
 
正確には、嶺南林業振興会とれいなん森林組合の共催だ。もちろん、決まったのは、何カ月も前。
 
 
まさか、その日が総選挙投票日となるとは……。
この講演会は、森林組合なと林業関係者はもちろんだが、地元の市町村の林務関係者向きに企画したということだった。だが投票日となれば、自治体職員はみんな投票所や開票所に動員をかけられるだろうから、参加はかなり厳しくなる。
 
私としても、どうせなら人数が多い方がよいに決まってる(~_~;)。
 
 
そんな時に、たまたま私の読者から、講演会に参加したいが近く開かれませんか、というメールが来た。
 
そこで、この小浜のものを紹介した。メール主がどこに住んでいるか知らないし、無茶ぶりなのは覚悟の上で……。
 
そうすると、参加するというのだ。しかも、住んでいるのは神奈川県川崎市。えっ!
 
超長距離ではないか。
有り難いというしかない。。。。
 
ともあれ一般参加OKらしいので、どうぞ近隣にお住まいの方、これを機会に小浜や北陸を観光で回ろうという方、足を延ばしてみませんか。無理かなあ。。。
 
 

2017/10/14

ノルウェーの紅葉

ようやく朝晩の気温が下がってきた。先週、日本に帰って来た際は、汗だくになるほど暑かったのだが……。

 
ノルウェーでは、紅葉が見られるかと期待していたのだが、どうやら少し遅かったようだ。落ち葉になっていたからだ。もっとも緑のまま残る木々も多かった。
 
しかし、一部で美しい紅葉が見られた。それは、ツタだ。
 
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見事なグラディーションになっているツタ。
 
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燃え上がる城……じゃなくて、教会。という感じ。
 
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こちらはくっきり緑と赤に分かれるツタ。種類が違うのだろうか?
 
 
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落ち葉は、黄葉だったけど。
 
日本の紅葉は、これからである。
 

2017/10/13

TYINインタビュー

私の訪問のもっとも重要なミッションを少しだけ紹介しよう。

 
それはTYINのインタビューである。
 
TYIN(ティーン)とは、二人の建築家のユニットである。ノルウェーのヤシャーハンスタッドとアンドレア・ゲールセンという若者二人が展開した建築世界と言った方がよいかもしれない。
 
彼らについては、「ビハインド ザ ラインズ」という本も出版されている。
 
Photo  Dsc_0697 サインをもらう。
 
建築界に身を置く人、詳しい人なら知っているかもしれない。日本でも個展を開いたことがある。なにしろ学生時代から活動している。ただし、一風変わっているのは、よくあるような公共建築とか都市のアート的な建築を手がけたりは(ほとんどしていない。依頼があると、受けるべきか迷うというのである。。。
 
代わって手がけるのは、自らスポンサーを募って、タイやミャンマー国境ののスラム街や、スマトラ島の森の中……などに現地の人々とともに建てる建築だ。
 
Tyin_3  Tyin_5
インドネシアやタイで手がけた作品の模型
 
素材はできるかぎり、近いところから調達するという。それに自然に近い素材にもこだわる。
 
会って話すと、世界的に有名な建築家らしくなくて腰が低い(^o^)。実際、事務所も、町外れの海に近い廃墟のような倉庫の一室だったりする。
彼らのスタンスは、「面白いストーリーのある建築をしたい」だ。だから年間1、2棟しか引き受けないそうだ。大学の教鞭も取るので食って行けるから、とのことである。
 
Tyin4 ヤッシャー氏と記念撮影。
 
言葉はあんまりわからなかったけど、楽しかった(^o^)。

2017/10/12

Yahoo!ニュース「ノルウェーは驚異の木造都市だった」書いた裏側

Yahoo!ニュースに「ノルウェーは驚異の木造都市だった 」を執筆しました。

 
たらたらとブログにアップするより、ガツンとまとめて記事にしておこうと、今回のノルウェー紀行のもっとも衝撃を受けた部分を記事にしました。
 
 
実際は、木造ビルだけを見に行ったわけではないのだが、やっぱりインパクトがある。
トップ画像.がショックだからか。 せっかくだから、もう一枚。
 
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ほかにも、こんなビルもあった。
 
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これはNINA、水産研究所だそう。なかなか斬新なデザインな上に木の使い方が上手いなあと思う。
 
もちろん、伝統的建築もある。
 
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これ、バイキング時代の教会かな。
 
 

2017/10/11

ノーベル経済学賞と「この国の息苦しさの正体」

私がノルウェーに滞在している期間は、ちょうどノーベル賞の発表時期と重なっている。

 
一般にノーベルはスウェーデン人で、ノーベル賞もスウェーデンで発表されているからスェー電の賞と思われているが、実は賞を創設した1901年は、ノルウェーとスウェーデンが連合していた。同じ王を抱く一つの国だったのである。だからノルウェーの賞でもある。実際にノーベル平和賞は、ノルウェーで選ばれるのだが……。
 
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オスロのノーベル記念館。中の見学はしなかったが……売店ではノーベル賞のメダルを売っていた(^o^)。中身はチェコレートのようであるが。。。
 
ところで帰国後に発表となったのが、ノーベル経済学賞である。シカゴ大学のリチャード・セイラー博士が「行動経済学」で受賞したのだった。
 
私は、このことに結構興奮している。経済学? と不思議に思うかもしれないが、私の最近の考察テーマにぴったりなのだ。
 
この「行動経済学」では、人は感情で動くものとしている。伝統的な経済学は、人は合理的で、常に冷静で最適な選択をすると仮定している。しかし、現実には、常に感情に振り回され、判断を間違えることも多々あるという想定なのだ。
 
 
このところ私は、人は何によって突き動かされているのか、という点にこだわってきた。文化、政治、経済、人間関係、そして進化まで。。。
 
一般的な学問では、生命体の選択の条件を「損得」とか「益不益」を想定する。生物進化の自然淘汰説も、どちらが有利に生きられるか、生き残れるか、が進化の原動力だとする。
それは国のレベルから、個人の人間関係まで当てはめる。今どきの政治も、どの政策が得か損か、誰にしたがうのが自分にとって益があるのか。。。で動くとされる。
 
だが、私は違うのではないか、と思っていた。 損得を超えた行動原理があるように思えるのである。それは……好き嫌いである。好きとか嫌いという感情が損得を越えて歴史を動かしてきたのではないか……。
それで、このところ文明論や脳科学、心理学の本などを読みあさっていたのである。
 
ちなみに読んだ本でピンと来たのは、「この国の息苦しさの正体~感情支配社会を生き抜く」(和田英樹著 朝日新書)である。
 
和田氏は、マスコミにも登場することの多い精神科医で、なんと著作が600冊という。基本的にこういう人は苦手だが(~_~;)、サブタイトルに惹かれて読んだのである。感情支配社会。これだよ、これ。
 
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極めて平易に書かれており、最後は医者らしい処方箋もあるが、正直、そこはどうでもよい。
むしろ「現状維持バイアス」とか「自己愛不足」「不安感」「高齢化」「今だけ、カネだけ、自分だけ」といった項目にピンときた。
 
たとえば、なぜ十分に満足できない生活を送っている人が、そんな社会をつくった体制側を攻撃するのではなく、媚びるように支持するのか。それは「さらに落ちていく不安感」や「自分肯定感の不足」などの劣等感が、今以上に落ちたくないから現状維持を求める心理を生み出すことで現状のままを求めるらしい。
またネトウヨ・レベルの「日本スゴイ」言質もここから来ている。落ちてない、と思いたいのだ。昔からスゴイのだ、と思って自分を慰める。
 
なんか、今の日本社会をひもとかれたような気がする。
 
 
そこに「行動経済学」なんてのが示されたのだから、これだ! と思ったわけ。
つまり人間はよく間違うし、好きだったら損してもかまわないし、意地になって得にもならないのに嫌いなヤツを攻撃する。そこにポリティカルコネクトなんてないのだよ。。。
 
相田みつを並に「人間だもの」好き嫌いこそが、社会や生物の行動原理なのだ。そう考えると、何もかもが理解できる。
 
 
でも……そんな好き嫌いとか不安な感情を理性や知性・知恵で抑えるのが「人間」のはずなんだが。人類が長い年月をかけて築いてきた感情コントロール術をかなぐり捨てる現代社会って、なんだ?

2017/10/10

ノルウェーの奈良トロンハイム

今回の旅は、ひたすら忙しく観光的なことは何もしていない。
 
その中で少しだけ目にした観光名所を紹介しよう。
 

それは中南部の古都トロンハイムを訪ねたときのもの。 

ここは人口16万人くらいの街だが、初めてノルウェーを統一したハーラル一世王の都だ。時代は、西暦9世紀後半だから、日本の平安時代だが、私は日本を統一したのだから奈良を想像したね(^o^)。 
 
そして曾孫の聖オラヴ・トリグヴァソン一世王がニーダロスの街(トロンハイム)を建設したと伝えられる。
街の中心の広場には彼の銅像が高く建っている。
 
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ま、聖武天皇みたいな人(^o^)。ノルウェー(というよりヴァイキング)のキリスト教化を進めた王である。奈良を仏都にした点でも似ている。
 
最大の見物は、ニーダロス大聖堂。これ、すべて石造りなのだ。
 
 
1  拡大すると、3
 
いわば奈良の東大寺みたいなもの\(^o^)/。
 
この大聖堂建設は1070年に始まり、200年以上かけて完成させた。しかし、1327年の大火、さらに1531年、1708年、さらに1719年に火事にあっている。  
再建が始まったのは1869年。150年ちかくかけて完成したのは2001年だというから、わりと新しいことになる。
東大寺大仏殿も3回焼けているが、現在のものでは300年経っているから、少し違う。
 
 
これまで木造ばかりに眼を向けてきたが、歴史をたどると石造建築なのだから皮肉と言えば皮肉。奈良が木造建築ばかりなのとはちと違う。
 
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もちろん伝統的な木造の教会もあったけれど。

2017/10/09

ノルウェーの寿司屋

ノルウェーでは、寿司屋も行った。

 
別に日本食に飢えたわけではなくて、案内人が誘ったのだ。好きだから、と。娘がいつも「スーシ、スーシ!」とせがむんだそうである。
 
訪れた店はトロンハイムの一角だが、入り口は看板こそあるものの、全然寿司屋ぽくなく、カフェに近い。スタイリッシュな席である。
 
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寿司はバイキング方式で、自分で皿を持って取る。ほとんどが巻物だった。内容的には海鮮ものやアボガドなどが巻かれている。ただしノリは貴重なのかあまり使わない。にぎり寿司は、サーモンだけである。サーモンはホントに多い。
 
味は……わりとイケた。米がやはりイマイチで炊き方も硬めであったが、全体の味としては悪くない。ちゃんと醤油もある。
 
そして……スープもあった。一つはなぜかトムヤム。タイ料理の辛いスープだが、もう一つ沿いスープ、つまり味噌汁もあった。私はやはり味噌汁を味見する。
 
こちらは、本物の味噌汁としても遜色ない。ちゃんと出汁の旨味がして味噌も使っているようだ。インスタントよりウマイ。具の豆腐はともかく、ワカメは少し硬かったが。
 
 
……こんな海外の日本食事情を紹介しても今更と思う人もいるだろう。
やはり、この寿司屋の内装を紹介しよう。
 
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見よ、このログハウス風の壁を。 
そして窓も……。
 
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極寒の冬に備えて二重ガラスなんだが、その間に木の枝が挟まれている。この感覚が美しい。北欧デザインという言葉があるように、インテリアや生活雑貨など産業デザインの世界では確固たるブランドとはなっている。その片鱗を感じさせる。
 
それは一部の優秀なデザイナーによるのではなく、市井の人々に祖付いた才能なのか。デザイン立国というコンセプトの強さを感じる。

2017/10/08

ノルウェーで感じた“敗北感”

ごきげんよう!

 
1週間のご無沙汰です。今朝ノルウェーから帰って参りました。
 
 
……と言っても、実はツイッターではほぼ毎日何かをアップしていたのだけど(~_~;)。
ブログとかフェイスブックと違って、ツイッターは瞬発的にアップできるのでよろしい。忙しい時は向いているようだ。ブログを論説・小説としたら、短歌か俳句のよう。
 
帰国した今後は、少しペースダウンしようかな、とも思う。
 
とはいえ、せっかくなのでボチボチと紹介。
 
まずノルウェーの印象を思い浮かべようとすると、何かしら“敗北感”を伴うような気がする。日本が遅れすぎてしまったのか。
 
たとえば。
 
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感覚的には街行く車の半分ぐらいがEV、電気自動車だ。各所に充電スタンドがあり、充電費はタダ。乗せてもらったが実に快適。時速も100キロを軽く越える。
 
さらに買い物のほとんどがクレジットカード。現金を使おうとすると、先方が慌てるぐらい。すでにキャッシュレス社会なのだ。ジュース一つだってカード。
 
 
 
そして街の風景が美しい。4
別に観光名所でなくても、魅せる。
 
その中には、こんなビル群もある。
 
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9階建ての木造ビルが5棟並んでいた。学生寮だという。造りはCLTなのだけど、日本で見たCLTビルより絶対に美しい(~_~;)。
 
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海辺には広大な木のテラス。ここから海に入って泳ぐこともできる。(シャワー施設も完備)
 
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これは幼稚園。見た通り木造だ。その中に入らせてもらったのだが、基本はCLT構造。
 
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これは子供らの遊具なんだが……この中に入っているのは木の木っ端なのである。ただし、一部にクッションが混じっているのだが……わかるかな?
ともかく、木育しているわけだ。日本のように木で遊ばせるイベントではなく、日常の遊び道具が木っ端なのである。
 
なんとも複雑な敗北感を味わったのであった。。。。

2017/10/01

ノルウェー旅の友

ノルウェー行きの準備をゆるゆるとしている。

 
ま、あんまり国内旅行と変わり映えしないのだが……。この季節、さすがの北欧も極寒というよりは晩秋くらいだし、パスポート以外に目立つものはない。
 
その中で、木製品を選び出すと……。
 
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ノートとペンと腕時計(笑)。
 
これらをお供に、翌朝出発します。
 

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