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森と林業の本

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2017/10/26

Yahoo!ニュース「森をなくすことに補助金?…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「森をなくすことに補助金!林業政策の大転換 」を書きました。

 
 
これは、先週に続けて書いてきた「来年度の林野庁予算請求 」の続きだ。もっとも引っかかった点を、どうせならとブログではなくYahoo!ニュースに記そうと思ったのである。
 
 
実は、以前、林業の補助金がいつ頃からどんなものが出始めたか、ということを調べたことがある。すると、戦前にもわずかながら造林に補助金は出されたようだ。そして戦中にも出されていた。やはり、造林は大切と見なされたみたいだ。
 
そして戦後は、時代と共に次々とスケールアップされていく。
 
しかし、70年代だったか「これ以上は出せません」という声が、林野官僚から出てきた。
やはり、「営利事業に税金は使えない」という原則に従おうとしていた。その点、真っ当な神経を持っていたと言えるだろう。
 
が、結局は歯止めがなくなるのである。
 
もはや地球環境だ、公益的機能だ、という言葉自体が消えつつある。むしろ林業振興のため……いや、失業対策のため? になりつつあるのではないか。
 
お役人、といえば「杓子定規」というイメージを当てはめることが多いが、いまや「なし崩し」「理由は後から付いてくる」の方が近いかもしれない。
 
 
でも、これで喜ぶ山主や、素材生産業者は多いだろうなあ。再造林セットなんて、誤魔化すことはいくらでもできる。また植えるだけで放置して、その後は枯れたり食われても知らぬ存ぜぬになるのではないか。
 
……こうしたことを書くと、山主、儲かるのは素材生産業者の方だと思うが、きっと反発が噴き出るだろう。せっかく儲けるチャンスなのに邪魔するな、と。ま、モラルハザードを来した人に文句を言っても仕方がないが。
 
 
あえてマシな形を考えるなら、皆伐・主伐に補助金を出すのではなく、再造林を10割補助にするようにしたらどうか。そして10年後に成林していなかったら補助金返却を迫る、ぐらいにしてほしい。それなら、ずっと先になるが森にもどるだろう。
 
Photo 植林された皆伐地

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コメント

Yahoo!ニュースの記事も拝読。掲載の写真を見て→『丸刈り』!!

手間を掛ける散髪を止めて、つまり、すきバサミとかを使う調髪ではなく電動バリカンで一気に刈ってしまう手っ取り早い方法・・・髪が無くなった頭は色んな危険に晒されると思うので、そちらも心配です。

社会が末期症状に来ているということです。日銀が国債の買い上げを行いだして、財務省は国債の発行に心配がなくなりというより、自らの責任がなくなり、歳出の制限がなくなりました。その結果は予算を増やす方向へと各省はシフトします。
建物や道路を作ればその時だけの資金だけでなく、その後も維持管理するための資金が必要になります。建物や道路などを無くすためにも多大な資金が必要です。
山の場合、皆伐した状態が建物を建てたことと同じなのです。また正常の山に戻すためには資金が必要となります。
公共事業や補助事業で施設を建設し、山を皆伐する。国の資金が途絶えたとき、この国はどうしようとするのでしょうか。資金は永久に続くと考えている人たちがいますが、歴史はそうではないという証明をしています。
国家が破綻したのち、大きな負担として残ることでしょう。

皆伐は、技術としては楽なんでしょうが、逆に林業家の選木する目を弱め、伐採技術も低下するかもしれません。
政策も、原理原則を捨てて目の前の要望に応える(金をばらまく)のが楽なんでしょう。借金で。

日銀の国債買取の頃から経済のモラルハザードが進んだのかもしれません。もっとも民間も、東芝、日産、神戸製鋼……といずれもモラルハザードの発覚が続いている。
社会の将来を考えると、絶望的になりますね。

造林補助事業の歴史を紐解くと、皆伐後の造林未済地対策として植栽を促すための事業が発端とされています。
これが、事実なら先祖返りというところなのですが、今回は森林の循環利用を目的とした、林齢の平準化ということに主眼があるようです。
しかしながら、林野庁の妄想に過ぎず、素材生産者は、お金になる良い山を乱伐しますので、結果的に優良資源の枯渇となる懸念があります。
過去、温暖化対策のために、間伐を推進し、当初、補正と多額の予算を編成したのは、まだ記憶にあるところですが、当時、地方自治体に予算執行の圧力をかけたうえ、強度の伐採率(本数率30%以上)を補助の要件としたことで、いわゆるバク目の山を多く作った実績もあります。(東日本在住者の主観ですが)
これが民主党政権になると、木材生産推進の旗のもと(梶山さんですね)、採択の間伐率を従来どおり20%まで、しれっと戻してます。
脱線しますが、この辺の無理な予算圧は、北陸でオガヤさんをデビューさせ、最近あった長野県の森林組合の補助金不正受給につながるのではないかと推測してます。
さらに脱線すると、造林補助金の制度自体は、戦前の県令が定めたものもあるという話があったり、補助金制度には珍しい事後申請方式だったり、非常に厄介な補助金であるようです。
戦後、補助金については補助金適正化法が施行され、補助事業の実施前に申請を行い、事業計画の適正を役所が確認するということになっているのですが、制度が適化法施行以前のものなので、適用を受けず事後申請が続いております。
そもそも、個人の資産の増殖に補助金を投入するという制度自体が問題ですので、事後申請方式も含めて財務省も会計検査院も、時々、制度にメスを入れるようですが、制度自体が古く、社会に深く刺さっているので、集めた資料を箱詰めして放置するというのが、お約束のようです。
しかしながら、公共事業の縮減という観点から、造林事業は近年激しく右肩下がりの予算編成となり、林野庁は政策課題として実施する非公共事業での造林補助事業にシフトせざるを得ず、加速化事業や合板対策など無茶な絵図の事業を推進することとなっているようです。(まぁそんな噂レベルです)
まぁ林野庁の中の人も、無節操な人ばかりではないので、辛いところだとは思いますが。
最終的には、温暖化対策税を創設し、他省庁に気兼ねなく使える予算の確保を狙っている勘ぐるのは野暮ですかね。
色々、脱線しましたが、造林事業は戦前のぐずぐずの地盤に、近年の精緻な政策絵図を立てた砂上の楼閣で、すでに制度疲労をおこしており、朝令暮改のウェーブに乗っかって山を作ると損をするというのが、個人的見解です。
やはり、山は百年の計に基づき、ゆるゆる。多様にやるのが肝要かと。

(追伸)
昨日書き溜めたコメなので、田中さんのブログとかぶってしましました<(_ _)>

詳しいですね。このコメント欄の方が勉強になる(笑)。
実際、推進してきた合板国産化やバイオマス発電用の材を供給するために、皆伐推進……とは、よく言われます。でも、どちらも安くて山主には利益なし。そこでA材対策にまた別の補助金をばらまく。。。そんな構図が浮かびます。

森林環境税も来年度通すつもりで、これは自前の財布を待つということですね。

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