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森と林業の本

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2017/11/06

なんかヘンと感じたスギ林

山中を走っていて、車窓の景色を見ていると、ふと「なんかヘン?」と感じることがある。
 
今回は、こんな景色で思わず車を止めてしまった。
 
2
 
このスギ林、なんかヘンだなあ。
通常なら見過ごすというか、通りすぎてしまうのだが、この時は車を止めたのだ。
 
改めて見直すと、わかった。幹の高い位置まで枝がない。まさか枝打ちをしたとも思えないんだけどね。。。
 
少し考えて気がついた。
 
このスギ林は密植したまま間伐しなかったせいで、下枝が落ちたのだ。ただ、そんな森は通常森の中に入らないと目にできないのだが、そもそも走っている道が、そのスギ林を切り開いて作ったのだろう。だから、いわば森の断面が見られるようになっていたのか。
 
おそらく道自体がまだ最近開いたばかりで、林際の植生(マント群落)が発達していないから、よく見えるのだ。
 
わかればナンの不思議もないのだが、ちょっとした違和感もよく考えると面白い。森の断面を見られるのだから。
 
以前、間伐遅れの人工林は「緑のマントを羽織ったペテン師」と喝破した林業家がいた。これはマントを剥がしたところかもなあ。
 
その図を探し出した。
 
1  
 
これだ。この図のような断面を感じたのだ。
そして語ったのは、大分県の後藤國利氏であった。
 
マントを剥がされた森林は、その後どうなるのだろう。今更枝は生えないし、太らせるのも難しいと思うが……せめて下層植生が発達したら、生態系としてはマシになるのではないか。
 

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