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2017/12/03

林業ロボットは実用化するのか

高専ロボコン2017の全国大会をテレビで見ていた。
 
高専生がつくるロボットのコンテストだ。ゲーム形式で戦うのだが、アイデア満載で楽しい。
今年のテーマは「風船割り」なんだが、みんなあの手この手の作戦を立てて、そのためのロボットを作ってる。中には、対戦相手に勝つことより、「カッコいいロボットが作りたい!」というのが目的なのもあって、にんまりする。
 
空から槍が降ったり、蛸入道が現れたり合体ロボになったり……。
 
こんな番組を見ていると、日本もまだ捨てたもんじゃない、ニホン、スゴイ! と言いたくなる。(もっとも国際ロボコンでも、日本チームは上位に入りづらくなっている。)
 
そんな時に見つけた記事。
 
 
「林業用アシストスーツ研究開発コンソーシアム」(こんなのがあったんだ!)は、「TABITO-03」を試作し、東京ビッグサイトで開かれたロボット専門展「2017国際ロボット展」に展示したそうだ。残念ながら昨日までなんだが……。
 
このアシストスーツは、筋力負荷を17%軽減できて、急斜面を登り下りするのに効果を発揮するそうだ。
なるほど……と思うのだが、はて、現在の林業現場でそんなに自分の足で山を登ることは多いのだろうか。かなり乗用の林業機械も増えてきたのだが。それに、あくまでアシストであり、全自動のロボットでない。細かな地形や草木の状態の判断は、人間がするわけだ。
 
たしかに造林や下刈りなどでは、まだまだ自分の足を使わねばならない。ただ、ぐいぐい登るというよりは、ゆっくりで、そんなに負担になるのだろうか。
ただ苗とか刈り払い機など重いものを持つ際のアシストになるのなら効果的なのかもしれない。
 
長い間、開発研究されて、とうとう実用化されなかった枝打ちロボットのようなケースもある。今や枝打ちそのものが必要とされなくなってしまった。それに、ロボットではどの枝を落とすのか判断できない。全部落としていいわけでもない。
 
 
もっとも、そのうち本格的なAIの時代になれば、人間より的確な判断をするかもね。苗の植え方、草の刈り方、木の伐採……人間だって経験で覚えるのだから、AIは人間以上の多くの経験則を学習して理論的に身につける時代が来るだろう。
そのとき、必要な林業人とは何の役割を果たすのだろうか。

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