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森と林業と田舎の本

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2017/12/08

私が涙ぐんだコーヒー

常日頃から公言しているが、私はコーヒーが嫌いだ。

 
取材などで黙って出された際は失礼にならないように飲み干すが、後々胃が心地よくなくなる。香りも味もみんな嫌いだ。
 
そんな私が、コーヒーを飲みに大阪に出かけた。片道1時間と少し、交通費だって1000円以上費やして、なんとコーヒーのために出かけたのである。
 
正確に言えば、あるシンポジウムに参加するたのなのだが、実は4時間ある中で私の目的としているテーマは15分しか発表されないようだった。
それでも行った。そして、そのテーマに関係したコーヒーが提供されるところに並んで!!!! 飲んだのである(@_@)。
 
4 コーヒーとチョコレート。
 
チェコレート(カカオ)も、日本のチョコレート会社が指導して仕入れているインドネシア産。
 
 
2 並んだ列。
 
 
このイベントとは、「“おいしい”から考えるアジアの環境問題」と題されている。副題が、「地産地消と知産知消」。
 
内容はコウケンテツさんの講演とかもあって、それなりにほかの発表者の分も興味深く聞けたものもあるのだが……私のメインターゲットは、
 
コーヒー生産地と消費地をつなぐ、そして学びあう~東ティモール高地の環境保全に向けて~」。
スピーカーは、現在は総合地球環境学研究所の嶋田奈穂子氏。
 
1 撮影禁止なので、始まる前。
 
実際、彼女がしゃべったのはきっちり15分だったが、実に面白かった。
 
すでに私がなぜこのイベントに参加したのか気付いている人もいるかもしれない。
そう、東ティモールである。
 
私は約30年も前に東ティモール(当時はチモールと表記)を訪れている。正確に言えば、潜入しようとして捕まった。外国人立入禁止だったのだ。
この件に関しては、拙著『チモール 知られざる虐殺の島 』参照。
 
私は、その後ティモール島を訪れていない。(当初はインドネシアのブラックリストに載っていると言われたから。)東ティモールが独立してからも訪問する機会を持てなかった。
 
それでも、気になっていたのである。今がどうなっているのか。
東ティモールには、戦前幻と言われるコーヒーがあった。抜群にウマイと言われつつも、ほとんど出回らなかったそうである。そもそも、現在世界に広がっているコーヒーの木は、サビ病に強い品種の原木がティモール産で、ほとんどティモールの遺伝子を引き継いでいるという。
独立後はコーヒー生産が再開されたが、残念ながら栽培技術を失って品質はかなり落ちたと聞いていた。それがどうなっているのか。
どうやら、日本が技術指導を行って、かなり向上しているらしい。
 
そして意外なチャンスがあった。戦乱でかつてのプランテーションが放棄されたことで、その地が森林化してしまっており、無農薬有機栽培が可能になっていたのだった。コーヒーは陰樹なので、カバーツリーの木陰で育つ。つまり森の中で栽培できるわけだ。
 
周回遅れのトップランナーという言い方をしていたが、もしかしたら今なら有機栽培の美味いコーヒーとして世界に誇れるものが作れるのかもしれない。
しかもコーヒーづくりが森林再生にもつながるというのだから。
 
 
ちなみに、コーヒーだが……なんと、すんなり飲めたよ。しかも美味しかったよ。思わず目頭が熱くなった。。。
 
嫌いなモノも、そこに思い入れのあるストーリーが語られると、モノ・ガタリになる。物語は、脳内の味覚中枢にさえ影響を与えるのかもしれない。
 
これを機に、私もコーヒーが好きになる……てなことは、絶対にないと思うけどね.。ooO(~へ°)/。。

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コメント

東チモールではありませんが、似たような講演が京都であるみたいです

www.showado-kyoto.jp/news/n5101.html

適当な事を言いますが、地球研のプロジェクトの一つにこのような内容のがあるのでは?
調べてないですけど、所属やテーマ、来月のコメンテーターから見て、間違いないのでは

ありがとうございます。京都大学か。これにも参加しようかな。一般もOKだっけ。
 
テーマは似ていますね。たしかに地球研で扱っているのかもしれません。
コーヒーは嫌いだけど(笑)、お茶もカカオもアグロフォレストリーも好きです。

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