なんと、ブックオフで『“道”を拓いた偉人伝』(イカロス出版 永冨 謙著)を発見。
サブタイトルが、「道をつくり、道を愛した5人の軌跡」とある。この5人のうちのトップバッターが、土倉庄三郎である。
この本の存在は知っていたが、これまで手にすることはなかった。
実は、著者の永冨氏は「日本の廃道」というサイトを主宰して、電子本を発売しており、私もそうち土倉街道の掲載されている号は所持している。
ちなみに、今回の本に載っているのは、電子本(PDF版)とは、少し違うようだ。
それにしてもよく調べて、実際に歩いた記録でもあるのだからスゴイ。
私も土倉庄三郎を調べている際には、全体に土倉道と呼ばれる各所に建設した道についてそれなりに調べたし、歩けるところは歩いた。が、あまりに道ばかりに時間と労力を割くわけにはいかず、終わらせている。
それでも、著書『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』(『樹喜王 土倉庄三郎』)を出版後も気になっていて、幾度も川上村に土倉道の調査を行わないかと打診していたのだが……。
なにしろ、そのルート探索と距離を考えると、単独で行うのは厳しく限界もあるからだそれだけで何年も費やすと、庄三郎全体を追えなくなる。ほかにも調べるべきことが山積みだったから。加えて、ちゃんと報告書をまとめて役立つようにするためには組織的な取り組みが必要だと感じているからである。
残念ながら、未だに「土倉道全調査」は実現していないのだが……。
本書は、さすが廃道の専門家?、よく消えかかっている道筋を調べて実際に歩いている。
また文献調査も相当行ったようだ。
奈良県行政文書から五社峠の開削関係の資料まで見つけている。そして庄三郎が計画した五社トンネルについても多くの事実を発掘している。(ただし、トンネルを断念したから峠道をつくったというのは間違いだろう。先に峠道を開き、トンネル計画は還暦時である。)
また大杉谷開発の歴史もよく調べている。土倉翁は原生林を切り開いて自然破壊をしていた(笑)。
ちなみに本書の発行は、2011年11月25日。『森と近代日本を動かした男』は2012年11月7日。拙著の1年前である。だから底本は土倉祥子著の『評伝 土倉庄三郎』のようで、全幅の信頼をおいた、とあるが、私の裏取りでは『評伝』には推測による部分が多くて、怪しい部分もあった。丸ごと信用するのはどうかと思う。
ともあれ、土倉道に加えて吉野の山を縦横に延びる木馬道などをしっかり調査したら、熊野古道に並ぶ山間の大街道を描き出せる。再び世に出せば、村おこしにもなると思うのだが。
コメント