某林業関係者らと飲んでいた時に話題になったのが、全国で進む皆伐。どんどんはげ山が増えている現場を見ている人にとっては、「伐りすぎじゃないのか?」と思ってしまう。
これ、理屈の上では日本の森林の生長量以下に抑えていることになっている。それどころか日本の林業における伐採率は、生長量の4分の1(24%)しかないから森林飽和状態だ、もっと伐らないと森はよくならない、と説明されている。
あるいはバイオマス発電に供する未利用材という名の林地残材。これは年間2000万立方メートルもの林地残材が発生しているのだという。だから、それらを集めて燃料にする限りは全然足りなくなることはないことになっている。だから、
いずれも林野庁の発表している資料に載っているわけだが、この数字を出すにはどのような計算を行って導き出しているのだろうか。
意外や元の資料がわからないし、どんな係数を使っているのか。全国の森林生長量の計算式は何か。
そもそも日本の森林率が67%と世界有数ということになっているが、この場合の森林の定義はなんだろう。日本列島の衛星写真を使って面積をチェックしているというならまだしも、伐採跡地も森林扱いしているのが現状だ。それにWTOの出している統計では、日本の森林率を64%だとしている。この数字の齟齬は何?
たとえば再造林されない山も、粛々と生長していることにしているんじゃないか。あるいは植林して1年目の山も森林と見なし、苗木の生長量をカウントしても、それが伐採率の計算の際の分母に使えるだろうか。
林地残材の計算も切り捨て間伐の量とか切り払う枝の量はどんな計算式を使っているのか。山奥の谷に捨てられている残材をいかなる方法でチェックしているのか? そして、その計算式は妥当なのか?
……そんな話をしていて、「誰か、計算式をチェックしてみない? 案外前提がデタラメかもよ」と言ったのだ。
そうしたら「それ、自分では調べないんですか」と言われた。。。(~_~;)。
いやあ、私はフリーで地方在住の身の上では検証するのは大変すぎるのよ。正直言って、そんな数字を分析するのは苦手……というより気分が悪くなる。
なにより、やっても仕事にならん、ようは金にもならん。仮に大きな嘘を発見しても、ベタ記事にするのが関の山だろう。私は、そんなことより楽しい楽しい森の話の記事を書きたいのだよ。
だが、やる価値はあると思うが。政策立案の前提として使っている数字がどこから出てきたのかはっきりさせないと。
誰か、統計を探し出したり数字の分析に強い人調べてみませんか。研究テーマになるように思う。学生が卒論・修論のテーマにしてもいいんじゃないか。給与もらってる大マスコミの記者でもいい。
もし挑戦する人がいるなら、私も協力するよ。横から「頑張れ!」と声がけする(笑)。

こんな伐採跡地も「森林」扱いなんだよなあ。
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私は無理でごわす。
統計、数字…ヒィィィ~
無償でガンバル学生、絶対いるはず! ただ、お金の掛かる所は出してあげてくださいね!
投稿: | 2018/01/09 00:38
経費? 要相談ですね(笑)。
投稿: 田中淳夫 | 2018/01/09 09:42