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2018年2月

2018/02/28

裁量労働制で森を歩く

イマドキ流行り?の言葉、裁量労働制

 
私のようなフリーランスは、雇用者と労働契約を結んでいるわけではないが、とりあえず自分の裁量でいつ働くか、どのぐらい働くか、止めるか……まで決めているから裁量労働制ではあるわけだ。
 
で、自分の働きっぷりが、いかほどのものか試してみた。
 
まず朝起きて朝食後に仕事部屋にこもってパソコン向かって原稿を書く。これは間違いなく労働だ。自分で計画的に取り組んでいる執筆活動という労働。
 
昼食後、しばらくは頭の働きが悪いので頭脳労働はストップ。その代わり身体を動かす労働を選ぶ。今日は……最近森を歩いていないな。ちゃんと定期的に森を歩かないと森林に向き合う際の勘が鈍る。そこで山へ向かう。これは森林のことを考えるための活動だから、間違いなく労働だ。
 
とくに選ばずに向かったが、とりあえず宝山寺の周辺から山道に入る。このまま登れば山頂につくが、それではよく知っている道筋になってしまって刺激が少ない。常に新しいものと接することが大切なのだ。
そこで道からそれる。森の中に踏み込む。最初はなだらかな尾根を選んだつもりだったが、すぐに急斜面になり、岩がゴロゴロする中を進むと崩壊地に出る。折り重なった木々の間を抜けてしがみつくように斜面をトラバース。
 
始めて歩く森の中だから、見るものすべてが新しい仕事だ。おっと、滑った。靴が泥で汚れた。だが、しりもちはつかない。森の中の労働で鍛えたおかげである。こちゃんと過去の経験が活かされたのだから、これこそ間違いなく労働だ。
 
2
 
なんだ、この木は。ヒサカキのような木の幹に奇妙な瘤が付いているではないか。
 
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角度を変えると、こんな具合。これはなんだろうか。どのように形成されたのだろうか。深く考察する。これぞ、森林ジャーナリストとして重要な仕事である。こうして森の不思議に触れ、常に考えるのだから、間違いなく労働だ。
 
さらにアオキの純林のような森に出る。低木の照葉樹であるアオキが高さ3メートル以上に育ち、一面を覆い尽くすなんて。こうした森を見るのも仕事である。これは、間違いなく労働だ。
 
さらにイノシシの糞を発見。これは生駒山の野生動物に関する見識を深めるのに重要な役割を果たしたから仕事である。間違いなく労働だ。
 
進むルートは獣道を利用する。うっすら見える獣(多分、イノシシ)の足跡を探し出せば、人間でも通れる道が見えてくる。谷に出るといくつも崩壊した跡がある。そこに新しい草が生えている。こうした発見も仕事だ……。
 
ああ、だんだんどこを進んでいるのかわからなくなってきた。もう山頂をめざせない。
遭難? いや、遭難することによって五感をフルに働かせて、自分の安全と進むべきルートを探すのは、森を歩く訓練となる。森林ジャーナリストの勘を養う行為であり、仕事だ。間違いなく労働である。ちょっと疲れてきたけれど……。
 
 
あえて枯れた沢を下る。岩がゴロゴロしており危険もあるが、もっとも現実的な選択だと判断したのである。すると水の湧き始める地点を発見。ここからチョロチョロと水が流れだし沢が始まっている。こんな発見をしたのだから、立派な仕事だ。間違いなく労働である。
 
結構ぬかるみや崖を越え、悪戦苦闘しつつ進む。もう遭難だって仕事だ、労働だ!
 
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ふと、こんなビニールテープを発見。なんだ、ここに他人が来たことがあるのか。普通ならがっかりするのだが、なんだかホッとする。
仕事の終わりが見えてきたような気分になる。どんどん下る。すると、見覚えのある森の様子が。そして、すぐ側に道があった。
 
立派な仕事をなし遂げて、労働を終えた気分。
 
時間にして、なんだ1時間未満であった。しかし、よく働いたなあ。。。
裁量労働制だから、労働時間はこだわらない。私は立派に働いたのだ。そうだ、そうに違いない。もう頭脳労働にはもどれない……。

2018/02/27

Yahoo!ニュース「森林経営管理法案、抱き合わせ…」を書いた理由

Yahoo!ニュースに「森林経営管理法案、抱き合わせ部分の怪しさ 」を執筆しました。

 
もう林政についてアレコレ書くまいと硬く心に誓ったはずなのに……(-.-)……v(^0^)。
 
 
実は、冒頭に触れた「働き方改革関連法案」の迷走。こちらについて少し考えたところ、裁量労働制ばかりに目が行っているが、「同一労働、同一賃金」などはいいんじゃないか、と感じた。そして、別々の内容の法案を抱き合わせるからややこしくなると気付く。
 
すると、あれ、その構造って、森林経営管理法案も同じじゃない? と思い出したのだ。
つまり、冒頭は枕として働き方法案についてけ触れたのではなくて、こちらが先。そこから広がったのであった。
 
ともあれ、いくつもの法案を抱き合わせることの危険性を感じる。それは安保法制、さらには憲法改正論議などでも同じだ。条項一本一本吟味して審議すべきなのに、抱き合わせることでナアナアとなる。結局は気分に流される。
 
 
それにしても、この法案、誰が推進しているのだろう。農林族議員ではないと思う。林野庁が突っ走るとは思えないし、農水省幹部が官邸の意を受けて、これまでペンディングだった課題を強引に粗削りのままの法律で押し切ろうとしているように感じる。
 
しかし、いくら形をつくっても現場は動かないと思うよ。
 
 
 
 

2018/02/26

「こんな切株」の上の生態系

以前、シリーズ化していた「切株の上の生態系」。

 
伐採された後に残った切株の上に、新たな動植物・菌類の生態系をできているものを発見して紹介していたのだが、このところ忘れ気味。もう何ヶ月も取り上げていなかった。
 
で、久しぶりにこんなのはどう?
 
3
 
見た人によってはわかる、スギの切株。その上にまたスギの稚樹が生えてきた。
 ゛
これだけなら「まあ、あるよね」で終わってしまうだろうが……。
 
問題は、この切株の年数と、その周りの森。この写真ではピンと来ないかもしれない。それなりに太い切株だと思うだろうが。。
 
実は、切株はざっと300年生のスギ。周りも300年生のスギ林なのである。場所は、吉野の川上村中奥。
切株断面も1メートルを超えるだろう。伐られたのが何年前かわからないが、そろそろ腐ってきて、切株の上は腐朽した木質が土のようになっている。そこに、スギの種子が落ちたのだろう。萌芽じゃないよ。
 
こんな切株の上の生態系、なのだ。
 
このまま育てば、切株更新となる。また何百年も生きて、切株を凌駕する大木に育ってほしい。
 
 
 
ちなみに、もう一つ。
 
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こっちは切株というか倒木の断面。しっかりキノコが生えておりました。
 

2018/02/25

3月3日は里山の日(^o^)

今日は誕生日だった。自分で忘れる程度のものであるし、とくに何事もなかったのであるが……。あ、偶然だが、カニ食ったな(笑)。これを後付けで自分へのお祝いとしておこう。

 
さて、気がつけば2月も終わり、今週末は3月3日の雛祭りである。
 
そんな日に開くのが、地元・生駒での里山講演会。13時~15時である。
 
Photo
 
生駒で活動しているNPO法人いこま棚田クラブの主催で、里山について話すことになった。
 
題して「里山とのつきあい方、教えます!」という挑戦的な(^o^)テーマ。
 
主催者・参加者の多くが里山を舞台に森林ボランティア的な活動をしている人が多いわけで、私が具体的に何をしろと教えることではないのだが、ちょっと見方を変えたらこんな姿も見えてくるよ、という提案みたいになるだろうか。当然、主な舞台として生駒山を例にする予定である。(まだ話す内容の委細を決めていない。)
 
ちょうど毎日新聞奈良県版に「大和森林物語」 という連載を持っているのだが、昨年末から続けているのが「謎の山・生駒山を歩く」シリーズ。ちょうど5回目となり、次回6回目の原稿を書いている最中。
こちらの内容についても触れるだろう。新聞紙面では外した点、書き切れない点もある。そちらの方が多い(笑)。小難しく鬱陶しい林業のことは話さない。話したくもない。
 
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場所は、近鉄生駒駅南口を出て、徒歩2分。生駒セイセイビルである。私も歩いて行くつもりだ。徒歩だと、帰りに一杯飲んで帰れるから(⌒ー⌒)。
 
もし、足を延ばせる距離にお住まいの方は、ご来場を。まだ席はあるはずである……というか、会場が広くて、そう簡単に満員にはならない(~_~;)。申込み締め切りは一応すぎているが、気にしなくて結構です。
 

2018/02/24

ブリッジするアセビ

これ、アセビの木なのだが、なんかヘンだ。

 
1  2
 
2本並んで生えているが、その足元というか根元をつないでいる幹?がある。
よくよく見れば、どちらも根付いている。つまり、太い根を地中に伸ばしているということだ。
 
これは2本が癒着したのか? 両方から枝を伸ばしてドッキング……。そんな握手みたいなことはできんだろ。
 
そうか、たまたま横に伸ばした枝が地面に触れて、そこが根付いたのか。そして、新たに幹を生長させて2本になったのだろうか。
 
いや、形状からすると、幹が倒れて地面に伏したのかもしれない。地面の接点から根を出し、新たな幹を上に伸ばしたと見ることもできる。一方で倒れた際に枝の一つが上向きになって、それが今度は幹のような顔をしているのか。
 
そもそも、どちらが最初の1本? 
 
何気なく見ているだけで、植物の世界もいろいろな想像を羽ばたかせてくれる。
 

2018/02/23

春日大社の燈籠

奈良・春日大社で妙なものを見つけた。

 
春日大社には多くの燈籠がある。歴史上の有名人の寄進したものもある。一般には2000の石燈籠と、1000の釣燈籠、合わせて3000の燈籠があり、これは日本一、というのだが。。。
 
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本殿前にぎっしり詰まっている石燈籠。よくよく見れば、いずれも特徴的な形をしている。逸品ものなのである。とくにシカの彫り物がさまざまで面白い。
 
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これなんか普通で、ヘンな恰好をしたシカも多い。お尻を向けていたり、座り込んで丸くなったり、踊っていたり。
 
 
さて、その中で見つけたのがこれ。
 
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これ、間近には近寄れない場所にあったのだけど、どうみても木製じゃない?
笠は石製、その下も石だと思うのだが、肝心の灯火を入れるところ(火袋というらしい)が丸太の輪切りに見える。ここにロウソクを灯してもいいのか?
 
しかも苔むし方からしても、かなり古いもので「火袋が壊れたけど、石でつくるのに時間かかるし、ちょっと丸太をくり抜いて代用しといたんや。ワッハッハ」という状況ではなさそうだ。
 
 
木製燈籠なんて、あったのか。いや、ちゃんと木の細工物の火袋を作るのならわかるが、丸太で代用するような……。もしかして、木製に見えるように彫った石の燈籠?
 
謎だ。
 
 

2018/02/22

Yahoo!ニュース「杉を広葉樹に!…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「杉を広葉樹に! 杉が世界を席巻する日 」を執筆しました。

 
これ、意図的に間違えたのだけど、正確には「杉材を広葉樹材に」であるし、さらに言えば「(ソフトウッドである)杉材をハードウッドに」が正しい。でも、それじゃインパクトが薄まるので「広葉樹」にしてしまいました(笑)。
 
 
言うまでもなく、昨年2月に執筆した記事の後追いである。この1年、なかなか反響は大きく、ケボニー化木材についていろいろ動きがあり、それに合わせて私も取材を続けてきた。
そして、スギをケボニー化するプロジェクトに参加することになった。(私が研究するわけではないけど。)
 
そんな中での中間報告である。
 
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報告会は、京都府立大学で行われた。改質木材研究の最強メンバーが揃っている(自称)。
 
今年中には、ケボニー化スギのモデルとなるような使用例ができるといいな。
 

2018/02/21

平安大極殿の礎石

先週末、京都で開かれた谷山浩子のソロコンサートに行ったのだが、その日は平昌オリンピックで羽生・宇野コンビの金銀が決まった日。

当然?その話題に触れられたのだが、その際に谷山様が口にしたのは、
 
「田中刑事クンは、どんな思いで二人を見ていたのだろう」だった。
 
18位だった彼は、二人の陰に隠れて、ほとんど話題に上がっていない。そんな視点も忘れたくない。もっとも、話は「田中クンが警察に勤めたらどうなる。田中刑事刑事か。先輩上司にツッこまれること5回」と妄想を暴走させていくのだが……。
 
 
さて、会場になったのは京都文化博物館別館。それが明治の洋館なのだ。外側はレンガづくりだが、床は大理石が張られ、木製の天井にも窓がある。元は日銀京都支店だったらしい。国の重要文化財に指定されている。
 
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その中庭に、こんなものが展示されていた。
 
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単なる自然石みたいに見えるが、実は平安京の大極殿(天皇の執務殿)の礎石だそうだ。割れているので全体像が見えないが、直径1メートル以上と見込める。
となると、その上に乗っていた柱の太さはどさぐらいか。写真にも少し見える線が柱を載せる場所の輪郭だとすると、60~70センチ級かもしれない。
 
平安京をつくった木材は、主に丹波と近江から運ばれたらしい。いずれも飛鳥・平城時代より伐りだしていたから、そろそろ太い木が底をつきかけてきたはずである。
 
 
ちなみに奈良・平城宮跡に復元された大極殿の柱と礎石は、こんな具合。柱は直径80センチ級のヒノキであった。
 
Photo
 
これは建築中に取材に行ったときのものだが、なんだかキレイに成形されている。奈良時代の後の(新参者の)平安京の礎石が自然石ぽいのに、それより前の時代がきれいすぎるのは、忠実な復元をめざしたとは言えないね。
まあ、この礎石の下はコンクリートで免震装置も備えている。構造も記録がないから「おそらくこうではなかったかなあ」と想像した部分が多く、完全復元ではなく想像復元である。
 
 
 

2018/02/20

森林環境税ぶんどり合戦始まるか

まだ国会審議も終わっていないのに、もはや実施確定的な森林環境税。

 
年間約620億円の税収となると予想されているが、こうなると分捕り合戦が始まりそうだ。
で、林野庁が考えている配分案が見えてきた。
 
まず1割を都道府県に、9割を市町村に割り当てる。これは大枠として決まっている。ここからだ。
 
 
市町村の配分額は、「50%を私有人工林の面積、20%を林業従事者数、30%を人口」という基準を用いて計算する。私有の人工林面積については、林野率によって傾斜配分となる。
具体的には、林野率が75%以上ならば1,3倍。85%以上ならば1,5倍にするそうだ。
林野率が高いということは、それだけ山深いということであり、搬出が大変という意味なのだろう。なお全国平均は66,5%だ。
 
ただ人工林というのは、やはりスギやヒノキ、マツ、カラマツなど定まった樹種を植えたところになるのだろう。コナラやクリの人工林なんて認められないか。
山村の中には90%以上が山林というケースも少なくないが、国有林や公有林を除くとどうなるだろう。おそらく東北地方などは国有林率が異常に高いから、あんまり配分されない?
一方で西日本は有利かもしれない。
 
せっかくだから、自分の住む市町村はいくら受け取るか概算してみたらどうだろう。ちなみに奈良県の山村はほとんど民有林(それも私有人工林)で林野率95%なんて村もあるから、わりと多くなるかもしれない。でも、人口は少ないなあ。
 
林業従事者数は……今から幽霊職員・社員を増やすところも出てくるかもね(笑)。
 

2018/02/19

奈良公園の芝生のヒミツ

奈良公園の芝生のヒミツを知ってしまった。。。。

 
ご存じだろうか。奈良公園の芝生は、常にナラシカについばまれているのに枯れることなく、根こそぎ食われてしまうことなく、再生する秘密を。
 
実は、ナラシカの糞に重要な秘密がある。なんたって、あれほど多くのシカが奈良公園にいるわけで、そこでする糞も大量だ。しかし、誰が片づけることもなく、数日のうちに姿を消す。
それこそ不思議な生態系の秘密であった。というのは、芝生には大量のコガネムシ、いわゆる糞虫とかフンコロガシの類が生息していて、それがシカの糞を芝生の地下に引き込んでしまうのである。おかげで地上はきれいになるし、糞が肥料となって芝生は元気にまた生えてくるのである……。
 
 
とまあ、こういう風に奈良公園の生態系は説明されている。
 
それ自体は本当。私も、シカの糞を運んで芝生の中に小さな穴を掘って運ぶマメコガネの一種を観察したことがある。
 
ところが、もう一つ私は秘密を発見してしまったのだ。。。
 
 
1
 
こんな芝生に切り込みを見つけた。なんか、思い荷物でも置いたのか。。。。と周りを見回すと、いくつもこんな丸い切り込みがある。どうやらわざと切ったみたいだ。
 
そこで、この切り取られた芝生を引き剥がしてみた。
 
2
 
な、なんと! 芝生の下に顆粒状の物質が。。。これは、固形肥料だ。
そうか、シカの糞だけではなかったのね。人知れず、公園管理者が芝生に肥料を与えていたのか。そういや冬だもんな。コガネムシも出てこない。糞の片づけは誰がやる。誰が糞に変わる肥料を芝生に与える。
 
ちゃんと人手をかけていたのであった。
これで春には、芝生は青々とまた葉を伸ばすのだろう。
 

2018/02/18

抹茶の海外市場

ふと目についた紙パック入りの「グリーンティ」を購入した。

 
1
 
抹茶入りとか。。。もっとも原材料を見ると、「果糖ブドウ糖液糖、デキストリン」の次に抹茶が来ている。さらに黒糖蜜に食塩入り。安定剤に甘味料、香料なども入っている。
 
そこで今回は、緑茶ジャーナリストとしてのエントリー。
 
 
最近は日本茶の輸出が増えているそうだ。昨年の茶の輸出額は144億円。ほんの少し前まで統計に出ないほどだったことを思えば、なかなかの伸びである。ただ国産材の輸出と違うのは、輸出先が中国や韓国といったアジアではなく、ヨーロッパが中心であること。
考えてみれば当たり前で中国でも緑茶の生産している、というか、日本よりはるかに大きい。韓国も同様だろう。ただ東南アジアなどは緑茶は珍しいよう。
 
そして需要が大きいのが、普通の緑茶より抹茶のようだ。
ただし、抹茶を抹茶として飲むのではなく、料理素材。いわゆる抹茶ケーキや抹茶ラテ、抹茶アイス……などに使う。当然、砂糖など甘味料もドバドバ使って味を調節する。
 
まあ、私が買ったものも、その一種だ。抹茶そのものを飲む機会は日本人でも少ない。昔から宇治金時みたいな抹茶味のお菓子はあった。
 
だが、気になるのは、すでにヨーロッパ市場には日本産以外の抹茶が出品されていることである。どこの国からか、茶の葉をすりつぶした品がつくられているらしい。ただ日本人的には、これは末社か?と思うようなかなり低レベルの品質だという。
 
問題は、抹茶の定義は日本にもなく、文句をつけることができないこと。そもそも日本にも低品質抹茶が出回っている。だから業界で定義がつくれないそうだ。下手に定義付けると、日本の低品質抹茶も排除しなくてはいけなくなる。(私の買った飲み物も、そんな類の抹茶を使っているのではないか……。)
それに規格に合っているか検査が必要になるが、それを面倒臭がる業者も多いのだろう。 
 
加えて、欧米では有機栽培でないと農産物認証が取れない。農薬も制限が多い。ところが日本の茶農家で無農薬有機農法を実行している農家ははごくわずかだ。これをクリアしないと輸出は頭打ちになるだろう。
 
 
なんか、日本には森林認証を取得した木材が少なくて、違法木材対策に後ろ向きなのは、日本国内でも違法木材が出回っていて、認証のような客観的な指標を嫌がる山主が多いから……という話と同じレベルだ(;´д`)。
 
しかも料理素材としての抹茶なら、日本人の思う「本物の抹茶」の品質を求める意味がない。むしろ料理に向いているのは海外産抹茶かもしれない。そのうち、規格や抹茶製造ルールをほかの国につくられて、日本産抹茶ではほとんど適合できずに駆逐される……そんな未来図が目に浮かぶ。
 
結局、日本が火をつけて抹茶を世界に広めて、その市場はどこかの国に持って行かれるようになるかもなあ。
 
 
 
 

2018/02/17

水呑みナラシカ

奈良公園に行った。ならば、恒例?のナラシカ観察。

 
そこで見かけたのは、こんなシーン。
 
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女の子が水道の蛇口をひねって上げた。シカのために……。
 
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シカは感謝の意を示すことなく(^^;)、グビグビと水を飲むのであった。流れ落ちる水を口で受け止めるのに苦労しているようであったが、よほど喉が乾いていたのか。結構な時間、蛇口と格闘していた。
 
ちなみに、蛇口を閉めたのは私だよ。

2018/02/16

和歌山産ジンの味

某酒店で見つけたクラフト・ジン。

 
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なんと和歌山のジンであった。「槙~KOZUE~」と名付けられている。
 
製造は、中野BC株式会社冨士白蒸留所とある。調べると、そんなに古い会社ではないが、和歌山県海南市藤白にあって日本酒のほか焼酎、梅酒、それに健康食品などの製造をしているようだ。
 
沿革を見ると、意外や日本酒発祥ではなく、スタートは醤油。そこから甲類焼酎へと広げ、梅酒など果実酒に向かい、日本酒へ……。そして今度はクラフトジンである。
 
肝心のジンは、2017年11月に発売。なんだ、最近であった。特徴としては、ボタニカルに和歌山県ならではの?槙、コウヤマキを使っているらしい。もちろんジンだからジュニパーも使うが、マキの方が多いよ。さらにミカン皮やレモン皮、山椒などを加えている。
 
コウヤマキか。お墓の供花を思い出すかな(笑)。
 
 
以前、ヒノキの香りを使っているジン「季の美」(京都蒸留所) を紹介したが、今度はコウヤマキ。こうなると、各地方で日本の樹種シリーズを作ってほしいね(^o^)。
 
で、味だが、ストレートで飲んでみた。なんと表現すべきかな。わりとさっぱり。癖は弱い。少し奄美を感じる。どの香りがコウヤマキなのか判然としなかったが、飲みやすい。ただし度数は……47度であった(°o °;)。

2018/02/15

Wedge記事がネット転載

すでにブログで紹介して、新幹線に乗ったらグリーン席に「Wedge」2月号が置いてあるから抜き取って読んでね、とまでお願いした、「主伐補助金」に関する記事が、ネットの「Wedge Infinity」にも掲載された。

 
 
改めて目を通していただいたら幸いである。。。。というか、前回の告知ではあんまり読んでくれた人は多くなかったよね(~_~;)。
 
 
でも、今となっては内容が古びてしまった気がする。まだ国会で議論さえされていないのに。
なぜなら、その後矢継ぎ早に林野庁が「森をバンバン伐ってしまえ」施策を打ち出したからだ。なんか主伐補助金なんて昔の話題で、今はコッチコッチ、新商品出たよ~と引きずり回されているような既視感……安倍内閣のやり方は、万事がそうなんだな。
 
たとえば「新しい森林管理システム」(森林バンク?)だ、「森林経営管理法.案」だ、と次々と出て来ている。
ほかにもいろいろあるんだよ。製材業者が伐採業に参入するときにつけてくれる補助金とか、建設業者と連携したら優先的に出る補助金とか。そして借金は国が債務保証してやるとか。。。信じられんほどの優遇だ。
 
内容はというと、ようは全部バンバン木を伐れ、木を出せ、所有者がぐずったら強権的に奪って伐ってもいいぞ、その経費は国が面倒見てやる、というものだ。
 
なんか、(伐採を)やれ、もっとやれ、儲かるぞとけしかけるヤレヤレ詐欺のような。。。
 
 
心底イヤになった。林業政策のことを考えると頭に血が昇る。キリキリと怒りが込み上げる。
もう林業に関しては筆を折ろうかと考えた。まあ、筆は使っていないが。
 
かくなるうえは、こうした政策を進めている林野庁の顔ぶれを記録しておこうと思う。
 
これは長官や次長だけではない。林政部も森林整備部も昨年~今年に林野庁に在籍した職員はみんな責任がある。誰も止めようとしなかったのだから。広報関係も罪が重い。まるでこれが日本の森によいこと思わせる情報ばらまいている。
内心反対です、なんていうのは言い訳にならない。ようは自分の出世や職場での安泰と日本の森を天秤にかけたのだから。
 
どうせ数年で移動するからとなめているのかもしれないが、10年後20年後、日本の森がスカスカになってはげ山だらけになったとき「なぜこうなったの?」と疑問に覚えたら、2018年に林野庁に在籍したこいつが森林破壊を推進したんだよ、とわかるようにしておきたい。
 
 

2018/02/14

手づくり木工「さじフェス」記事

TABITOTE」というサイトに、こんな記事を書きました。

 
 
このサイト、基本的には通販を手がけているようだが、旅と手(TABITOTE)とあるように、全国各地の手仕事・手づくりのものを紹介していこうという趣旨のよう。
 
TABITOTEでは日本各地に存在する人の手によって作られた、その土地土地の食べ物や民芸品を取り上げています。手仕事によって作られたものは、そのものを通じて作り手の心に触れ、その土地や人々の生活を知ることができます。そのような旅のガイドブックとしてTABITOTEをお読みいただけるとうれしいです。
 
 
で、今回私に依頼があったのが木工だったので、「手づくり木工」というテーマにした。そして取り上げたのが、昨秋に岐阜県の森林文化アカデミーで開かれた「さじフェス2017」。このイベントを中心に日本の木工の現状について記した。
木工と言えば、家具の時代からカトラリーへと、より身近な木製品へと移っている。木の手触りのわかる品がもっとも強いのかもしれない。
 
 
写真はみんな提供してもらったものだが、なかなか素敵ですよ。
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ちなみに、このサイトには、以前は「漆器の向こうに広がる漆の世界」 という記事も執筆している。

2018/02/13

ネイチャーの「スーパー木材」を考察する

一部で盛り上がっている?「飛行機の金属よりタフで軽い「スーパー木材」を開発

 
科学誌『ネイチャー』に今月8日に掲載された論文によると、チームは、木材の細胞壁に含まれる「リグニン」という物質を取り除いたあと、約65℃で加熱して繊維を圧縮させることで、結合を強める技術を開発した。
強度は鋼やチタン合金と変わらないが、重さは6分の1と軽量で、曲げ加工など成形も可能だ。
 
私は一読、うさん臭いと思った(笑)。でも、せっかくだから考察してみよう。
 
まず記事の「リグニンを取り除く」とはどういうことか。
よくリグニンとセルロースの関係を鉄筋とコンクリート(セメント)の関係と同じと説明されることがある。鉄筋にセメントが包み込むように、セルロースにリグニンがへばりついている。
リグニンを取り除くということは、鉄筋コンクリートからセメントだけを剥がして鉄筋を残す技術ということになるが、それがいかに大変か。
 
製紙過程でも同じことをするが、その場合は木材を粉砕してチップ以下にする。そして薬剤でリグニンを溶解してパルプにするのだが、もはやそれはセルロース塊であり木材ではなくなる。今回は木材の形状を保つようだ。いかなる方法を用いるのか。
 
天下の「ネイチャー」に論文になっているというのだから、まずは「ネイチャー」の原文記事 を探す。もっとも英文だし、テクニカルターム満載だろうから、私が読んでどこまで理解できるか。。。だいたい私は化学系は苦手だ。
 
あっ、日本語要約サイトがあった(^o^)。そこから原文に飛び、なんとか該当部分を見つけ出した。その訳を示す。
 
二段階プロセスは、NaOHとNa2SO3の水性混合物中で沸騰プロセスによる天然木からのリグニンおよびヘミセルロースの部分的除去し、続いてホットプレスすると、細胞壁が完全に崩壊し、高度に整列したセルロースナノファイバーを有する天然木が完全に緻密化される。
 
水酸化ナトリウムと亜硫化ナトリウムの混合物を使うのか。だが、重要なのは、その後の「部分的除去」だろう。つまり、全部リグニンを除去するのではない。
 
イメージとしては、鉄筋コンクリートのセメント部分に穴をいっぱい開け、スポンジ状にした感じか。そして、その後高熱で圧縮しスポンジの穴を潰す。すると鉄筋の割合が非常に多い物質になる。
同じように木材からリグニンを薬剤である程度溶かし去り、それを圧縮するのだろう。するとセルロース比率の高い木質になる。だが、ここでセルロースナノファイバーという用語が出てくるから、通常の木質セルロースではなく、ナノファイバーまでセルロースを分解してしまうのだろうか。厚さは80%縮小し、密度は3倍、剛性は11倍になるとある。
 
しかし、木細胞はもともと中空だから、それを圧縮してしまうのと変わらない。通常はまた元にもどってしまうが、リグニンを減らすことで穴を増やしもどりにくくしたのだろうか。
 
 
なんとなくわかった気持ちになるが、やっぱり納得しない。木質化学の専門家に説明を受けたいものである。
そもそもセルロースナノファイバー自体が、実証までは行ったが実用まではまだまだハードルのある物質だ。今回の開発物質も実験室レベルだから、実用まで行けるかどうか。さらにコストまで考えれば、果たして実用性があるのかないのか……。
 
 
 
 

2018/02/12

雪の足跡

今朝起きて、外を見ると雪景色だった。積もったのはさっと3センチくらい。今冬、生駒では一番の積雪だ(笑)。

 
さて、3センチとは言っても、そのまま凍ったらアイスバーンになって困る。そもそも我が家の前の道はかなりの急坂。ツルツルになったら車の行き来ができない。
 
とりあえず我が家の家魔の前の雪かきを行うことにした。ま、簡単なものである。3センチだから。。。。
 
1
 
雪を除いて気付いた。足跡が付いている。って! 
通常と反対。雪を踏んだところだけ雪が凹むのではなく、足跡だけ雪が残って盛り上がっている。アップしてみると。
 
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おもしれえ。
 
少し離れた道路には、普通の足跡があった。これが真っ当な足跡というもんだよ。
 
4
 
 
ちなみに、昼頃には雪はほぼ溶けた。今日は気温は低めだが日が照っている。
 
で、足跡は水となった。
 
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2018/02/11

スゴイ官僚「杉浦譲」

たまたま手に取った「杉浦譲」(NHKブックス・高橋善七著)。

 
明治維新を支えた旧幕臣を描いているのだが、ほとんど無名だろう。だが、その足跡を追うと、なかなかスゴイ。甲府の幕府勤番の出身だが、非常に優秀だったようで官校の助教を振り出しに、外国奉行所に勤めて幾度も渡欧し、幕末の外交に尽力している。明治になると、旧幕臣ながら優秀ゆえに徴用された。
 
明治政府では、民部省をはじめに、駅逓権正、つまり郵政事業の立ち上げから不平等条約の改正や府県区画の再編、富岡製糸場の創設、陸運会社の設立、地租改正の推進、新戸籍法の起草、さらに東京日日新聞の創刊、つまり現在の毎日新聞へとつながる全国初の日刊紙の創刊をなし遂げている。
 
なかなかスゴイ官僚なのである。
 
その業績の中でも最後に手がけたのが、官有林の設立である。つまり、現在の国有林となる森林の制度の立ち上げに関わっていた。とくに森林行政に詳しいわけではなかったようだが、フランス式の林学をかじっていたようではある。
 
明治7年に官有林保護育成の基本方針を決定するのだが、それを担当したのが地理局。そこに杉浦は着任したわけだ。そして基本策を打ち出している。
 
「森林の国家経済に及ぼす影響は実に大なるものがある」
「山林に対する改革が行われないため巨害が現出するわけであるけれども、直接に人の心を揺り動かすに至らない」
 
林区、これは現在の森林管理署に相当する部署をつくろうと建議するが、経費の面から苦労した様子が描かれている。しかし体(林区などの林野制度)の完全を求めるが、その用(栽培、人材、伐採)を実施することができない……と嘆いている。
 
明治10年には地理局局長になり、官有林の調査に出かけた。その記録によると、どの林区に何本の木が生えているかまで調べている。そして「部分木規則」を制定したようだ。
「部分木規則」は、言ってみれば分収林制度であるが、この制度は吉野にあり土倉家も関わっているので気になるところだ。
 
だがこの年の5月に長野県から愛知県の官有林を現場視察を行った際に、身体を壊して亡くなっている。43歳であった。
 
国有林や林野行政の実質的な創始者のような位置づけだろうか。
 
 
 
他にも杉浦は、盲人教育運動に取り組んだり、芸妓娼婦の解放にも取り組んでいる。
後者はいわゆる「牛馬解き放ち令」である。当時の娼婦や年季奉公人は身の自由を奪われ牛馬のごとし、しかし牛馬が借金して金を返さなくてはならないのはおかしい、だから牛馬を解き放て、という論法で、人身売買を禁止し、すでに売られていた人はすべて無償で解放させたのである。これはマリア・ルーズ号事件の裁判とも関わっているのだが、こうした廃娼論を裏で支えていた。
 
やっぱりスゴイ官僚だ。
 
 

2018/02/10

木の価値の新潮流?

なんか林政など施策以外の話題を探す(^^;)。

 
で、こんな日経新聞の記事があった。
 
 
出だしは、
国産の木材を使ったオフィスや店舗、駅などが増えている。天然の木の生み出す穏やかな空間に人が集まり、コミュニケーションの活発化などの効果がみられる。耐火性能など技術の進歩で柱など使える範囲も拡大。国産材振興の流れも追い風に、木の空間は住居から公共の場へと広がっている。
 
というように、木の使い方が変わってきたことを示している。そしていくつかの企業の試みを紹介する。オフィスや店舗、JRの駅(秋田駅)などである。
「コミュニケーションが取れる仕組みを」
「週5日過ごす場所。自分の部屋の延長線上のような居心地良いオフィスを目指した」
「客の滞在時間は他の店より長く、リピーターも多い。接客時間も増えるので、客単価は全店の中で一番高い」 
駅にいる人の滞留時間が従来の倍以上になった。人が集う風景が日常になってきた」
このような効果が出たとか。
これらをまとめて、こんな言葉を引き出す。 
「企業の社会的責任(CSR)で間伐材を使った時代は過ぎた」(竹中工務店木造・木質建築推進本部の小林道和副部長)
生産性向上などを勘案すれば価格が高くても導入したいと考える企業が増えているそうだ。
 
この記事のように、木造に「木を使う」だけの価値ではなく、作業効率や収益性・集客力が上がるから使う、となればシメタものだ。仮に単価が高くても意義がある。
 
……本当かなあ。いや、効果がないとは言わない。経験則としてはある。が、数値に現れるものではない。多分に感覚的なものだ。それで単価が高くても採用する価値があることをクライアントが理解してくれるかどうか。
ちなみに上記の例の仕掛け人は内田洋行らしいのだが……。
「天然木には調湿や脳活性化など12の効能がある。感じが良い場所に人は自然と集まる」(門元英憲オフィス商品企画部長)。
国産材を使った置き型家具の17年売上高は16年の2.5倍に増えたそうである。
 
まずは推移を見守ろう。(今回は毒を吐かないよ)。

2018/02/09

「日本スゴイ、官僚スゴイ」を探す

このところ林政施策批判ばかり続いてしまったが、某コメントで「日本スゴイ、官僚スゴイ」記事も書きたい、、、と記してしまった。

 
で、やってみようかと(笑)。
 
 
私の記憶している行政府のスゴイ例はわりとあるのだよ。
まったく記憶を頼りに記すので、細かな点は間違っているかもしれないことを念頭に。
 
第一に思う浮かんだのは、何十年か前の宮崎の口蹄疫に対する農水省だ。
口蹄疫が出たらウシ、ブタほか家畜の大半はやられる。極めて危険な病気だが、日本ではほとんど発生例はなかった。それなのに初期症状で気付いた獣医の報告から短期間に抑え込んだ状況を、私は当時のニュースで追いかけて感心した。素晴らしく初動が早く、適切な対応だった。
もっとも、それから何年後か、再び口蹄疫が広がり、今度は世界最大規模の被害を宮崎で出してしまうのだが……。
 
中国がレアアースの輸出制限を始めた時のことも思い出す。ハイテク製品に欠かせないレアアースだが、生産地のほとんどは中国。日本の各企業はパニックに陥りかけた。メディアもレアアース危機を煽っていた。ところが経産省ではこの事態を早くから予測しており、対策を打っていた。レアアースのリサイクル技術とレアアースを使わない製品づくりを進めて、レアアース危機は雲散霧消、輸出規制を事実上撤廃させた。その後もレアアースの価格は落ちたままである。地味だけど、あの担当者はスゴイと思った。
 
奈良県大塔村の山崩れを予測したのは、国土交通省。事前に降水量などから大規模な崩壊を予測して通行を止めて避難を行っただけでなく、現地にカメラを設置。おかげで山崩れで道路が流される瞬間の貴重映像を残した。これは今も残っているから探してほしいが、目の前で山が崩れていく様子が記録されたのはスゴイ。カメラの設置地点を決めた人もスゴイ。
 
ほかには何があるかなあ。
 
結果的にたいした対策はうてなかったが、全国でナラ枯れが始まった時に、その原因やメカニズムをいち早く発表した森林総研はスゴイと思いましたv(^0^)。これも、流行る10年以上前からナラ枯れの大規模化を予測して研究していたからだろう。ま、予測しても効果的に防ぐ手立てがないのだからしょうがないのだが。。
 
 
どれも、スゴイと感じたのは、事前予測と顕在化した後の初期対応がしっかり行われていたものだ。未来を読んで、今から動く。これこそ真骨頂ではないか。
 
でも、ここ5年ぐらいは記憶に残ることはない。未来を読むどころか目先の対策さえ怪しい。今を読んで手を打っても手遅れだっちゅうに。いや、今やっていることが未来に及ぼす影響さえ読めなくなっている。(正確には読まない、かも。)
 
やはり政治のトップが反知性的になると、部下も知性を捨てるのかねえ。。。

2018/02/08

WEBRONZAの「森林環境税の虚実」記事と5年前

もう止めたいと言いつつ、続く林政関連記事。

 
WEB  RONZA に、森林環境税の虚実~環境より林業振興? を書きました。
 
この記事は有料なので全部は読めないだろうが、(かといって、ここで勝手に公開するわけにも行かない)後半を少し紹介する。
 
小見出しは、
二重課税に、不透明な用途
市町村に林業に精通した人材はいるのか
都市住民の理解を得られるか
の三つ。不透明な用途には、8億円も余らせた長野県の事例など。市町村の人材に関してはYahoo!ニュースに書いたとおり。
 
最後の項目は、「全国民から森林のための税を徴収することで、都会の人にも森林に対する意識を高めてもらう効果を期待する、とする意見もある。しかし私には疑問だ。」と記した。
 
さあ、出揃った。関係某所の方々、ぜひ、「ご説明」に来ていただけることを期待しております。説明だけでなく反論異論なんでも示していただければ、その内容はつぶさに公表します。私にYahoo!ニュースやWedgeなどに書かれっぱなしで終わるより、広報として価値があるのでは? 
 
 
ちなみに、この記事の最後に関連記事の一覧がある。そこに
 
 
これ、2012年の記事だ。このフォーラムに私も覗きに行ったのだった。
この記事を今読むと面白い。
 
政府が打ち出した「森林・林業再生プラン」の理念には賛同の声が相次いだものの、現実は正反対の方向に進んでいると林業家から実情報告があった。
 
当時は民主党政権だったのだが、この森林・林業再生プランはいまいずこ。
 
2020年までに木材自給率を50%にするというのが、再生プランの掲げる目標だ。
 
これは2025年に延長されたが、今も林野庁を呪縛している目標だろう。
 
現実に起こっているのは、「50%」という数字の一人歩きで、とにかく搬出量を増やす動きが目立つ、と広島の安田林業社長の安田孝氏は指摘した。パネリストになった同社社員の中島彩さんは「同じ面積で何立方メートルの木材が出るかで補助金が変わってくる。林業をやっている人たちと話すと、すぐ量の話になる。残す木を傷つけてでも量を出そうとする動きは残念」と話した。
 
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安田社長と中島彩さん、いいこと言っているねえ(^o^)。
なんか、見事に現代と被っているではないか。5年経っても状況は変わらないというか悪化している。「残念」が加速する。



2018/02/07

「林業9割に債務保証」って……。

もう当分、林野庁関係の施策について記すのは止めようと思っていたんだよなあ。

 
だって、気分が悪いから。頭にカッカと血が昇るから。反吐が出そうになるから。
 
 
でも、こんな記事読んでしまった。
 
日経新聞である。
 
 
なんか日経の記者は林業も農業もよく知らないまま書いている様子があるが、ようは、林業の規模拡大を図らせるために金融機関から融資を受ける際、国が債務保証しますよ、ということである。
 
農水省は「林業の成長産業化」を掲げて規模拡大を促す。一つが国の保証事業の拡大だ。林業事業者が金融機関から融資を受ける際、国などの基金を使った債務保証の要件を緩める。通常国会に改正法案を提出し、現在1000万円以下の資本金要件について、中小企業の定義(製造業)である3億円以下に緩める。
これに伴い債務保証の対象範囲は事業者の9割超まで広がる。
 
この場合、規模拡大というのは、大型林業機械を導入させて、ばんばん木を伐れ、ということなのだな。資本金3億円以下とすれば、たいていの伐採業者は適用できる。
 
冒頭に宮崎の例があるが、
「切りごろを迎えているのにもったいない。宝の持ち腐れだ」。宮崎中央森林組合(宮崎市)の奈須隆男事業課長はこう話す。この冬、樹齢40年を迎えた「適齢期」のスギ約700本を伐採した。周りの森林所有者にも伐採を持ちかけたが、了承をもらえなかった。
 
木が成長しすぎれば倒木の危険もあり、加工して流通させたとしてもコストがかさむ。
  
これ、何を言っているのかわからない(@_@)。40年すぎたら「成長しすぎ」? 「加工して流通」って、何に加工するの?
 
40年で伐採適齢といわれると、いくら宮崎でも……と思うのだが、ようは周辺の所有者の山も含めて皆伐の規模を拡大したいということだろう。
 
 
しかし、何千万という林業機械のために融資を受けるとして、1台スウェーデン製購入するのに1億円です、作業中にアタッチメントが故障しました、修理費400万円です、あ、丸ごと交換は3000万円です……という世界だから、焦げつく可能性も高いように思う。でも、国が保証してくれるんだから大丈夫だね!
 
どんどん事業者増やして、木を伐らせて、国土を裸にして、伐る木がなくなった途端どんどん倒産するだろう。そのとき、山村は滅ぶのだ。

2018/02/06

Yahoo!ニュース「消えた200万ヘクタールの森」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「消えた200万ヘクタールの森。統計の陰にカラクリあり」 を執筆しました。

 
これは純粋に、森林面積の統計を見ていて数字が合わない理由を調べた結果なのだが……もっとも知りたかった「伐採跡地」がどれぐらい広がっているか、という点については数字が見つからなかった。
 
というより、多分、全国的な伐採跡地(樹冠占有率が0,3以以下の面積)は、誰も合計数値として表わしていないのだろう。
本当は、各都道府県が地元の伐採面積を割りだして、それを集計すればよいだけなのだが、それをやっていないみたい。加えて怪しいのは、届け出から皆伐した面積はそれなりに導けるとは思うが、届け出ていないケースや、届け出の数字自体が信用できるのか……といった問題もある。
 
さらに伐採跡地に再造林を行っているかも、まとめた数字はなさそうだ。
 
せめて衛星写真から割りだしたらよいのだが、各県の担当者は面倒、というより表に出したくないのではないだろうか。
 
 
昨年末の朝日新聞の記事によると、青森、岩手、秋田、山形、宮崎、鹿児島の6県は、伐採と再造林状況を調べた数字があったそうだ。たった6県というのは少なすぎるが……その結果は、6県で年間6700ヘクタールを伐採(皆伐だろう)していて、その約6割が再造林していなかったのである。
 
Img001
そういや、以前、林野庁に電話で上記の記事に書かれている数値は庁として把握しているのか、と問い合わせたのだが、知らないようだった。私はほかの数値も耳にしていたので、どちらが正しいか確認できないかとも尋ねたが、できないとのことである。
 
なんか、基本的な統計がない、もしくは信用できないというのは困ったものだ。 
 
 
せっかくだから、この記事にある6県で年間6700ヘクタール伐採という面積を援用すると、同じ規模の伐採を5年間続ければ3万3500ヘクタールになる(5年ぐらい経たないと植えた苗が育って森林と呼べるようにならないという前提)。全国ではその10倍ぐらいの規模だと仮定したら、約33万ヘクタールが伐採跡地として「木のない森林」となる。
 
まあ、雲をつかむような推定だから、あんまり意味はない。もっと確度の高い全国の「伐採跡地面積」の推定方法はないだろうか。
 

2018/02/05

樹木葬はいま

樹木葬という選択』を発行して、気がつけばちょうど2年になる。

 
Photo
 
ちょっと、こちらの分野を忘れがちになっていたのだが、先日ひょんなことから拙著で取材したお寺さんと連絡が取れた。いや、ラインで勝手につながったのだけどねv(^0^)。
 
それで電話で話したのだが、先方は熊本県産山村の真宗正信教会。あの、熊本大地震の震源地近くではないか。
 
聞けば、やはり地震の被害は大きかったそうで、最近ようやく住めるようになったとか。大変な思いをしたらしい。。。
 
それはともかく、私が取材した際の0,7ヘクタールの樹木葬墓地は、もう埋まってしまったという。今は、新たな林地を取得して、新しい樹木葬墓地をつくったという。なかなか盛況な様子であった。
 
 
そんな話を聞いていたわかったのだが、樹木葬を求める傾向が変わってきていることだ。当初、私が取材で感じたのは、墓守などで「孫子に迷惑をかけない墓」としての樹木葬だ。将来的には森になるので墓守の必要がなくなることや、一人墓であることも相続の心配をしないで済む。ところが、今はそうした理由だけではなくなっているという。
 
もちろん、そうした意志で本人が契約する樹木葬もあるのだが、それは、現在生きている人々が死んだら入るつもりの墓。今増えているのは、すでに亡くなり埋葬された人の墓の改葬なのだそうだ。
つまり、墓じまいである。先祖が入ってきた石墓を遺族が撤去する際に、残った遺骨なり何なりを移す墓としての樹木葬なんだそうだ。
 
そうか! 実は別の樹木葬墓地をつくったお坊さんからも聞いていたのだが、せっかく本人が契約したのに、遺族はその樹木葬をやらないケースが多いのだそうだ。おかげで契約金は受け取っているのに、樹木葬墓地は埋まらない。それって、いちばんオイシイ……と言っては失礼だが、遺族が問題なのだそうだ。
 
ならば生前契約より、墓を持て余している遺族に、樹木葬を勧めるのもいい手かもしれない。
遺骨は分骨扱いすれば、石墓も残せて手続きが楽になる。
 
 
樹木葬を、もっと広げねばならない。。。改めて使命感に燃えてきたのであった。樹木葬ジャーナリスト、樹木葬宣導師の看板を掲げようかなあ。
 

2018/02/04

ナラ枯れ木の伐採

矢田丘陵の遊歩道を少し歩いたら、各所でナラ枯れ木の伐採が行われていた。

 
1
 
2  3
 
ここは生駒市の管轄なので、当然市として行った事業だろう。
それはよいのだが、見た通り伐採した木(主にコナラ)は玉伐りして積んである。とくに燻蒸処理したようには見えない。
 
ナラ枯れした木を伐採したら、燻蒸しないと、そこからカシノナガキクイムシが羽化して飛び出すから余計に被害を広げる……というのは、基本である。
実は、私もタナカ山林のナラ枯れ木を伐採する際に補助金があるからというので調べたところ、伐採前後の確認に加えて、燻蒸処理を2週間だったかな、をしないと出ないと言われてあきれたことがある。
 
たしかに枯れたばかりの木なら枯れた木の中にいるカシナガの幼虫を殺さないといけないが、枯れて1年以上も経っていたら無意味だ。それでも燻蒸するのが補助金の条件。しかも金額は最大20万円までだったか、多分足が出る。そもそも燻蒸できる業者は限られていて、その案内もない。
 
ようするに補助金使わさないための規約じゃねえか、と思わせたのである。
 
が、肝心の市が行うナラ枯れ木の処理でも、燻蒸していないではないか。無駄と気付いたのか。
 
どうせ広がったナラ枯れは、多少の燻蒸で抑えることなど不可能だ。もっと、伐採だけの補助金を気軽に出せば、市民の自主的な処理が進んだのに。ちなみに私は自主的に一部の伐採だけを行いましたがね。
 
補助金の使い方がバカっぽい。ナラ枯れの初期に一気に行えば効果的だったのに。公益的な意味からも、林業の経済行為に出す補助金よりも、よっぽど有意義だろう。

2018/02/03

『桜の樹木学』のコラムに……

ふと手に取った書籍『桜の樹木学』(近田文弘著・技術評論社)。

 
1  
 
オールカラーのなかなか贅沢な本なのだが、内容はサクラという木に関するかなり詳しい専門書であった。著者は、国立科学博物館の名誉研究員とのこと。この本をパラパラめくって発見してしまった。
 
後半にあったコラムである。
 
2
 
吉野山のサクラを救った土倉庄三郎」というタイトルで、吉野山のサクラを土倉翁が買い取って守ったこと、奈良公園の春日山の植栽に取り組んだことを紹介している。
さらに本多清六のことや、大滝の磨崖碑まで写真入りで説明している。
 
ネタ本は、やはり拙著『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』である。
 
こんなところに活かされるとは、望外の喜びである。
(ただ、春日山原始林を全部植えたように記されているのは、ちょっと勇み足。正確には春日山の半分で、春日大社側の山は原始林である。)
 
思わず購入してしまいました(^o^)。
 
私も、この本でサクラについて勉強しよう。めざせ、サクラ・ジャーナリストである。

2018/02/02

Yahoo!のオーサーラウンジ

Yahoo!ニュースラウンジ

本日は大阪で開かれたYahoo!ニュースのイベントに参加。

江川紹子さんの話のほか、懇親会。というか、懇親会目当てか。

ようはYahoo!ニュースに執筆してるけど、横のつながりのない人が交流しようという、結構涙ぐましい会なのだ(笑)。

おかげで終了後も参加メンバーで飲みに行って、親交を深めました。

 

ちなみに私は、意外と有名人であることを知った。

なんたって、私の木の腕時計を見て、「もしかして、田中さんじゃありません?」と声をかけられたんだから(笑)。木の腕時計が有名なんだわ。

2018/02/01

シン・ゴジラなみのバイオセミナー

誘われて「バイオマス利用研究の大海を未来に向けて進む舟」というフォーラムに行ってきた。

 
木質バイオマスのセルロースやリグニンの利用研究の最前線を勉強するにはいいかな、と思って参加したのだが……。参加者はみんな研究者ばかりで、私が部外者であることは、会場に入ってすぐに感じ取った(^^;)。
 
001 ほほ黒服。男も女も。
 
ヘトヘト。フラフラ。
 
それがどれぐらいかというと、映画「シン・ゴジラ」の会議シーンぐらいに(笑)。
 
とにかく難しい化学用語が頻発する上に、限られた時間内にみんな盛り沢山の内容を語ろうとするので早口になって進む進む。
 
セルロースとはD-グルコピラノースがβ-1,4グリコシド結合したホモ多糖類のことであり、木材利用の未来を切り拓くイオン液体を用いたバイオリファイナリー技術・非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発・地域のリグニンが先導するバイオマス利用システムの技術革新(SIPリグニン)・先端的低炭素化技術開発(ALCA)特別重点技術領域「ホワイトバイオテクノロジーによる次世代化品創出」炭素繊維プレカーサーであるポリアクリロニトリルウレタンを代替するリグニンペースの炭素繊維の開発・1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド……
 
ま、こんな言葉が早口で飛び交うのさ( °◇ °) ガーン。。。
004  003 
 
レジュメもこんな感じ。
 
008  007
 
「シン・ゴジラ」でも、尾頭ヒロミと間邦夫と安田龍彦の会話の意味はよくわからなかったが、それに匹敵する(笑)。 牧博士の暗号化資料と変わらん。
 
それでも私なりに理解したのは、これからは「イオン液体」が重要な役割を果たすこと。これを使えば木材も溶かすことができること。セルロースもリグニンも分離して抽出できること。
 
針葉樹と広葉樹はまったく別の生き物であること。多様で難解なリグニンも、スギに絞り込むことで展開が開けること。。。。
 
 
それでも、参加してよかった。とにかく研究最前線に触れることで頭の片隅にキーワードを仕込めた。そして、中身はわからなくても枠組を読み解くチャンスを得た。
 
 
問題は、セルロースもリグニンも、材料となると端材で十分で、これを町の工場で生成しては山元になんの還元もなくなることだろう。端材ゆえに価値がつかない。やはり山の現場で造材しつつ、タンコロをその場の山小屋に設置した装置に放り込んでリグニンを分離生成するぐらいの仕組みがないといけない。それを反ヤシオリ作戦とでも名付けたい。
 
とまあ、そう思ったのだが、多分なんのことかわかるまい(⌒ー⌒)。
 

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森と林業と田舎