すでにブログで紹介して、新幹線に乗ったらグリーン席に「Wedge」2月号が置いてあるから抜き取って読んでね、とまでお願いした、「主伐補助金」に関する記事が、ネットの「Wedge Infinity」にも掲載された。
改めて目を通していただいたら幸いである。。。。というか、前回の告知ではあんまり読んでくれた人は多くなかったよね(~_~;)。
でも、今となっては内容が古びてしまった気がする。まだ国会で議論さえされていないのに。
なぜなら、その後矢継ぎ早に林野庁が「森をバンバン伐ってしまえ」施策を打ち出したからだ。なんか主伐補助金なんて昔の話題で、今はコッチコッチ、新商品出たよ~と引きずり回されているような既視感……安倍内閣のやり方は、万事がそうなんだな。
たとえば「新しい森林管理システム」(森林バンク?)だ、「森林経営管理法.案」だ、と次々と出て来ている。
ほかにもいろいろあるんだよ。製材業者が伐採業に参入するときにつけてくれる補助金とか、建設業者と連携したら優先的に出る補助金とか。そして借金は国が債務保証してやるとか。。。信じられんほどの優遇だ。
内容はというと、ようは全部バンバン木を伐れ、木を出せ、所有者がぐずったら強権的に奪って伐ってもいいぞ、その経費は国が面倒見てやる、というものだ。
なんか、(伐採を)やれ、もっとやれ、儲かるぞとけしかけるヤレヤレ詐欺のような。。。
心底イヤになった。林業政策のことを考えると頭に血が昇る。キリキリと怒りが込み上げる。
もう林業に関しては筆を折ろうかと考えた。まあ、筆は使っていないが。
かくなるうえは、こうした政策を進めている林野庁の顔ぶれを記録しておこうと思う。
これは長官や次長だけではない。林政部も森林整備部も昨年~今年に林野庁に在籍した職員はみんな責任がある。誰も止めようとしなかったのだから。広報関係も罪が重い。まるでこれが日本の森によいこと思わせる情報ばらまいている。
内心反対です、なんていうのは言い訳にならない。ようは自分の出世や職場での安泰と日本の森を天秤にかけたのだから。
どうせ数年で移動するからとなめているのかもしれないが、10年後20年後、日本の森がスカスカになってはげ山だらけになったとき「なぜこうなったの?」と疑問に覚えたら、2018年に林野庁に在籍したこいつが森林破壊を推進したんだよ、とわかるようにしておきたい。
とうの昔に林政については無視することにしています。以前は林野庁の政策について見聞きしていましたが、今は全く近寄らないことにしています。
それと同じように国政についても諦めています。いつ国が破綻するのかが今の問題点ですが、破綻しないことは不可能であることは確実です。
この国の唯一の資源である水と森林資源を食いつぶそうとしているのですから最悪ですが、いずれ破綻する運命ですからどちらでも同じというか、その時の人が苦労するだけのことという無責任、そんな国を半数の人たちが支持しているという現実があるのですからどうしようもありません。あるだけの餌をばらまいて何とかその支持を保とうとしているのですが、それに騙されているというのか、無関心というのか、どちらにしても国のトップの能力が国民の能力のレベルを表してるのですから救いようはありません。
リニア新幹線も同じことですが、この雑誌では国に対する批判は農林関係のみという感じですが。
投稿: フジワラ | 2018/02/16 10:02
毎年何兆円ずつ積み上がる借金は、必ず行き詰まる時が来ます。そのとき財政は破綻して緊縮せざるを得ない。真っ先に切られるのが林業系の補助金でしょうね。どう見ても垂れ流しだから。その覚悟は林業者にあるのか。
思えば国の財政の縮図が林政のようで、将来を見ずに目先の利益で支持をつなぎ止める政策です。
投稿: 田中淳夫 | 2018/02/16 10:36
あれ?そうなのですか?ネットで注文しましたよ!税金使って木を伐りまくって、ゴミの様に安く叩き売る…税金と資源の無駄遣いですな。誰が特をするのか…
投稿: 山のオヤジ | 2018/02/17 01:19
徳島県で林業に従事しているものです。
行政さんのやる、政策には??が常に付きまといある種の怒りを覚えます。
現場にはもっぱら
どんどん切れ!
どんどん出せ!
機械がいるなら買ってやる!
そんな事ばかり入って来ますが
原木市場価格が頭打ちなのに、どんどん出してどうしろと言うのでしょうか?
市場は頭打ちなのにどんどん出せば、競り値はどんどん下がります。
拡大するチップ需要のために二束三文のチップ材を量産しろと言うのでしょうか?
そもそも現在の杉だらけ状態も昔のどんどん植えろの拡大造林時代の負の遺産なのに、森林価値だの何だの言って誤魔化し続けです。
現場作業員は生活保護レベルの薄給で使われて、改善の見込みもありません。
例え搬出量が半減しても、
市場値が倍ならば所得は変わりません。
機械損料や、輸送費など含めれば増収です。
本来並ば増産ではなく、増益を考えなければいけないのに、役所の書類だけの林業成長理論ばかりが進みます。
増産と言っても
現場は高齢化、若手は不足、人口は少子化
これで誰が伐るのでしょう?
お国から準公務員扱いで、人員でも融通してくれるのでしょうか?
国土のなんとかとか、緑のなんとか
やら言葉は出ますが、そんな公益性が高くて、国民為になるなら
民間事業体に無茶な注文付けずに
国営にでもしろよ!と愚痴もこぼれます。
今の疲弊しきった林業を誰が魅力に感じて、どこのアホが林業をやってみたい、林業に就こうなどと思うのでしょうか?
国家100年の経を考えるならば
今、補助金で皆伐して
補助金で搬出して、補助金で植え直し、補助金で育てる。
永遠の金食い虫など推進せずに
育林エリアを限定し、無補助で採算ベースにのる優良エリアのみに再造林を許可し
それ以外の山は強間伐、将来的には自然更新による天然林への復旧を科せば良いのに。
同じ補助金バラマキならばよほど価値があることと思います。
投稿: 酔渓 | 2018/02/18 12:33
まさに同じ問題意識ですね。高額の林業機械の購入補助をするぐらいなら、給与を上げたら人は集まりますし、よりスキルも高まるはずなんですが。
増産したら価格が落ちるのも当たり前なんですが、役人的には興味ないんでしょう。生産量という数字が欲しいのです。それが自分の業績にもつながりますからね。
ここまで行くと、何をどう変えたらよいのかさえわからなくなって、「絶望の林業」という言葉が浮かびます……。
投稿: 田中淳夫 | 2018/02/18 21:53