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2018年3月

2018/03/31

林業従事者数は4万5440人

日本農業新聞 によると、2015年の林業従事者数は、4万5440人だったそうだ。

 
5年ごとに調査しているが、前回2010年が5万1200人だったから11%もの減少、ついに5万人台を割り込んだ。
 
Photo 農業新聞のグラフ。
 
Photo_2 林野庁のグラフ。
 
 
正直、ずっと減少しているのだから今更感はあるのだが、減少率が高くなったのは、高齢化した従事者が多く引退したからだという。まあ、それもあるだろうが……。
グラフを見たら、高齢化率も上がっていた。通常、高齢者が引退して数が減ったら、高齢化率は下がるんじゃないかね? それに若年者率も落ちていたし。つまり、高齢者の率が増えて若年者率が落ちたと読み取れる。
 
やっぱり若者も辞めていった、新規参入も減ったと見てよいのではないか。
 
林業は、人口減少しても若年者は増えている、というのが、近年の自慢ネタだったのになあ。
 
 
もともと私は、林業を志す人の割合はいつの時代もそんなに変わっていないのではないか、というのが持論なのだが、景気は回復していないが人手不足という世相の中で、やはり都会の企業に人を取られていくような気がする。
林業人材を育成するという目的で林業大学校が次々とオープンしているが、林業指向を持つ人の人数が増えていなければ奪い合いになるだけだ。結局、各大学校が定員割れしてしまう。
林業に興味のない人を参入(入学)させないと、林業人口はじり貧だろうね。
 
 

2018/03/30

平城宮跡歴史公園オープン

奈良の都、平城宮跡歴史公園がオープンした。開園式は先週末に開かれたばかりだが、ちょっと覗いてきた。

 
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全国的にどれほど知られているのかわからないが、平城宮跡はこのほど国営公園に指定されたのである。国土交通省所管の公園で、今回は国営飛鳥歴史公園と合体される形。
 
遺跡を公園? 賑やかに人を集めて遺跡や景観を破壊するのでは……という声もあったのだが、行ってみて拍子抜けした。
整備したのは、遺跡ではなく、遺跡前に復元された朱雀門の広場「朱雀大路」。以前は化学工場などがあったのだが、それを移転させた跡地を整備したといってよいだろう。 
 
そして、オープンから1週間経っていないのに、わりと静か。平日の午後遅めだったこともあるかもしれないが、たいして観光客が殺到しているわけではない。
まあ、交通の便が悪いんだけどね。最寄りの駅から20分は歩く。車で行けば楽だけど、シャトルバス的なものはまだない。駐車料金はタダのようである。
 
また建造物もほとんと平屋で平城(なら)である。なんだか青空が広かった。
さぞかし飲食店や土産物店が並ぶかと思いきや、いたって質素。レストランとカフェ1軒ずつ。土産物の品数の少ないこと。これじゃ、金が落ちないぞ、と文句を言いたくなる。
 
そして展示施設としてはいくつかあるが、メインの「平城いざない館」。
 
これ、意外によかったよ。かなり貴重な遺物や伝統木造建築の巨大模型が並ぶ。考古学マニアや木工・建築マニアには楽しめるぞ。漆工芸の道具の数々も目を引く。
素人向きながら、発掘の最新成果もあった。平城遷都をした710年には、まだ大極殿(天皇の執務殿)は完成していなかった!(聖武天皇はどこで儀式してたんだ)とか、水道管(樋)は藤原宮の建物の柱の使い回しとか。
 
2
 
 
が、何より気に入ったのは、展示のセンスだ。
 
1
 
広い館内で、なぜか天平人が丸太を運んでおる。
 
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左は平城宮の料理人。「毎日、何百人分もがんばってつくっているのに、『おかずがまずい』と文句つけられるなんて、あんまりです」とセリフつき。おばさんの顔が怖い。
 
右は門番。毎日開け閉めするのにあくびが出る……とあくびしそうな顔のフィギア。
 
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親の七ひかりで役人は出世するのだよ……と、皮肉っている。
 
こんなヒトテマのセンスがイマドキの展示には重要だよなあ。インスタ映えもするし(^o^)。
 

2018/03/29

Yahoo!ニュース「スプーンは育てるもの?…」を書いた裏事情

一日遅れだが……Yahoo!ニュースに「スプーンは育てするもの? 今、手づくりカトラリーが熱い 」を執筆しました。

 
実は、昨夜は出かけて飲んだくれていたのさ。だからストック記事をアップしたのであった(^o^)。
 
 
で、Yahoo!記事なのだが……裏事情も何も、そのまま。「育てるスプーン」が贈られてきたので、これを書こうと思ったのであった。
 
もっとも、実はその前から「手づくりカトラリー」がブームであることを記事にしたくて練っていたのだが、「さじフェス」のことは別のところに記事にした のでメインにはできないなあ、何かネタないかなあ、と思っていたところに届いたのだから鴨が葱しょってきたようなもの(使い方間違ってる?)だ。
 
さらに裏事情を明かすと、先月に東京から新規に林業参入を考えている某企業の方々を吉野の山へ連れて行っていた。幸い某泉谷製材所の某泉谷さん(笑)の協力も得て、川上村のかなり奥の方まで訪れて森に入ったのだが、説明を始めたところに現れたのが、「地域おこし協力隊」の文字の入った車。
 
そして降り立ったのが、記事にも触れた鳥居由佳さんと樟蔭学園の春木智仁さん。なんと、吉野の奥の森の中でばったりと会ったのである。
お二人は、ちょうどその山の奥に学園林があるので訪ねたそうだが、せっかくだからと一緒に解説を聞いたわけである。いや、話したのは私ではなくて泉谷さんなんだけど(~_~;)。 
 
それを縁に、今回の「育てるスプーン」を贈ってくださったわけだ。
 
 
さて、私も日々スプーンを育てている。まだ未完成だが、こんなところまでいった。
 
Dsc_0981
 
あまりわからないだろうが、柄の部分のカーブに凝っている。それと木目を浮き上がらせるためにちょっと工夫。
この後、仕上げに磨きつつ、蜜蝋ワックスを塗り込む予定だ。
 
 

2018/03/28

木製腕時計、憂える

愛用の、そして最近はトレードマーク化しつつある私の木製腕時計。

 
どうも調子が悪い。急に針の動きが止まった。
と思ったら、また動き出している。。。
電池が切れたのだと思うが、交換までして延命するかどうか迷っている。
 
実は、止まる前より誤差がわりとよく出るようになっていたうえ、長針と短針の動きがおかしい。12時なのに、針が重ならない……。さらに針が止まったり動いたりする症状が頻発している。しかも文字盤の一つが外れてしまった。
 
 
実は、私にとって木製腕時計は現在のもので4代目。
 
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初代は、たまたまネットで見かけた品を衝動買いしたのだけど、ほとんど狂わなかった。そして、木製の軽さや肌触りの良さに驚嘆し、愛用者になったのだ。
ところが、旅の途中でフェリーの風呂場に置き忘れ、すぐに取りに戻った5分程度の間に盗まれた。。。
 
そのショックを抱えたまま、次に購入したのが写真の右端。これは、届いた途端に落胆した。写真とは違ったメチャクチャ雑なつくり。そもそも包みには保証書さえ入っていない。中国製のハンパものであった。腕にはめづらいし、騙された感が強い。
しかも、すぐに潰れた。時計が動かなくなったのである。
 
そこで3代目を購入したのだけど(中央)、これは肝心の木のバンドが弱い。すぐに木の片が欠けてしまう。それを接着剤で張り付けることを繰り返したが、やがて時計も止まってしまった。
 
悔しいので、今度はメーカーを選んで日本で製造していることを確認したのが4代目(左端)。これが現代のものである。
 
これ、そこそこイケたのだが、結局、バンドは大丈夫でも、本体の時計が狂うのではなあ。どこの品を仕入れているのか。
 
初代がもっとも安くてもっとも使いやすく、もっとも狂いもなかった。その後、どんどん高いものを購入しているのにイマイチが続く。
 
次はどうしようかなあ。
 
木製時計は意外と難しい。バンドを緩めてくれ、と時計店に持ち込んだら、断られたこともある。木製はネジを外すのも難しくて責任持てないというのだ。
 
頑張って木製腕時計にするにしても、メーカーは慎重に選ぼう。価格も張り込もうか。いや、価格とは関係ないのかもしれない。

2018/03/27

朝日の社説に森林経営管理法案

昨日の桜ジャーナリストから、森林ジャーナリストにもどる。

 
朝日新聞の社説に「森林経営管理法案」が取り上げられた。一部、森林環境税も取り上げている。
 
Img001
 
一読、内容は結構私の指摘してきたことに近い面もあるのだが……「方向性は支持できる」とか「考え方は理解できる」といった言葉が目立つ。どうも、森林に関しては甘いね。。。
 
採算がとれない森林は市町村が管理し、広葉樹などを交えた「複層林」に誘導する。
 
あれ? こんな言葉、法案にあったかな。複層林なんて、時代遅れな。今なら針広混交林だろうに……読み飛ばしてしまったのか。私は、つい、
採算がとれない森林は市町村が赤字覚悟で伐採し、森林環境税などを元にした補助金で穴埋めする
と読んでいたのかもしれない(⌒ー⌒)。
 
いくつか問題点を指摘しているが、やはり「長期にわたり経営管理をきちんと担える林業経営者を十分に確保できるか」という点に尽きる。
 
国が期待しているのは、低コストで効率よく大量伐採する意欲と能力がある業者だろう。それ以上は考えていない。だって、真面目に再造林と育林を続けたら赤字になる。他人の山を20年30年と預かって世話を見られる人(企業)がどこにどれだけいるというのか。
だいたい森林環境税の使い道も、二酸化炭素吸収源対策だなんだと並べているが、吸収源をなくしてしまう主伐という名の皆伐を推進しているのだから。
 
ま、私の目は懐疑から始まっているのに対して、朝日の論説委員はなにかを期待しているのだろうかね。

2018/03/26

ソメイヨシノ第1号が満開

今日は、どこもサクラが満開らしい。東京も大阪もみんな満開の報が届く。

 
奈良も咲き始めた。が、生駒山はまだ少し早い。蕾が限界まで膨らんだぐらい。明日明後日には開花して、週末には満開だろうか。
 
ここで上野公園の桜の写真を。わざわざお願いして送ってもらったのである。土江さん、ありがとう\(^o^)/♡
 
In_1
 
このサクラの木。「小松宮親王像」北側にあるソメイヨシノである。
 
何がすごいって、この木がソメイヨシノ第一号。たった一本のソメイヨシノから日本全国、世界中に広がったとされる原木なのだ。
 
 
ソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンだとされていた。しかし両者を掛け合わせても、その子木がみんなソメイヨシノの形質を持っているわけではない。そこで遺伝子を調べたところ、両者に加えてヤマザクラの遺伝子が約1割、さらに不明の遺伝子も混ざっていることがわかったそうだ。おそらく親木のどちらかが雑種だったのだろう。
 
もともと江戸の染井村で育種されたとされるが、生み出した複数の木を上野公園に植えて育てたようだ。それが、上記の親王像を囲むサクラだ。いずれも同じ親木から生まれたことが確認されたという。ソメイヨシノとエドヒガン系の品種コマツオトメが5本あった。つまり、このソメイヨシノが最初の1本なのだ。
 
そう聞けば、貴重でしょう(^o^)。

2018/03/25

伝統木造の手づくり感

奈良の街を歩くと、古い街並みも少しずつ変化を感じる。

 
その理由の一つは、観光客が増えたことかもしれない。これまで民家だったはずのところがカフェになったりお化粧直しをしたり。
 
2
 
これ、古い民家がカフェに化けていた。古い家をそのまま活かしたのかな、と思うが、よく見ると一階の屋根に丸太が並んでいる(~_~;)。どんな目的かわからないが、デザイン的にもよろしい。そして赤いパラソル……和傘風ではあるが、市販のものだろう。でも、これで、カフェぼくなるんだからたいしたものだ。
 
かつては足場丸太にしていたような細い丸太を屋根に並べるだけで、雰囲気が変わる。
 
 
1
 
こちらも繁華街に近いから、家の前を観光客もよく通るだろう。で、格子にしたら伝統的家屋ぽい。
 
が、よく見ると、この格子は木ではなく、竹であった。
 
1_2
 
紐でくくってある。。。
 
これなら比較的簡単かもしれない。
 
ちょっとしたアイデアで、雰囲気変えて、しかもたいした技術も材料もいらなくて、古民家風を演出できる。
 
木の需要づくりなんて、こうしたレベルからやるべきかもね。
 

2018/03/24

アベマキ材の価値の作り方

昨日の「里山広葉樹活用シンポジウム」。

 
参加されたビーバー群だけでなく、内容にも少し触れよう。
 
Beaver_2_3 フリー素材のビーバーくん。
 
 
 
私がもっとも印象的だったところ。
 
1
 
これ、コナラとアベマキの材の口径と販売価格のグラフなんだが……。
 
わかるだろうか。ナラ材は口径が30センチを越えると、急激に価格が上がる。が、アベマキは逆に急降下。
 
あれ、なぜだろう。と思ったが、ようはナラ材は太いと板需要が生まれるのだ。だから価格は跳ね上がる。が、アベマキは相変わらず薪と製紙用チップ。太いと逆に割ったり砕く手間が増える。だから安くなる。
 
しかし、アベマキ材って、そんなに出来が悪かったっけ? 薪にしかならないほど?ナラ材に匹敵すると思うのだが……。
 
ちなみに、これは岡山森林管理署の発表。続いて森林総研の青井氏の発表だったのだが、その一部にこんな文面が。
 
3
 
おいおい、引き取り手によっては板単価が立米20万円だよ。。。。安くても10万円? 薪にするどころか、レッドオーク並の値段がついたではないか。原木価格はその何分の1かは質によって変わるとはいうものの、薪価格ではあるまい。価値を知らず、売り方を知らず、売り先を知らないで無にしてしまうのではないか。
 
ついでに言えば、アベマキの樹皮からコルクをつくって売り出さないか。国産ワイン向きに希少な需要があるかもしれん。
 
でも、今回のシンポジウムでは、結局安定した使い道は薪であることを示されてしまうのだね。ごくわずか、数年に1度の割合で銘木が見つかるという話もあったが。。。
 
 
なんか釈然としない。薪が悪いとは言わない。バイオマス燃料よりはよほど高いし、木材の魅力を示せる。需要も増えている。が、しょせん燃やしてしまうのだよ。
需要だって、いくら流行りとはいえ薪ストーブなんてマニア向けで、使える家庭はごくわずか。しかも一度購入したら次は何十年先か。そんな層が設置しても一巡したら打ち止めだろうし、数回使ったら面倒くさくなって放置する話もよく聞く。私は、近く頭打ちで薪需要も落ち着くと睨んでいる。
 
かといって、銘木に頼るのも時代遅れ。単なる広葉樹材をいかに普及させるかが大切だと思っている。いや、普及させるというより、すでにある。フローリングやデッキ、エクステリア材は人気が高く求められているが、本来広葉樹材で作るものだ。しかし手にはいらないから仕方なしに、薬剤含浸材とかプラスチック複合材(WPC)とか、ツキ板や印刷を化粧張りした擬木を使っている隠れ需要が多い。
 
里山広葉樹なんて言い方しなくてよいから、ニーズに合わせた加工法を開発すべきだろう。
 
パネルディスカッションでも、需要は大物の家具から小物のグッズへ移っている話が出た。
デカい一枚板のテーブルではなく、スプーンから始めよ。
 
 
……なんて思っていたら、家に帰ると「育てるスプーン」が届いていたよ(^o^)。
 
 
 
 
 

2018/03/23

ピーバー・シンポジウム

近畿中国森林管理局で「里山広葉樹活用シンポジウム」が開かれたので、顔を出してきた。

 
ようするに、里山の森に増えてきた雑木の広葉樹をもっと使おう、そのためには何が必要で何が問題か……というテーマで、国有林から森林組合、製材所に研究部門(森林総研)まで加えたずいぶん出演者の多いシンポジウムであった。
 
Dsc_0962
 
私は、今更林野庁にスギやヒノキを論じて欲しくもないし、広葉樹資源の問題は今後の大きな課題と睨んでいるから、情報収集のつもりである。
会場は、かなり満員。ちょっと演壇のある前方が空きすぎて後ろがぎっしりという感じである。ざっと見回して、参加者は公務員系や業者系かなあ……と思って席に着いた。
 
そこで語られた内容は改めてするとして、広葉樹材と聞いて食いつく面々がそこここにいるではないか。
 
なんと私の後ろにはビーバー製材所にビーバー高校生(笑)。
 
彼らにしゃべらせた方が面白くなるぞ、と思わせるメンツである。こうした集まりでは、森を、木材をどれほど愛しているかパッションを語る方が面白くなるのだよ。
 
機械的に広葉樹資源がどこにどれほどあって、加工の難しさはどうで、消費者の指向はどうで、その安定供給のためには……というよりも、オレは何十種類の広葉樹材を知っていて、それぞれの特徴も使い道も言えるぞ、あの木でスプーンを削り出してみたいんだ……というビーバー人が強い。いっそビーバー・シンポジウムを開こうよ。
 
Beaver
 
私も、針葉樹材を広葉樹材に変換する方法を論じてみたかった(笑)。
 
 

2018/03/22

シイタケの胞子

昨日、我が家で採れたシイタケ。寒のもどりがきたものの、やはり気温が上がってきて雨まで降れば、急に子実体が膨らむ。

 
しかし雨で濡れているし、土もついているし。
 
で、とりあえず乾燥させることにした。それから使うときに土を落とすことにしよう。
そこで段ボールの上に並べて風通しのよいところに置いた。
 
そして今日。裏返してさらに乾燥を……と思ったところ。
 
001
 
なんと。これほどまでに胞子が出るとは。かなりの量だぞ。この胞子を吸い込んだら花粉症みたいな症状が出たりして。
 
006
 
 
今年は、シイタケのホダ木づくりをする予定がない。いや、単にホダ木用の伐採をさぼっただけなんだが。みんなナラ枯れてしまったしねえ。
まだ何年かはシイタケが採れるかな。
 
 

2018/03/21

傘塔婆とスギ

今日は何だかヘン。

 
メールは全然来ないし、電話かけても誰も出ないし。そのくせ外に出ると車は混んでいるし。
 
今日は休日だったんだ(°o °;)、と気付いたのはずいぶん後になってからだった。。。(;´д`)。え、春分の日??
 
ま、私の生活は全然変化ないのだけど。土日と平日の区別もしていないのに休日、祭日なんて。おかげで仕事よくしたよ。まあ、月末までの分がかなり溜まっているからなあ。
 
そして、ショッピングセンターは混んでいるだろうから、気晴らしに山に行く。
 
こんなものを見つけた。
 
3
 
昔からあるのは知っていたが、通りすぎるだけでなく、じっくり見ると、これは「弘法の水」と言われる水が湧くところ。が、私が注目したのは、その屋根だ。屋根を突き抜けてスギが伸びているではないか。
 
1
 
中はこんな具合。しっかりスギも祀られているよ。あえて木を伐らずに屋根を設置したのは粋なのか。
 
 
そしてその右にあるのは、傘塔婆。
 
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石柱のように見えるが、地蔵が彫られている。これ、鎌倉中期の作品だそうだ。傘を被っている塔婆、卒塔婆である。祖先供養の塔である。起源は、インドの仏舎利塔、つまりストゥーパである。
今は、木の板で作るものが多い。モミの木を使うが、たまにスギの卒塔婆もある。
 
 
ほかにも、これまで気付かなかったところにあった祠などを見つけてお参り。意外と森の中のアチコチに祠やお堂があるんだよ。生駒山は。
 
あ、そういや、今日は彼岸の中日だったんだ! と、これも後から気付いたのであった。
 
コッチも発見した祠。安高大神という咳の神様を祀っていた。
 
Near_2

2018/03/20

異色の新セラピーロード

NPO法人森林セラピーソサエティが認定する新しいセラピーロードが決まったという。

それは……。
 
me-byo valley“BIOTOPIA”(株式会社ブルックス・ホールディングス)
(・・?) エッ
何、これ。。。。
今年認定されたのは、ここ1ヶ所で、これで認定数は、全国で63ヶ所(森林セラピー基地57ヶ所、セラピーロード6ヶ所)なんだという。
 
もう森林セラピーなんて忘れられた存在だと思っていたのだが(笑)、今度はちょっと異色だ。
 
説明文によると、
神奈川県では四カ所目の認定地となりました。県内では初の民間団体による森林セラピーロードとなります。ビオトピアは「未病」をテーマとした、ほかに例のない施設で、楽しみながら未病を知ることができるほか、自然豊かな広大な敷地を活かし、食、運動、癒しを通じた様々な未病改善の取組を実践できる施設として株式会社ブルックスホールディングスが整備・運営を担っています。3本の特色あるロードの他、こだわりの商品が集まるマルシェ、地産地消のレストランなどが開設します。多角的な癒しのフィールドとして4月にグランドオープンを迎えます
 
これまで基地にしろロードにしろ、ほとんどが自治体絡みで公共的な森林を対象にしていたが、今回は民間の土地。それもはっきり森林と言える場所ではないようだ。
場所さえはっきり示していない。ようやく神奈川県の小田原近郊とわかったが。。。
 
ブルックス・ホールディングスというのはコーヒー等飲料の通信販売をしている会社をメインにしているようだが、そこがつくった「未病」のテーマパーク?
 
そこが60ヘクタールの森を所有し、そこにカフェ、レストラン、運動施設に加えて散策道を設置したようだ。その道をセラピーロードの認定を受けたということか。面積は、これまででもっとも小さいかもしれない。そもそも森というより公園かも。
 
 
しかし、そのビオトピアのサイト に飛んでも、森の様子が全然説明されていない。具体的な写真もない。そもそもオープンが4月(笑)。まだできていないのか~。
 
 
いよいよ森林セラピーソサエティも、こちらの分野に乗り出したか。もう自治体で取りたがるところが減ってきたので、企業にターゲットを移したのかも。セラピーロードの認定を、企業価値につなげたらほしがるところは現れるかもしれない。
 
これまで民間の森としては、北海道の鶴居村・山崎山林が森林セラピー基地を取得している。ここは本気で森林セラピーを事業にしようと思ったようだが、社長が変わって事業としては無理と判断、すぐに閉鎖した。
ほか、群馬県の赤城自然園もクレディセゾン運営の民間の森だ。入園料を取って自然を見せる経営である。
 
 
しかし、今回はテーマパークのハク付けだから採算を考えないでもよいのだろう。セラピーロードにも認定されていますよ、という看板があればよい。ある意味、森林認証の取得に似ている。森のブランド化の手段である。
 
そういえば、吉野の清光林業もセラピーロードにエントリーしている。
 
森林セラピー、いよいよ認定ビジネスとなってきた。

2018/03/19

ラッシュのスマトラシャンプーバー

突然送られてきた包み。

 
それを開けて見ると……。
 
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熱帯雨林の写真の中に丸い「SOS」。
 
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これ、シャンプーだった。。。
スマトラシャンプーバーという。製造元は、世界的な化粧品メーカーのラッシュ。同時に送られてきたプレスリリースによると。
 
英国を拠点とし、世界49の国と地域でビジネスを展開する化粧品ブランドLUSH(ラッシュ)は、2018年3月16日(金)から4月19日(木)の期間、日本を含む世界8カ国で、インドネシア、スマトラ島の森林と野生生物などの保全を目的にした「#SOSsumatra キャンペーン」を実施し、チャリティ商品「スマトラ シャンプバー」を発売します。
この商品の売上全額を使い、スマトラ島北部のブキットマスでパーム油のプランテーションに使われていた50ヘクタールの土地を購入する予定だという。この場所は、スマトラの象やサイ、トラ、オランウータンが共存できる地球上最後の場所であると言われている地区に隣接している。
 
パーム油生産を目的に伐採された森林を、パーマカルチャーにより農作物を育て、元の
生態系が整う森林に戻しながら、現地に雇用も創出しながら元の生態系に再生し、オランウータンや先住民族の住処を守ることを目的としたプロジェクトなんだそう。
「スマトラ シャンプバー」は、パーム油不使用で、モリンガパウダー(ワサビノキ種子)が頭皮や髪をみずみずしい状態に導きながら清潔に整える固形タイプのシャンプーです。また、ココナツオイル(ヤシ油)は、髪に潤いを与え、柔らかい状態に導くほか、爽やかなオレンジオイルとパチョリの香りが気分をリフレッシュします。
固形なのは、合成保存料を使用することなく保存でき、ゴミとなるパッケージを使用しない販売を可能とし、製造段階で使用する水量の削減にもつながるため。
#SOSsumatraキャンペーン」は、日本の他に韓国、香港、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、フィリピン、シンガポールの合計8カ国で実施され、合計約15,000個のスマトラ シャンプーバーが販売されます。本キャンペーン期間中、各店舗では、チャリティ商品を通じて顧客に対してパーム油産業の問題点や単式農法・単一栽培の問題点について、またパーマカルチャーなどの代替法についての理解を促します。
 
 
こういう試みをやっているのだなあ。私は、せっかくだから乗ってみることにした(^o^)。
 
さっそく風呂で頭を洗ってみる。固形で見るからに洗濯石鹸ぽい外観だが、驚くほど髪になじんで泡が盛大に立ったよ。それに香りが強い。甘い、熱帯の花の香りだ。ちょっと香料の入れすぎじゃないの? と思うほど。これがモリンガパウダーなんだろうか。
 
ちなみにパーム油を使わないとあるが、ココナツオイルは使っているらしい(笑)。パームオイルも訳せばヤシ油だし、ココナツオイルもヤシ油なんだが、ヤシの種類が違う。ココナツは、一般に頭に描くヤシの木の実である。アブラヤシの実とはちと違う。ココナツの実の中のコプラと呼ぶ白い油脂繊維部分から油を獲った物だ。こちらは自然破壊にならないのだろうか。
 
 

2018/03/18

山川省の可能性

先日、荒井奈良県知事とお会いする機会があったのだが、そこで話した中でもっとも衝撃的だったこと。

 
それは今年1月に亡くなった野中広務・元衆議院議員の話だった。
前世紀の話になるが、省庁の統廃合を取り仕切る中で、「林野庁に、建設省の河川局をくっつける案」があったのだという。まさに山と川の行政を一体化し、防災や山村政策の一元化を狙ったのである。
そして、単なる案に留まらず、結構なレベルまで進んでいた。しかし、最後の最後で建設省の反対で稔らなかった、河川局が林野庁と一緒になりたくない! とごねたのである……。
 
結果的に建設省と運輸省、国土庁などが合併して国土交通省という巨大省庁が誕生したわけだが……もし、河川局が切り離せていたら、もう少し省庁バランスはよくなったかもしれない。同時に、河川と森林・林業行政が変わったかもしれない。
 
野中氏は、「あれは残念だった」と幾度も繰り返したのだそうだ。
 
それを聞いて、つい私は割り込んでしまった。
 
「それこそ、土倉庄三郎の唱えた山川省の設立ですよ!」
 
土倉翁は、明治32年に『林政意見』を出版している。当時の山林局の政策を批判しつつ、新たな提言をしているのだ。その中に、「山川省の設立」が含まれるのである。
 
Photo_2
 
 
その部分を抜き出すと、
 
2    全体を読みたければ 3
 
少しだけ読みくだせば
 
「土木山林の両政務を合して山川省を新設」
「当務者を終身官となし確実の設計に基づき不動の方針に拠り遂行する」
 
どうだ。単なる行政の統合だけでなく、山や川を預かる者は、終身動かない、つまりコロコロ変わっては計画が練れないと喝破しているのである。まさに現在の猫の目林政、目の先林政にも当てはまるではないか。
 
 
ちなみに、この件については、私は5年前にYahoo!ニュースに書いていた。
 
 
 
ま、いまさら省庁の統合を言っても始まらないし期待もしていないが、土倉翁の提案は100年ぐらい経って、実を結びかけた瞬間があったのだなあ……と感慨に耽ったのであった。
 

2018/03/17

男たちの悪だくみ

男たちの悪だくみ(~_~;)。。。。。

Dsc_0949
 
今日は、奈良で林業政策に関する大きな会議があった。そこで語られたのは、「男たちの悪だくみ」である。
 
議事録は公開しません。しても改竄しています。都合の悪いことは隠して当然( ̄^ ̄)。
 
 
とにかく、ここで奈良の林業について濃密な意見交換が行われたのである。私の隣の御大こそ、首謀者である(~_~;)。
 
ちなみに私は会議の後、懇親会、二次会、三次会、そして自身のクールダウンのために四次会へ。。。
  Photo
こちらほど、悪がしくないと思う。。。

2018/03/16

Yahoo!ニュース「広葉樹は草? 」を執筆した理由

Yahoo!ニュース「広葉樹は草? 針葉樹とまったく違う植物だった 」を執筆しました。

 
この話を聞いたのは、先月であった。そのときは「へえ~」で済ませていたのだが、日に日に気になりだす(~_~;)。そこで改めて調べたりしているうちに、より面白くなったv(^0^)。
 
大げさにいうと、森林とか樹木の見る目が変わる。そもそも植物という括りが怪しくなる。
そういや昔の分類は動植物の2種しかなかったが、やがて菌類とか藻類、原藻類などが別になり、動物と植物の境のような生物も見つかっている。さらには生物が無生物かの境もアヤフヤだ。きっちりした境界線がないものなのだ。
 
そしてこの記事も、一般的トピックと専門的な科学の端境の話題である。
 
Yahoo!ニュースに書いたのは、「こんなニュース性のない、樹木オタクの話がどれだけウケルか」ということを試す気分で(笑)。反応するのは生物系の人だけなんだろうな、と思っていたが、意外や一般人からの反応もある。
 
NHKの番組「ブラタモリ」は、街をぶらぶらしつつ地形や人間活動の痕跡を見つけて地域の成り立ちを探るものだが、地質学や火山学、自然地理、そして歴史のさまざまな要素が詰まった番組だ。これを面白いと思う人と、まったく興味を示さない人に分かれる。
 
さあ、この記事はどこまでアクセスが増えるだろう。
 
こうした話題を喜ぶ人がもっと増えてほしいものである。

2018/03/15

コンテナ苗の運搬はいかに?

今後、林業界では造林苗が大きな課題となるだろう。

なにしろカイバツくんこと林野庁は「主伐」を勧める際に再造林をセットにしているから、どうししても造林苗が必要になる。とにかく業者側にすると、植えないと補助金もらえないし。(植えた後、どうなっても知らないが。)
 
で、イチオシがコンテナ苗だ。活着率がよくて、低コストで植え付けできて……という。
私は活着率に関しては全然よくないという声を聞いているし、何より本当に低コスト植林なのか疑問を持っている。
 
そんなときに「コンテナ苗の基礎知識」 のサイトを見つけた。
 
私が注目したのはコンテナ苗の運搬方法。とくに林道・作業道から植え付ける林地(伐採跡地)までの運び方だ。
 
なぜかというと、年末にお会いした林業家からコンテナ苗に対する不満をたっぷり聞いたからだ。彼ら(夫婦でやっている)もコンテナ苗の植林を請け負ったのだが、現場に十分運べないというのだ。
これまでの裸苗なら、苗木袋に100本200本を詰め込んで、背負ったまま袋から引き抜き植え付け作業ができる。これは私も体験したことがあるからわかる。
ところがコンテナ苗はかさばる。植え付け時はコンテナごと運ぶにしろ引き抜いて持ち運ぶにしろ、とても手間がかかるというのだ。
 
で、この「基礎知識」ではどのように説明しているのか楽しみに読んだ。
 
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この写真を見ただけでわかった(笑)。こりゃ,たまらんわ。一度に何本運べるのか。苗木袋に移すにしろ、背負子に背負うしろ、数十本が限界だろう。裸苗の10分の1である。苗がなくなったら、また林道までもどってコンテナから苗を抜き担いで元の位置にもどらなくてはならない。下手すると高低差数十メートル、距離にして数百メートルも、急傾斜の造林地を往復するとなると、大変な負担だ。
それに、植えるリズムが悪そうだ。クワで地面に穴を掘り、背中のザックに手を伸ばして苗を引き抜いて穴に差し込み、エイっと踏み込んで根元を固める……こんな植林のリズムがコンテナ苗だと取れそうにない。
 
さて、1日に何本植えられるのか。
 
私は、1日200本植えた。ベテランは400本植えるぞ、と言われた。しかしコンテナ苗では、そんなスピードで植えるのは無理だろう。よほど緩傾斜ならともかく。効率が悪ければ仕事としての実入りもよくない。
嫌がるはずである。
 
コンテナ苗を普及させようと思ったら、活着率を向上させるとか、植え付け器具の開発も大切だが、労働効率も上げないとね。働き方改革が必要だろう。

2018/03/14

城跡を守るサムライ

生駒山系の某城址を訪ねた。

 
結構巨大な曲輪(くるわ)や堀切、土塁などの跡が見られる。もっとも、その跡地が全部森になっているんだよなあ(泣)。それも自然林ならわかるが、人工林、スギやヒノキ林になっているのは残念。ここに植えないで欲しかった……。
 
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で、その城跡を守っているサムライがいた。
 
それは……。
 
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檜皮の兜に、タケなどによる鎧をまとっている。ここで400年以上、城を守っているんだなあ……。(そんなバカな。つくられて数年と見た。)

2018/03/13

森友・加計問題に林業の影?

森友文書の改竄問題、いよいよ佳境に近づいたかな。発覚後の進展は、だいたい予想していたとおりの展開だ。

 
昨年から続く森友問題と加計問題。正直うんざりというか、ここまで下劣な政治屋事情を見せられると、考えるのもイヤになるのだが。。。。せっかくだから私も便乗(笑)。
 
 
というのは、これらの問題、なぜか背景に林業が登場するなあと思っているから。このことに気付いた人はほかにいるだろうか? (えっ、スクープ?)
 
まず最初に気付いたのは加計問題の方で辞任した前川喜平・前文部科学省次官
彼の祖父喜作氏が産業用冷凍機器で世界的シェアを持つ前川製作所の創業者であることはよく報道されたが、もともとは奈良県御所市の出身だ。喜平氏も生まれは奈良県御所市(当時は秋津村)。
そして、御所市の前川家と言えば林業家である。吉野林業地とは少し違うが、生産されている木材は吉野杉檜と遜色のない質を誇る。前川家は、それなりの大山主だったという。ただ喜作氏は3男だったために山を継がずに会社を起こしたのである。
残念ながら、現在の前川家の林業については何の情報もない。
 
 
次に森友学園で有名になった籠池泰典氏だが、7ヶ月過ぎた今も収監されたままという異常事態。これを国策捜査と言わずしてナンなんだ、と思うが……彼の長男が、この問題を訴え続けている。
とはいえ長男は何をしているのか? 学園は長女が継いだわけだが。
 
実は長男である籠池佳茂氏は、現在林業に就いているのである。
もともと佳茂氏は泰典氏と絶縁状態だったと伝えられているが、今回の事件で復縁というか親子の絆を取り戻し、必死で不当な扱いを訴えているわけだが、こんな状態では仕事もできない。(前職が何かははっきりしない。)そこで縁あって奈良で林業に就いたそうである。
 
たまに彼のツイッターでその仕事現場の写真がアップされているし、地元のニュースでは紹介されているので隠しているわけではない。どこの林業会社が手をさしのべたのかは明かされないが。
彼の家族も大変な状況ではあるだろうが、山の仕事は多少とも気分転換につながるのだろうか。
 
 
そして、最大の渦中の人、安倍昭恵・総理大臣夫人。実は今回の事件以前から別ルートで彼女の裏の評判は聞いていたのだが、ここまで勘違いバカ女とは思わなかった。夫の威光を我が物として振りまいたわけだ。日本のイメルダ夫人か、と言いたくなるが……もっとも森友疑惑が高まっていた昨年の夏、なぜか某林業塾に参加していたことは、知る人ぞ知る。
 
なんで林業塾? まさか今後林業関係の仕事を行うとは思えず、まあカルチャーセンターに通うような感覚か。あるいは山の中に籠もって雲隠れの場所として選んだか。いくら熱心に勉強しても意味がないよなあ。それより表に出て洗いざらい証言すべきであろう。
 
 
 
以、ほかにも国産材関係とか加計につながる某人脈とか小さな点もあるのだが、なぜか今回の大事件には林業の影がつきまとう……という話題でした。
 
ちなみに、なんの必然もなくて偶然だと思うよ(笑)。決して、林業界に巣くう黒幕による陰謀……とか言い出さないように。

2018/03/12

『吉野杉』に見る吉野林業の栄華

吉野杉』という本を手に入れた。

著者は芳野孝夫。刊行元は文芸社だから、多分自費出版だろう。あるいは協力出版のいう名の編集費を支出したものだろう。
 
内容は小説である。恋愛小説だ。舞台は吉野地方で、銘木店の一人息子と恋人の話。正直、小説としてはたいして読みどころはない。キュンキュンすることもなければ胸打つシーンもない。ただ背景となる吉野林業の描き方が面白いのである。
 
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時代は、「昭和の高度経済成長期を迎え、吉野地方がもっとも輝いていた頃」とされている。昭和40~50年代だろうか。吉野地方としか書かれないが、おそらく吉野町から下市町周辺のことだろう。
ちなみに主人公は銘木店の跡取り息子の専務なのだが、この吉野の銘木とは一般に想像しがちな長伐期で育てた大径木・通直・無節……といった木材ではなく、磨き丸太のことである。
吉野は、実は京都の北山杉で知られる磨き丸太の大生産地であり、量的には北山を凌駕していた。樹齢15~25年程度の細い丸太で床の間の床柱にする建材である。一般の磨き丸太に加えて人工絞丸太や錆丸太、出節、面皮柱、桁丸太、垂木……などを生産していた。一部には天絞(天然絞丸太)もあった。
 
そんな世界を小説の舞台にしているのである。そこには丸太の育て方や皮のむき方・磨き方、人工の絞りの作り方、錆(カビ)のつけ方……などが描かれている。むしろ恋愛シーンよりも、生き生きとしている。
さらに銘木市場の様子も緻密な描写だ。競りの進め方を裏の様子から描かれる。出展者も競りに参加できるそうで、自分で自分の丸太を競って値段をつり上げるような芸当までする。結構ヤバイ(~_~;)。しかし天絞は上手く行けば1本で50万円になるそうである。物価を考えれば今なら100万円以上だろう。
 
ああ、この時代はこんな状況が展開されていたんだなあ……という勉強になる。
より勉強になるのは、こんなセリフである。
 
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床柱は日本人の心の部屋の建築用材や
近頃都会では、洋風の家に人気があるそうやが、ほんに困ったもんや
 
実は、これによく似た言葉を某シンポジウムで聞いたことがある。
最近は洋風の家が主流になって床柱などが売れない、もっと洋風に適した部材を開発しなくてはいけない……という話題の中で、会場の林業家の意見として
日本の木は和風の家に適しているんだ。洋風に合わせるんじゃなくて、和風の家を建てるような運動をしていかないかん」。
 
ああ、このメンタリティなんだな……と納得というか落胆というかしてしまい、そんな林業に先はないわ、と思った記憶がある。 むしろ「(床柱を)使わなんでも、いくらでも家は建つ」という言葉の方をかみしめるべきだ。
 
念のために説明しておくが、床の間のある家が広がったのは明治になってからである。もともと床の間のような数寄屋づくりは武家しかつくってはいけなかった。江戸時代後期に豪商などお金持には許されるようになるが、一般的な民家にはなかった。そして本当に庶民の家(長屋や団地まで)床の間がブームになるのは、戦後の一時期にすぎない。
そもそも吉野で床柱を生産しだした歴史も古くない。また床柱も、江戸時代は節のある間伐材を利用していたのに、明治以降は専門に育てていくようになり節をなくした。
そして90年以降は、逆に床の間が住宅から消えていく。さらに畳の間も減ってしまった。
 
ともあれ、この本の著者は、多分登場人物と同じような経験を積んだ人なのだろう。
ラストは、大雪で精根傾けて育てた14万本の床柱用のスギの山が壊滅するシーンが描かれる。その雪起こしシーンもまた読みごたえがある。
いっそ恋愛模様抜きで、当時の吉野林業の裏の世界を描いた方が読ませたのではないだろうか。
 

2018/03/11

今日の桜ジャーナリスト・ソメイヨシノ普及の理由?

華々しく? 桜ジャーナリストとしてデビューした身(ホントカ?)としては、今日示す写真は、これしかないかなあ。

 
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7年前に訪れた陸前高田で見かけた桜花。
 
かなり海岸線から離れたところなのだが、河川沿いに津波が押し寄せたらしい。畑を流したものの、桜の木は残った。ちょうど先日、河川による内陸部の津波が盲点だったことをテレビで取り上げられていたが、これもその証左になるか。
 
 
それはそうと、ソメイヨシノは明治政府が徳川時代と違いを示すために植え替えを行わせて普及した……という話を知っているだろうか。実は、先日の「グッド! モーニング」でも質問されたのだが、私は「聞いたことない」と否定した。
ところが、その後で朝日新聞の土曜日版で樹木医を取り上げていて、その人はこの説を話しているのだ。
 
なんかうさん臭い。そりゃ、どこかの城址公園のサクラをソメイヨシノに植え替えた……ぐらいのことはあるだろうが、それが全国に広がってソメイヨシノが増えたとはとても思えないのだが。誰か、この説を以前から知っていた人はいるだろうか。
 

2018/03/10

ハニワに学ぶ

ハニワを知っているだろうか。

 
埴輪じゃないよ、ハニワ、とは HoneyWorks、ハニーワークスというバンド?なのである。最近は、女性ボーカルチコも加わって、CHiCO with HoneyWorks というコラボバンドにもなっている。今、10代に圧倒的な人気を誇っているそうだ。
 
ここでバンド? と?をつけたのは、正確にはバンドに納まっていないからだ。もともと男二人がニコニコ動画のボーカロイドを使って曲を発表していたのだが、そこに女性イラストレーターが参加して曲の登場人物のキャラづくりが行われ、一種のアニメとなった。
 
……こんな説明をしても、知っている人からすると何を中途半端なことを、と思うだろうし、知らない人はさっぱり・・・だろう。いや、実は私もよく理解していない。
 
ただEテレの「Rの法則」という番組でCHiCO with HoneyWorks を特集していて、当の本人も登場していたのだが、それが度肝を抜かれたのである。まあ、テレビに出ても着ぐるみだったので顔はわからないのだが(ライブ以外では顔を出さないスタイル)。
歌は、高校を舞台にした男女の心の動きを取り上げており、キュンキュン系とか言われている。女子高生からは、「どうしてこんなに女の子の気持ちがわかるの?」という世界らしい。
 
一応、オフィシャルサイト にあったプロフィールを張っておこう。
 
HoneyWorks(通称:ハニワ)は、ニコニコ動画、Youtubeなど動画投稿サイトで活動する関連動画総再生回数4億回を超えるクリエイターユニット。
メンバーはコンポーザーのGom、shito、イラストレーターのヤマコと、サポートメンバーにOji(海賊王)、モゲラッタ、ろこる、ziro、cake、AtsuyuK!、中西がいる。
代表曲は「スキキライ」「初恋の絵本」「告白予行練習」など。 音楽性は「キュンキュン系」「青春系」と呼ばれるポジティブ系ロックを主体とする。
2014年1月29日、メジャーデビュー・ボーカロイドベストアルバム「ずっと前から好きでした。」をリリース、 オリコンアルバムウィークリーチャート初登場4位を記録した。
2014年5月、「CHiCO with HoneyWorks」の始動を発表。
2014年11月26日にリリースしたメジャー2ndアルバムとなる「僕じゃダメですか?」は 発売日のオリコンデイリーチャートにて2位、ウィークリーチャート4位を記録した。
Amazonランキング大賞2015年上半期アニメ(ミュージック)第1位を獲得。
 
いよいよわからんだろ(笑)。クリエーターユニットと名乗っていて、バンドではない。アニメランキングの1位を取っている? 
 
これ以上は、自分で調べてくれ。ユーチューブには動画があふれているのだから。
 
私が、彼らの歌を聞いてキュンキュンすることはまったくない(笑)。いや、恥ずかしくて聞いていられない。ただ、引っかかったのは、彼らのクリエイトぶりなのである。
 
ボーカロイドを使うのだから、自身の声ではないのかもしれない。しかし、徹底的に作り込むのである。舞台となる学園の様子。「告白実行委員会」と名付けられている。さらに登場人物の経歴や性格、そしてイラストによる容姿。そしてドラマとして歌はつくられる。アルバムの歌はつながってストーリーになっている。
 
女子高生がキュンキュンする歌詞は、男二人がSNSでリサーチをしつつ悩んで考え抜いて、もっとも恥ずかしい言葉を選ぶのだという。ボーカルの声質もニコニコ動画の世界でもっとも合うものを探し出したという。
 
もはや、ここまで来ると歌だけでなく演奏だけでなく、漫画やアニメだけでなく、舞台とかライブまで組み合わせた総合サブカルチャーとでも言える代物だ。
 
そうか、単独では世間に響かなくなっているのか……と感じたのである。
たとえば小説がアニメになったりテレビドラマ、映画になったりすることをメディアミックスと言われ初めてずいぶん経つが、すでにミックスされる幅がはるかに広くなっている。そして世界観を徹底的に構築することで、訴求力を高めているのだ。
 
たとえば私が本をつくるのも、「具体的に」「読みやすく」「新しい情報を盛り込んで」「タイトルや装幀にこだわり」……なんて次元では全然足りていないんだな、と感じさせられた。(泣)
 
女子高生の流行から学ばされるなあ。でも、私が真似ることは絶対にない(笑)。
 
 
 

2018/03/09

Yahoo!ニュース「無花粉スギに未来はあるか?」を書いた裏側

Yahoo!ニュースに「無花粉スギに未来はあるか? 」を執筆しました。

 
Yahoo!ニュースには毎年春頃に花粉症関連の記事を書いている。とはいえ、今年は品切れかなあ……と思っていたら、編集部から「書いてください」という依頼が(笑)。
 
そんなわけで今回は絞り出すように書いたのだが、別に無花粉スギに焦点を当てるつもりはなかったのに、書いているうちにこうなってしまったのだよ。
 
タイトルも仮に打ったままアップしてしまったし……。
 
ただネタ探しに調べてみると、花粉症に関する論文はたくさんネット上にもアップされている。みなが関心を持てば研究者も増えるということだろう。なかには何をいいたいのかわからんのもあったが……。
 
 
とはいえ、無花粉スギの研究は、どうにもつまらない。植物育種上はともかく、この木材需要が縮小していく時代に何がなんでもスギを植えたいというのは時代遅れではないか。
 
それに花粉症自体が、近年は世界中で蔓延している。もちろんスギのない国でもだ。それぞれの土地に生える木々の花粉に反応する人々が増えているのだ。それがなぜなのか解明してほしいなあ。

2018/03/08

街路樹の起源

私は街路樹ジャーナリストでもある(・・?) エッ のだが、日本における街路樹の起源とはいつだろうか。

 
 
街路樹と言えば、どちらかと言うと西洋のもので、明治維新後に日本に持ち込まれたと思われがちだ。実際、京都、東京を初めとして明治になって大規模な道路と街路樹の整備が始まっている。
 
が、道路づくりと言えばやっぱり起源は奈良だ。奈良時代、藤原京から平城京へと都を移して道づくりが大規模に進み出す。(ここでいう、道、道路とは、公的な大通りや街道のことである。人が歩いてできる踏み分け跡のような道は話に入れない。)
 
実際、奈良時代に全国に道づくりが進むのだが、その際に並木がつくられたという記述を見つけた。日本では街路樹というより並木なのだろう。
 
一つは道標的な意味もあったろうが、陽射しや雨から遮る役目もあったとされる。また植えた木の多くが果樹で、カキやナシなど木の実、食べ物を旅人に供給する役割もあったともいう。
だから水飲み場も整備されたとか。ちょっと驚きだ。
 
 
それが鎌倉時代になってスギ、ヒノキ、マツの並木へと変わっていく。それがなぜかは、記されていないのだが。。。
 
 
さらに織田信長は、並木奉行を置いたそうだ。一里塚もつくった。一里ごとに塚と樹木を植えて距離の目印にした。残念ながら、この職については私はよく知らない。ただ道づくりの工事は武士も参加していたとあるから、信長が道を重視していたのは間違いない。
 
そして江戸時代になると、道奉行と道中奉行が置かれた。両者の区別はよくわからない(~_~;)。が、いずれも街道全体の管理を司っていた重要な職だが、並木も関わっていたはずだ。
 
 
さて、3月24日に奈良に平城宮跡歴史公園 がオープンする。これまで平城宮跡としていたところに、奈良時代?の雰囲気を再現する。明日香歴史公園に続く国営公園だ。(奈良県営公園部分もあるけど。)
メインは朱雀大広場と朱雀大路。幅74メートルの大通りである。ここには並木、街路樹はあるかなあ。
 
 
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この想像図には、街路樹が描かれているわ(^o^)。

2018/03/07

カイバツくん

最近、なぜか寝付きがよろしくない。

一度眠っても、夜中に目が覚めてしまうこともある。
 
眠れないと、いろいろ考え事をしてしまう。ああだこうだと次々と妄想が浮かぶ。なぜか興味なかったはずのゴシップ記事について深く考察したり、過去の腹立たしい思いがよみがえってムカつく。
 
なかでも、林業政策について思いを巡らせ始めると、血圧が上がる(-_-メ)。
 
そんな時にふと思いついたフレーズ。
 
 
カイバツくん
 
 
そう、カイバツくんだ。皆伐君とも書く。「怪物くん」ではない。
 
もちろん林野庁のことである。これからは、林野庁のことをカイバツくんと呼ぶことにしよう、と決心した。
 
カーイカイカイ、カーイカイカイ
除伐 間伐 皆伐くんは
皆伐ランドの推進者~♪
 
なんだか頭の中で昔のアニメソング?がグルグル回りだした。
 
 
官邸の御方にはよわいけど
山主、組合、なんでもこい
なんでもこい
重機投入 バキバキドドーン
たちまち山は丸裸
 
 
2番、3番も考えようかな( ̄ー ̄)。
 
 
ああ、余計に眠れなくなったような。。。
最後の手段は、お酒に頼る。アルコール依存症になったら、カイバツくんのせいだからね。
 
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2018/03/06

朝番組で桜ジャーナリスト

皆さん、今朝のテレビ朝日の番組「グッド! モーニング」(4・55~8・00)を見た方はいるだろうか。とくに7時20分ごろから。

 
そこでは、ソメイヨシノについて取り上げていたはずだ……。
 
はずだ、というのは、私は見ていないから(^o^)。
ま、早起きしていないとも言えるが(もっとも、7時半には起きていた)、実は関西圏ではこの番組放送していない。朝日放送は「おはよう朝日です」という番組をやっている。それなのに、なぜ取り上げるのか。
 
 
実は、昨夜、この番組のディレクターから問い合わせがあった。メールが入ったのは夜の8時16分であるが、私が読んだのはもう少し後。午後10時を回っていた。
 
内容は、翌朝(つまり今朝)の放送でソメイヨシノを取り上げるが、少し確認したいことがありまして……ということ。ようは私が桜ジャーナリストとしての依頼なのであった(⌒ー⌒)。向こうは、ポピュラーな森林ジャーナリストを私の肩書と思っていたようだが。
 
その後、幾回かメール交換をして、私が質問に応えて終わったのが11時を回っていた。その内容が番組でコメントとして紹介されるはずだった。。。
それが、番組のコーナーの時間が押してしまいカットされたとのことです(笑)。
 
ま、それはかまわんのだよ。相手も丁寧に応対してくれたし、私もコメント料をいただけることになったし。
 
それにしても、朝4時からの番組だよ? 桜を取り上げるコーナーの時間は7時20分とのことだったが、番組スタート直前と言ってよい。その5時間前まで作り込んでいたわけである。
 
もちろん、主軸の取材はもっと前からサクラの専門家にしっかりやっていたようだが、ちょっと斜め右?の視点からのコメントが欲しかったらしい。
 
あまりにもドタバタじゃない? と思うし、時間がない中での依頼は私としては困る。調べて確認する暇もない。それでも、ギリギリまで作り込む熱意は買いましょう。私も、1冊の本の原稿を締め切り当日に書き直し始めた記憶がある(@_@)。
 
 
そして私も普段から桜ジャーナリストとして情報収集と勉強をしておいてよかった。桜、それもソメイヨシノについては結構以前から調べていたし、専門書や論文にも目を通していた。そして『カードキャプターさくら』も毎回欠かさず見ていた……(^^;)\(-_-メ;)。そのおかげである。
 
ま、私の部分は放送されなかったのだから幻の桜ジャーナリストで終わったが、日々の研鑽は大事だなあ。
 
 
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2018/03/05

北海道にも林業大学校?

北海道が、「道立林業大学校」の設立をめざしているそうだ。
 
2020年度に設立予定で、これまでに十勝や後志、網走、厚真・むかわ両町など13地域が誘致活動を展開。それぞれが期成会を立ち上げて運動をしている。
 
この林業大学校構想は、今年3月末までに設立の基本構想を策定するという。大雑把には、2年制で、高卒以上の40歳までが対象……とのこと。
理由は、やはりカラマツの約8割、トドマツも約6割が樹齢40~50年の伐採時期を迎えている。40~50年で伐期とは、安く見られたもんだ。
ちなみに2015年度の林業従事者は4272人。微増傾向になるが、伐採のほか造林と苗木の生産に関わる人材が減少しているからだそうである。
 
まあ、これまでのように丁稚奉公的な人材育成では行き詰まりを感じるし、そもそもまともに指導できる組織(企業や組合)は少ないだろう。その点は、とりあえず「学校」の名をつけて、基本をシステマチックに教える場を設けるのは悪いことではない。ちゃんと、森林の将来像を描ける人材を育てるのなら結構なことだ。
 
しかし、結局は現場作業員の速成を求めているのかと思うと……やっぱり暗くなる。
 
それに募集は増えているが、応募者が増えているわけではない。すでに全国的に乱立した林業大学校では、定員割れを起こしていることを調べていないのだろうか。各学校が生徒を取り合う様相を呈しているのだ。
 
それにだ。この手の学校はどう考えても赤字なわけで、自治体としてはお荷物になる。目先の林業活性化のためとはいえ、負債を抱えたいと名乗りを上げるとは、勇気のある自治体が多いことに感心する。
 
 
こうなると、全国乱立林業大学校の生徒分取り合戦を展開してもらいたいものである(⌒ー⌒)。
 
 
 
 

2018/03/04

西粟倉村で森林信託

岡山県の西粟倉村が、三井住友信託銀行と「森林信託」事業に乗り出すようだ。
 
プランをまとめるのは3月末ということだが、仕組みとしては地権者および村から森林の所有権を同行に移転し、間伐や木材販売などは民間事業者に委託して、森林を運用する。
 
所有権を移転ということは、山主でなくなるのかと思いきや、地権者側は受益権を持ち、木材などの販売利益の一部を配当の形で受け取れる仕組みとか。
所有権が移れば固定資産税や森林保険料などは山主が負担しないで済む。代替わりで相続する場合も所有権より受益権の方が手続きが簡単だから山主も助かるし、委託側も相続に影響されずに安定的な森林整備を計画できて、森林の外部流出懸念なども減ると見込んでいる。
信託期間は10年以上を予定。期間終了後、希望すれば所有権は返還される。同行はここで事業モデルを作り、全国展開する狙いがあるという。
 
もっとも、現在は調査段階。「信託」の活用による森林管理と民間事業体による収益事業の可能性を探っているわけだ。
はたして山主は所有権の移転に素直にウンというのか。銀行側はこれで利益が見込めるのか。利益を上げるために皆伐したんじゃ話にならないし、森林経営のプランニングは誰がするのか……といった疑問はあるものの、これも森林所有権と利用権(管理権)の分離だろう。
国が森林経営管理法案などを持ち出しているが、自治体や民間でも、現在の制度を利用すればできることなのである。
 
 
森林を信託方式で利用権を分ける考え方は、私も古くから唱えていた記憶がある。それで調べてみると、本ブログには  
 
 という記事を書いていた。2012年2月である。ここでも、岐阜県御嵩町のケースを紹介している。さらに吉野林業だって山主と山守が所有権と利用権を分離しているのだから、森林信託と言えるんじゃないの?とある。
 
……今回のブログで書こうとしていたことを6年前にすでに書いていたわけで、もう書くことがない(泣)。ま、信託銀行が関わるのは国内初なのかもしれない。
 
 
ただ森林の管理は、所有権と利用管理権、さらに受益権を分離して行った方がよいという考え方は、世間のコンセンサスを得たのかもしれない。 
問題は方法だろう。いかなるスキームで分離するのか。経営主体をどこに置くのか。プランニングの主体、作業の主体はどこになるのか。分離して既存の森林組合に委託しました……では何の変化もない。
そもそも人材はどこにいる。森林組合でも市町村や都道府県、そして国でも、人材をいかに養成するのか、生み出した人材をいかに配置するのか……。
 
新しい仕組みづくりを競争する時代かもしれない。

2018/03/03

「夢の汽車」は木材車

バッタもん屋で見かけた木工おもちゃ。

 
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なんと、木材車、木材運搬者の模型が売っていた。
正確に言うと、この「夢の汽車シリーズ」は、木も部品を合わせて蒸気機関車やら炭水車、貨物車、客車などが連なるおもちゃ。
 
わりと汽車のおもちゃには木製が出回っているように思うのだが、さすがに丸太を積んで走る模型車というのは珍しいのではないか。
 
ま、ここはバッタもん(叩き売りされた品)を扱う店なので、売っているのは機関車などはなく、タンク車と木材車のみであった。これらの車両模型だけ売れ残ったのだろうか(~_~;)。
 
思わず買おうかと思ったよ。丸太を積むだけだからつくるのも簡単そう。というか、接着剤まで同封してあって、手間はかからない。
でも、木材車だけがあってもなあ。。。。
 

2018/03/02

木のウロの生態系?

これは「切株の上の生態系」の番外偏?だろうか。

 
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この木を見上げて気付いた。このウロというか、樹幹に傷ついて空いた穴にあるものを。
 
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しっかり芽生えがある。
この芽の種類が、この樹木と同じ種か、つまりこの木の種子が落ちて、空に溜まった土壌もどきや水分で芽生えたのか、あるいは偶然飛んできた異種の樹種なのかはわからない。
 
これらの芽は今後どうなるだろうな。いつかは枯れるか。それとも同じ樹種なら融合する可能性も残されているのだろうか。
 
種子をいっぱいばらまいて、どれかが生き残って生長すればいい。そんな植物の生存戦略を感じる。

2018/03/01

CLTは林業復興にならないわけ

住友林業が、地上70階建て、高さ350メートルの木造ビルを建てる構想を発表している。

 
延べ床面積45万5000平方メートルで、18万5000立方メートルの木材を使用する予定。ただし一部耐震補強に鉄骨材を使う。総工費は6000億円と試算している。
もっとも完成は2041年とずいぶん先。この年が創業350年だからという語呂合わせ的だし、そもそも、3時間耐火の木質部材の開発などをこれからやるというのだから、まだまだ雲の中のような話。高層ならぬ構想にすぎないのかもしれない。
 
面白いのは、ここで木質素材としてCLTを使うといった言葉が全然登場しない点だ。逆に鉄骨も入れるというのだから、あまりCLTは考えていないのかもしれない。
 
 
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おりしもCLTの素晴らしさを書きつらねた記事を読んだばかりなので、苦笑してしまった。その記事では、2016年に建築基準法を改正して、一般的に使えるようになったのに、今だCLTが普及しないのは、まだ耐久性に対するデータが出ていないことを上げている。
 
しかし、CLTが建築材料として優れており、日本の林業の救世主たりえるかと強調されると、この人、木質工学の研究者だが、林業のこと知らないんだなあ……と思わざるを得ない。
 
そもそもCLTがB材からつくれること、製材端材さえ材料にできることを強調して木材の有効利用につながる……とあるのだが、現状B材余っていないし。
 
むしろ引っ張りだこで、B材が足りないからA材まで合板材料に回される有り様。端材だって、バイオマス燃料に回されて足りなくなっている。 むしろA材の使い道がなくて困っているのだ。
 
だいたい林業の復興に欠かせないのは、林業関係者の利益を増して山に還元されるという経済的な問題だ。利益率の高いA材が売れず、安くて利益の薄いBC材ばかりが求められることが林業を苦しめている。
 
そしてCLTは、今後欧米製(あるいは外材製)と国産材CLTの間で価格競争が行われて、どんどん安くなっていくだろう。国産材CLTが売れても売れなくても、利益は薄くなるだろう。その原料を提供する山に還元される分は、どう考えても増える要素がない。
 
 
林業には、森林科学や林業工学、材料工学、それに建築学など重要な学問領域がたくさんあるが、同時にもっとも必要とされるのは経済学であり経営学であるとも言えるだろう。それに政治学もかな?
 

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森と林業と田舎