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森と林業の本

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2018/04/29

「半分、青い」から清原なつのへ

気がつけば、ゴールデンウィークらしい。らしいと言うのは、マジに気がついていなかったからなんだが……連休後半の予定は決まっているのだが、それまでは仕事三昧か? 

 
NHK『半分、青い』を見ている。バブル経済崩壊前後の時代を舞台に、甘酸っぱい青春ラブコメ……というイメージだが、それなりに気に入っている。
 
とくに先週の展開は、ちょっと私にとっても甘酸っぱい青春が……(笑)。
 
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主人公・鈴愛は、幼なじみの律から、少女漫画を渡される。それがきっかけで漫画家をめざす……というのが今後のストーリーらしいが、引っかかったのは男子である律から少女漫画を勧められたという設定だ。
 
今ならさほど違和感がないのかもしれないが、私の少年時代ではかなりレアである。男が少女漫画を読むのは、かなり勇気がいった。
が、高校2、3年生のときに男子生徒の間で猛烈に少女漫画が流行った時代があった。きっかけは覚えていないが、みんな(野郎ども)が大騒ぎしつつ少女漫画に夢中になったのだ。
 
思えば、あの頃の少年漫画はオチ目で、魅力的な作品がなかった。そこに登場したのが萩尾望都や竹宮恵子、大島弓子……らであった。
その質の高さは少年が少女向きとされた漫画への恥ずかしさを吹き飛ばして読ませる魅力があったのだ。
 
ポーの一族』なんかは、完全にはまったよなあ。。。最近復活した続編は読めていないのが残念。手にはいらないのよ。
 
 
ただ大学に入ってから、主にはまった漫画家は清原なつのである。
 
下宿に捨てられていた「りぼん」で読んだ『花岡ちゃんの夏休み』の斬新な衝撃は今も忘れられない。
 
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舞台が大学である点も、おどろきだった。それまでの少年少女漫画の舞台はせいぜい高校までだったから。著者がリケジョ(金沢大学薬学部在学中の作品)であることが刺激した分もある。しかし、その内容が思弁的で、ラブコメで終わらない深さに魅せられた。
 
その後も読み継いでいるが、『群青の日々』なんかは、幼なじみの男三人女一人の微妙な人間関係を描いていて、『半分、青い」に通じるところがあるように思う。
 
あざやかな瞬間』は、彼氏が報道カメラマン希望で探検部も登場することから、非常に親近感を持ってしまっていた。
 
 
だが、最大の衝撃を与えられたのは、『銀色のクリメーヌ』だ。
チンパンジーを可愛い少女に擬人化して描いているのだが、その背景となる状況は深刻だ。チンパンジーの子どもを人間のように育てて知能の発達を調べる研究が国際的に流行った時期があるのだが、やがて飽きられてしま,う。その後に残された人として育てられたチンパンジーがたどる悲劇。
 
実は私が探検部で、ボルネオにオランウータンを探しに行くきっかけとなった際に教えを受けた教授も当事者なのだ。我が子と一緒にチンパンジーを育てている。そうした学界的な顛末と、世界的に問題となった事件については『悲劇のチンパンジー』(ユージン・リンデン著)という本を訳出した。
 
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清原なつのは、おそらくこの本を題材にしたのだろう。薬学出身であるから実験動物とも関わりがあったはずだ。
 
……そんな我が青春(^o^)とも重なり合っている少女漫画を、ゴールディンウィーク中にまた読み返そうかな。
 
 
 
 
 

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