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森と林業の本

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2018/05/17

CLT関係の新聞記事

このところ、新聞でCLT(直交集成板)関連の記事が目立つようになった気がする。

 
福島の復興住宅にCLTを使うというニュースもあったが、何やら政府の広報ぽい記事が続く。いかに有望な建材かと期待を煽る。
 
たとえば5月16日の朝日新聞。
 
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高層ビルを木で建てるというテーマだから建設系の記事なんだが(紙面そのものは教育面という不思議?)、なぜかその中に「林業再生の切り札に」という言葉が。
 
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建築分野から見てCLTに興味を示すのは結構だ。たしかに新たな建材であり木造高層ビルという新分野を切り開いてくれる。だが、林業をなぜ持ち出すのか。両者がいかにつながるかを記者は全然考えずに、説明を受けた通りおうむ返ししているのではないか。
何か裏で政府筋から記事化のプッシュがあった気がする。 
 
 
そこに東京新聞が2面に渡る特報面「林業活性化つながらぬ」 で書いてくれました。(5月17日)
 
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実は、こちらの記事は調査スタート時点から私も関わっていて、私が提示した問題点や疑問点をしっかり裏を取って報道してくれた。私の推測もそれなりに正しいことが示せた。輸入CLTに関する疑惑やスギでCLTを作る際の難点、そして唐突な補助金制度。
 
面白いのは、朝日ではCLTの建築物が急増とあるのに、東京新聞では伸び悩みとしている点かしら(笑)。
 
実は、100%補助については、かなり政治案件であった可能性も浮上しているのだが……。むしろ締め切り日程を厳しくしたのは、採用されないための林野庁の密かな抵抗?   
 
 
ちなみに東京新聞でもCLT礼賛記事は出ていて、新聞社のスタンスとは関係ない。ようは記者の視点の取り方であり、勘だろう。
 

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コメント

こんばんは。CLTの普及→杉の原木の価格上昇→山元への利益の還元額の上昇…にはならないと考えます。何処かで内部留保が膨らむだけの様な気がします。気がするだけですが。

そもそも「CLTの普及→杉の原木の価格上昇」がありえません。
記事にもあるように、国産CLTをヨーロッパ産CLTと同じ値段にしようと思ったら、原木代は立米3000円だと?
ようは山にあるべき金を木材業者に渡すようなもの。

理解に苦しむ話ですね。ヨーロッパ産CLTに値段を合わせ、山元に一定の利益の還元額を設定する。後は、素材生産とCLT工場の企業努力。もちろん、わけの分からない中間手数料は省いて下さい。それで、現場や工場の安全作業が確保できないのであれば、国産CLT生産はやめましょう。

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