飫肥杉と聞けば、宮崎県南部の飫肥地方を中心に造林されたスギ。
現・日南市に行けば、まさに一面の杉山が広がっている。当然、飫肥杉の本場も宮崎だと思うだろう。

日南の山
オビスギそのものは品種名であるが、疎植して早く太く育てて、造船用木材(弁甲材)としての需要があった。だから50年で直径30センチは優に超す。
木目は粗いのに、樹脂が多くて水が浸透しにくいのだそうだ。それに浮力がある。弾力も強くて割れにくい……などの理由から、木造船の材料として欠かせなかった。
しかし、戦後は木造船が激減して需要はガタヘリになった。
そこで建築材として使われるようになる。太くなくてもいい。というか太すぎると製材機を通しにくい。そして昨今の皆伐ブーム。
というわけで、今では飫肥杉としての太い材は、宮崎にはほぼ残っていないのだという。
むしろ戦前に植えたまま放置して大木になった飫肥杉が残っているのは大分県にあった。
ここは80年生のオビスギ林が残っている一角。
もっとも太いのを見つけて目通り直径を図ってみると、90センチを越えた。
いいねえ。大木。
ここだけの話(^^;)、吉野で樹齢100年200年の吉野杉を見ても、実はそんなに太くない。200年ものでこれぐらいかあ……と思ってしまう。それだけ年輪が詰まっている証拠なのだが、太い木を見たければ、九州の方がよいかもしれない(笑)。
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