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森と林業と動物の本

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2018/05/18

緑マントの内側から

大分の森シリーズ。

 
後藤國利さんにまず案内されたのが、「緑マントのペテン師」の森。そのマントの中に入ってみた。
 
3
 
見事に梢の部分にしか枝葉は付いていない。緑マントの中は裸であった(笑)。
 
しかし、このように見上げると、小さな樹冠がびっしりと空を覆い、光を逃さず吸収しようとしていることがわかる。スギからすると、無駄なく光を得ているわけだが、その下に光があまり入ってこないから、林床はスカスカというわけだ。
 
ただ、私は思うのだが、すべての放置林がこのようになっているわけではない。放置した結果、自然と針広混交林になっているケースも目につく。
そうした森林では、放置した方がむしろ生態系は豊かになっているのではないか、と思うときもある。スギ一斉林でなくなり、雑木が入れば昆虫や鳥獣も増える。
 
その差はどこで生まれるのか。
 
たとえば疎植(ヘクタール1500本以下?)だと、間に広葉樹が入ってくるのかもしれない。あるいは若年時代に幾度か間伐を行い、その後放置した場合も、そこそこ林内に光が入って針広混交林化しやすいのかもしれない。
 
ほかにもいろいろ条件はあるだろうが、それを見極められたら、放置林対策も意外と簡単になりそうな気がするのだが。
 

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コメント

九州にいらっしゃたら、竹害のひどさをご覧ください。雑木林に竹がどんどんと進出し、木を枯らしています。放置林は、竹林になってしまっています。

竹林問題も九州で聞きました。
実は関西の方が酷いかもしれない。九州は在来種のマダケもありますが、関西は(外来種の)モウソウチクをいっぱい植えたから。

たしか熊本に竹のボードをつくるベンチャー会社ができたと聞きました。また鹿児島に竹紙も作る製紙工場もあります。こうした需要を広められたらいいのですが。

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