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2018/05/02

流木災害の地元へ~九州

神籬(ひろもぎ)という冊子が届いた。57号である。

これは奈良の西垣林業が発行している珍しい森林雑誌。
 
今回の特集が、「流木災害 九州北部豪雨、その被害と今後」。昨夏の九州北部大豪雨の検証であった。
 
1
 
語り手は、九州大学大学院農学研究院の久保田哲也教授。
 
昨年の水害は何が起きたのか。その原因から森林と水の関係を繙いている。
内容を一口に紹介できないので、小見出しだけ並べてみよう。
 
経験したことのないような豪雨。
「過去最大級の流木災害」が起きた。
森林管理が原因だったのか。
根の張り方の問題ではない。
間伐の遅れでもない。
森林の「量」をコントロールする。
広葉樹を植える意味と効果。
流れ出た木をどうするのか。
豪雨がある前提での対策を。
 
 
この災害については、私も昨年、WEBRONZA「九州北部水害と林業の関係を考える 」と題して記しており、その内容とほぼ重なっている。ようは林業、そして森林はこの山崩れに関係ないのだ。とにかく降雨量が異常に多かった。
 
そこで記事にあるのは、森林に過度な期待はするな、である。またメディアの一部の「スギやヒノキなど針葉樹は根が浅い」「間伐などの森林整備が十分に行われなかったから」「切り捨て間伐材が流れ出た」という報道に苦言を呈している。
 
私も同意見。ついでに言えば、林野庁がたいして反論しなかったことにも苦言を呈したい。
森林整備が遅れているから流木が大量に出たと報道された方が、森林整備費の予算が付きやすいと考えたからのではないか、と疑ってしまう。
 
ところで私が注目したいのは、広葉樹の効用だ。
 
広葉樹は根が深くまで伸びているから山崩れを防ぐ……なんてのは嘘である。だが、広葉樹は概して幹が曲がり枝も複雑な形状をしていることが多い。それが崩れて流下する際に絡んで流れを抑える役割を果たすそうだ。また流れと樹幹の方向が一致しないことで、家屋などに衝突する際の被害も減る。また根も複雑に伸びているから土壌の表層を押さえやすい。
つまり流木災害は、広葉樹が多いと起きにくいと想定されるそうだ。
 
そんな点から、針広混交林をめざす理論武装もできるかもしれない。
 
 
さて、私は明日より九州・大分をめざす。仕事なんかなあ、休暇旅行なんかなあ。あんまり区別は付けていないが、現地の多くの林業家に会えることを楽しみにしたい。そして災害現場も可能なら見てきたい。
 
 

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