先に臼杵の後藤山林で、「日田きこりめし弁当」を食べたことを紹介した。ノコギリつきで、ゴボウの丸太を切る趣向。
(ノコギリ抜き)
日田杉の経木でつくられた弁当箱だ。
実は、それだけではない。この弁当には、こんな箸が付いてくる。
この中に、利久の割り箸(飛騨産)とノコギリ(日田杉産)が入っているのだが、それを包んでいる箸袋に注目。
「いま、森を見よ」とあるが、その周りにも文字があるだろう。これを広げると……。
こんな新聞になっている(^o^)。ヤブクグリ新聞。やぶくぐりとは、九州で多く植えられているスギの品種だ。もっともこれが、根曲がりを起こすので問題なのたが……。ただし、ここでいう「ヤブククリ」とは、日田の地域起こし集団名。
この「日田きこりめし弁当」は、広告デザイン界の最高峰・ADC賞を受賞したそうだ。
字は小さいが読んでもらいたい。
林業に新規参入した人物を紹介している。なかなか本格的な新聞記事なのだ。
それもそのはず、この新聞を発行している川崎弘さんは、元西日本新聞の記者。つまり本物の新聞記者だったのだから、こうした記事を書くのはお手の物なわけだ。
その彼が、後藤山林の森づくり懇談会にも参加していた。
もっとも、彼は現在日田の醤油屋の跡取り。なぜ、こんな華麗な転進(?)をしたのかは、個人情報なので省略する(^o^)。
実は、私が初めて出会ったのは、6年前に熊本県八代で、私が講演で訪れた際に取材に来ていたのだった。それが今回、こんなところで再会するとは思わなかった。
ただ新聞記者から醤油屋……考えてみれば、どことも林業との接点はない。なぜ後藤山林の懇談会に参加したのだろうか。「ヤブクグリ」が林業振興を唱えていることもあるが……。
よくよく考えてみるとありましたね。
彼の従姉妹が林業やっております。兵庫県で。林業界の有名人です(⌒ー⌒)。この弁当のこと、知っていたかな?
いつもFacebookからこちらの記事を拝読しております。
割り箸の袋に興味津々の私ですので、今回の記事(写真)大変興味深いです。参考にさせていただきます。
「林業に関心がある醤油屋さんの息子さん」とのお話を聞いて、兵庫・灘の酒屋さんとした会話を思い出しました。
「酒樽はよく使う。けれど良い樽を作る職人さんたちが少なくなった。」と。
当然、人が少なくなれば樽も減りますし、樹の活用先も減っているそうです....。
酒も醤油も味噌も....樽の文化が減るのも寂しいですね。
投稿: 野田ようこ | 2018/05/11 18:09
正確には「醤油屋さんの義理の息子さん」ですけどね(^^;)。
箸袋を情報ツールとして活用する試みはいろいろ行われていますけど、今回の方法もその一つでしょう。なかなか難しいですが。。
木樽をつくるには、材料の杉板からよいものが必要ですからね……。悪循環です。
投稿: 田中淳夫 | 2018/05/11 23:06