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2018/06/17

大阪・材木浜から見た木材輸送システム

ちょっと大阪歴史博物館に行ってきた。

 
ここで開かれている特別展を見るためだ。ま、その前にちと歴博には腹立たしいことがあったのだが、それは置いておく。
 
その展示を見る前に発見したのが、江戸時代の大阪の町の図。江戸時代の「天下の台所」だった時代の大阪である。
 
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水の都と言われた通り、大阪には縦横無尽に水路が通っていて、各所が産業の中心となっていたのだが、その中に材木浜という場所があった。ここに木材が集まってきていたのだ。
 
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アップしてみた。関西、土佐、日向から木材が集まってきたらしい。関西はともかく、四国や九州からも木材を輸送するとは、結構な輸送力と流通システムが整備されていたことにちょっと驚く。
そんな筏の図が描かれていた。大阪にとって、木材の商いというのは意外と大きなビジネスであったらしい。紀伊国屋文左衛門も、ミカンだけでなく江戸の火事に合わせて木材運んで大儲けしたわけだが、大阪経由の木材もあったに違いない。
 
 
これまで四国や九州から燃料としての薪の類を運んでいたことは記録を読んでいたのだが、丸太も運んでいたのだろうか。船に格納していたのか、筏を引っ張っていたのか。江戸時代の輸送力をなめてはいけないな。
 
ちなみに明治に発行された「吉野林業全書」にも、大阪の木材商いについて描かれている。
 
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肝心なところは、江戸時代とあまり変わらない。明治でも木材輸送は筏だったのか。木材の搬出と輸送という点からすれば、江戸時代から昭和の前半まで、そんなに大きな変化はなかったのかもしれない。
大きな林業輸送イノベーションは、戦後のトラック輸送が始まってからだろうか。この視点から林業史を組み立てたら、別の姿が浮かぶかもしれない。
 
 
 

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