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森と林業の本

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2018/06/09

『モリのいる場所』の庭

仕事が一段落したので、映画を見ることにした。頭の中に異物を入れて切り換えたい。

 
選んだのが『モリのいる場所 』(沖田修一監督)。
 
Img001
 
モリ……森だからというわけではない。このモリとは、主人公・熊谷守一のモリなのだ。
熊谷守一は、今年で没40年を迎える実在した画家である。50歳を迎えてから世間に認められたのだが、それから約30年間家から一歩も出なかったとされる。引きこもりではない。毎日庭の宇宙に出ていたのだ。
 
毎朝、「行ってきます」と行って縁側から出る。腰には鹿革の尻当ても当て、本格的なフィールドワーカーぽい。そして庭を彷徨する。庭には縦横に小路があり、腰掛けるポイントは十数カ所。そこで観察する。草。樹、昆虫。池。魚。空。ときに茣蓙を敷いて寝ころがる。日がな、それで過ごす。ひっきりなしに客は来るが天衣無縫。
 
そんな日常が描かれた映画である。詳しく知りたければ、公式サイトへ。
 
すごいね。この映画。隣の婆さんらが上映中にペチャクチャしゃべるのに閉口したが、とんでもない宇宙を感じさせられた。
 
そして思った。こんな庭をつくりたい。庭を宇宙にしたい。
 
そうだ、森なんて、わずかな面積の庭があればつくれるのだ。何ヘクタールもなければ森じゃない、と決めつけなくてよかった。
 
と思って山に行く(^o^)。タナカ山林をこんな森にしようか。山林としては狭いが、庭としたらちょっと広い。
 
雨まじりの天気だったので、山に分け入ると濡れてしまう。でも、宇宙の片鱗を見た。
 
186_6  186_5
 
186_4  186_9
 
 
ここ数年、せっせと植えたアジサイがいいように広がってきた。花はいくつか大輪に咲いていたが、まだ多くは蕾。各所から調達してきたので、どこにどんな花が咲くかわからないが、多くがヤマアジサイだろう。もう少しでアジサイ園ぽくなるかもしれない。
 
この中を歩き回る小路と、座る場所をつくって、日がなうろつく……そんな老後を送ろうか(笑)。

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