ちょっとお勉強をしようと思ってある本を探した。
それがない。古い本だが、Amazonで検索すると、1冊2万円だと出るし……。「日本の古本屋さん」も、同程度。なんで、こんなに高いのだ。奈良の図書館にもなかった。国会図書館関西館にデータはあるだろうが、多分フィルムだろうし貸し出しは不可である。
結果的に、大阪の図書館で発見。借り出すことに成功。生駒は周辺に大きな図書館が多くて助かる。
その本とは……。
メーラーの「
恒続林思想」。
この本の何がすごいって、後書きを村尾行一先生が書いていること(笑)。ここには「どうも私の深層心理をメーラーの思想は形成していたらしい」と記されている。
ちなみに非常に読みやすい。訳もよいが、メーラーはこんなに優しく語っていたんだ、と言う点に感心した。まあ、大雑把な「恒続林思想」は他の本でどを読んで知っているのだが、本家の本にも目を通しておこうかな、ということである。
おりしもザーリッシュの『森林美学』の完訳本が出版されたばかりだ。(戦前に新島善直・村山醸造の『森林美学』が出版されているが、これは日本流の森林美学であって、ザーリッシュの訳本ではない。)
メーラーは、「恒続林施業のみが、森林美学の提出する要求を果たすことができる」と記したように、両者は大きく関連する。
こっちは分厚いし文章は硬いし、値段も高いから読む勇気が湧かない(^o^)。また、原理主義的にザーリッシュの森林美学やメーラーの恒続林を信奉する気もない。
むしろ考えたいのは日本的な恒続林であり、さらに言えば近畿・奈良における恒続林とは何か……なのだが、それを考えるためにも本家・恒続林のお勉強をしておこうかと思った次第である。
ちょうど今年の森林・林業白書を読んでいると、こんな囲み記事があった。
奈良県の取り組むスイス林業との連携が記事になっている。そういや、林野庁のメンバーがこの取材にきた際、私も横にいたんだったな、と今頃思い出した。
ここではサラリと流しているが、スイスに範をとるということは、奈良県は恒続林をつくろうとしていることになるんだよ。。。
だからお勉強が必要なのだ。
「森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯」も、Amazonで検索すると、中古品でも1万円以上していて、ちょっと手が出ないでおります。
投稿: Cercidiphyllum japonicum | 2018/06/12 01:35
『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』は絶版ですが、同じ内容のものを『樹喜王 土倉庄三郎』として制作しました。これは川上村のNPO法人芳水塾の協力によるものです。
こちらは書店売りはしていませんが、興味があるならこちらでどうぞ。
http://shinrin-journalist.la.coocan.jp/chosaku-jukio.htm
ほか、川上村内(源流館やホテルなど)で販売しています。
もっとも、こちらも残部は少なくなってきたんだよなあ。。。
投稿: 田中淳夫 | 2018/06/12 09:43