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2018/07/19

「ハゲタカ」で思い出すイヌワシ皆伐

ドラマ「ハゲタカ」を見た。

 
幾度かドラマ化されているが、改めての登場である。舞台は1997年。バブル崩壊であえぐ日本の経済界に食いついてくる外資ファンド……。その外資を「ハゲタカ」と呼んでいるのだが、ようは腐肉(経営が傾いた会社)を喰らう鳥が舞い降りてくるイメージなんだろう。
 
で、主人公は外資ファンドの鷲津。名前がワシなのだが、ハゲタカというタイトルをひっくり返したようにドラマではイヌワシに憧れてバードウォッチングする姿が描かれていた。
 
それで思い出したのだ。
 
私は、Yahoo!ニュースに 「イヌワシのために皆伐」の裏に透ける意図  という記事を書いたことがある。2014年8月、つまり4年も前の記事だ。
 
まあ、リンク先を呼んでもらえたらよいのだが、イヌワシの棲息地を守るために餌場としての草原をつくらねばならない、そのためには皆伐が必要……という動きを紹介したのだ。
 
私は、草原生態系も大切だと思っているし、イヌワシが草原性の猛禽類であることも知っている。だからイヌワシのためには草原につながる皆伐という理屈はわかる……と記している。
 
が、同時にそれが世間に皆伐も悪くないんだよ、というアピールであり、林野庁は今後皆伐施策を推進する裏の意図を感じたのである。
 
最後は、このように締めくくった。
 
皆伐は猛禽類のためになる、地元も歓迎、だから国有林をどんどん伐ろう、という声だけ広がって、技術もノウハウも規範もないまま全国で行われる可能性だってあるだろう。よほど慎重に取り組まないと歯止めのない皆伐が進みかねない。
 
 
さて、4年後の今、どう思う? 私の「予言」は当たったのか? 今はイヌワシなんかいない地域でも、どんどん皆伐を推進しているが。イヌワシに(国有林の皆伐を)露払いをさせて、本体(民有林)を喰らったのではあるまいか。肉を狙って空を舞っているのは、イヌワシかハゲタカか林野庁か。腐っているのはどっちだ?
 
せっかくだから、当時の記事の写真を再録しよう。
 
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