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2018/08/05

「バイオマス白書2018」を読んで

バイオマス白書2018 が発表された。紙版とともにネット版もあるから、誰でも目を通していただきたい。

 
なお白書と言っても官庁が作成するものではなく、NPO法人バイオマス産業社会ネットワークがまとめたもので毎年公表している。
 
昨年は怒涛の勢いでバイオマス発電所の認定と建設が行われ、ちょっとした騒ぎになった。なかでもパームオイルそのものを燃やす発電までが登場して問題となった。これらの点は、私も適時ブログやYahoo!ニュースに書いてきたから、繰り返さない。
 
ただこの白書によると、どうやら「潮目は変わった」らしい。世界的にバイオマスに依存することが無駄、コスト高と認識されてきたからだ。その背景には、太陽光や風力の発電価格が劇的に下がって、いまさらバイオマス発電を行うメリットが見えなくなってきたからだという。
 
それなのに……と思わせたのは、この1年間に建設稼働し始めたバイオマス発電所一覧を見たからだ。
 
最大の発電所は、石巻に誕生した日本製紙の14万9000kw規模であるが、これは石炭混焼。
混ぜる割合は最大30%とのことだから、バイオマス由来は4万4700kw。
バイオマスだけでは、八戸バイオマス発電の1万2400kw。また福岡の大牟田市シグマパワー有明の5万kw(バイオマス稼働は4万6000kw)だろう。石炭火力のリニューアルらしいが20万トンのPKS(ヤシ殻)を燃料にしているらしい。
 
どんどん大型化が進行している。ここでも国際トレンドに逆行している。そのうち、世界中からバイオ燃料が日本に集まる(日本しか稼働しなくなるから)ようになるかも。当然、電気料金として集められた日本の財産が海外に出て行くのである。
 

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