無料ブログはココログ

森と林業と田舎の本

« 2018年7月 | トップページ | 2018年9月 »

2018年8月

2018/08/31

週末はPC異変

雑貨店で見かけたこれはなんでしょう?

 
Dsc_1256
 
古材を並べたように見えるが、実は玄関マット。素材は、おそらく合成樹脂。
こんなところにも、古材のデザインが使われるようになるのは、流行っていると言ってよいのだろうか……。
ほかにも、車のサンシェードでも古材デザインを見かけた。前に紹介したが、掛け時計の背景に使われているものもある。
 
 
さて、ここでお知らせ。
 
実は、パソコンを買い換えた。と言っても、セッティングは明日から。この週末で行うはずだが……ちょっと恐れている。
というのも、現在Windows7機を使っていて、9年前のもの。今度はWindows10になるのだ。Windows10パソコンは操作がガラリと変わるという巷の評判もあるし、単にケーブルをつなぐだけですぐに使えるようになるかどうかわからん。
しかも、私は親指シフトという絶滅危惧種(^^;)のキーボードを使っていて、これを設定するのがなかなか大変なのである。
 
なにしろ使えるパソコンが市販のものになく、結局、法人用オーダーメイドになった。そのほかソフトやドライバーも別途である。さらにデータの移設も大変だ。たまりにたまったデータは400GBに達するのだから……。
 
ともかく、土曜日からとりかかる。その間は、どうなるかわからない。ブログの更新もできるかどうかわからない。そこで、先にオヤスミ宣言をしておく。
そのほか、メールもちゃんと受信できるか、さらにホームページは、そもそも仕事の原稿は……と考え出すと頭が痛くなる。
 
 
もし月曜日になっても更新がなかったら、難渋している証拠だと思って声援を送ってください(^O^)。もっとも、その声援が読めるかどうかもわからないけど。(あ、スマホで見ることはできる。)
 

2018/08/30

大正時代の皆伐?

毎日新聞の連載・大和森林物語「紀伊半島の探検家群像」⑧ で、大正時代の登山隊の記事を書いた。

 
最近、毎日新聞のネット記事も有料化が進んで、契約しないと冒頭しか読めないが、それでいい。1915年(大正4年)に、関西の財界人の大登山隊が結成されたことを紹介した。
 
探検家とは言えないようなお金持ち登山である。その記録が『吉野群峰』と『吉野群峰写真集』にまとめられて報告書となっている。それを読むと、人夫などが31人もおり、毎晩野営地ではワインやウイスキーなどを飲んでいる(@_@)。
 
それはともかく、気になったのは、その中の写真の1枚だ。
 
15 (成瀬匡章氏提供)
 
これはちょっと一部を拡大しているが、小天井が岳の山腹を進む隊である。
 
その周りの植生を見てほしい。あきらかに伐採されている。この時代にこの奥山で皆伐が行われたのか。ちょっと意外を通り越して、疑問ばかりだ。
 
おそらく原生林だったろうから、皆伐してその木をどのように搬出したのだろうか。どこの林業家が手がけたのか。ともあれ、探検めいた大登山隊が行くところに、林業やっている人がいたわけだよ。予想以上に戦前から開発は進んでいたのかもしれない。
 
 
ちなみに、この毎日新聞の記事で、写真のキャプションにミスがあった。ネットでは見られないが、大峰山の「鐘掛岩の展望台」の写真に「西の覗き」と書いてしまった。
「写真集」にあったキャプションの転記ミスである。
 
今度、訂正を出さねばならない(泣)。。。
 

2018/08/29

「小笠原のネコ」に引き取り手はいなかった

Img_character_03
「ゲゲゲの鬼太郎」に登場するねこ娘。原作の猫娘と比べると、どんどん可愛くなっている。もはや萌え状態だ。。。
ま、そんな話とはドーデモよい。
 
 
先日のYahoo!ニュースにアップした「ネコの「可愛さ」はずるい。……」で紹介した小笠原諸島のノネコ駆除話に新たな展開が起きた。
 
この記事の冒頭で、私が読んだ書籍「小笠原が救った鳥」を紹介しているが、その点についてツイッターでコメントがつき、驚くべき情報を知らされたのだ。
 
まずは読んでほしい。
 
Photo
 
これは昨年の10月に鹿児島で開かれた国際ノネコ・シンポジウム 内で、鹿児島県獣医師会の坂本紘会長の発言部分を切り取ったものである。
奄美大島が狙っていた世界遺産の登録(後に登録延期)を受けてのシンポのようだが、ようは奄美の自然が危機に瀕してい る問題を受けているわけだ。
その原因の一つに、ノネコがアマミノクロウサギを始めとする貴重な野生動物を襲っていることがあり、しかもノネコを駆除する態勢も取られていない(ネコを駆除することに反対意見が根強い)問題かある。
 
そうした文脈では、どうしても小笠原諸島の事例は“成功例”として紹介されがち。
 
ところが、この獣医師会の会長発言によると、東京に渡ってきた小笠原のノネコは、全然里親が現れていないのだ。結局、ほとんどが檻の中で飼い殺しになりつつあるという。。。
 
 
もともと東京都の獣医師会が引き取ると言い出したのだが、小笠原から送られてきたノネコは、獣医師会メンバーの動物病院に振り分けられるだけ。それぞれの病院が、引き取り手を探さねばならないわけだ。それが無理なら病院で飼い続けることになるが、檻に入れた状態だろう。
 
しかし、引き取り手は簡単に見つかっていないのだろう。
考えてみれば、ほとんど野生下で生きてきたノネコは、極めて凶暴で、まさに肉食獣である。警戒心が強く、人になつかないはずだ。簡単にペットとして飼育できないだろう。とくに成猫なら当然だ。そんなネコは、容易にペットとして市民が引き取れるだろうか。
 
たしかに捕獲されたノネコが短期間(数ヶ月)でペット並の人なつっこいネコに変身したという記述もあるのだが、それは例外的な事例か、あるいは逃げ出した飼いネコがたまたま捕獲された可能性がある。
 
すでに800匹近くのノネコが海を渡ったはず(今春までに777匹のネコを捕獲したという記述あり)だが、まだまだノネコはいる。現在は父島が中心の駆除も、そのうち母島に広がるかもしれない。
東京といえども動物病院のキャパシティには限界がある。シンポの時期と、本が出版されるまでの間に半年以上あるが、その間に解決したとも思えない。
そもそも小笠原から運ばれるノネコ以外に、都内には大変な数の捨て猫がいて、それらの里親探しもしなくてはならないはずだ。
そのうち獣医師会が引き受けを拒否することも考えられるのではないか。
 
 
しかし、この事実は「小笠原が救った鳥」のストーリーの根幹をぶち壊しかねない。
果たして著者は東京へ渡ってからのネコの状況を取材したのだろうか。知らずに書いたのか(書き上げたのは今春のはず)、あるいは知っていて目をつぶったのか。
 
前者なら取材不足、後者なら読者に対して不親切であろう。
 
むしろキレイゴトのノンフィクションに終わらせず、上手くいかない現実を描くべきではなかったのか。

2018/08/28

Yahoo!ニュース「ネコの「可愛さ」はずるい…」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「ネコの可愛さ」はずるい。駆除される動物について考える 」を書きました。

 
これ、気付いていると思うが、先にブログに記した 書評「小笠原が救った鳥」 (23日)の続編。というか、本来はあの本を読んでまず思いついた書きたかったこと。ただ、その前に本の内容を紹介しておかねば、というつもりで、まず書評を書いた。
 
その後にネコ問題を記そうとしたら、どーせならYahoo!ニュースに書こうか、と思いついた……というのが順序ですかね。
 
ネコについて触れたら、どうせまた文句をいう人が湧いてくる、という気もしていたが(笑)。ネコと獣害を一緒にするなとか、ノネコは野生動物じゃないとか。いるんだな。どうでもいいけど。
 
 
ただ、あえてトップ画像には「可愛いネコ」の写真は使いませんでした。これは写真で呼び込むのは嫌だという意地。
 
 
なお、私もネコは嫌いじゃない。が、この夏は我が家に出入りしているノラネコが持ち込んだノミによって大いに苦しめられた……今も痒い。その点で言えば、私もネコ害被害者だな。
 

2018/08/27

木と住まいの大博覧会、のミドコロ

週末は、京都で開かれた「木と住まいの大博覧会」に顔を出してきた。

 
これは建材メーカーのナイス株式会社の主催するイベントだが、タイトルからして木造関係者が集う場みたいではないか。
 
が、入るなり、耐震診断のコーナーに続き、戦隊モノのステージがあり、展示はパナソニックなりYKKなり、TOTOなりLIXILなり……木造エクステリアが展示してあると思って覗くと人工木材で、「木質は少し混ぜているの?」と聞くと、「ゼロです」と返事が返って来たり……。
 
とはいえ、奥に進むと京都北山丸太のコーナーに滋賀県、和歌山県、京都府などの木製品に、奈良・森庄の銘木コーナー。そして昨年のウッドデザイン展の受賞作品展示、さらに奥には京都大学と京都府立大学の研究発表会……。
 
そこここで、知り合いに会ってしまうのであった。とくに京都府立大学のメンバーは、その日の午前中にメール交換していたんだよ(^o^)。ま、世の中狭い。
 
そこで、急遽、ウッドデザイン展のコーナーに拙著『鹿と日本人』のカードを並べてもらう\(^o^)/。
 
Photo
 
わかるかな。作品は、吉野の川上村のstudio Jigの吉野杉の家具。その前に、ちょこんと置かれているカードに注目(⌒ー⌒)。
 
そのほか、森林認証材の展示コーナーもあった。
 
011
 
FSCとSGECのものばかりだが、もう少し詳しい内容を展示してほしかったね。全国の一覧ぐらいあればよかったのだけど。
 
 
が、何といっても目を引いたのは、これでしょう。
 
016
 
鳥海山の麓で掘り出された古代杉の土埋木である。説明によると、縄文時代の火山噴火で埋もれたらしいが、樹齢約1500年、胸高直径で約3,5メートルの代物だ。材積360石もあるが、それを衝立に加工した……というのだが、よく中が空洞にならなかった。
 
残念ながら、いかなる商品展示も、こうした本物にはかなわないなあ。
 
 

2018/08/26

データより1枚の写真

福岡県篠栗町にある九州大学の演習林が人気を集めているようだ。正確には、その中の一角、「篠栗九大の森」だが。観光客が押し寄せて、マナー違反やルール違反が目立って森を荒らす元になるほどだという。。。
 
なぜ人気を呼んだかというと、インスタグラムで紹介された森の風景が美しかったから。いわゆる「インスタ映えする」ということらしい。
「まるでジブリ」なんだそうだ。おかげで観光バスまで来るというのだから……。
 
 
具体的には、森の中のラクウショウが池の水面から生えている風景だそうだ。
ラクウショウは別名沼杉で、水に強い。気根を出すので、水没しても元気という種だ。湿地帯に生える針葉樹という面白さもあるし、幹の周りにニョキニョキと地面から盛り上がってくる気根が不思議な光景をつくる。
ただ植物園などではわりと植えられていて珍しい木ではない。
 
Img_4837_r600x450  
 
それがインスタなどSNSで紹介されることで、我も我もと見たがる人が現れたということだ。、結局、ヴィジュアルに反応したのすぎないのだろう。ラクウショウという植物に興味を持ったわけでもなんでもない。写真の裏にあるラクウショウの特徴・魅力なんかどうでもよいのだ。
 
 
そこで思い出したのは、先日の朝日新聞のオピニオンページ。
 
1
 
「ネット言論」を3人が論じているのだが、その内容に興味のある人は改めて読んでいただきたい。WEBRONZAの延長であるから、ネットにも転載されているだろう。ここでは、3人の記事のタイトルだけ読んでおいてほしい
 
私が興味を持ったのは、このうち香山リカの話の一部。
 
2
 
そう、SNSでは理屈やデータより「一枚の写真」なのである。タイトルも一瞬で目に入ることから、一種の画像だろう。
 
私も最近はネット言論に参加している身なので、気になるところである。いかなる理論を読みやすく、理解しやすく、工夫して書いても、実はたいしてアクセス数に反映されない。誤読も多い。というか、そもそも本文を読まずにタイトルや画像だけで内容を判断する読者?が多いというのは、日々感じている。
 
だからYahoo!ニュースでも、トップ写真のあるなしでアクセス数が変わる。タイトルの付け方でも変わる。とにかく読んでもらうための写真を選び、タイトルも気を引く言葉を探す。しかしこれは、内心忸怩たる思いなのだ。もっとも力を入れているのは本文なのに。 
 
だから、たまにタイトルと内容が合わない記事をわざと書いている(^O^)のだが、それに気付いている人はどれだけいるかな。
また両論併記もあまりしない。というか、旗色鮮明が基本姿勢である。流言にはツッコムが、ていねいではない。勝手に誤読させてやろう、という気持ち。
 
ともあれ、頭を使わず、一瞬で目に飛び込んでくる情報だけが第一の時代になってしまった。なんとかファーストとか言うのが流行語だが、セカンドはない。
 
しかし、それによって生じる感情と振る舞いにはご用心。
 
 

2018/08/25

「美の壺」の杉箸

たまたまBSプレミアムで見た「美の壺」。

生活の中のさまざまな「美」を取り上げる番組で、わりとお気に入りなのだが、昨夜放映されたのは、「箸」だった。これまで幾度か箸は扱ってきたはずだが、今回は割り箸が登場するかな? という興味で見ていた。
 
 
すると、いきなり登場したのが吉野杉。
 
Dsc_1244
 
 
Dsc_1246
 
Dsc_1247
 
ここで、おや? と思わないだろうか。ま、思うのは割り箸マニアだけかもしれんが(^^;)。
それは、スギの赤身を使うというところ。通常、吉野の割り箸は背板と呼ぶ丸太の周辺部分の材、白太を使うからだ。
 
Dsc_1250
 
Dsc_1251
 
そう、ここで紹介されたのは吉野の割り箸ではなく、杉箸。
なるほど、あるのは当然知っているが、どうしても割り箸ばかりに意識していた。もっとも、杉箸だって吉野杉から削りだして、塗装するわけでもない。素の木肌を楽しむ箸だ。その意味では割り箸の中の(最初から2本に分かれている)ランチュウと一緒かもしれない。
ということは、長持ちしないはず。はたして1回使っただけで処分するかどうかはわからないが、長くマイ箸とするものではない。
 
しかし、手づくりですよ。高級品。私も、かつて割り箸取材の中で手削りの箸も取材したが、芸術品ですな。さまざまな形の杉箸がセットになって何千円かしたはず。
我が家のどこかに眠っている(^o^)。
 
P7090003
 
こんな感じ。
 
割り箸とは一線を画しているが、こうした素の木箸も箸文化振興のために広げていけばいいな。
 
ちなみに番組では、当然ながら漆の塗り箸なども紹介しておりますよ。

2018/08/24

Yahoo!ニュースに「地球上の森林は増えている」を執筆した裏事情

Yahoo!ニュースに「地球上の森林は増えている! 」を執筆しました。

 
いうまでもなく、この記事は、二日前にブログに書いた「今、地球上の森林は増えている」をリライトしたものである。
 
もともとブログ記事は、ネタ元の記事を読んでから約10分で書き上げた文章なもんで(^^;)、自分でもこれでいいんかい、と思っていた。
 
そこで、ちゃんと別の資料も当たりながら考察してしっかり書き直そう……とブログに書いた時点でも密かに考えていて、それをYahoo!ニュースにアップしたのである。 
 
なお論文の筆頭執筆者であるXiao-Peng Songさんは、シャオ・ペン・ソンという発音でよいのだろうか。ちょっと自信がない……。ペンではなくピンとかポンとか。また教授かもと思いつつはっきりしないのでドクターだから博士にしておいたが。中華系の人物のようだから漢字名もあるかもしれない。
 
ネイチャー誌に発表しているのだから、さすがに裏はとれているだろう。本当は、こういう記事こそ、もっとポピュラーに報道されるべきだ。

2018/08/23

書評「小笠原が救った鳥」

台風がやってくる今晩、『小笠原が救った鳥』(有川美紀子著 緑風出版)を手に取った。

 
珍しく書店で見かけて即買いだった。
なぜなら内容が「小笠原諸島のノネコが、海鳥や天然記念物のアカガシラカラスバトを食べて絶滅へと追い込んでいるので、ノネコを捕獲して守った成功例」だと知ったから。
 
Photo
 
小笠原諸島は、私が学生時代に通った島であり、母島でアカガシラカラスバトも目撃している。同時にノネコが増えていることも気付いていて、ノネコの死骸(ほとんと骨化していた)も発見した。私はそれにオガサワラノラネコと名付けたりもした……。(もちろんイリオモテヤマネコの洒落)
 
ただ当時はアカガシラカラスバトよりも、すでに絶滅したオガサワラカラスバトに興味があったし、アカガシラは、そんなに珍しくないように思えたのである。それに我々は、オガサワラオオコウモリを観察することをテーマにしていた。洞窟調査の片手間だから、何も成果は生まなかったが……。
 
時代が流れて、アカガシラがわずか40羽ぐらいまでに減り、ノネコ害がハンパなくなっていたとは。そして小笠原諸島あげてノネコ捕獲に乗り出し、かなりの成果を上げたというのは驚きである。しかも捕獲した800匹近いノネコは殺処分するのではなく、全部東京に送って里親探しをしているのだそうである。
今ではアカガシラカラスバトも数百羽まで増えて街角でも見かけるそうだ。(もっとも、これは父島であり、母島はまだ部分的にしか行っていないそうである。)
 
ノネコ捕獲は沖縄のヤンバルでも課題となっているが、なかなか進まないと聞いている。その理由はいろいろあるが、逆に小笠原で上手くできた理由は、やはり規模が小さいこと、そして住民の多くが公務員と移民であること、年齢も若いこと……などだろう。また新住民の多くは自然を仕事にしている(ダイビング、ネイチャーガイドなど)こともあるかもしれない。
 
とはいえ、“外来種”であるノネコ駆除に大きな成果を上げた事例としては出色である。この点は、本の最後に「ネコは外来種ではない」という論が出てくるのであるが……。
 
著者は、小笠原諸島に30年来通い続けて母島に住んでいたこともあるそうで、関係者とは懇意で密着取材している。ただ本書を読んでいると、すべての計画がとんとん拍子に進んだかのように思えて、ちょっと違和感を覚えた。
民間NPOで手がけた取組が,あっと言う間に東京都(支庁)はもちろん、環境省も文化庁も林野庁も巻き込んで協力的に推移して行くのである……。信じられない(笑)。
 
そのほか、本書から連想して幾つものことを考えた。それについては改めて。
 

2018/08/22

今、地球上の森林は増えている

一般の認識では、地球上の森林面積は環境破壊が進行して減少の一途。一方、日本の森林は戦後劇的に増えた。つまり世界的傾向と真逆なのだ……。

 
と思っていた。ところが、ちょっと面白いデータが、今月のネイチャー誌に載っているそうだ。
論文「Global land change from 1982 to 2016」 によると、1982年から2016年までの35年間に撮影された衛星写真を分析したところ、森林面積は地球上で224万平方キロ増えており、全体として7.1%伸びたことになる。
その理由は、やはり人為的な森林造成だ。とくに温帯や亜寒帯で植林が進んだこと。同時に温暖化が進んで、森林限界の北限が広がり拡大したことを想定できる。
 
もちろん、熱帯地域の森林は急減している状況に違いはない。むしろ危機的なのだが、単に面積・蓄積だけで言えば、熱帯以外の温帯~亜寒帯での増加が上回ったということだろう。
 
 
これって、ようは日本で起きていることと同じだ。他国の造林がどんな木を育てるのかなど細かく見ると生物多様性から木材生産までいろいろ考えられるが、総体として木材蓄積を増していることになるのは間違いなさそうだ。
 
これは好ましいことなのだろうか。ま、森林が増えて問題だ、と言えばひねくれているように思われるかもしれないが、問題は質と、それが人間社会に及ぼす影響だろう。
 
日本では、森林蓄積が増えすぎたと、政府は伐れ伐れと大合唱をしている。そして過剰な木材が生産されて材価は下落。一方で耕作放棄地や草地などがどっどん森林化が進み、雑木林のような自然林が拡大している。しかし、その森は整備されず人が手をつけにくい荒廃している。
 
今後世界で起きることも日本とよく似たことかもしれない。植えた針葉樹が育てば木材生産が増え、過剰になって価格が下落する。反面、人間社会に近いところには荒れた森林が増加する。そして熱帯雨林のような本来の森林生態系を残す森は激減……。
 
なんか森林にも林業にも、あんまり好ましくない世界になりそうに思う。ひねくれているだろうか?
 

2018/08/21

訃報・土倉庄三郎in 山林

頭が煮詰まったときは、やたらめったら文献をひっくり返す。最近はネットサーフィンを繰り返す。そこで何を読むか知るかはあんまり関係なくて、とにかくザッピングによる情報で思考の整理と精神の安定を図るのである。

 
とはいえ、その途中で興味深い情報に触れることもある。
今回ネットで見つけたのが、この記事。
 
19178_2_219178_1_2
 
「山林」の1917年8月の記事である。
 
土倉庄三郎逝去のニュースが、大日本山林会の「山林」に掲載されていたのだった。もっとも元の記事は大阪朝日新聞かもしれない。
 
たしかに庄三郎は大日本山林会に深く関わっていたから、その訃報が掲載されるのは何の不思議もない。というか載らない方がおかしい。
ただ、「山林」のバックナンバーをネットで見ることができるようになったのは最近のことなので(私が土倉庄三郎について調べている頃はなかった)、今頃発見したということである。それに死亡時の状況はほかにもいくつか詳しい情報源があったので、さほど熱心に探さなかった。
 
 
さて、今回の記事で内容的にさほど新事実があったわけではないが、死因を急性肝臓炎としている。私が手にした記録では髄性肝臓ガンとあるから、多少ズレている。
 
また村の子供たちを教育する私塾・芳水館の建設に2万円を費やしたという点は、初めて目にする記述だ。2万円というのは、建設した明治時代なら現在の3~4億円相当であり、ちょっと高すぎるように思えるが……。おそらく大正年間の換算だろう。それなら数千万円か。
 
そのほか国からもらった藍綬褒章や勲六等については知らなかったわけではないが、ほとんどスルーしていた情報である。もう少し確認しておくべきだったか。
成瀬仁蔵の日本女子大学校をつくった点も記されている。現在、設立協力者としては、広岡浅子の名前ばかりが有名になっているが、当時は広岡より土倉の方が世に知られていたのではないかと推察する。
 
こうした記事・文献は、掲載された時代にどのような目が向けられていたかを想像するのに役に立つよ。
 

2018/08/20

ニシキゴイとアカミミガメ

この夏は、運動不足に輪をかけて?動かなかった。「暑さが災害級」という報道を受けて、なるべく野外で動かなかったのである。

 
しかし、このままでは脚が萎える。腹がより出る。このままではいけない、とようやく暑さが和らいだ今、運動することにした。
と言っても、いきなり走る元気もない。第一、まだまだ昼間は強烈な日光と熱気が大気を満たしている。
 
そこで、木陰の森歩きを企てた。生駒市内某所にあるニギハヤヒの墓までのルートを選ぶ。ニギハヤヒは物部氏の祖とされ、神武天皇の兄だ。が、生駒の地神ナガスネヒコの妹を娶る……まあ、そんな神話はこの際置いておくとして、その墓まではこんもり森に包まれた小路なのである。
 
1
 
記憶では、その墓まで一本道でUターンすればよいと思っていた。ところが行ってみると、意外や分かれ道がいっぱい見つかる。
となると、行かねばなりませんねえ。未知の道は進むためにあるのだ。ナンチャッテ 
 
現在地を確認するためにスマホのGoogleマップくんを活用。自分の進んでいる方向を確認しながらだ。そしてたくさんの分かれ道を早足で次から次へ歩いたのだが……。
 
溜池がたくさんある。それ自体は生駒全域に言えることだからそんなに珍しくはないが……。
 ゛
その溜池には巨大なニシキゴイがたくさんいた。体長1メートル級が何匹も泳いでいる。池の大きさは直径20~30メートルだから、多すぎる。
 
なんで、こんなところに? 人間が放流したとしか考えられない。しかし、こんな山の中の滅多に人の来ないところまで運んで放すとは。
 
そしてアカミミガメ(ミドリガメ)もいた。これまた人が運ばないとたどり着けないところだ。
 
3
 
 
アカミミガメは外来種として知られているが、実はコイも外来種であり、とくにニシキゴイは人工的な品種であり、野外に放してはいけないとされている。このこと、あんまり知られていないようだなあ。
 
もはやどちらも自然繁殖しているから、手の打ちようもないのだが。
 
とくに日本のカメは、約6割がアカミミガメに取って代わられたと言われており、絶望的だ。全国に180万匹が飼育されていると推定されているが、自生も含めたらどれほどになるか。
 
おそろしいのは、今もミドリガメとして輸入されていること。その数年間10万匹。。。
 
 
運動不足解消のための森歩きのはずが、外来種問題に頭を巡らせることになってじつった。

2018/08/19

泥炭復興庁と再造林監視庁

私のところに時折APP(正確にはエーピーピー・ジャパン)からメールレターが届く。

 
こんな感じ。
 
Photo
 
APP(アジア・パルプ&ペーパー)を知っているだろうか。
インドネシアを拠点とする総合製紙メーカーだ。シナルマスグループという油脂と製紙の財閥で、年間約2000万トンの紙・板紙の生産能力を誇る。広大な植林地を各地に保有し、原木から紙・紙製品までを一貫して生産する能力を持つ。
それらは世界120カ国以上の国々に供給しているという。日本でも、ホームセンターなどにあるコピー用紙は、APP関連の会社製であることが多いだろう。
 
ただ評判がそんなによいわけではない。たとえば検索してみるとよい。東南アジアの原生林を破壊する元凶として告発されていることが多い。実際、違法伐採が行われている森林が、APPに絡んでいることは多いようだ。森林火災を引き起して、その煙害(ヘイズ)が東南アジア一帯に広がって問題となったりもする。
 
 
ただ、熱心にニュースレターを送ってくる内容によると、森林認証も取得しているし、いろいろ森林保護の活動もしているようだ。
上記のニュースレターにも、東南アジアの熱帯雨林が泥炭地に立地していることが多く、そこを不用意に開発すると火災が発生することも記している。インドネシア政府は、泥炭復興庁を設置して、200万ヘクタールもの森林の回復を目標に掲げているという。
 
そのうえでAPPは2013年に「森林保護方針」を策定し、自然林の伐採をゼロにするだけでなく、自社の植林地でも泥炭地の森の創業を停止することを宣言している。(それが7000ヘクタールにも及ぶ。)そして泥炭地に5000以上の溜池を設置して、地下水位を上げるようにしたそうだ。
 
私には、それらがどこまで真っ当に機能して森林の保護に役立っているのか、それとも表向きの活動とは別に裏で違法な開発をしているのかは確認しようがない。私自身がインドネシアの現地を訪ねたわけでもない。
 
 
ただ、いつまでも昔の評判ばかりを持ち出すのはどうかとも思う。今、やっていることにも眼を向けるべきだろう。そもそも組織には、常によい面と悪い面があるうえ、時代とともに変化するものだ。
 
むしろ「日本国内に違法伐採はない」なんて臆面もなく口にする林業関係者、林政関係者こそ、怪しい。盲目的に「日本は素晴らしい」と思い込んでいるのか。
そもそも合法とする法律の内容がデタラメすぎる問題だってある。100ヘクタールを皆伐しても合法なんてお笑い種だ。
とくに再造林がどれほど守られているのか怪しい。そもそも造林後の自治体の検査はちゃんとは行われているか。ほとんどが「検査したことにしておく」だろう。市町村の担当者が、奥地の広い伐採跡地を歩いて調べることなどほとんどない。
 
森林経営管理法が始動して皆伐が増えたら、その後の再造林が大きな課題となる。ならば、
日本では、再造林監視庁を設置した方がいいんじゃないの?
 
 
 
 
 
 

2018/08/18

家畜と野生動物の間

娘が帰って行った。

 ゛
娘の帰省期間イコール私の夏休みだから(^^;)、私の休みもオシマイ。
 
そこでこんな写真を。
 
Dsc_1219
 
娘ではないヾ(- -;)。娘が連れ帰ったウサギだ。ネザーランドという品種である。名前はモフ。
これを携帯ケージ(バック)に詰めて4時間かけて連れてきて、また帰るのに4時間なんだから大変。
 
Dsc_1225  
 
ウサギはイヌ、ネコよりも飼いやすいが、それでも生き物は大変だ。餌をやって糞の始末をして運動させて……。
 
その割には懐かない(>_<)。私見だが、ウサギはシカと似ている。とくに奈良のシカと。
触っても大人しいし、餌は喜んで食べるが、人に愛想を振りまかない。抱っこは嫌がる。その点がネコなどと大いに違う。ツンデレである。
 
家畜、つまり動物の飼育の条件には、人間への利益のほか、餌の調達容易さ、大人しさなどの飼いやすさ、加えて繁殖の容易さも欠かせないが、それに愛想は入っていないようだ。
 
世界五代家畜は、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジだろうか。それにラクダやスイギュウ、リャマ、アルパカとかトナカイなどシカ類、もしかしたらゾウも入るかもしれない。イヌ、ネコも家畜の条件を満たす。ウサギは……ギリギリかな。餌に困らず繁殖もしやすく、飼いやすい。ただ、あんまり有用性はない。肉と毛皮ぐらいか。
 
が、いくら可愛くてもパンダやコアラは家畜にはならないのである。アリクイなんてのも無理。餌が特殊すぎるし、飼育も繁殖も難しい。シマウマも性格が荒くて扱えない。
 
野生動物と家畜の境界線を考えると、なかなか面白い。
 
Dsc_1232   _20180818_183153
これは東南アジアの一こま……ではなく、生駒山のノラヒツジ。
 
 

2018/08/17

ホテルのデッキはケボニー化材

これまで度々紹介してきたケボニー化材。

 
だが、なかなか日本では現場で使われているのを目にすることはなかった。その中で、とうとう目にできたのが、こちらである。
 
 
新宿中央公園に面したホテルだ。もともと古いホテルをオシャレにリノベーションしてよみがえったデザイナーズホテル。
 
私はオープン前に覗いたのだが、なかなか斬新な造り。1階にはベーカリーやバー、ラウンジなどがあり、レンタサイクルまで用意されている。もちろん泊まり客以外も利用できるのだ。
全体的に木材を多用したデザインになっているが、気をつけてほしいのは、外回り。デッキ部分だ。
 
外側だから、当然雨風に打たれる。そこにケボニー化材を使っているのだ。
 
7  8
 
デッキのフロアやベンチ部分は、オウシュウアカマツのケボニー化材であった。なおパン屋の前の縁側部分もケボニー化材。
そしてテーブルの脚は、ラジアータパインのケボニー化材。
 
見た目は農茶色のチークかイペのような風合いだ。これが風雨に当たると、ほどなくシルバーグレーに変わるはず。耐腐食性が高いので、メンテナンスがいらないのが強みだ。
 
 
ホテルはお盆前にオープンしているが、次に東京にいった際は泊まってみたい……が、シングルルームはないのでお高くつくみたい(^^;)。ツインかダブルに二人で泊まれば、比較的お安いのだけどね。
 
 

2018/08/16

一本ずつ売る箸

ただいま娘が帰省中。この間、私は娘の接待係となる。

アッシーにメッシー、何事も娘のいう通り従わねばならぬ。「5キロ痩せなさい」と厳命されたので、さっそく夕食からご飯の半減を始めている……。
 
さて、昨日は墓参り後にイオンモールへ繰り出した。当然ながら、このモールは私の方が訪れた回数は格段に多いのだが、娘のお供をして行くと、私の知らない店を知ることになる。
 
私一人で訪れても、女性のファッション系の店を覗くことはない。それをお供させていただくことで店内に入れるのだ。すると、今はこんなグッズが売り出しているのか、こんな売り方があるのか、と驚かされるものが少なくない。
ゲームセンターに入ると、各地の物産土産のクレーンゲーム、さらにはカルピスばかり、ファブリーズばかりのクレーンゲームがあった。各社がゲームセンターと提携しているとは思わなかった。。。
 
 
さて、そんな中で私が注目したのが、これ。
 
Dsc_1216
 
わかるかな。お箸なのだ。ただし、その箸の一本一本に番号が振ってあって、それを選んで購入するというもの。つまり箸をバラで売っているのである。1膳にずくには2本買わねばならない。これで自分の好きな2桁をつくれるわけだ。(3桁でも4桁でもよいけれど。)
 
その隣では、イニシャル箸があった。
 
Dsc_1217
 
こちらはアルファベットを選ぶのである。
 
ほかにも納豆箸、サラダ箸、三画箸に六角箸……とさまざまな箸の種類が並ぶ。
 
実用的かどうかはともかく、塗り箸業界もアイデアを凝らしている。割箸も負けてはおられませんなあ。
 
 
オマケに、別のところで見かけた古材柄の掛け時計も。
 
Dsc_1213

2018/08/15

林業・材価敗戦論

73回目の敗戦記念日を迎えた夏に、林業界における敗戦論を考えてみた。林業を単純化して経済面だけから描いてみる。

これは思考実験だと思っていただきたい。

現在の日本の林業の衰退は、利益が十分に得られないことにある。いくら木を伐採して売っても、儲からないから林業家は疲弊し、山村の経済は縮小していく。
 
通常の産業では、利益を出すためにすべきなのはコストを削減して価格を上げることだ。だが、現実には、コスト削減には限界があって、同時に価格を上げることもままならない。だから利益が十分に確保できず衰退している。
実は、これは日本だけではなく世界的な状況だ。木材価格(材価)は、どこの国でも全生産コストと比べると採算割れしている。なにしろ生産に数十年かかるうえ、資源は重くかさばり、地理的条件の悪いところに広く薄く分散している。だからコストは下がらない。
 
では、なぜ価格を上げられないのか。上げると売れなくなるからだ。
 
なぜ売れなくなるか。材価が高かったら買わなくても別の代替品に切り換えられるからだ。
 
まず別の産地の木材である。国内もあれば外国もある。ある意味、ダンピング合戦となった。
 
買い手市場は、生産量が常に需要を上回っていることで成立する。商品がだぶつくことで買い手に選択する権利が発生するのである。
 
ということは、現在木材は生産過多、供給過多だと言ってよいだろう。需要以上の木材が生産されて流通に乗ってしまっている。
 
代替品には、非木材商品もある。木材でなくて鉄骨でもセメントでもガラスでも合成樹脂でもいい。それらに木目を印刷して疑似木材もつくれる。木材が高ければ、非木材で代替が効く世の中になったのだ。このため木材需要が抑えられ買い手市場をつくる。
 
木材の消費者が求めているのは、どこの木材でもよく、木材でなくてもよい。
言い換えると、木材は産地や材質で求められているのではない。
 
この状況は近年になって生まれた。ほんの数十年前まで、木材はすべてのマテリアルの王様であり、さまざまな用途で求められ続けられていた。しかも量的には不足気味であり、代替品は希少だった。だから売り手市場だった。
しかし、地球レベルの森林の開発の拡大が行われて、大量の木材が流通するようになった。かつては自給自足に近かった木材需要は、世界市場化が進んだ。加えて無機質マテリアルが木材の代替として普及した。そして売り手と買い手の戦いが始まったのだ。
 
供給過多と代替商品の登場によって林業はマテリアル市場における経済戦争に破れ、価格決定権を奪われた。売り手市場は買い手市場になった。その結果が、林業の経済的奴隷化、そして材価の敗戦である。
 
いっそのこと、利益の上げられない商品は販売しなければよい。しかし木材の生産(林業)側は、主導権を握っていない。木材の消費側の求めるままに木材を生産し続けねばならない。そして材価を決めるのは、購入側、消費側なのだ。
木材生産側は木材消費側に(補助金などで)首根っこを押さえられている。つまり木材の売買は、徹底的に買い手市場なのである。 
 
他産業の奴隷である林業が成長産業になることはない。他産業の下請けとして生きていくしかない。木材の代替品ではなく、木材が他のマテリアルの代替品となっているのだから。
 
もし復権をめざすのなら、ぎりぎりまで生産を絞って買い手の選択権を狭めることと、「木材でなければならない商品」市場をつくって、その土俵で戦うことだ。需給で決まる材価ではなく、唯一無二のマテリアルとして、売り手市場を再び築くことで、経済の真の主導権を取り返さなくては無理だ。
 
ただ、主導権を取り戻した林業・木材業界は、縮小したマニアックな世界になるだろう。。。
 
 
以上、あくまで林業を経済的要素だけで見た思考実験である。

2018/08/14

花卉産業の盛衰は育種にあり

葬式で考えたこと。

 
花がいっぱい。私も花輪を出したが、葬式というのは花の需要がもっとも多いのではないか、と思えた。
Photo
 
こんな花が並んでいると、その種類の豊富さに驚く。菊はもちろんだが、ランにユリにカーネーション、キキョウ、かすみ草、そのほかほおずきなども並ぶ。色もさまざまだ。 
なかには季節外れの花もある。どのように栽培しているのか……。
 
折しもお盆であるから、巷でも墓に加えて仏壇や神棚の供花の需要は膨れ上がる。それに比べて個人の花消費なんて、しれているはずだ。
 
それなのに、日本の花卉農家は、ちょっと宗教的需要をないがしろにしてきた。
 
実は、日本の花卉産業は厳しい状況にある。なぜなら、こうした花の多くが輸入である。国内産は現象の一途だ。いまや花卉産業は輸入花に圧されて青息吐息なのだ。かつては農業で唯一希望の持てる作物だったのだが……。
 
たとえばバラやカーネーション、ラン、神秘ジウム……花だけでなく、サカキやシキミなど葉ものも輸入品が席巻している。
 
花(葉)は鮮度を要求されにくい。数週間前に収穫しても、上手く切り花のまま活かす手法もあるし、軽いから航空輸送もできる。それに収穫してからの日数と火持ち日数は直接つながらない。切り花でも、その後の手入れで長く持たせることもできる。最近では「日持ち保証システム」も行き届き始めた。
 
そんな基礎条件の上に、気候が適地で、人件費や土地代の安い発展途上国で大規模栽培が広がってきた。大量栽培されたら太刀打ちできない。今はアフリカ大陸が大きな花の産地に育っているし、南半球は比較的強い。また農薬や栄養剤などをいくら使っても食べるものではないから、さほど問題にならない。
 
日本が模範としてきたオランダも、いまや国内産地は壊滅していて、育種に絞っている。それで思った。日本も育種にもっと力を入れるべきではないのか。
 
花の需要は、善し悪しはともかく、流行で大きく流される。昨年の人気だった花が今年は売れないなんてこもあり得る。つまり育種で新しい品種や種類の花を提供したら主導権を握れる。栽培は外国でもどこでもいいが、育種を押さえたら主導権を握れるように思えるのである。
 
 
……葬式の現場で、そんな花卉産業の戦略を考えていてはマズいかね。。。
 

2018/08/13

結界?の建築物

親族に不幸があり、このところ葬儀に追われた。

 
今日は告別式と火葬。
 
火葬場の周りは墓地だが、その周辺はゴミゴミした工場・倉庫街だった。かつては田んぼの中だったのだろうか、いつしか周辺が全部工場や倉庫、住宅などに変わってしまったのだろう。
 
ふと隣の建物に目がいった。
 
Dsc_1207
 
う~む。殺風景な事務所か工場なんだろうが、その壁にゴテゴテと並ぶのは何か。
拡大してみる。
 
Dsc_1208
 
手づくり感のある木造の囲いだ(笑)。
 
おそらく墓地や火葬場を目隠しするためと、ベランダをつくったのだろう。
それにしても材料はラティスなどホームセンターで調達したような資材を組み合わせて、ここまで作り上げたのは見事なものだ。
 
なにやら「結界」の臭いがする。生と死の分かれ目かねえ。
 

2018/08/12

中国紙が解説する日本の林業史

中国の新聞・環球時報(共産党系の海外情報紙)が、日本の林業事情を記事にしている。
 
 
これが、わりと読ませる。 
 
江戸時代に、素朴な環境主義から森林が守られたが、明治以降の近代化プロセスの中で木材需要も急激に上昇し、森林が大量に伐採された。森林の年間伐採面積は1932年に42万ヘクタールだったのが、45年は80万ヘクタールに急増したそうである。
 
そして戦後の状況の説明が、なかなか切り口が面白いのだ。
とくに製紙の関わりについて、製紙会社の技術バージョンアップによって、針葉樹パルプを広葉樹パルプに代えて紙を製造することだったとする。こうした話は、私は聞いたことがない。真偽はわかりにくいが、面白い視点だ。
 
そして、次のように総括している。
 
日本のこれまでの歴史の中での造林活動を振り返ってわかることは、造林活動の誕生を促した要因の中に環境保護の意識もあったかもしれないが、全体としてみれば経済的利益が根源にあり、結果として環境や国民の健康に不可逆的なマイナス影響を与えた。特に天然林を破壊する人工林の造成という行為は、生物の多様性を脅かし、原生林の生態システムを大きく破壊した。
また、人工林は広い面積での同質化という特徴があるため、病虫害が発生した場合に抵抗力が弱い。このほか経済的利益のために広い範囲で杉を植えたため、日本では毎年春になって杉の木が受粉の時期を迎えると、花粉が広範囲に飛散して、スギ花粉症を引き起こす。統計によると、日本では毎年30%の人がスギ花粉症に悩まされているという。
日本では最近、木材輸出が積極的に推奨され、人工林は成熟して収穫期に入っているが、まだ十分に利用されているとはいえない。合理的に伐採していないため、森林が荒廃し、樹木が育ちすぎるといった状況もみられ、森林の質が明らかに低下している。
 
多少個別の事実関係に疑問もあるが、全体としてはよい解説だ。日本の林業史としてもそんなに外れていないと思う。
ようは、日本がどんどん中国に木材輸出を進めているが、内実は問題山積みだ、と指摘しているように読めた。

2018/08/11

チョコミン党になる

NHKのEテレ「Rの法則」が、TOKIOの山口達也事件で打ち切りになってしまったが、その後番組の一つに「沼にハマってきいてみた 」というのがある。

 
「沼にハマる」とは、ようは足が抜けなくなるほど好きになる、つまりマニアになるという意味のようだ。これまで取り上げたのは、声優にハマったとか、ピクサー(の動画)にハマったとか、そんな話題を取り上げている。なかにはウシにハマッた(酪農)若者なんてのも登場する。
 
さて、その一つにチョコミントにハマるという回があった。なんと、チョコミントが今、一部の人々の間でブームになっているらしい。実際、チョコミント商品がいっぱい出ているらしい。
そして、チョコミントにハマった人をチョコミン党というらしい。
 
私にはよく理解できなかった。私は、基本的にチョコレートが苦手だ。まず自分からは食べない。一方でミントは好きである。いろいろ試した中で、無印良品で売っている「スーパーミント」がもっとも好み。今やデスクの必需品になっている。ちょっと口が寂しい、というかストレスを感じる度に口に放り込むとストレス解消になるのだ。あ、今も一粒。
 
しかし、チョコミントなんて中途半端な。この二つを合わせると、チョコの甘さも、ミントのスッキリ感も、どっちつかずになってしまうではないか。。。そんなモンにはまるなんて。
 
 
と思っていたが、どうも番組を見てからチョコミントが気になって、目についたら買うようになってしまった。
 
Dsc_1199   Dsc_1199_2
 
食べてみると、不思議だね。少なくても嫌いなチョコレートの味は消えている。一方でミント味も弱くなってしまうのだが、なんか両者が合わさることで絶妙な味覚が舌の上に広がるのだ。
 
うむ。このまでは私もチョコミン党になってしまう。。。
 
 
ちなみに私がもう一つ気に入っているお菓子に、「レーズンかりんとう」がある。私はかりんとうは甘すぎて苦手である。レーズンは嫌いではないが単体で食べることはない。
だが、両者を合わせると……。
 
_20180808_215022
 
レーズンの絶妙な甘酸っぱさが、かりんとうに抜群に合う。
 
 
まったく違うものを合わせると、また別のものが生まれる実例みたいだ。
そういや世界的な抹茶ブームも、日本の抹茶がそのまま人気になったのではなくて、あくまで抹茶ミルクとして流行ったものだ。その後バリエーションは広がったが、抹茶だけをオイシイと思う人は少なく、ケーキやチョコに混ぜたりしているよな。あるいは砂糖たっぷりのグリーンティーとか。
 
ビジネス界でも異業種交流などは盛んだが、まったく別世界の二つを合わせることで生み出す新たな味は、まだまだ可能性がある、流行るんではないかなあ。
これは、食べ物だけの話ではないよ。

2018/08/10

ミルクティー論争 

ミルクティー論争に決着かつきそう……だという。

ミルクティー論争とは何か?
 
簡単に言えば、ミルクティーをつくる際、先にカップに注ぐのは紅茶かミルクか、という論争である(^o^)。
イギリスでは長年この順番で国を二分する論争が繰り広げられてきたのだ(・・?) が、最新の世論調査で「ミルクは後から入れる」派が大勢を決したのだ。68歳以上で65%が紅茶が先と応えたが、18~24歳では96%までが紅茶先派だったのだ。勝負あり、というところだろうか。。。
 
もともと論争に火をつけたのは、作家のジョージ・オーウェルだと言われている。1946年にミルクが後の方がミルクの量を調節できると主張したのだが、これを機に論争が始まり、2003年に王立化学協会が「紅茶が後の方が魅惑的な色を楽しめる」と反論し、再燃したのである。それも70年越しに勝負が着くのか……と関係者は感慨深いそうだ。
なお、イギリス国民は58%が毎日紅茶を飲み、1割超が1日5杯以上たしなむそうである。さすが、アフタヌーンティーの国。
 
 
ちなみに私のミルクティーの作り方は、一応勝者側なのだが、もっと複雑だ。長年いろいろ試したのだが、もっとも気に入っているものを紹介しよう。
 
まずミルクパンに少量の湯を沸かして、そこにたっぷりの茶葉を投入。弱火で煮出す。ここがポイントの一つ。邪道ぽいが熱を加え続けて濃い紅茶をつくるのだ。そこに入れるミルクは、本来はミルクも別に温めておけばよいのだがちょっと手間がかかるので、火にかけたままの紅茶に冷たいミルクを入れる。そしてゆっくり温める。ただし、沸騰させてはダメ。その直前で火を止めるのが肝心だ。たまに失敗するのだが……。
そして濾し器でマグカップに注ぐ。手間と味のパフォーマンスがもっともよいミルクティの作り方を体得したのであった。
ちなみに、この方法は偶然ながら紅茶の本場スリランカでも行われているそうである。
 
Dsc_1203
 
 
ところで、先日「北限の国産紅茶」として紹介した「kitaha」(と、緑茶の石巻桃生茶)を、知人よりわざわざ送っていただいた。この農園を応援していたのだという。感謝。
 
Dsc_1205
 
ストレートティーで味わった。意外なほど、香りがしっかりしている。前回の記事で、東北の日射で紅茶の主要な成分タンニンが十分に生成されるのか心配したが、驚かされる。
ところが味は、これまた予想に反してスッキリ・端正な感じ渋みは薄い。ちょっと不思議な取り合わせであった。もしかしたらアイスティーに向いているかもしれない。そのうち試してみよう。
 
和紅茶はどんな飲み方がよいのか。そもそもどんな味を和紅茶とするのか。   
いっそ、和紅茶論争を繰り広げてみるのもよいのではなかろうか。

2018/08/09

日本以外は本気、の環境問題

昨年頃から、私は講演などで世界の環境問題の潮流について話すようにしている。
 
私はこの手の話があんまり好きではない。地球環境のために森林を守りましょう! なんて意見にはたいてい反発してきた。というのも、森を守るのに「地球環境問題」を持ち出すのは邪道だと思うからだ。あまりに大きな対象を持ち出しても身近に感じられない。せいぜい「今年の猛暑は地球温暖化が進んでいるからではないか」ぐらいである。
人は、もっと身近な対象から功利的に動くものだ。利己と利他をいかにつなぐか、を考えると、森林問題に外国の話は似合わないのである。 
 
そもそも外国の話でも、環境問題というのは上っ面のお題目だった。「環境は大事」なのは誰も反対しないで掲げるけど、自分(の国)が実行するかどうかは別、というスタンスだ。
 
 
だがこの頃の私は、積極的に
違法木材かどうかは、購入者に調べる義務がある。
オリンピックで使用する食材や木材には環境認証が求められる。
「欧米では「2020年から使い捨てプラ容器禁止」「2040年ガソリン・ディーゼル車販売禁止」などの施策が広がっている。
欧米の森林の約2割が森林認証を取得しているが、日本は2%にすぎない。
 
などの話をするようになった。
なぜなら、そろそろ日本も本気で向き合わないと危険だよ、と感じるからである。
そして口にするのは、(日本以外の)世界は本気、これまでの「環境は大事」と一味違う……という点である。 もっとも、聴衆の反応はイマイチであるが。
 
 
先日、木材業者や工務店に森林認証の話を振ったら、相変わらずコストに見合うメリットがない、という返事ばかりが返ってきた。それどころか縮小する需要の中で、いかに自社は生き残るかばかり気にしている。
 
なんか根本的に認識が違う。森林認証は商売上のメリットの話ではなく、ビジネスのまな板の上に乗る資格の問題だ。まな板は世界中に広がっており、縮小などしていない。
 
残念ながら日本は自前のまな板をつくることに失敗した(というよりつくろうとしなかった)。だが他人のまな板にも乗らなかったらどうして生き残るのか。このままだと輸出だけでなく、輸入もできなくなるかもしれない。 
 
欧米だけではない。森林認証はアジアでも南米でも進んでいる。世界でもっとも多く森林認証(CoC)を取得しているのは中国だ。認証木材をもっとも多く輸入するのも中国と言われる日がそのうち来るだろう。
そうなると、中国は「日本の木材は認証ないからダメ」と言い出すかもしれない。その時、国産材の原木も木材加工品も木材商品も、みんな輸出は止まってしまうだろう。政府の口にする「国産材輸出による林業の成長産業化」どころてはない。
 
 
東京オリンピックの木材調達問題でも、日本は違法伐採木材の排除に腰が引けているが、国際NGOの抗議を受けて渋々見直しを始めた。おそらくトレーサビリティのない熱帯木材は使わない方向で調整するのだろう。
だが使用木材を森林認証材に絞るまで踏み込む覚悟はなさそうだ。認証材を使うのが世界標準なのだが。ロンドン、北京、リオ……など過去のオリンピック施設はみんなそれを順守してきた。それを無視するのは日本である。
 
 
私は森林認証制度をそんなに万能と思っていないし、信用できないところもある。また認証費用は、結局それぞれの団体を潤すことが目的化しかけているかのようにも思える。
 
とはいえ、今の日本はそれに代わるものを提案もしていない。縮小する国内需要の中で生き残るための戦略もない。単に目をつぶって見なかったことにしているようでは……。
 
 

2018/08/08

4DXの森の香り

今日は朝から大騒動。立ち上げたパソコンのキーボードがいきなり無効になってしまったからだ。おそらく、昨日行ったセキュリティーソフトの更新のおかげだと思うが、どのキーを打ったらどの字が出るかわからない有り様。

 
文字が打てないと検索ほかの作業もできないので直し方も見つけにくい。結局、マウスだけで電話のカスタマーサービスにたどり着くも、原因がわからないとかいってたらい回し。アチコチのサポートセンターに電話をかけまくる。その合間に自分でもソフトを削除したり、キーボードのドライバーを入れ直したり、コントロールパネルから各項目をいじったり……。
 
結局、昼過ぎに突如直ったので、こうしてブログも書けているのだが、惚けてしまった。実働3時間の大騒ぎで脳疲労が極致に達してしまう。(何がよかったのか、よくわからない。)
 
 
そこで気分転換。というわけで、近くのイオンモールに車を飛ばして映画を見る(^o^)。
 
見たのは3D吹替「ジュラシックワールド 炎の王国」4DX版だ。
 
4DXは、画面に合わせて座席が動き、水が飛んできたり風が吹く。恐竜活劇にぴったりと思わないか。悪路を四駆で走る振動や、ヘリコプターの揺れも感じられる。なかなかよくできている。
それに留まらなかった。なにしろ雨のシーンには雨が降りかかり、後ろから首筋に恐竜の息が吹きかけられるのだから。
 
……と、ここまでは私も知っているというか経験しているし、想像通りだったのだが、ちょっと驚いたのは、なんと香りまでするのだ。
 
Img_scene02
 
恐竜のいるジャングルに分け入ると、本当にムッとした熱帯の森の臭いがする!
 
また捕らえた檻の中の恐竜に接すると、生臭い野生動物の臭いまでした。
 
実に上手くつくられている。臭いは後を引かないようにわずかなのだが、一瞬に画面の中の光景が自らの周辺の環境になってしまう。
 
今やヴァーチャルリアリティ技術が進歩しているが、おそらく完全な空間を作り出すためには、視覚だけでなく、聴覚、そして触覚や嗅覚が重要になるのだろうな、と思わせる。
 
 
ちなみにネタバレはしないが、この映画、最後の終わり方がちょっと違っている。こうきたか!と思わせたところも楽しかった。
 
ともあれ、すっかり午前中の悪戦苦闘を忘れさせて、気分をすっきりさせるのに有効であったv(^0^)。

2018/08/07

Yahoo!ニュース「…木造ビルを見て木化都市を思う」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「真夏の夜の夢?木造ビルを見て木化都市を思う 」を書きました。

 
先にブログでも紹介したが、これが東京を回った目的の一つ……というのが表向き(笑)。
 
実はメイン取材は別にあったのだが、それがドタキャンされたので、あわてて探したネタであった。とはいえ、取材したうえは、それも無理やりお願いして内部も見せていただいたのだから、ちゃんと恩返しに記事にしないとな、でも、すぐに掲載できる雑誌類はない……。(あれば教えてほしい。また書きます。全然切り口変えて別の記事にすることもできます。)
 
そこでYahoo!ニュースに執筆。自分で判断して執筆できるYahoo!ニュース、助かるo(^-^)o。
 
おかげで面目が保てました。
 
 
実は、この後また別の取材もしている。そちらは、また改めて紹介することもあるだろう。
ドタキャン穴埋め取材も、たまにはいい……というか、想定外のネタにつながることになるので、今後の肥やしである。
 

2018/08/06

バイオマス熱のFIT

木のルネサンス」(熊崎実著・エネルギーフォーラム刊)を読んでいると、ちょっと面白いイギリスの施策が紹介されていた。

 
まあ、この本には、日本のバイオマス発電がいかにダメダメかを詳しく書いているのだが、成功例とされがちなドイツでもバイオマスでも問題は山積みだそうだ。
 
とくつに問題は、FIT(固定価格買取制度)だ。バイオマスなど再生可能エネルギーとされたもので発電された電気料金を固定価格、つまり事前に定めた高い金額で買い取ってくれる制度で、日本はその制度の不備だらけのため、バイオマス発電が森林を破壊し、さらに海外から石油を使って輸入するバイオマス燃料を高く買い取る有り様だ。
 
日本の場合、未利用材から一般木材、建築廃材まで区分けするという世界に類を見ない大馬鹿な方法を取ったが、これは一部の業界に金を回す裏施策だったのだろう。
 
そもそもバイオマスエネルギーのうち電気に変えられるのは1~2割なんだから、そこにFITを当てはめたのが間違いなのである。8割方、熱としてエネルギーは放出されるのだから。
 
で、イギリスが考えたのが「熱のFIT」のような再生可能な熱の生産コストと化石燃料の差額を政府の補助金で埋める政策。これをRHIというそうだ。2011年にスタートした。
 
電気料金に上乗せするのではなく補助金なのだが、熱利用を進める方が意味があるのはたしかだ。実際、イギリスではバイオマス熱の利用が一気に拡大したそうである。
 
ま、その結果、補助金の底はついて、痛い目にあったそうだが……。ちょうど石油の値段が下がって、差額が大きくなりすぎたのである。
 
何をやっても、バイオマスエネルギーは上手くいかないというわけだ。それでも電気のFITよりは熱のFITの方が意味あるように思える……。
 
 
それでも熱を固定価格にした方がよかったような気がする。発熱なら小型ボイラー中心になって、大規模な燃料木材の調達に走ることはないからだ。しかも熱が届く範囲という地域経済に金が回るのである。
 

2018/08/05

「バイオマス白書2018」を読んで

バイオマス白書2018 が発表された。紙版とともにネット版もあるから、誰でも目を通していただきたい。

 
なお白書と言っても官庁が作成するものではなく、NPO法人バイオマス産業社会ネットワークがまとめたもので毎年公表している。
 
昨年は怒涛の勢いでバイオマス発電所の認定と建設が行われ、ちょっとした騒ぎになった。なかでもパームオイルそのものを燃やす発電までが登場して問題となった。これらの点は、私も適時ブログやYahoo!ニュースに書いてきたから、繰り返さない。
 
ただこの白書によると、どうやら「潮目は変わった」らしい。世界的にバイオマスに依存することが無駄、コスト高と認識されてきたからだ。その背景には、太陽光や風力の発電価格が劇的に下がって、いまさらバイオマス発電を行うメリットが見えなくなってきたからだという。
 
それなのに……と思わせたのは、この1年間に建設稼働し始めたバイオマス発電所一覧を見たからだ。
 
最大の発電所は、石巻に誕生した日本製紙の14万9000kw規模であるが、これは石炭混焼。
混ぜる割合は最大30%とのことだから、バイオマス由来は4万4700kw。
バイオマスだけでは、八戸バイオマス発電の1万2400kw。また福岡の大牟田市シグマパワー有明の5万kw(バイオマス稼働は4万6000kw)だろう。石炭火力のリニューアルらしいが20万トンのPKS(ヤシ殻)を燃料にしているらしい。
 
どんどん大型化が進行している。ここでも国際トレンドに逆行している。そのうち、世界中からバイオ燃料が日本に集まる(日本しか稼働しなくなるから)ようになるかも。当然、電気料金として集められた日本の財産が海外に出て行くのである。
 

2018/08/04

都心の潜在植生の森

昨日訪れた国分寺市には、「日立の森」がある。正確には日立中央研究所の森、だろうか。

 
研究所の建物を外部からは見られないように?するためか広い森に覆われているのだ。その中には野川の水源に当たる湧き水があり池も広がっている。
 
……と説明したいところだが、一般人は立入禁止。私も中央出入り口から覗いただけ。
 
Dsc_1194
 
この存在が有名になったのは、いつだったか「ブラタモリ」で紹介されたからだろう。一般人は年に2回の公開日しか入れない。秋は11月だそうだが、機会があったら覗きたいものだ。
 
 
このところ、都心に残る自然の森に気にかけている(国分寺が都心かどうかはともかく)。
単に緑があるところではなく、なるべく自然植生を残すか復元しているところ。かつての大地を再現しているようなところを探しては訪ねている。
 
大都市圏ならどこでも興味があるのだが、やはり東京になるだろう。大阪なんぞはほとんど都心に緑はない。大阪城公園ぐらいだが、あそこはかなり人の手が入り、潜在植生、原植生に近いと言えるほどの森はない。
 
そうした目で見ると、東京なら誰もが知る「明治神宮の森」がある。参拝客は多いが、人が足を踏み入れてはいけない部分が広い。(ここもそれなりの管理の手は入っているが。)
 
ほかは、やはり皇居だが、あまりに近づけない(~_~;)。
 
最近見つけたのは、目黒の自然教育園
 
4
 
元は高松藩の藩邸だったそうだが、現在は国立科学博物館付属の自然教育園となっている。園内に遊歩道はあるが、かなり自然の植生となっており、日本の山野の景観が広がっいる。湿原もあれば高木の森もある。駅から数分とは思えない環境だ。周りを幹線道路が走っているため、わずかに騒音が聞こえるのだが、それを除けば深山幽谷の気分(^o^)。
東京は、かつての藩邸をそのまま植物園や庭園として残しているところが結構あるので羨ましい。 
 
※ちなみに隣が東京都庭園美術館で、洋風庭園があるが、周辺は森だ。自然教育園と比べてみると面白い。アールデコ調の建築も面白いし、なぜか茶室もある。
 
4_2
 
 
地方都市でも、人口稠密地に隣接した自然環境というのは意外と少ない。せいぜい城跡とか神社の境内ぐらいである。
ちなみに奈良市は、春日山原始林という特別天然記念物で世界遺産の森がある。
 
 
都心の緑、自然環境が都会の生き物の生態系にどんな影響を与えているか、ちょっと考えてみるのによろしい。単に都会を歩き疲れた身を休めるのにもよいけれど。

2018/08/03

日本で最大の木造ビル?

東京を駆け足で回ってきたのだが、そこで見てきたものを、少しだけ。

 
まずは、国分寺市の木造7階建てビル。
 
これは、現在日本で建っている木造ビルとしては最高(高さ)である。最大と言ってもよいのだが、敷地面積は狭いビルだ。
これまで日本最大(最高さ)の木造ビルといえば、奈良市にあるNPO法人プロボノの5階建てであった。
 
3
 
と言っても、若干誤解されるのだが、正確には鉄筋コンクリートと木材のハイブリッドで、3会までがコンクリート、その.上部が木造である。でも、3階までは外観にルーバーを張っているので木造ぽく見える。木造のはずの3~7階はガラス張りで木造ぽくない。ただ、そのガラスの内部に木の梁が見える。
この木造部分は大面積集成材。中にH鋼などを入れて耐火性能を保っている。
 
それを言えばプロボノビルも、1階はコンクリートで木造部分は2~5階だ。木材はCLTであるが、鉄骨柱を入れている。
結局、木造部分は4階分なのは、建築基準法の関係らしい。
 
 
このビルで売られていたものも紹介しよう。
 
4
 
アロマオイルである。何百種類もあるのだが、国産の花などもある。木材では、スギ、ヒノキ、ヒバ、コウヤマキ……などだ。
 
このビルは、フレーバーライフ本社ビルなのである。

2018/08/02

東京三省堂書店のポップ

東京三省堂書店のポップ
東京に来ている。例によって神保町。そこで三省堂書店に寄って拙著を探す。さすがにこれだけの大型書店には並ばなければね。

やはり動物関係の棚にあったこんなポップ付きでね(^-^)v。
だれか、ポップをもっと書いてくれ。

2018/08/01

大正時代の筏流し動画が発見される

日本の林業で長く輸送で重要だったのは、原木の筏流しである。重くてかさばる丸太は、川を流すのがもっとも合理的で効率のよい輸送手段だった。

だが戦後急速に姿を消したので、写真はともかくあまり映像では残っていない。
 
そんな中で発掘されたのが、紀伊半島・熊野川の筏流しの動画だ。
 
1923年の撮影だから、日本最古の筏流し動画の可能性があるという。それは瀞八丁(現在の紀伊半島の奈良県・三重県・和歌山県の接点にある渓谷)を舞台に北山川を下っている筏が写っている。
 
それがユーチューブにアップされている。サイレント映像である。まずはダイジェスト版。
 
 
本編はこちら。
 
005
 
北山川は、とくに瀞八丁付近は急流で岩も多く筏流しの難所だから、筏は小ぶりで8連である。吉野川では11連ぐらいはあった。
 
ちなみに同じ川を、現在は観光筏下りが実施されている。
 
 
撮影したのは、奈良県林業技師の岸田日出男。紀伊半島を隅々まで歩き、吉野熊野国立公園の指定を受けることに尽力した。そして各所の撮影隊にも同行している。そのときの作品らしい。
 
それが遺品の中から見つかったのだ。現在は生家のあった大淀町に寄付されている。
先日開かれた岸田日出男トークショーでも少し放映された。
 
こうした古い映像からわかることはまだまだあるだろうな。何気なく写っている風景にあるものが、今や貴重な遺産である。調査・解析を期待する。
 

« 2018年7月 | トップページ | 2018年9月 »

June 2019
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

森と林業と田舎