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森と林業の本

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2018/08/01

大正時代の筏流し動画が発見される

日本の林業で長く輸送で重要だったのは、原木の筏流しである。重くてかさばる丸太は、川を流すのがもっとも合理的で効率のよい輸送手段だった。

だが戦後急速に姿を消したので、写真はともかくあまり映像では残っていない。
 
そんな中で発掘されたのが、紀伊半島・熊野川の筏流しの動画だ。
 
1923年の撮影だから、日本最古の筏流し動画の可能性があるという。それは瀞八丁(現在の紀伊半島の奈良県・三重県・和歌山県の接点にある渓谷)を舞台に北山川を下っている筏が写っている。
 
それがユーチューブにアップされている。サイレント映像である。まずはダイジェスト版。
 
 
本編はこちら。
 
005
 
北山川は、とくに瀞八丁付近は急流で岩も多く筏流しの難所だから、筏は小ぶりで8連である。吉野川では11連ぐらいはあった。
 
ちなみに同じ川を、現在は観光筏下りが実施されている。
 
 
撮影したのは、奈良県林業技師の岸田日出男。紀伊半島を隅々まで歩き、吉野熊野国立公園の指定を受けることに尽力した。そして各所の撮影隊にも同行している。そのときの作品らしい。
 
それが遺品の中から見つかったのだ。現在は生家のあった大淀町に寄付されている。
先日開かれた岸田日出男トークショーでも少し放映された。
 
こうした古い映像からわかることはまだまだあるだろうな。何気なく写っている風景にあるものが、今や貴重な遺産である。調査・解析を期待する。
 

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