林野庁が、「平成29年木質バイオマスエネルギー利用動向調査」の結果(速報)について
発表している。
目を通すが、なかなかわかりにくい。一応、私なりにかみ砕くと、
1398事業所からあった回答(回答率97%)によるもので、
平成29年にエネルギーとして利用された木材チップの量は、全体で872.6万トンで、前年から99.2万トンの増加(前年比12.8%の増加)となった。
「間伐材・林地残材等」に由来する木材チップは、263.5万トン(前年から71.7万トンの増加)
「製材等残材」に由来する木材チップは、150.1万トン(前年から14.9万トンの減少)
「建設資材廃棄物」に由来する木材チップは、412.6万トン(前年から14.6万トンの増加)
である。
もっとも、これだけでは中途半端だ。添付資料を見ると、いろいろ注釈が付いている。
それを、またかみ砕くと、
輸入されたチップ 134,169 トン
輸入丸太を用いて国内で製造 5,000トン
:輸入した丸太を全てチップにした場合に限る(加工した後の残材から製造されたものは「製材等残材」に含む)。
上記以外の木材(剪定枝等) 325,976トン
ところが、この資料にも注釈が多く付いている。それをまたまたかみ砕くと……(もうドロドロや)
パルプ用等の原材料から燃料に転用した量については、
「間伐材・林地残材等」530トン
「製材等残材」85,784(85,784)トン
「建設資材廃棄物(解体材、廃材)」42,588トン
「輸入されたチップ」986トン
合計 129,888(85,784)トン
なお、この統計にヤシ殻PKSは入っているのだろうか。木材チップ扱いされていない可能性がある。
こんな図表もある。木質ペレットはごくわずかである。バイオマス発電計画では、輸入木質ペレットが多かった記憶があるが、実態はない。
ごく簡単にまとめたら、全体872,6万トンのうち、半分近い412,6万トンが建設資材廃棄物。ようはリサイクル木材、もっとかみ砕いて言えば産業廃棄物である。
ただ私は、「間伐材・林地残材等」に由来する木材チップというのが曲者で、そのうちの幾らかは「建設資材廃棄物(解体材、廃材)」だと想像するが……。つまり、バイオマス発電所の燃料の半分前後が産廃と見てよいのではないか。
別に産廃を燃やしたらいけないというつもりはない。むしろ産廃こそが木材のカスケード利用の最終段階である。ただし、それを間伐材だとか林地残材と言ってFITの買取価格を高くしていたら違法だし、廃材に付着・含浸している塗料などに毒性物質が含まれていないことを期待したいのだが。
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