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森と林業の本

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2018/10/15

真実は?ヨーロッパの林業現場

秋のテレビドラマで、「僕らは奇跡でできている」(フジテレビ系列)というのが始まっている。

主人公が動物行動学の大学講師という設定なので見だした。まだ第一回目(明日16日火曜日が2回目)であるが、まずまず面白い。
 
その中でイソップ童話の「うさぎとカメ」のエピソードを取り上げていた。これは予告編でもやっていたので見た人もいるだろう。 うさぎとカメが駆けっこの競争をしたが、先に行ったウサギが途中で寝てしまう。遅れたカメは、ウサギを追い越して先にゴールする……。実力があっても怠けたらダメで、コツコツ進むのがよいという教訓を表しているはずなのだが。。。
 
Dsc_1313  Dsc_1314
 
だが、そこで問われるのだ。カメはなぜウサギに声をかけなかったのか。ウサギは急病で倒れたのかもしれないのに、と。カメは無慈悲で、不作為の犯罪を犯したのではないか。
 
なかなか盲点だ。イソップ童話をいかに解釈するか。
 
 
実は、私のお気に入りのEテレ番組に昔話法廷というのがあった。(不定期放送)
 
これは昔話、たとえば「白雪姫」や「赤頭巾ちゃん」「アリとキリギリス」「かちかち山」「3匹の子豚」……などの法廷劇なのだ。そこでは白雪姫に毒リンゴを食べさせた継母や、オオカミを殺した赤頭巾ちゃんが、その行為がどれほどの犯罪であったか正当であったかを裁かれる。アリは保護責任遺棄だと問われるのだ。
 
そんな無茶な、と思わせながらも、検察と弁護士のやりとりの中から、実は継母の妃は本当に白雪姫を殺そうとしていたのか、むしろ白雪姫こそ隣国の王子と図って、継母を倒して王国の乗っ取りを狙ったのではないか。
赤頭巾ちゃんも、実はおばあさんをオオカミに売って、食べさせたのではないか、その後に証拠隠滅を図ったのではないかという疑惑が浮上するのだ。
 
なかなか意味深(^o^)。
 
さて、長い前振りであったが、私は津山に鍛冶屋を探したり剥製を見に行ったわけではない。少しだけ、仕事もした(笑)。
 
また、多くの人から興味深い話を聞いた。
 
その中でも印象に残ったものは、某森林組合の人から聞いたオーストリアのフォレスターの話であった。
 
招聘したオーストリアのフォレスターが日本の林業現場を見て言ったこと。
・林道を引きすぎている。こんなに道を入れたら山が壊れるじゃないか。
・排水路のパイプは詰まるもの。掃除も、重機を使わず手でするものだ。
・小規模な山に道を入れたり伐採するため集約する作業は何年もかかるもの。1年でできたという日本は奇跡だ。
・林業は機械を入れて大型化しない方がよい。 
 
 
そのほか、こんな話も出た。
・「里山資本主義」とかで持ち上げられたオーストリアのギュッシングの町。バイオマス発電で町おこしを成功させたことになっているが、実は財政破綻している。バイオマスは失敗したとして見直しが進んでいる。
・ドイツのフォレスターが、日本の古い林業地を訪ねて択伐の仕方を勉強していた。ドイツでは上手く行っていないから。 
 
さて、日本で語られているヨーロッパの林業やバイオマス事情の真の姿は何か。本当にモデルになるのか。まあ、私もドイツやスイスの森林について、一般に語られるのとは別の姿について耳にすることがあるが……。
 
判決を下すのはあなたですv(^0^)。

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コメント

林業先進国と呼ばれるドイツやオーストリアでもそんな状況とは知りませんでした……
こうなると林業の正解というのがどんどん分からなくなってきます。
バイオマスもダメだし木材も売れないし……
あとは木を食べるしか無いのでは(笑)

完璧な林業、地域起こしのモデルなんて、どこにもないということでしょう。
あるのはヒントだけ。失敗した林業も、ヒントになりますよ。だから外国からすると、日本の林業もヒントだらけだな(笑)。
 
もしかしたら食べる林業のヒントも、どこかにあるかもしれない\(^o^)/。

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