昨日は、津山の鍛冶屋を訪ねた(けど、絶滅寸前だった……)ことを紹介したが、鍛冶屋があるのは市街の城東界隈と呼ばれる伝統的建造物保存地区。
実際、古い町家がまだ多く残れているのだが、同時に歯抜けのごとく空間も多かった。おそらく何らかの事情で建物を撤去したのだろう。そこが駐車場などになっているのだが……。
実は、そのおかげで面白いものを多く目にした。
残された建物の壁面の多くが焼きすぎ、いや火事ではなく「焼杉」で覆われていたことだ。
焼杉とは、木板の耐久性を増すため、杉板の表面を焼き焦がすことで炭素層を作り出したものだ。外壁の板や土中に埋まる板などに用いられてきた。真っ黒な焼けた板は、触ると手に炭がつくし、やわらかい。しかしそれが耐腐朽性を強め、また炎にも強いから火事の防止にも役立つという。こんな真っ黒な壁にする仕上げ方は世界的にも珍しいようだ。
昔ながらの技術だが、驚いたのは滋賀県より西の地域にしか使用されるなかったという。東日本の人はなじみがないかもしれない。
ともあれ、津山の城東地区には、この焼杉がたくさん見られるのだ。それが壮観。真っ黒な外観が独特の雰囲気を醸しだす。単に黒の塗料で塗られた外観ではなく、立体的で柔らかさを感じる焼杉は根強い魅力がある。
伝統的な町家を見学するのもよいが、焼杉の風景の見学にも楽しめるのではないか……と思った次第。
正直、伝統的町家とかは、あちこちの小京都と呼ばれる地方都市にある。もちろん京都・奈良にもたっぷり残っている。そことの差別化というか、それそれの特徴を出すのに使えないか。
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