昨日は、森林総合研究所関西支所の公開講演会に顔を出してきた。
テーマは「広葉樹林はお宝になるか?~有効活用の可能性を探る~」であった。
なんか会場はごった返している。かなり人は多いようだ。テーマが広葉樹林だと参加者が増える? 里山だからか。侮れん人気だ。
そして、その中にはビーバー武田!さんもいた(^o^)。はるばる三重の奥からこの講演会のために足を運んだのだという。彼にかかれば会場に展示されている広葉樹材なんて珍しくもないだろうに。
さて内容は豊富で2人の基調講演に3人の研究発表、それにパネルディスカッションにポスター展示もあったのだが、正直、私の知識の想定内というか、驚くほど新奇な事実は出てこなかった。どちらかというと面積や資源量の調査方法に偏っていたし、使い道も薪にシイタケ原木とありきたり……ただ、雑談でソヨゴの話が出たとき、武田さんが反応した。
「ソヨゴの木は、笏に使うんですよ」
! そうか、来年は今上天皇の退位と、新天皇の即位の儀。そこでは笏が使われるが、そのためにソヨゴの材が必要なのだ!!!
今上天皇の即位の時。ウィキペディアより
今どき笏を何の木で作るか知っている人は少ないだろう。そしてソヨゴの木材を扱っている人もなかなかいない。武田さんに問い合わせがあったのも無辺なるかな。ビーバー製材所の面目躍如だね。
ま、このように広葉樹の使い道は広いのであるよ。こうした隠れた需要の発掘が肝心と思うのだが。
ほかにも広葉樹林(広葉樹材ではないよ)の活用については考えるところもあった。それについては、改めて記すこともあるだろう。
ところで私が今回注目したのは、講演要旨集であった(^o^)。
通常よりちょっと厚めだな、と思ったが、各ページを見ると。
わかるだろうか。上部と、下部。拡大すると、こんな感じ。
どんぐりの名前当てクイズがあったのでした(笑)。ちなみに、最初のページにあるのはマテバシイで、下の二つはイヌブナとツブラジイである。なかなかドングリは覚えられない。
なかなか工夫しているじゃないか。いつもの殺風景の要旨集より読みごたえがあったよ。
何時も話題をありがとうございます。
>笏を何の木で作るか知っている人は少ないだろう
その少なくなった希少価値で言えば、神職にある人の話では飛騨山系の位山に産する「オンコ」で笏を作った。天皇が手にするものであり、朝廷から「一位」の名前を賜った。
また木偏に永の字を書いて、イチイに当て「佐久岐(サクキ)」と読ませ「木可為笏也」と、「和名抄」にあるそうです。
投稿: 仁藤 浪 | 2018/10/22 16:42
私も検索したところ、「笏はイチイでつくる」とありました。
でも、武田さんのところにソヨゴ材の注文が来たのは事実なので、何か特別な笏なのかもしれません。
乾燥したソヨゴ材は硬くなりますから、価値があるのかも、と思います。
投稿: 田中淳夫 | 2018/10/22 20:31