生駒山でニホンザルを見かけた、という報告が私のところに届いた。3年ほど前からサルが見かけられるようになっていたが、そのときはハグレザルが移動中に生駒山系に入り込んだのかと思っていた。
ところが、どうも定住している気配がする。どうも生駒山系は.シカがいない代わりにサルの楽園になってしまっているのだろうか。
そんなときに環境省の自然環境局が、2016年度末のニホンジカとイノシシの推定個体数(中央値)を発表した。それによると、ニホンジカ約272万頭、イノシシ約89万頭だった。
前年度は、それぞれ304万頭、94万頭だったから、減少傾向にあると言えよう。せっせと有害駆除を進めた成果といえるかもしれないが、2023年までに半減(11年度比)させる目標からすると、まだまだ遠い。とくにシカの増加率を考えると、到底追いつかないだろう。
ちなみにニホンジカは本州以南であり、北海道に生息するエゾシカは入っていない。こちらは50万頭以上いるだろう。しかも304万頭は個体数の中央値とはいうものの、90%信用区間は約224万~456万頭だ。(イノシシ90%信用区間は約73万~123万頭。)あまりに幅がありすぎる(^_^) 。
もっとも推定値の算定法は得られたデータによって変えることが少なくない。新しい方法で過去の数値もさかのぼって変える。だから古い統計と突き合わせるのは危険だ。本当に減ったといえるのか疑問はある。
さらに獣害も数字上は減っているが、実感としてはないはず。そもそも生息数と獣害件数は正比例しない。数が減っても被害は減らない・増えることもある。
またハンターの捕獲数は伸び悩んでいる。シーズン中のハンター1人当たりの捕獲数は、平均2頭以下なのだ。単に狩猟免許を持つ人を増やしても効果は薄いのだろう。ちゃんと生きた獣を仕留める訓練する場を設けた方がよい。林業大学校より狩猟学校作った方が、農林業には効果的かも。
一方で新たな狩猟支援策を始まるという。仕留めたシカやイノシシを処理加工施設に持ち込むと、2頭目から補助が受けられる仕組み。これは都道府県からだが、環境省は取り組む自治体を支援するそうだ。これは、有害駆除の支援ではなく、ジビエの利用拡大支援だろう。
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