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森と林業と田舎の本

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2018/10/22

林学は林業のビジョンを示せるか?

少し前になるが、時事通信のネット版で、

 
 
という記事があった。 
 
これが気になってメモをとっておいた。だって、「農学」を「林学」に置き換えたら、そのまま通用しそうだから(笑)。
 
少しだけ引用しよう。
 
リードがこれ。 
日本農業の衰退が止まらない中、最高学府である大学の農学部は何をすべきなのか。東京大学総長を務めた三菱総合研究所理事長の小宮山宏氏は「日本農業のビジョンを示せ」と訴え、こうした取り組みを行わない農学部をゼロから作り直すべきだと「農学部解体論」を唱えている。
 
本文の小宮山氏の発言の一部。
 
少なくとも農学部全体としては、日本の農業に具体的な指針を示してほしい。
チャンスはあるのに、そういうことを何もしていない。学部全体や、農業大学なら大学全体として、そういう指針を打ち出す責任があると思う。学会全体としても同様だ。だから解体せよと言っている。林業についても、日本の林業をどうするか、きちんとビジョンを出すべきだ。
 
分散した小さな田畑でも、機械化し、GPS(全地球測位システム)やITを動員した一括管理が可能だろう。今まで大学や各地の農業研究所が蓄積した知を全部AI(人工知能)に入力しないといけない。暗黙知も形式知も、あらゆる情報を集めて、食や社会の動向も含め、全体像をつくれるのは大学しかない。
 
日本の人口が減っていくのは確かだが、海外の人口もいずれ減っていく。世界人口は今76億人だが、19世紀から20世紀に入る時は16億人だった。それが今76億人まできて、今後、最大96億人でピークアウトすると言われている。
 
それほど、海外人口が増えるわけではない。日本が飽和しているから輸出だと言うが、世界も飽和に近い。だから、あまり輸出に頼りすぎるのは無理だと思う。
 
日本の学府・研究機関は、個別の小さなテーマを研究することが多い。上記の例で言えば、稲の遺伝子とか。林業ならスギの品種改良や木材の強度とか。あるいは山村の製材所とか海外の木材生産組合の動向などを研究する。
 
それもいいが、それらを統括した林業の未来像を描く研究はないのだろうか。
品種改良に機械化に山村経済に金融システム……それらを組み合わせた日本の林業のビジョン。
 
これは大学だけでなくむしろ政府系の研究機関がすべきだが、政策づくりの指針となる研究と提言だ。個人や有志レベルの提言はあるが、きっちり公式に「日本の林業かくあるべし」という研究を出して政治家に突きつけるような迫力のあるもの。 
 
それがないから、研究と現場の乖離が指摘されてしまう。
あげくは林業に素人の政治家が思いつき政策を推進してしまう。官僚は自身の意志がないかのように唯々諾々と従う。
 
現在の施策に反論、ストップをかける動きがまったく見えないのが不思議なのだ。それは外野が叫んでもダメで、インサイダーがやるべき仕事だと思う。
 
ま、どんな提言出しても、自分の任期中にできることしか興味を持たず、聞く耳持たず論文読めない政治家と官僚相手では暖簾に腕押しかもしれないが。

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