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森と林業と田舎の本

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2018年11月

2018/11/30

季節外れのトマト

ベランダにトマトが育っている。

 
いや、たしかに春にトマトの苗をプランターに植えたのだが、夏の間いくつか収穫した後、秋口(9月だったか)には茎を切り取って処分した、はずだった。台風で折れたからだったかもしれない。
 
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ところが、これもヒコバエだろうか、側枝が伸びて結構葉が繁っている。そのまま放置していると、実がいくつか稔った。
 
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これが一番大きいか。。。
 
しかし、その後赤く熟す様子が全然ない。このままの状態で、ほとんど1カ月。そろそろ収穫するか?
せっかくだからこの青いトマトも、なんとか料理に使いたいのだが。

2018/11/29

スギの花粉の膨らむとき

毎年、2月ごろから花粉症が話題になる。で、私はできるだけ花粉症に関した記事をYahoo!ニュースなんぞに書いているのだが……。

 
今回は少し早く12月にもならない秋にスギの花粉を(^o^)。
 
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先日、ゆっくり山を歩いた際に見かけたのが、このスギ。
よくよく枝葉の先を見るとなにやら黄色い粒が……そうか、花粉だ(笑)。
 
2
 
スギの花粉は前年の夏の暑さが影響するというけれど。今夏は猛暑だっただけに、さぞかし多く花粉がつくられ来春はばらまかれることだろう(笑)。
 
花粉は7月頃から生成され始めて10月ぐらいまで膨らんで花粉の塊をつくり、それから寒くなると休眠状態に入るという。そして春先に気温が上がるとパカッと開いて30ミクロン程度の小さな花粉を飛ばすのだ。(大雑把)
 
ともあれこの時期は、花粉でぱんぱんに膨らんだ芽を観察するのに適していると思うよ。
 
ちなみにスギ花粉は花粉症を引き残すのが特異なのではなくて、小さくて遠くまで飛ぶことが重要なんだと思う。花粉症の種類は数あれど、被害が多いのはスギやヒノキの花粉が広範囲に飛び散るからだろう。
 
せっかくだから、思い切り拡大画像を張り付けておこう。
 
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2018/11/28

増えたり減ったり。外来種の不思議

朝日新聞夕刊(関西版)によると、琵琶湖でブルーギルやブラックバスが減っているそうだ。
 
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琵琶湖の外来魚と言えば、ブラックバスとブルーギルが大繁殖して、在来のフナやモロコなどを捕食するため、琵琶湖の生態系が狂わせている……というのがこれまでの報道だった。そこで滋賀県が外来魚駆除を本格化させて刺し網などで捕獲している。
ところが、いきなり昨年の半分しか獲れなくなったのだ。
 
推定生息量は2016年度で1131トンだが、昨年度は176トン駆除した。ところが今年度は4~7月で駆除量34トン。急減である。昨年同期(76トン)の半分以下であるという。減少分の大半がブルーギルらしい。
これが捕獲の成果ならよいのだが、いきなりの減少は不可解だ。
 
外来種は、なぜかこんな現象が突然起きることがある。
 
 
私が学生時代に訪れた小笠原諸島では、巨大カタツムリ・アフリカマイマイがどこにでもいた。その食害たるやすさまじく、畑どころか森全体が食われている感じだった。これらの駆除をどうするのか悩みの種だったのだ。
アフリカマイマイの駆除には食べるのがいいのではないか、と私たちは料理に挑戦した。名前を「オカサザエ」にして、まず鍋で煮る。すると湯が緑色に染まって気持ち悪いのなんの。それでも茹だったら殻から出して細切れにして炒めてみた。……なかなかイケました。食べると、ホントにサザエみたいにコリコリしている。ハラワタはさすがに捨てたけど。
 
ところがアフリカマイマイには、触るだけでうつるセンチュウがいて、それが非常に危険とされているらしい。死に至ることもあるという。知らなかったからできたことだ。まあ、無事に済んでよかった(^o^)。
 
ところが、ある時を境に急速に減った。私も卒業後約10年後にまた小笠原諸島を訪れているのだが、今ではあまり見かけなくなったという。絶滅ではないが、たいして気になる存在ではなくなったらしい。何が原因かわからないが。
 
何か生態系のバランスを崩す存在だったのだろう。そしてバランスが崩れすぎたら、その反動が起きるのか。すべての外来種が、そのような現象を起こすわけではないにしろ、自然の妙である。
 
 

ところで外来種つながりで、先日驚いたこと。

それは……ダンゴムシが外来種だったこと(゚д゚)。。。
身近にいるダンゴムシ、正確にはオカダンゴムシは、どうやらヨーロッパ辺りから入ってきた外来種らしいのだ。意外や日本に根付いて増えたのは明治以降なのか。
日本の在来種ダンゴムシには、ハマダンゴムシ(海辺にいる)や、森林にいるコシビロダンゴムシだそうだ。こちらの方を見かけることは滅多にない。ダンゴムシの世界では、外来種が在来種を駆逐したようだ。
 
不思議なもんである。
 

2018/11/27

ひこばえの稔り

実は、ここ1週間ほど風邪を引きずっている。熱は出ないものの、身体が辛い。

だから最低限の仕事などをこなすほかは、できるだけ動かずごろごろ。ダイエットも休止して?ばくばく食べて栄養をつけねば……。
 
ようやく回復してきた。まだ咳もくしゃみも鼻水も出るのだが、脱力感は薄らいできた。
 
少しは身体を動かさないと、筋肉が落ちる。なまって老化が進む。と思って少し山歩きをしてみようと思った。と言っても、いきなり道なきところを登って、途中でバテたら大変。
 
そこで考えたのが、山下り。車で高台まで登って、そこから下り道をおりるという……。ま、下りたらまた車のあるところまで登らなくてはいけないわけで(^^;)。ちゃんと道のあるところを選ぶ。
もっとも、行ってみたら台風の傷跡は今も残っていたので、倒木をまたいだりくぐったりしなけばならなかったのだが。おかげでゼエゼエと咳き込んできつかった。身体、やっぱりなまっている。
 
 
そんな中で棚田に出たときに見かけたもの。 
 
Dsc00213  
 
この季節、棚田も稲刈りは終わっているわけだが、刈り取られた稲の切株からひこばえが伸びている。
 
これを稲孫(ひつじ)というそうだが、よく見れば、そのひこばえには稲穂が稔っていた。これをひつじいね、ひつじばえというそうだ。こうした田んぼをひつじだ、という。
 
実は、この稔りの収穫量がバカにならないのだという。江戸時代の年貢には入らないから百姓にとっては貴重な収穫であった。今も、実はひつじいねの米の方が美味いという農家がいる。過剰な肥料が抜けて、味がよくなっているとか。。。
 
Dsc00212  
が、通常はほとんど放置されて終わるのだが、これを喜んで食う輩もいる。
 
それが野生のイノシシやシカだ。ひつじいねこそ、冬の大切な餌となるわけだ。そして、それを農家の人は滅多に追わないため、田畑に野生動物が慣れて出没するきっかけとなる。文字通り、味をしめるというわけだ。 
 
ひつじいね、食べてみたいなあ(^o^)。

2018/11/26

「権力は腐敗する」回路

権力は腐敗する」。

 
日産会長のカルロス・ゴーン逮捕の事件で、多くの人が指摘した言葉だ。まあ、前世紀、前々世紀から繰り返し指摘されていることではあるのだが。
この事件の背景に何があるのか、違法・合法の線引きは……などはさておき、ゴーンが公私混同して会社を運営していたのは間違いなさそう。
 
人は、他者に対して優越的な権限を持ったり、あるいは他者から持ち上げられ続けると、脳内に新たな回路ができると言われている。それまで持っていた常識や倫理規範から外れた思考回路になってしまう。自分は特別という意識が潜在的に生まれる。一種の全能感を抱くのだろうか。
 
ゴーン事件で連想したのは、2つ。1つはトマ・ピケティだったかが語ったような「金持ちほど強欲になる」(強欲だから金持ちになるのではなく、金持ちになるほど、モットモットと欲しくなる)という論理。
そしてもう一つは、以前に某地域の林業振興というか地域起こしの例について、本を執筆しないかという声がかかったことだった。
 
だが、結局断った。執筆条件が合わなかったこともあるが、その地域起こし例が必ずしも報道されているほど上手く行っていないことを知っていたからだ。その点をリアルに記すと本を出版する意味がない。ところが、先日その地域起こしを牽引してきた団体のトップが、スキャンダルにまみれていることを知る機会があった。
 
マスコミに多く出演しているトップの人物が、実は組織内で横暴を極めているようだ。それも女絡み。小さな村の小さな組織で、そんなスキャンダルがねえ……。とがめた社員は、即刻首にされたとか。
そのことをゴーン事件から連想したのである。
 
今となっては書籍づくりから手を引いてよかったと胸をなで下ろす。本が出来上がってから、その内容をひっくり返す現実が表沙汰になったときは、著者として恥ずかしいというか、情けない思いをするからなあ。その後、別の人が書籍をつくったようなのだが……。
 
地元でもそろそろ話題になっているらしいから、そのうち騒動になるかもしれないよ(-_-;)。
 
 
 
そんな事象は一つだけではない。林業界や地域起こし業界?、そして市民団体などでトップの暴走は少なくないのだ。もしかして小さい組織ゆえにトップに権限が集中し、また称賛も個人に集まってしまうからかもしれない。 
 
先進的な取り組みとか技術を持った人物が、彼を慕って集まったはずの部下に猛烈なパワハラを仕掛けている(現在進行形)例を聞いた。部下を鬱病に追い込むのだ。辞めたら辞めたで、「裏切り者扱い」する。 
 
地域起こしとして始めた事業がようやく軌道に乗った頃に、功労者を意見の相違を理由に追い出した例。自然保護団体が、ちょっと紹介するには差し障りのあるほどあられもない行為をした例。いっぱいある。 
 
 
人間は、普段は腰が低くても、何かの機会でいきなりのぼせ上がるというか、自分の実力を勘違いするものだ。ま、そのうち私も暴走してみたい(笑)。本がベストセラーになるとか、周囲の称賛を一身に浴びて舞い上がるとか\(^o^)/。
 
そのときは、この一文を読むように教えてくださいませ。怒り狂うかもしれないけど(⌒ー⌒)。
 

2018/11/25

新手のウトウヨ本『日本が売られる』

今、『日本が売られる』(堤未果著 幻冬舎新書)という本が売れているらしい。

 
私も宣伝を見て、ちょっと書店で手にとってみたが、「読むに値しない本」と認定してスルーした。が、某氏より「この本の内容、どう思います?」と質問された。内容に「森が売られる」の項目があるからだ。そこで改めて手にとった。今度も立ち読みだけど(笑)。
 
Photo
 
目次は、こんな感じ。
 
第1章 日本人の資産が売られる
1 水が売られる(水道民営化)
2 土がか売られる(汚染土の再利用)
3 タネが売られる(種子法廃止)
4 ミツバチの命が売られる(農薬規制緩和)
5 食の選択肢が売られる(遺伝子組み換え食品表示消滅)
6 牛乳が売られる(生乳流通自由化)
7 農地が売られる(農地法改正)
8 森が売られる(森林経営管理法)
9 海が売られる(漁協法改正)
10 築地が売られる(卸売市場解体)
 
1章だけで、こんなに並んでいるが、たしかに「森が売られる」の項目があり、そこで森林経営管理法を取り上げている。この法律を「売る」という感覚で記すのはどうかと思うが、まあ、それはよしとしよう。 
 
私も森林経営管理法について、その危険性についてアチコチに書いてきた。同じように批判しているのか……といえばそうではない。おそらく著者は日本の林業事情についてほとんど理解していない。林業現場に足を運ぶことなく上っ面をなでたような内容だ。この法律は民間企業が森林を買い取ると解釈しているようだし、所有者不同意の森林を伐採する意味もヘンな解釈。ちゃんと法律の内容を理解しているように思えない。
 
せっかくだからAmazonの本の説明文も引用する。
 
水と安全はタダ同然、医療と介護は世界トップ。そんな日本に今、とんでもない魔の手が伸びているのを知っているだろうか?法律が次々と変えられ、米国や中国、EUなどのハゲタカどもが、我々の資産を買い漁っている。水や米、海や森や農地、国民皆保険に公教育に食の安全に個人情報など、日本が誇る貴重な資産に値札がつけられ、叩き売りされているのだ。マスコミが報道しない衝撃の舞台裏と反撃の戦略を、気鋭の国際ジャーナリストが、緻密な現場取材と膨大な資料をもとに暴き出す! 
 
どこの現場を取材してんねん! とツッコミドコロ満載だ。そもそも取材したら、通常は関係者のコメントや経験談、現場の描写などが入るものだが、そうしたものは一切抜き。絶対に現場取材していないと断定しておこう。そもそも取材先はおろか、資料や元データをどこにも記していないのも不信をあおる。
インターネットの情報を拾い集めたような書きっぷりだ。とくに正否両方のある情報の吟味もしていない。都合のいい批判論調だけを集めたのだろう。 
 
森林以外で私が多少ともかじっている分野もいくつか立ち読みしたが、どれもこれも、なあ。。。(´_`)。
 
たとえばミツバチを殺すとされる農薬ネオニコチノイドに関しても、さまざまな研究結果が飛び交っている状態で、その危険性は確実に認定されたわけではない。相当、慎重に農薬化学を読み解かねばならないのに、エキセントリックな情報だけを並べている。
農地法や漁協法の改正に関しても、なんて薄っぺらなんだ。現状に問題があるから改正されようとしている(その改正のベクトルが正しいかどうかが論点)わけだが、改正そのものを陰謀かのように記す。
 
一事が万事なので、全部読まなくてもいいだろう。タイトルだけ見て、それをググれば、同じ内容がいっぱいネット上に出てくるよ。
 
そして、全体を通して感じるのは、「強欲な欧米諸国の資本主義が日本に襲いかかる」という論調だ。いわば「日本スゴイ」の裏返しのネトウヨ論調。いつぞやの「日本の森が外資に奪われる」とあおった本と同じ類だろう。「日本は美しく、優しい人々の国だったのに……」と昔を持ち上げ、現在の(外からの)危機を訴えるのだ。
 
こうした本を書けば売れるんだな。と寂しくなったのでした。
 
あ、私も書けばいいんだ!(゚д゚) 良心を捨てて。
 

2018/11/24

Yahoo!ニュース「日本人はいつから木を植えた?…」を書いた理由

Yahoo!ニュースに「日本人はいつから木を植えた?樹齢400年の「慶長杉」を前に考える 」を執筆しました。

 
慶長杉は、一般には26本とされているが、実は2本が台風で倒れたとかで、現在は24本である。倒れた木を伐ってみると、どうやら年輪は400本に達していなかったようだが…。
 
もしかしたら人が植えたことが間違いない樹木で、慶長杉以上に古い木が、全国のどこかに隠れているかもしれない。もし、覚えがある方がいらっしゃれば教えていただきたい。
 
 
それはそれとして、育成林業のスタートをどの時代に置くかは、わりと大変なのである。植林をしただけなら、それこそ古墳時代や弥生時代、いや縄文時代にもありそうだし。
さらに目的がはっきりしない。木を植える行為には神事的な要素もあって、林業的(木材生産)な植林かどうかの判定が難しい。
 
 
まあ、それはともかく、こうした森に入るのは気持ちいいよ。
 
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慶長杉のある石谷山林のパノラマ。
 

2018/11/23

SGECの貯木場 in 智頭

智頭町で初めて見たもの。

 
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これは石谷木材市場なのだが、ここに並べられている椪積みは、SGEC材なのだそうだ。 
SGECは日本の森林認証制度(近年は、国際的なPEFC認証に参加したから、そう呼んだ方がよいかもしれない)だが、FSCなどほかの認証制度と同じく、そこから産出した木材は流通も管理される。いわゆるCoC認証だ。認証を取っていない木材と区別して流通させねばならない。さもないと非認証材と混ざって、トレーサビリティがなくなり認証材と確認できなくなるからだ。
 
聞けば、智頭町では石谷家の山林のほか、町有林や森林組合などの森林もSGEC認証を取っているそうだ。
そこで市場にも、認証材を取り扱う貯木場が設けられているのである。
 
実は、SGEC認証の貯木場は、初めて見た。この日は、なかなかの量が並んでいる。ただし、「SGEC材として求められたことは一度もない」そうである。価格も変わらない。。。
と、ちょっと悲しい現実であった。
 
 
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SGEC材だが、心材と辺材の間に白い環ができているのに気づいた。なんか不思議な文様。
聞くと、伐採後にしばらく置いておくとできるのだそうだ。乾燥が関係しているのか。私は、これまでこのような原木をあまり目にしていないのだけど……気がついていないだけかもしれないが。智頭材だけの特徴とも言えまい。この現象について詳しい人はいるだろうか。 
 
 
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この日の市場には、巨木が結構な量並んでいた。たまたまらしいが、鳥取中部から出荷されたらしい。で、年輪を数えてみると……77本まで確認。つまり約80年生? 意外や若いのであった(笑)。

2018/11/22

木製ストローとバイオプラスチック

インドネシアに打ち上げられたマッコウクジラの胃袋から6キロものプラスチックゴミが見つかったニュースが流れている。

一方「三重大が木製ストロー開発……」というニュースも流れた。このところストローがプラスチックゴミの象徴扱いになっているが、それも木製に変えようというわけだ。
もっとも私は、これを「虚報新聞」のネタかと思った。。。

この製品、木粉 をセルロースを固めたものらしいが、紙製とどこが違うのだろう。製造の手間やコストを考えたら、紙製で十分と思うが。
記事にはプラスチックの代用に木材を使うことに意義があるような書きブリだ。しかし、もともと合成樹脂は木材の代用品だったし、ストローはワラ(植物の茎)を意味するんだから。そのうち麦わら、稲わらからストローをつくることに成功、というニュースが流れるかもしれない、虚報新聞ではなくて。
 
こうした動きが出るのも、急速にマイクロプラスチック問題が大きく騒がれるようになったからだ。5ミリ以下に分解されたプラスチックは、魚類などが食べて食物連鎖に入ってしまうことを問題視するようになったのだ。すでに人間の排泄物からもマイクロプラは見つかっている。
 
そこで少し蘊蓄。
 
プラスチックを分類すると、ポリ袋の主流ポリエチレン、ペンやレンズキャップなどに使われるポリプロピレン、使い捨てカップなどのポリスチレン、水道管などに使われるポリ塩化ビニルを4大プラスチックと呼ぶ。世界のプラスチック生産量の60%以上をこの4種類が占めるからだ。ただ現在急増しているのが、ペッ トボトルの原料のポリエチレンテレフタレート(PET)だ。これを入れて5種類がとくに問題だろう。これまでに生産されたプラスチック量は83億トン(添加剤5億トン含む)だそうだ。
 
そこでバイオプラならいいと思いがちだが、それは誤解だ。バイオプラスチック(植物由来の原料)と生分解性プラスチックは別物だということ。バイオプラが必ずしも自然界で分解されるとは限らない。バイオポリエチレンやバイオPETは生分解できない。
原材料も、一部は化石資源、つまり石炭石油を使っている。ただ植物由来部分もあるから、燃やしても理論上二酸化炭素の排出が少ない。一方で生分解性プラは、分解しやすいわけだからマイクロプラになりやすい。(さらに分解が進んで水と空気まで行けばよいが。)
 
日本では1年間に約1300万トンのプラスチックがつくられ、約500万トンが使用後に家庭からごみとして捨て られる。一方バイオプラの製造量は2017年で3万9500トン。話にならないほど少ない。生分解性プラはバイオプラ全体の6%(2300トン)にすぎない。ちなみに世界の生分解性プラとバイオプラの比率は45%対55%。
「生分解性プラの開発研究は、日本がもっとも進んでいる」と言われるが、肝心の生産と普及量では 大きく遅れている。
 
 
木製ストローもよいが、本当ならバイオプラではなく生分解性プラを普及させないといけないし、プラスチック全体の削減しないと話にならないだろう。
 
ちなみに我が家でもプラゴミの分別収集しているが、イマイチ釈然としない。なぜなら、広報では集めたプラスチックを再利用しているかのような記述があるが、それはあり得ないからだ。まず確実に焼却処分している。つまり燃えるゴミと扱いは一緒。ただ燃えるゴミは有料だがプラゴミは無料なので、分けて有料ゴミを減らしているだけだ。
 
それも、現実はかなり厳しい。プラゴミにもさまざまな不純物が付着しているわけで、それを熱以外にどうやって再利用するのか。
それに非プラゴミが混ざっている場合も多い。とくに高齢者は分別をあまりしない。意識が低いのか、分別習慣自体がないのか、はたまたゴミの種類がわからないのか。ゴミ置き場を見ると、かなりでたらめである。そのうち分別収集自体が破綻するのではないかと思う。
 
ああ、翌朝はプラゴミの収集日だわ。。。
 
20181122_212433_2 こんな具合。

2018/11/21

林業学校バブル、新局面

すでに2年以上前から、次々に林業スクールが設立されていることに触れてきた。
 
 
 
その勢いは今だ止まることなく、まだまだ続いている。
来春には、三重県に「みえ森林・林業アカデミー」のほか、熊本県に「くまもと林業大学校」が開校するらしい。
 
さらに、栃木県矢板市に「フォレストビジネスカレッジ」が開校(開講?)するという。こちらは製材会社大手トーセングループが設立するもので、民間主導。入学すると、トーセンの契約社員となって勤務しながら1年間研修を受けるシステム。給料も出る(月給15万円)。
すでに5年以上林業現場で働いている者を対象にして、素材生産から製材までを学ぶという。なんだか、こちらは従業員不足対策か?と思わせなくもないが、ようは森づくりではなく伐採技術者が足りないのだろう。
 
北海道立林業大学校を2020年の開校めざして動いているし、富山県では一般社団法人モリビオ森の暮らし研究所などが中心となって、南砺市利賀村に2020年に「TOGA森の大学校」(仮称)を開校するそうだ。
 
今度は必ずしも自治体主導でなく、企業まで乗り出してきたことが特徴かもしれないが、そのうち外国人向けの林業スクールをオープンさせて、どんどん現場に送り込んでくるんじゃないかという気がしないでもない。そんなに林業人材が足りないかね? 
 
これは、林業学校バブルだよ。しかし、養成するのは伐採人員ばかり。長期間森づくりできる人材じゃない。
 
 
私は今の木材生産こそ、一種のバブルだと思っている。そもそも日本にそんなに木材需要がないから、無理して木を伐りだす必要性はない。ただ政策的に木材生産の拡大を煽っているだけだろう。だから木材が市場にだぶついて材価を下げている。それなのに、釣られて学校までつくってしまったら、もはや後戻りはできなくなる。
 
そのうち木材の供給過剰が行き着くところまで行き、また森林資源も底をついて、木材生産バブルが弾ける時が来る。その際に林業学校バブルも弾けて、促成された現場の林業ワーカーがあぶれる時代が来るだろう。そして……彼らは失業するんだろうなあ。
 
そのとき森はどうなっているだろう。
 
 

2018/11/20

林業の「重要文化的景観」

鳥取県の智頭駅前には、こんな碑があった。
 
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幾十年かけて育てし杉の木を伐り給うなり嫁ぐわがため
 
ええ、詩やなあ(^o^)。
 
ほかにも「町有林造成顕彰碑」なんてのもあって、えらく人工林に力がこもっている。
 
さて、「智頭の林業景観」が国の「重要文化的景観」として選定されたそうである。(今年2月13日)
 
これは何か?と思えば、できたばかりのようだが。2004年に文化財保護法の改正に伴い、有形や無形の文化財の種類の中で、景観の文化的な価値を評価し、地域で守り継ぐために新たに制度化されたものという。
さらに文化的景観の中でも特に重要なものを「重要文化的景観」として国が選定する制度が整えられた。「重要文化的景観」は、いわば「風景の国宝」なんだそう。
 
そして智頭は、林業にまつわる歴史によって形成された「山村集落と周辺の人工林」「林業で栄えた宿場町と周辺の山林」さらに「天然スギと広葉樹林広がる中山間地」として、重要な文化的景観だと認められたわけだ。林業景観としては初だろう。 
 
そうした制度で地域に町民に誇りを持たせるのもよいかもしれない。
 
もし、我が町の林業景観だって……と思われる方は立候補してほしい(^o^)。
 

2018/11/19

思索ゲーム「日韓中が一つの国になったら」

面白い議論がネットにアップされている。

 
中国のメディア・東方網の記事 なのだが、元は韓国のSNSサイトの議論らしい。
それは「もし中国、日本、韓国が1つの国になったら、どんなことになるか」という質問が出され、たちまち注目を集めたというもの。
 
ここで、そんなバカなことはあるか! と即座に否定した人は失格。そう反応する人は延髄反射的に嫌韓・反中反応を示すネトウヨか、思索のゲームを理解できない古びた頭の持ち主だろう。そう、これは哲学的な思索ゲームである。
反実仮想と呼ぶ思考方法でもある。「もし、~なかりせば」という現実とは違う仮定の状況を元に何か起こるかを考えて、起こり得るだろう姿を描くゲームだ。有名なのは「もしクレオパトラの鼻がもう少し低ければ、世界史はどう変わったか」と空想してみることだろう。
 
ちなみに日韓、そして中国の合併論はこれまでもあった。日本では明治時代(1890年)に、樽井藤吉という奈良の民権運動家が『大東合邦論』という本を漢文で執筆している。これは日本と朝鮮(当時は李氏)は合併すべし、という論だ。あくまで対等合併で、連邦制国家(スイスをモデルに考えたらしい)とし、国名も両者とも変えて「大東」はどうか、という提案をしている。そしてアジアは一体となって欧米の圧力に抵抗すべし、というものだ。当時の日本が指向していた領土の獲得(植民地)方式ではダメだと訴えている。また将来的には中国(清)との合併も視野に置いた。
 
出版した本は、朝鮮でも配られ写筆された。そして日本より朝鮮で評判になったという。当時は日本との合併を望む人が多かったのだ。事実、その後朝鮮が大韓民国となると、一進会という政治結社ができて韓日合邦論を唱えた。どちらの合邦論も、後の日韓併合とは雲泥の差の理想的な国をつくるための可能性の思索であった。
 
さて、肝心の記事では、一部にポジティブなシミュレーションをする人も出始めたらしい。少し引用する。
 
新しい国はスーパー超大国となって米国やロシアをはるかに上回る力を持つ」と予測したことを伝えている。
このユーザーはまず、国土面積が1000万キロメートルを超えてロシアに次ぐ世界第2位の広さになるほか、人口も16億3000万人で世界人口の21.5%を占めるようになると紹介した。また、北京、上海、東京、広州、深セン、ソウルなどの巨大都市を非常に多く抱える国なるとした。
さらに、経済面ではGDPが米国を抜いて世界1位の経済大国になるほか、電子、自動車、船舶、機械、生産などで圧倒的な差をもって世界をリードする超工業大国になると指摘。輸出入の規模も莫大で、世界最大の交通の中枢にもなると予測している。
また、軍事的にも日本の技術や中国の膨大な兵力が合わさり、米国の3倍の規模を持つ世界最大の軍事力になると紹介。「総じて、経済、軍事、政治権力において世界で最強クラスになる」とした。
 
こんな思索ゲームのように、あるべき姿(あってほしい姿)を描いてから、そこに近づくのは今からどのようにしたらよいだろう……とフィードバックして考えてみると、また別の思索ゲームとなる。
 
 
さて、スケールはかなり劣るが、日本の林業も、現状をどのように改革したらよいか、と考えるのはもううんざりだ。何をとっても現実に縛られて無理に思えてしまう。制度をいじればいじるほど悪い方向に進みそうだ。
そこで、むしろ壮大な将来の理想の林業を描いてみたらどうか。バラ色、夢物語のようなみんなが幸せになっている林業。各者がウィンウィンの林業。環境と経済が上手くかみ合って両立している林業。市民生活に深くかかわり、人々が森に親しんでいる社会。
 
その次の段階として、林業がそうなるためには、今からどうすべきか……まで思考が進めばいいね。

2018/11/18

Yahoo!ニュース「全国削ろう会」で……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに『全国削ろう会」で職人の心意気と建築現場の変遷を感じてきたを執筆しました。

 
長いタイトルに挑戦! 第2弾です(^o^)。ブログでは先に記してきた「全国削ろう会」を見てきた件だが、それなりにまとめようと思ったわけである。 
 
正直、私は大工職人の鉋がけの技術にはそんなに思い入れがないのでヾ(- -;)、会場では別の視点で眺めていた。すると、別の面も見えてくる。
実は鉋がけのトップクラスの技術の持ち主は、大工とか木工職人よりも、趣味で取り組んでいる人であったりする。また家具を作っている職人も「家具づくりでは、そんなに鉋がけにこだわったり刃物を研いだりしません」という。ただ好きだから研ぐのである。
 
そんな点も含めて、職人の祭典であった。
 
そして職人は、現状の仕事シチュエーションには満足していないようだ。だって、今の大工の大半は建築現場で鉋がけは滅多にしないし、金槌さえ握らない。釘は電動工具で発射するものだ。家具職人だって似たようなものだろう。
そして使用する木材の樹種や素性なんて気に留めないのが通常ではないか。
 
だからこそ、鉋で削ることがイベントになる。林業の技も競技会でしか発揮しない時代が来ているだろう。
それでも、イベントを通して技を残すことが将来につながるのかもしれない。

2018/11/17

智頭の滝と包丁

カニ取県、じゃない鳥取県智頭で出会ったものはたくさんありすぎるのだが、気になるものを紹介しておこう。 

 
今日は「みたき園」という山の中の料理屋を訪れた。屋、と書いたが、一つの山で、その中に農家小屋が点在している状態? 知る人ゾ知る店であった。山菜料理とはいうが、シカの燻製も出たし、手づくりの豆腐に蒟蒻が絶品……という話はおいといて。
 
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なんと敷地の中に滝が……。天空の滝と名付けられている。高さは数十メートル、30メートル以上はあるだろうか。が、ちょっとヘンじゃない?
だって、岩山の頂きから水が流れ落ちているよ。そんなところから水が湧く?
 
さて、この謎を解いてくれるのは誰でしょう(笑)。
 
 
もう一つ。こで包丁を見かけた。いかにも野鍛冶ぽい造り。
聞いてみると、智頭町には鍛冶屋があるのだそうだ。おお! 津山の仇を智頭で打つ。
その鍛冶屋の場所を聞くが「鍛冶屋を訪ねても、注文してから受け取れるのは半年後ですよ」。
 
予約待ちなんだそうだ。。。。
 
ならば、と店に置いてある包丁を購入することにした。幸い、展示品だけでなく、1鞘だけあったのである。 
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次に智頭を訪れたときは鍛冶屋を訪ねることにしよう。切れ味は、まだ試していない(^^;)。

2018/11/16

もりりんの町

もりりんの町
鳥取の智頭町を訪れている。
見所はいっぱい。樹齢400年ものの慶長杉(植栽)に始まって森林セラピー基地に森のようちえん、その他もろもろいろいろあるのだが、とりあえず「もりりん」(笑)。

町のゆるキャラ?だ。ただし、背後を気を付けてほしい。熊出没注意なのだから。。。

2018/11/15

薄利多売、赤字多売の林業

先日、林野庁およびOBなど関係者と簡単に話をする機会があった。

 
そこで私が振った話題が「近頃は薄利多売の林業になっている」という点だ。ようするに単位当たりの利益が薄くなって、それを量でカバーする林業。当然、私は批判的に述べたのだが……。
 
なんと、彼らは肯定的に捉えていることに気づいた(゚д゚)。
 
そして“質の悪い木材”は、施業(生産)を低コストにして利益を確保し、量を出荷するのが最善の方法だという。 
 
バカなのか? 
 
そもそも「薄利多売」の経済学的な条件をわかっているのか。
 
まず多売するほどの商品量が確保できること。工場生産なら稼働日数を上げるとか、残業を増やすとか、生産効率を上げ生産期間を短くするという手もある。そこにはスケールメリットの論理も入ってくる。同じものの大量生産は効率を上げ、コスト削減になるという論理だ。
ただし、原材料を確保できるという前提が必要になってくる。原材料がなくては商品も作れないし、仕入れも大量に行うことで安くする=コストを下げる。
 
次に、多売できるほど需要があること。薄利、つまり安いものが大量に売れることで利益を増やすのだ。売れないと、薄利少売、いや赤字だろう。そのために安くすると売れる商品でないとできない。
 
 
さて、これを林業に当てはめると、大量生産というのは単に伐採量を増やすことではない。原材料の生産、つまり植林から始める育成も多くなくてはならない。だが、樹木の生産、つまり生長は長くかかるため何十年も前からの準備が必要だ。成長速度を人間が早めることはできない。結果的に大面積を確保するしかないのだが、それでも50年以上という期間を短縮するのは不可能だ。
早生樹植林とか林地施肥なんて考える人もいるが、基本的に失敗例ばかり。あえて言えば伐期を短くして細い木を収穫し、それを集成技術で使えるようにする……という方法があるのだが、これも加工コストが上がってしまう。
 
さらに木材生産の低コスト化のために機械化推進というのは矛盾していることに気づいていない。機械化は高コスト化なのだ。機械を使えば人件費を圧縮できる現場だったら一時的に低コスト化できたように見えるが、それも一過性。作業面積を延々と増やしていかねば機械の稼働率が落ちてコスト高になる。
つまり林業の場合、機械の価格とランニングコストは人件費より高くつく。ましてや人員そのものも削減するのは至難の業だ。機械化で伐採量を増やしてもかさばるものの処理には人手が多くいる現実がある。結果的にコスト増を招いている例が多い。
にもかかわらず低コストを無理やり進めれば、林地を傷めたり施業技術を失って将来の生産に悪影響を与えるだろう。工場でもコスト削減した結果、故障が続発するようなものだ。
 
そして需要はどうか。これも縮み続けている。木材消費量は基本的に右肩下がりなのだ。それを増やすために取っているのがバイオマス発電の燃料なんだが、これは完全に捨て値販売だ。鳴り物入りで仕掛けたCLTも全然売れていない。ここで薄利多売ではなく多売薄利(多く売っても利益は少ない)いや赤字多売(売れば売るほど赤字)を余儀なくされている。
 
 
こうした林業の経済構造を、彼らは理解していないらしい。目先の(自分たちが管轄する)林業家(山主ではなく素材生産業者=伐採業者)が儲かるだけなのだ。その陰で赤字に沈む人々が数多くいるのに。それを「薄利多売の林業がよい」と思っているのは度し難い。
また設備などのコストは補助金で補うという発想だが、これは日本の財政にとって赤字。つまり林業界のごく一部を設けさせるために、日本という国を売り飛ばしているようなものだ。
 
税金を投入してつくる需要は、しょせん一過性の色物だ。公共施設に木材を使うことを強いるのも反則だろう。量的には2割に達しないから民需なくして真の需要とならない。
さらに商品価値を落とす需要も赤字の元だ。バイオマス燃料が典型だろう。それは商品自体のブランドイメージを落とし、将来のじり貧につながる。
 
薄利多売のビジネスモデルは、どんな業界でもリスクを伴うのだが、林業は、とくに向いていない業界だ。もう少し、頭を使ってくれ。

2018/11/14

蔓の巻き方

近くの山を歩いた際に見かけた木。

 
樹木そのものではなくて、巻きついている蔓植物に注目。
 
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これ、何かヘン……と思ったら、亀甲縛りというか、交差してる。つまり、2本の蔓が巻きついているわけだけど、それぞれが右巻き・左巻きと違うということか。二重らせんにもならん。
 
蔓植物の蔓の巻き方は種類によって決まり同種は同じ巻き方になるはずなんだが、たまたま? それとも別種の蔓が巻きついた? 
 
 
その近くには、こんな木もあった。
 
2
 
これは強烈に巻きつかれて、本体の樹木は枯れてしまった。絞め殺しですな。結果として蔓植物も伸ばし先を失っているのだけど。
 
 
蔓植物の生存戦略も考えてみると面白い。他種の幹を使って高く伸びて光をよりよく浴びるのだけど、肝心の土台となる植物を枯らしてしまうと自爆してしまう。ま、なかには蔓植物だけで自立する種もある。巻きつき方も、どこで左右を選ぶのか。
 
 

2018/11/13

隠れた高級材を見つける林業

中国メディアによると、海南省の海口市人民公園で枯死した2本の木を2017年に伐採して売りに出したところ、1428万2000元(2億3372万円)の値が付いたそうだ。
 
 
伐られたのは、中国で海南黄色花梨、和名ではニオイシタン(匂紫檀)と呼ばれる木である。
その樹木はマメ科の植物で、鎮痛剤など薬材にもなるうえ高級家具の材料。現在は1キロ8000元(約13万円)で取り引きされているという。海南省が原産で、国家2級重点保護野生植物に指定されている。そして盗伐されることもあるらしい。
 
この木を91個のブロックに分けてネットオークションにかけた。入札開始価格は515万2000元(約8430万円)だったというから、それなりに価値のある木材であることは知られていたようだ。それが3倍近くまで跳ね上がったわけである。
 
とはいえ、日本でも植えられている模様だし、苗が売っていたりする。中国でも、価値を知らずに薪にすることもあるそうだが。。。
 
なんだか、価値を知らないと損をする典型のような話。昨日の樟脳もその一つだが、以前紹介した銘木として扱われるクロガキと同じだ。
 
 
ちょっと次元は違うが、以前取材した林業家は、山を盛んに購入しているのだが、その際に山主は「うちの山には金になる木がない」というそうだ。長く放置していたからだ。そこで捨て値で買う。もちろん山主の了解済みだ。 
 
ところが数十haかの山をじっくり調べながら歩くと、たいていどこかに立派な素性のスギやヒノキがあるそう。一見、放置されて荒れ放題の山でも、その中でしっかり育った大木はあるのだ。
そうした木を伐りだして売ると、買値ぐらいはすぐに元が取れるそうだ。そして残りの木々も売り方次第で収入になる……という話をしてくれた。 
 
結局、山主が自分の山の価値を十分把握していないということなのだが……こうした林業を行うためには、大規模では無理だ。むしろ小規模山林を十分に調べて、価値ある木を見つける、あるいは育てるベクトルである。
 
そういや、京都の北山林業や東京の四谷林業は、磨き丸太など高級材を生産していたが、その場合の持ち山は、わずか数ヘクタールだったという。狭いから丁寧に施業できたのだ。
 
無価値と思える山の中から真の価値を見つける林業。小規模でも価値が高ければ、面積の何倍もの資源となる。こうした方向性も重要だなあ、と思った次第。
 

2018/11/12

Yahoo!ニュース「……樟脳が復活の兆し!」を書いた理由

Yahoo!ニュース「明治維新をなし遂げ、一国の財政を潤した樟脳が復活の兆し! 」を執筆しました。

 
今度は、長いタイトルをつけたぞ(^-^)/ 。
 
先日の福岡行きの楽しみの一つ、この内野樟脳さんを訪ねることであった。
何も伝統技術的な意味で樟脳に注目したのではない。世界史・日本史を動かした産物としての樟脳に興味があったのである。
 
一般に林産物と言えば木材、それも建材か木工資材だ。キノコなんぞも林産物ではあるが、収益に大きく影響を与えるものではない。製紙用の木材は、林産物の量としては大きいが、材を選ばないし、生み出す利益率は大きくない。養蚕用の桑とか漆芸用のウルシは、樹木ではあるが園芸分野に分類されてしまう。
 
その中で樟脳は意外や世界史を動かした時代があると思うと、面白い。ましてや台湾の産業勃興期の雄である。樟脳によって、戦前は世界に冠たる商社・鈴木商店は成長した。
 
 
それはともかく、樟脳づくりの現場では、赤楠は精油成分が少ないそうである。多いのは白楠、あるいは青楠と呼ぶもの。赤い芯部はいかにも油脂が多そうなんだが、反対らしい。
 
ちゃんと樟脳づくりの工程を追いたいものである。
 
4 赤楠。
 

2018/11/11

削ろう会の削る木

せっかく全国削ろう会に行っておきながら削る写真を紹介しないのはどうか、という声に応えて(そんな声があるのかどうか知らんが)、少し紹介しよう。

 
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この人は、カナダ人でした。大会に参加するために来たんだって。こんな外国人が結構いるのよ。。。。
 
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こちらは長崎工業高校の先生。学生を連れてきたのだが、女生徒の方が多い。家具づくりも行うインテリア科は、女子が3分の2を占めるとか。
 
で、肝心の削る木なのだが、予選では自分で持ち込んだヒノキ材を使うことになっている。
そして、長崎工高が使っているのは貰い物だというのだが……どうも木曽檜のよう!
 
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どうだろう、この木目の細かさは。(濡れタオルを置いているのは、水分を含ませて削りやすくするため。)
 
ちなみに本選は今日だった。優勝はどこの人が何ミクロンの記録を出したか。まだ報告が見つからない(泣)。。。

2018/11/10

「全国削ろう会」で見たもの

福岡県久留米市で開かれた「第34回全国削ろう会」を覗いてきた。

 
削ろう会とは、思い切りはしょって説明すれば「大工の祭典」(笑)だ。鉋で木を削って、その削り屑の薄さを競う。何ミクロンの世界なのだ。
 
木を薄く削るには、何より刃物が大切で、刃物を切れるようにするには砥石が必要で……というわけで、会場では大工道具や砥石のお店が並び、また鉋削り体験コーナーなどもあって、建築・木工関係のお祭りと化している。
 
参加者は約200人。海外勢も結構いて、鉋がけに邁進しているという、ちょっと不思議なイベントであった。
 
 
で、私がその中で注目したのは、これ。
 
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諸戸林業が出展していたのであった。唯一の林業界からの出展。丹沢から伐りだした100年もののヒノキであった。 
 
「なんで、大工のお祭りに林業が出展したの?」と聞いたら、林業の宣伝のため。みんなが削っている木材は林業家が育てたのだよ、と知ってもらうため、であった。 
 
そして、詰めているのは、二人の林業女子。
 
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右が伐りだした人(あんまり表に出たくないそう。。。)、左が製材した人。着物女子でもある。
 
削ろう会で何を見て来たんだよ、と文句言われるのを承知で紹介しておく。あ、何も林業女子がいたからではない。大工と木工の祭典に出展した林業関係者だからであるv(^0^)。

2018/11/09

楠の河畔林

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福岡県のみやま市に来ている。

矢部川には、なかなか見事な河畔林があった。クスノキの巨木並ぶ。
その名を狐林。300年前に作られたと言う。河畔林は各地の河川に残る(ずいぶん減った)が、クスノキで造成したというのは珍しいのではないだろうか。なんでも、楠と竹を組和褪せて防災に備えたというのだが。

効果はともかく、クスノキが香るようで見ていて気持ちいい。が、思わずこれ伐ったら、どれだけの樟脳取れるだろうと考えてしまう(^-^;。 


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2018/11/08

生駒山にサル定着?

生駒山の北辺にある大阪府立公園の一つ「ほしだ園地」。

ここでニホンザルを見かけたという情報が寄せられた。そこで私も、現地を訪れてみる。
 
場所は、吊り橋を見下ろす展望台への道だという。
 
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ただ、平日昼間なのに、意外や多くの人が登っていた。展望台はわいわいとにぎやか。これでは、サルも出ないわな。私は、早々に退散したが……。
 
ここは、全国でも有数の長い吊り橋がある。名付けて「星のブランコ」(^^;)。ちょっと恥ずかしい。だが長さ280メートル、最高低差50メートルというから、たいした規模だ。こんなものが生駒山系にあることは、意外と地元の人も知らない。(十津川村の谷瀬野吊り橋は297メートルだから、ほぼ匹敵する。)
ついでに言うと、クライミングウォールもある。なかなか面白い園地なのだ。 
 
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こんな風光明媚なところにニホンザルが? 
 
実は3年前にもニホンザルの目撃例 が多数出て、それは生駒市側、つまり奈良県側だったのだけど、その後生駒市の北端である高山地域に多数目撃されるようになった。それも複数いたという。
それが今回は大阪側のほしだ園地。園地では、時折目撃談があるらしいから、ある意味、定着しているのかも。どうやら、生駒山北端部分をホームレンジにするようになったのかもしれない。 
 
何を餌にしているのか。何頭いるのか。遊動域はどの程度か。疑問はいっぱいあるが、今のところ静観だろう。
 
ニホンザルも獣害を引き起こす。賢いだけに、単なる防護柵は乗り越えるし、人家まで侵入した例もある。また凶暴だったりもする。それだけに気をつけねばならないが、植生を破壊することはないし、頭数が多くなければ被害も限定的だろう。
 
さて、生駒山の生物多様性が増した、といってよいのかどうか。
 
 
ちょうど、紅葉が始まり掛けていた。まだすべての木々ではないが、カエデやウルシ(ヌルデか)などが色づいている。
 
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 次は、紅葉の盛りに吊り橋に行ってみようか。
 

2018/11/07

どっちがお好き?

ニトリで見かけたテーブル。

 
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天板が古材風だ。もっとも本当の古材ではなく、エイジング加工したのか、あるいはそもそも木材でもなくて古材風に印刷したフィルムを張ってあるのか。
 
あんまり丁寧に見たわけではなかったが、ちょっと区別が付かないほどの出来であった。 
 
 
一方で、こちらは「滋賀チェア」として展示してあったもの。
 
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これは、虫食い材でもOKという条件で作っている家具だ。
 
最近、流行りなのか。和歌山県ではアカネ材とか呼んでスギノアカネトラカミキリの虫食い材を売り出していたが……。
 
ともかく、虫食いがあってもいいじゃないか、という意気込みは結構なことだ。ちょっと黒ずんだり穴が空いているだけなら、強度にも影響ないし……。
 
でも、写真のようなモロ虫食い痕を虫食い痕として見える家具で満足だろうか。
 
デザイン的に処理して、虫食いをオシャレに見せるのならよい。塗装で目立たなくするというのでもわかる。あるいは、かなり安くするとか? 
どうも、どれでもないよう。
 
 
さて、どちらかを選ぶとしたら? まがい物ぽいオシャレな家具と、本物の木材だけど虫食い痕が燦然と目につく家具。
 
私だったら……〇〇〇だな。 

2018/11/06

「サカナとヤクザ」と林業

先日、娘が帰省したので『パパ活』をやった。パパの活力増進運動(^_^) である。

 
で、私としてはいただいた活力を発揮しようと娘に何がしたい?と聞いたら「カニが食べたい」との答。ならば、とカニが食べられる店を探したのだが……ズワイガニの解禁日は大方11月6日だった(つまり、今日だ)ので、今手に入るのは店でも冷凍ものになってしまう……そんなわけで、料理店に行かずにスーパーで買ってきた冷凍カニで鍋をしたのだった。 
 
冷凍なのは、よい。というか仕方ない。が、そもそもカニはいつ、どこで食べても密漁品なんじゃないか、と思わせられたのが、この本である。
 
『サカナとヤクザ』(鈴木智彦著 小学館刊)
 
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日本の漁業がどーにもならなくなっているのは感じていた。スーパーに行けば、やけに小さなホッケの干物が並ぶし、サケもサバも多くのサカナが外国産だし。水揚げが落ちているとか、従事者が激減したとか、資源が枯渇しかけているとか。が、その裏にヤクザが絡みつきグダグダの関係が築かれているとは思わなかった。
 
本書で描かれているのは、主に三陸地方のアワビに始まり、北海道のナマコ、九州~台湾~香港のウナギ密輸シンジケートだが、その間に暴力団に支配されていた銚子の街や、北方領土を含んだカニやウニ、サケなどの分捕り合いの歴史的な事情も詳述されている。
 
ま、その具体的な様子は本書に目を通していただきたいが、すさまじいの一言である。禁漁期間や禁漁区域、量制限など、まったく無意味とも言える密漁の常態化。そして産地偽装のオンパレード。もはやカニやアワビの過半は密漁品だろうという。ウナギにいたっては、シラスウナギの段階で大半が怪しい。いくら国内で丁寧に養殖しても(丁寧じゃない養殖が大半だが)、すでに薄汚れている。
 
しかも、これがヤクザのせいとばかり言えないのだ。密漁に加担しているのは、漁師や漁協、市場、水産会社、そして水産庁も含まれるからだ。そして、それらの連鎖の最後に連なるのが消費者だ。出所がなんであろうと喜んで食っているのだから。
 
「おわりに」にある文章をいくつか引用すると、
「漁業をちょっと取材するだけで、密漁や産地偽装などの諸問題がごろごろ出てくる。叩けば埃どころではない。こびりついた垢に近い」
「その前に魚がいれば全部獲るのが漁師の本能だ」
「ほとんどの人間は水産物を金としか思っておらず」
「漁獲高が右肩下がりで落ち込んでいるのは、先進国の中で日本だけだ」
「日本の漁業を知れば知るほど、密漁など大した問題ではないと思えてくる」
 
きりがないが、東京オリンピックで提供できる食(水産物)が、国際基準ではほとんどないので、独自のゆるゆる基準を設けた(しかも審査するのが水産庁の外郭団体)……という下りで、思わず笑ってしまった。
 
それって、木材とまったく同じ!
 
そう、国際的な森林認証から逃げるように独自の穴だらけ基準を設けたのだから。
林業・木材産業界と、まったく絶望的な状況まで同じだ。業界内でつるんでいることも、規制破りも、産地偽装も、みんな重なる。私は常日頃から「絶望の日本林業」と口にしているが、実は「絶望の日本漁業」でもあったのだ。
 
幸か不幸か、現在の日本の林業で一攫千金を狙えるほどの高価格の商品はない。木材価格は落ち続けているし、銘木の需要も激減した。だからヤクザが付け入る隙はない……かと思えば、そうでもない。何しろ補助金という名の打ち出の小槌がある。とくにバイオマス発電は、極めて危険だろう。私のところにもたらされる情報だけでも、えぐい非合法行為と、合法的補助金詐取が蔓延している。
 
結びに「これこそが日本の食文化なのだ」という言葉があるが、「これこそが日本の木の文化なのだ」と言い換えてもいいんじゃないか。

2018/11/05

日経XTECKにケボニー化木材の記事

私が何かとイチオシしているケボニー化木材。

 
今度は、日経XTECK(クロステック) に掲載された。これは技術者向きの専門誌のネット版で、記事は日経ホームビルダーに掲載されたらしいが……。
 
これまでケボニーに関して書かれた記事の中では、私の記事に次いで(^_^) 正確だ。しかも専門的な化学式も登場する説明だから、科学的な面から知りたい人向きだろう。もっとも有料会員誌だから読めるのは1ページ目だけ。ただ登録すれば一定期間は無料で読めるらしい。
 
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負けずに私も続報を書かねばならないなあ。とりあえず私はケボニー化木材というものがあって、それがいかなるものか、と広めてきたわけだが、そろそろ次の段階に移りたい。
 
ケボニー化したスギ材・ヒノキ材の市場は国内より海外にある。それが日本の林業にどんな影響を与えるか。既成のしがらみにどんなインパクトを与えるか。……なんてことを考えると、さまざまな可能性が広がって楽しい。

2018/11/04

電気薪ストーブ

久しぶりに裏山に分け入った。分け入るつもりはなかったのだが……滅多に行かないエリアを覗くと、台風の爪痕がゴッソリと残っていて、山道も消えているから、そのまま遭難コースに突入したのである。

 
それでも、ちゃんと山麓遊歩道にたどり着く( ̄∇ ̄) 。
 
ここは、台風21号来襲直後 に歩いて、ズタズタになっていたところ。
が、すでに開通していた。よくぞ頑張って倒木の群を排除したものだ。
 
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倒木を刻んで周囲に積んであるのだが、なかなか薪として使えそう(^_^) 。欲しい人は取りに行ったらよい。その方が片づく。ただし、この道に車(二輪も含む)は入れないので、担いで運ばないといけない。
 
 
薪ストーブは、多少の憧れを持つが、その面倒さを考えると手を出せない。価格の高さ。設置の場所。工事の煩雑さ。隣近所への配慮もしなくちゃならない。換気もしなくてはイカン。場所は移動できない。
そして,何より薪の調達が大変だし、重くて場所を取って値段も高い。点火も簡単ではないし、その後の薪補給の手間。温度調節も難しい。すぐに消したり点けたりできないし、消せば消したで掃除も必要となるし……。
 
とまあ、これぐらい悪口を並べると気持ちよい(^-^)/ 。
 
そんな悪口に共感する貴方。こんな商品があります。
 
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ニトリにありました。マキ・ファンヒーター(正確には、暖炉型ファンヒーター)。薪ストーブそっくりに作ってあるが、燃料は薪でもガスでも灯油でもなく、電気。大きさは何種類かあるが、大きいほど雰囲気もある。
 
これなら簡単だなあ。スイッチ一つで温風だし、燃料補給もいりません。煙突がないからどこでも置けます。何より安い! それでいて、薪ストーブ気分が味わえる。赤く、薪ぽく光るのだよ。炎の揺らぎも再現してあって、なかなかのもの。多少の違和感は頭の中で転換して、「これは薪ストーブだ」と思い込めばよろしい(^_-) 。
 
思わず買おうか、と思ったが、我が家にストーブは足りているな……。今ある灯油ストーブを処分しようか。ああ、でも灯油を大量に購入していたんだよ。それに電気代が高くなるだろう。
 
そうか、昨日紹介したようなソーラー発電は、こうした家電のために必要なのだ。。。
 

2018/11/03

メガソーラーの増殖

ふと思いついて、滅多に行かない生駒北部の山中に向かった。

 
その辺り、隣町がごみ焼却場を建設していたところだ。山を大きく切り崩していたのである。反対運動もあったと思うが、たいして盛り上がらないまま完成している。ま、ゴミを処分する施設は必要だから、私としても大きな反対はしない。
ところが、そこで「ソーラー発電所」の看板を発見。そこで、それらが見通せるところまで登ることにする。 
 
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台風で倒れた木が山道をふさいでいるが、なんとか乗り越えてたどり着いたところから、こんな全容が見えた。
 
煙突が立っているのはゴミ処分場だ。その裏側に広大な敷地にソーラーパネルが広がっているのではないか。これは……10ヘクタールぐらいはあるだろうか。道路際から見えない奥地の山を削って埋め立てて、こんな施設を作っていたのか。
 
知らないうちに増殖するのが、ソーラー発電所である。バイオマス発電とか風力発電だと、巨大な建設工事が必要だし、地域の環境アセスメントもオオゴトだが、ソーラーの場合は比較的簡単だ。建設も、基本的にはパネルを並べるだけで済む。
 
私は一概にソーラー発電は否定しないのだが、なぜ山を削って埋めた土地に建設しなくてはいけないのか。生駒山の表面積の何%がソーラーパネルに覆われたかなあ……なんて考えてしまうのである。

2018/11/02

トゲ・発光・果実……

先日会った学生は、「トゲ」について研究していると言った。

トゲ。植物のトゲである。話を聞いていると、研究というよりは「トゲ・オタク」ぽかったが(^_^) 。ともあれ、バラやサンショウ、アリドオシ、柑橘類にもトゲを持つ植物は多い。樹木もあれば草本もある。それらのトゲがなぜあるのか、私にも興味がある。

トゲも、その組織は千差万別だ。樹皮が変化したものから、維管束から突起をつくるもの。葉にもトゲがあるし、ガクや花弁が変化したようなトゲもあったかのように記憶する。

いや、植物に限らない。トゲを持つ動物も数多い。昆虫には数えきれないほどいるし、ハリセンボンは魚類、トゲトカゲは爬虫類。ハリネズミは哺乳類。トゲの定義に体表からの突起とすれば角も加わる。するとシカやサイ、キリン、鬼(^^;)……。

なぜ、トゲ、もしくは角を持つ生物が、これほど発達したのだろうか。 一つ一つを取り上げて、これは繁殖のためだ、天敵からの防御だと理由付けはできるが、細胞組織的な発生起源が違うということは、もっと進化論的な説明ができないか。

 

同じようなものがいっぱいある。

先日、ノーベル化学賞を受賞した下村脩博士が亡くなられられた。博士は、オワンクラゲの発光の秘密を研究していた。そして緑色蛍光タンパク質GFPを発見したのだった。この物質は、紫外線を当てると発光するため、細胞内のタンパク質の動向を観察するのに不可欠な物質として数々の研究に用いられ、それが受賞理由になっている。

私も、発光生物に興味がある。ただ、残念ながらオワンクラゲのような一つの生物の発光する化学的な理由……とかではなく、なぜ発光生物がいるのか、が気にかかる。
発光生物も千差万別だ。ホタルはもちろんだが、ホタルイカにウミボタル、クモ、ミミズ、ヒトデ、チョウチンアンコウ……ホタルの発光物質はルシフェリンだ。この物質で光る生物は微生物や深海生物に多いはず。
 
発光するのは動物だけではなく、ハッコウキノコ類など菌類にもある。植物ではヒカリゴケは有名だが,これは反射。ほか発光バクテリアを備えて光るものもある。細菌類では、コレラ菌も光るそうだ。昔、コレラに侵されたエビが光るものを取材したことがある。
 
これらはどんな方法で光るのか……ではなく、なぜ光るのか。私は、その目的の方に惹かれる。ホタルなど昆虫の場合は、交尾相手を呼び寄せるためと言われるが、必ずしもそうではなかったりする。餌を集めるため、仲間への合図、いろいろ理由を付けているが、発光という現象は同じでも目的も方法もバラバラ。どんな進化の過程に「発光」が生まれたのか。
 
ほかにも、果実も気になる。
 
果実を付ける植物は数多く、その目的は受粉だったり種子の散布としているが、肝心の果実の元は、花の子房なのかガクなのか、いやいや葉や花の柄が膨らんだのか……。発生学的にはバラバラだが、形と役割は似ていたりする。
 
おそらくトゲも発光も果実も、進化の過程で相似形として登場したのだろうが……すべてに通じる「目的」がわからない。
むしろ尖りたかったから。光りたかったから。膨らみたかったから。と自由意志で変化したのではないか。となると、まるで今西錦司の進化論のように「生物は変わりたかったから進化した」になってしまうのだが。。。
 
ともあれ、トゲの研究を究めたら、ノーベル賞ではなくイグ・ノーベル賞は狙えるんではないか、と思う(^o^)。
 
 

2018/11/01

本の日に本を処分。。。

今日は「本の日」だそうである。なんでも、本棚に本が並ぶ様子を「I I I」と見立てて、11月1日にしたのだとか。 

 
知らなかった。そんな日になんだが、本を処分した(⌒ー⌒)。
 
前々からあふれる本の始末に困り、本の冊数を半減させる目標を立てたのである。
そして、選び出した本が段ボール6箱。これをネット古書店に送ったのであった。
 
身の回りを軽くしたい願望が強まってきた。いわば終活……にはまだ早すぎると思っているが、とりあえず本の量を減らそうと決意した。そして本の質にこだわる。林業のあるべき姿と一緒だ(^_^) 。
 
基準としては、とりあえず資料として集めている本は手を付けない。たとえば森林関係なら、いくらつまらないものでも残しておく。ただし、もう使わないであろう分野は大胆に放逐することにした。その一つに地域おこし系の本をどっと処分する。
 
あと小説本、とくに文庫は一挙放出。小説って、いくら読んだときは感動しても、その後読み返すことは少ない。私は同じ作家の本をまとめて読む癖があるが、すでに読んだ本を買ってきて、読み返しても気づかないことがある。最後まで読み、なんか同じようなストーリーだな、と思って本棚を見ると、同じ本があったりして。。。
 
そこで、鮮明に中身を思い出すほどの小説ではなかったら、処分することにした。
例外もあって、たとえば深田祐介の「炎熱商人」は残しておく。この小説、戦後日本の南洋材輸入のドラマを描いていて、資料としても価値があるから。何より感動したし。
 
ほかにも幾つかの基準で選んだ本は、ざっと200冊くらいか。そして処分方法として、ネット古書店を選んだ。送料なしで宅配便で遅れるのがよい。
さて、どんな値がつくか。たいして付かなくても仕方ない。とくに小説、それも文庫本は値がつかないと聞く。
だいたい古書業界でもっとも高く売れるのは専門書と新しい本だという。専門書はともかく、発売1カ月以内の本は高く買い取ります……て、それ新刊書を圧迫してるじゃねえか。いくら高くても出さない(ーー;)。
 
 
さて、まだ本の断捨離は始まったばかり。目標までにはあと20倍ぐらい処分しないといけないなあ。そして処分した以上に買い込んではいけないのだが。。。

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森と林業と田舎