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2018/11/28

増えたり減ったり。外来種の不思議

朝日新聞夕刊(関西版)によると、琵琶湖でブルーギルやブラックバスが減っているそうだ。
 
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琵琶湖の外来魚と言えば、ブラックバスとブルーギルが大繁殖して、在来のフナやモロコなどを捕食するため、琵琶湖の生態系が狂わせている……というのがこれまでの報道だった。そこで滋賀県が外来魚駆除を本格化させて刺し網などで捕獲している。
ところが、いきなり昨年の半分しか獲れなくなったのだ。
 
推定生息量は2016年度で1131トンだが、昨年度は176トン駆除した。ところが今年度は4~7月で駆除量34トン。急減である。昨年同期(76トン)の半分以下であるという。減少分の大半がブルーギルらしい。
これが捕獲の成果ならよいのだが、いきなりの減少は不可解だ。
 
外来種は、なぜかこんな現象が突然起きることがある。
 
 
私が学生時代に訪れた小笠原諸島では、巨大カタツムリ・アフリカマイマイがどこにでもいた。その食害たるやすさまじく、畑どころか森全体が食われている感じだった。これらの駆除をどうするのか悩みの種だったのだ。
アフリカマイマイの駆除には食べるのがいいのではないか、と私たちは料理に挑戦した。名前を「オカサザエ」にして、まず鍋で煮る。すると湯が緑色に染まって気持ち悪いのなんの。それでも茹だったら殻から出して細切れにして炒めてみた。……なかなかイケました。食べると、ホントにサザエみたいにコリコリしている。ハラワタはさすがに捨てたけど。
 
ところがアフリカマイマイには、触るだけでうつるセンチュウがいて、それが非常に危険とされているらしい。死に至ることもあるという。知らなかったからできたことだ。まあ、無事に済んでよかった(^o^)。
 
ところが、ある時を境に急速に減った。私も卒業後約10年後にまた小笠原諸島を訪れているのだが、今ではあまり見かけなくなったという。絶滅ではないが、たいして気になる存在ではなくなったらしい。何が原因かわからないが。
 
何か生態系のバランスを崩す存在だったのだろう。そしてバランスが崩れすぎたら、その反動が起きるのか。すべての外来種が、そのような現象を起こすわけではないにしろ、自然の妙である。
 
 

ところで外来種つながりで、先日驚いたこと。

それは……ダンゴムシが外来種だったこと(゚д゚)。。。
身近にいるダンゴムシ、正確にはオカダンゴムシは、どうやらヨーロッパ辺りから入ってきた外来種らしいのだ。意外や日本に根付いて増えたのは明治以降なのか。
日本の在来種ダンゴムシには、ハマダンゴムシ(海辺にいる)や、森林にいるコシビロダンゴムシだそうだ。こちらの方を見かけることは滅多にない。ダンゴムシの世界では、外来種が在来種を駆逐したようだ。
 
不思議なもんである。
 

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