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森と林業と田舎の本

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2018年12月

2018/12/28

「フォレスターズ・シンドローム」を考える

以前も少し紹介したが、「フォレスターズ・シンドローム」という言葉がある。

 
ここでいうフォレスターとは、森林行政官のことだが、そのシンドローム(症候群)とは「樹木を愛し、人々を嫌う」性向だそうだ。主に熱帯諸国の森林関係の役人に向けた言葉で、批判的な意味合いが強い。
フォレスターは、たいてい森林を専門に学んだエリートで、また法律なども詳しく遵守傾向が強いから、「森を守る」(正確には、守らせる)意識を持つ。そのため科学的知見や技術、制度を地域に導入して、森林を守ろうとする。
 
一方で、そのフォレスターが向かい合う森林地域の住民は、科学知が弱く、目先の利益(というか住民の都合)を優先しようとするから、森林を持続的に利用せずに森林を劣化させてしまう……。
 
だから樹木(森林)を愛しているゆえに、地域住民の存在はその森林管理を制約してしまうやっかいな存在と感じて嫌いなのである。
 
ま、こんな理解でいいかな? 『人と森の環境学』(執筆は井上真氏の担当部分)より。
 
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フォレスターは知識を持っているだけでなく、権力も持っているわけで、住民を森林から切り離した方が森林のためになるとする。しかし、実際には住民の方が経験知を持っている場合も多い。それはえてしてフォレスターに対して恨みと不信感を持ってしまうだろう。 しかも経験知は科学知を上回ることもあるわけである。フォレスターのいう通りにしたって上手くいかないと住民は感じるケースもあるだろう。
 
このような点が途上国の森林管理の問題点と指摘されるわけだが……。
 
 
これは日本に当てはまるだろうか? 
 
私は反対のような気がしてならない。日本の森林行政官は、人におもねり、実は森林・樹木の方が嫌いなのかも、と思ってしまう。もっとはっきり言えば、人とは地域住民ではない。おそらく行政組織の同僚や上司、さらに言えば政府の官僚ではないか。
 
当の本人も、どれだけ身近に森を見ているか。机上だけだったら遠くの森が劣化しても痛みを感じないだろう。それより身近な上司の顔の方がよく見える?
さらに言えば行政官だけでなく、民間のフォレスターも、地域の経済、企業の経営優先で動いていないか……。
 
日本のフォレスターを自認している人は、もっと(本来の)フォレスターズ・シンドロームになるべきじゃないかと感じてしまう。少なくても森林を扱うことを自分の仕事として選んだのなら、まずは森を、木を愛することを優先して世界を見る目を持つべきだろう。もちろん住民と対立したり彼らの経験知を軽んじてはいけないが、樹木を愛することが長い目で見て人のためになる。そうした視座を持てないか。
 
そんな気持ちになることが多かった1年であった。
 
 
さて、今年のブログは今日でオシマイにする。
毎日、書きたいことは汲めども尽きないのであるが、年末年始ぐらいは休ませることにしている。さもないと自らブラックな領域に落ち込んでいきそうだから。(……と言いつつ、多分、別のSNSとかHPとか、メールやら原稿やら書き続けるのだろうなあ。。。)
 
※今、昨年末は何を書いたのかと思ってチェックしたが、なんとまあ、今年と似たことを記しているよ。全然進歩していない……。

2018/12/27

「こも巻き」の真実

こも巻き。こも巻きとは、マツなどの幹に「こも」と呼ぶ荒く編んだワラのむしろを巻いているのを見かける。

 
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写真は、岡山県津山市の衆楽園にて。昔の大名庭園だけにマツの大木が多いが、いずれにもこも巻きが施されていた。
 
こも巻きは、害虫対策とされる。冬の間に、害虫の幼虫が温かい藁の中に入って休眠する、それを春になったら剥がして炊きあげることで退治する……というものだ。
 
昔の知恵だなあ、でも、そんなに上手く行くのかなあ、と思っていた。
 
ところが、最近の研究では害虫退治の効果は否定されているそうだ。春になって剥がしたこもを調査したところ、害虫はほとんどいなかったとか。この場合の害虫とは、マツカレハを指すようだ。そして、益虫、つまり害虫を食べてくれるクモやヤニサシガメ(サシガメ科の昆虫)だったとか。それを一網打尽に焼き殺したら、むしろマツカレハの大発生を呼び込みそうである……。マツカレハは、こも(ワラ)自体ではなく、こもに覆われた樹皮の溝に多く入り込んでいたとか。
 
こもに入って越冬した虫が、害虫か益虫か、昔の人はあんまり確認しなかったのだろう。
昔の知恵」というのは、案外いい加減なのである(笑)。
 
伝統とか職人の慣習など昔の人のやってきたことをやたら持ち上げる人がいるが、そんなに信用してはいけない。役に立たないどころかまったく反対の効果であることも少なくない。
 
 
もっとも調査は姫路で行われたらしいので、さらに地域を変えて研究したら別の結果が出るかもしれない。
それに、今やこも巻きは、冬の風物詩、風景として実施する面もある。とくに日本庭園では。そう思って上記の写真を見ると、なんか庭の絵にするために巻いたぽい。本当に害虫のことを意識して巻いたのではないように思えてきた。
 

2018/12/26

イオンの森の3年後

2年半前に、近隣にできたイオンタウンの植林地について記した。

 
当時は植えて1年目
 
全然、お目当ての照葉樹が育っていなかったのだが、そこは今どんな状態か?
 
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おや、なかなか育っているではないか。その後、しっかり世話をしたのかな。それとも照葉樹の自力か。
もっとも、よく見ると落葉樹も結構育っている。結局、植えた照葉樹と自然に種子が飛んできたらしい落葉樹が混ざって針広混交林になりつつある。
 
3年間でこの背の高さというのも悪くはないだろう。ただボサボサした生え方で、今後種間競争が起きて敗退する樹も出ると想像するけどね。
それはそれで、自然に近い森ぽくなってよいのかもしれない。
 
ただ幅が街路樹並だなあ。光が透けている。もう少し幅があったら林内に別の環境も生まれて森らしくなったのに……と思うのは贅沢か。
 

2018/12/25

Yahoo!ニュース「カフェが田舎を救う?」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「カフェが田舎を救う?その集客力は地域づくりの力となる 」を執筆しました。

 
これは、先月の智頭町訪問時から考えていたネタだが、そのときは400年生の慶長杉の記事を書いてしまったし、しばらく間を空けようと放置していた。
それが年末も押し迫って、しかもさる事情から早く記事にしてしまおう、と決心してクリスマスの日に書き上げたのでした(^o^)。さる事情とは? そりゃ、さる事情だって!
 
かつて多数行った田舎暮らしの取材を通して田舎におけるカフェ人気に気づいていた。カフェと言っても、必ずしも喫茶店とは限らずレストランやバー、ときには何がしかの商品製造元でありながらイートインを設けているケースも多い。ともかく人の気配が少ない田舎なのに、そこには人だかりができているのだ。
 
そして、それらを経営するのは移住者が多くて、彼らはカフェを通して地元とも上手くつきあっているように見えた。人が集えば、なにかしら生み出す場になるのだろう。
 
もちろん、カフェを開けば成功するわけではなくて、人気を呼べるカフェをつくれる才能がある人が、であるけどね。一部の移住者の多い田舎では、カフェが乱立しすぎているきらいもある。それぞれがそれぞれの人脈で客を外から引っ張ってくるのならよいのだが、観光客などの奪い合いになった困ったもんである(^^;)。
 
ちなみに生駒山にも、カフェが乱立気味。うまく棲み分けたらいいけどねえ。

2018/12/24

学生からの質問

先日、静岡大学で特別講義を行ったことはすでに触れたが、その際に学生が提出したコメントペーパーが届いた。

どんな感想や疑問、意見を持ったのか書いてもらっているのでなかなか面白い。
 
私がどんな講義を行ったのかは、省略(笑)。ただ私は研究者でも教育者でもないので、あくまでジャーナリストとして情報の扱い方について(とくに森林・林業に関わる情報)について取り上げた。ほとんどの人(学生&社会人)は、一般に思われている森林に関する常識をひっくり返されてびっくりしたようだ。
 
だから、ペーパーには「田中さんの発言を聞くうちにあなたは森林を育むことを否定しているのか、と思っていたが」というフレーズもあった(^^;)。
 
そう思っていただいて光栄です\(^o^)/。それは私が森林至上主義者でも、林業の守護神?でもないことの証明だ。ま、その後に、ちゃんと私の言いたかったことを理解していることが付け加えられていたので安心。
 
 
質問もいくつかあったが、全部はとても応えられない。このブログで回答しても、その学生が読んでいる確率も低いだろうが、一つだけ。
 
森林ジャーナリストという肩書き故に自分の意見を見失うことはありませんか。
 
肩書で意見を失う……変えるということはない。そもそも、私は森林や林業を野放図に持ち上げない。上記にもあるように、森林の不都合な真実もバンバン紹介している。もちろん、わざと欠点をあげつらうこともない。
ただ、無理して森林の話につなげようとしてしまうことはあるかな。その典型がこのブログかもしれない。主題は別の話なんだけど、どうしても森林や林業関係の話題につなげようとしてしまうことはあるなあ。それは確信犯的にやっていることだけど。なぜなら、このブログは森と木と村について取り上げると標榜しているし、読者もそれを期待しているだろうから。
 
 
講義の最後に示したフレーズはこれ。 愛だよ、愛。愛がなければいけませぬ。
 
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2018/12/23

竹のコンサートホール

散歩中に、ふと妙な建築途中の建築物を目にした。

 
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屋根がドーム型の曲線を描いていることもだが、どうも素材がヘン……木材ではなさそう。
 
近づくと、竹で建築していることがわかった。 
 
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おやおや手づくりかな……と思って近づくと、なんと建築している人々がいるではないか。それも女性陣を加えて家族ぽい。
 
そこで声をかけて細部を見せていただいた。床は木で張られて柱や梁も木材だが、それらを竹で包み込み、また間柱に相当する部分や壁、屋根部分などを竹で作っているそうだ。
なんのための小屋かと聞けば、「コンサート開くので」。
 
マリンバやバンジョーなどでコンサート開くなど遊ぶのに使っている(まだ完成していないけど)らしい。つまり、コンサートホールを作っているのであった。
さらにレンガを積んだピザ窯あり、薪のコンロあり、と楽しんでいる模様。農作業用とかではなく、野遊び用というわけか。考えてみれば今日は日曜日だから、休みを利用して建築しているのだろう。家族を含めて仲間でいろいろつくって遊んでいるとのことであった。
 
よろしいですなあ。こういうものは、作っている間が一番楽しい(笑)。
私も森の中のデッキや小屋などをつくったことがあるが、作るまでが楽しくて、完成するとあまりいかなくなるという(^^;)\(-_-メ;)。
 
また来年見に行こう。いつ完成するかわからないけど。

2018/12/22

枯れ木を食ったのは誰だ?

タナカ山林の話なのだが、皆伐した際に倒した太いコナラがある。 

 
それは時とともに朽ちていたのだが、先日見たら、ちょっとヘンな様子。
 
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どうも、自然に朽ちたのではなく、誰かがつつき回した印象。といっても人間ではないと思える。何か道具を使ったようには見えないから。伐ってから4年ぐらい経って初めての現象である。
 
となると……生駒山でそんな動物と言ったら、イノシシぐらいしかいないはずだ。普及した木を荒らす理由はなんだろうか。木そのものを食べるとは思えないので、腐った木質部に美味しい芋虫でも住んでいるのか? 
 
 
もう一つ、面白い造形。
 
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2種類の細い樹木の幹が重なっているところに別の蔓植物が巻きついたらしい。なんか強烈に締め上げて2本を束ねているうえ、蔓自体も幹に食い込んでいる。
 
伐り落としてやろうかと思ったが、なんだかカワイソウになって? そのままにした。でも、そのうち枯れるよなあ。
 

2018/12/21

セルロースナノファイバーの憂鬱

セルロースナノファイバー(CNF)。

 
木の繊維を極限まで分離していけば現れるナノ単位のファイバー。鉄の5倍の強度を誇り、透明にも薄いフィルムにもできるという。自動車のボディをつくる計画があったり、食べ物に混ぜてもよい。一時は未来の木質資源として持て囃されたのだが……。
 
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私は、これが実用化が進んでも林業には何の影響も与えない、と繰り返し触れてきた。なぜならセルロースは植物質なら何でも採れるわけで、わざわざ林業と関わって山から木を伐採して来ることはないからだ。よくて端材や製紙チップ、いやいや農業廃棄物でも十分。
 
それでも、少しは勉強しているのだよ。それなりに。新情報をキャッチするのが仕事だから。
 
そして……だんだん憂鬱になってきた(^^;)。
 
だって、わざわざ木を小さく分離していくのだぜ。これまではチップからせいぜいパルプまでだったが、さらに小さく小さく。もはや木じゃないところまで分離して、それからどうするのかと言えば、また合わせてくっつけ大きな単位にしていく (゚o゚;) 。
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考えてみれば、ナノ単位で「鉄より強い」と言っても使い道がないわけで、通常のものの大きさまでナノファイバーを束ねていかねば使えない。
そして束ねるために使われるのが、合成樹脂。つまりプラスチックだ。
 
最近のニュースで、廃プラスチック由来の再生プラスチックペレットと、セルロースナノファイバーを複合化して、強度などを上げた再生材を製造することに成功したというものがあったが、使われたのが使用済みパレットから作られたポリプロピレンと、おむつから作られたポリエチレン。これまで中国に送って処理してもらっていた廃プラスチックを利用する計画なのであった。
 
なんだ、プラスチック~石油由来のものと植物由来のものをくっつけた新素材か、セルロースナノファイバーって。全部植物由来なら、また自然界で分解できるが、これではリサイクルできない。近い将来、廃セルロースナノファイバー問題が発生するのではないか。
 
そのうえ親水性のあるセルロースと疎水性の高い合成樹脂を混ぜて合体するというのは、口で言うほど簡単ではない。きっと、どこかに無理が出る。たとえば曲げ強度が鉄より硬いと自慢しても、衝撃で簡単に割れるかもしれない。
 
大きな植物体(樹木)を小さく小さく刻んで、それからまた大きく大きく束ねて行くというのもエネルギーの無駄遣いぽいし、なあ。
 
結局、用途は限られてしまうのではないか。特種な用途だけでは量が出ないし価格も高くなる。それでいて、期待ほど環境にも優しくないとなったら。。。
 
セルロースナノファイバーにあまり未来を感じなくなくなった。

2018/12/20

Wedge1月号にケボニー化木材の記事

本日は、奈良県森林技術センターで開かれた「研究成果発表会」に。

 
ここでケボニー化木材に関する講演があるとのことで、聞きに行ったのでした。実は、ケボニー化スギの性能テストの一部をこのセンターでやってもらっているのだ。
 
そして、家を出る直前に届いたのが、Wedge1月号。
 
Wedge
 
実は、この号に私がケボニー化木材の記事を書いている。グッドタイミングであった。
内容は、これまでのオサライでもあるのだが、いよいよケボニー化技術を使って日本の林業を動かすという夢に向かって動き出していることに触れた。トップの写真は、ノルウェーの木造ビル群だ。
 
Img001
 
Wedgeは、大きな書店ならあるが、通常は新幹線の中(とくに東海道新幹線)かキオスクで販売している雑誌なので、もし年末年始に新幹線に乗るという人は、ぜひ手にとってほしい。ちなみにグリーン車の座席には備えつけられているので、そっと空席から抜いてもよし(笑)。
 
 
ちなみに、この記事に、痛恨の誤字があることがわかった(´_`)。ああ、これからごめんなさいの手紙書こうかな。。。

2018/12/19

シンボルツリーよ!

我がタナカ山林の半分を皆伐したのは、2014年の1月から3月にかけて。

 
ブッシュ状態だった山林だが、その中低木を伐採する際に、真ん中に幾本かの大木を残した。のっぺりした草原にしてしまうのではなく、シンボルツリー的な大木があれば見栄えもいいから、というつもりだった。もちろん、そこから種子(ドングリ)が落ちたら更新にも役立つかもしれないし。
 
樹種は、コナラとアベマキだと思う。
 
そのうちのアベマキにカシノナガキクイムシのものと思われるフラス(木屑)が出だしたのは翌年か。しかし葉はまだ生い茂っていたし、頑張って生き長らえたかな、とホッとした。
 
1512_4  15年12月。
 
1612_6  16年12月。
 
181_4  18年1月。
 
あれれ、急速に枯れてきた……。そして。
 
182  18年12月。
 
今年の台風で枝がみんな折れて落ちてしまったよ……。
ま、枯れているのだから仕方ないけどね。ただ、落ちた枝もかなり太いのが周りをなぎ倒している。とくにせっせと植えたアジサイを。
 
それを除く作業に従事する。ただチェンソーを使わなくなったので、手鋸で頑張る。太さ10センチ級の枝を短く切断して、移動させないといけない。枯れ木だから伐りやすくはあるのだが、やはり疲れますわ。
 
でも、冬の間に笹などを切り取り、伸びてきた若木のうち残す木と除く木の選別をしようと思う。……とそう考えている時に思いついた。なんで林業の下刈りは、熱い盛りの6月~8月にするんだろうね。冬の間にしたら楽なのに(笑)。
 
 
 

2018/12/18

Yahoo!ニュース「水道に漁業に国有林……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「水道に漁業に国有林……経営の民間払い下げが広がる裏事情と危うさ 」を執筆しました。

 
タイトルに「裏事情」を入れてしまったので、こちらは裏事情の裏事情になってしまった (゚o゚;) 。よって表事情か? 
 
昨夜、眠れぬまま布団の中で、いよいよ来年の国会は国有林野経営管理法改正案だねえ と考えていたら、このアイデアが浮かんだのでした。もともと「未来投資会議」およびその未来投資戦略2018のレポートを読んでいたので、そのうさん臭さが脳裏に残っていたのだろうね。それを脳の表に出した(笑)。
 
どんな改正案かまだわからないが、これには林野庁が国有林野事業における木材の販売に関わる提案を募集(マーケティングサウンディングというそうだ。)している。それに対して関係業者が出している提案も目を通すと面白い。
 
 
皆さんもどうぞ(^^;)。
 
ただ、本音のところで林野官僚は相当嫌がっていると思うよ(⌒ー⌒)。

2018/12/17

高取城址を歩く

先日、高取を訪ねた帰りに、高取城址に登ってきた。

 
高取城は、日本3大山城の一つとか天空の城、日本最強の城など、いろいろな言われ方をする。今や゛高取町の町中には、どこにも「日本最強の城」の幟が並んでいるよ。
 
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なにしろ標高540メートル以上の急峻な山の上に家臣の屋敷まで含めて建設された広大な縄張りの城なのだ。城下町から随分離れているのも特徴。近年の山城ブームで見直され、荒れていた城跡と石垣を整備して、人気スポットになりつつある。
 
この城が築かれたのは、南北朝時代の1300年代前半とされるが、近代城郭になったのは安土桃山時代の1600年前後とされる。なぜ、戦国時代も終わろうとした時代に、こんな巨大な山城を築いたのか不思議。
巨大石垣と急崖の上に立つ天空の都市城郭であることは、インカのマチュピチュと比肩される。ちなみにがマチュピチュが建設されたのは1500年前後とされるから約100年遅いものの、東洋のマチュピチュと呼んでもいいかなv(^0^)。
 
さて、登るために狭い山道を走るが、折しも雨模様でガスがかってきた。これまた雰囲気あるではないか。  
ようやく車を降りてからも、登るのに結構険しい(道が荒れているからでもあるのだが)。
 
 
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ようやく二の丸に着く。山城とは思えないほど広く、また石垣が高い。
 
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こちらが本丸。晴れていたら、奈良盆地南部が見渡せる。
 
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本丸の石垣と巨大な杉。根回り5メートル以上じゃないか。直径で1,5~2メートル級だ。
 
おお、天守閣もあった。。(笑)。
 
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チェンソーアート作品。切株にそのま彫るスタンプカービングというんだったかな。
誰が彫ったのかはだいたいわかっているけどねv(^0^)。
 
この後、急速に晴れて青空が覗きだした。それを待てば、また別の城址風景が見られたかもしれないが、高取城には霧の中にあった方が似合うと思うよ。
 
 
ちなみに、この険しさのゆえ江戸時代の城主・植村氏も太平の世に城を捨てて里に下りてしまった(^^;)。だから廃城に近かったが、幕末に一度活躍している。維新の先駆けと言われる天誅組が、この城を攻めたのだ。城兵は200人しかいなかったが、あっさり天誅組を撃退というか打ち破り撤退に追い込んだことで名を挙げている。
 
やりようによっては、まだまだ歴史ファンのみならず多くの人を集めるネタを作れそうだが、観光バスを入れて土産物店を開くわけにも行くまい。風情を守りつつ活かしてほしい。

2018/12/16

二条通りの木の格子

京都二条通りを歩くと、古い町家が点在している。点在、というところが今風なのだが……。

 
そこで私の目に止まったのが、木製の格子だ。多くの家の通りに面した窓や戸に格子が入っている。つまり細い木材を檻のように並べて作られた仕切りの意匠である。
 
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なかでも気になったのが、これ。 
 
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なぜか、って? アップするとわかる。
 
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どうだ。この格子の材料は丸太なのである。ほかのはみんな角材だったが、これはと直径1~2センチの丸いまま。皮を剥いて磨いたものだ。
これこそ、銭丸太か。以前は、奈良の今井町で見かけたが、京都にもあったか。
 
吉野なら、植林後5~7年生で採取される間伐材だ。もちろん切り捨てずに商品化してわりと高い価格で売れたはず。今は、この太さで出荷される木は少ないだろうけど、江戸時代から明治・大正当たりはよい商品だった。もう少し太くなると、垂木などの海布丸太として化粧材になる。
 
私は、この銭丸太を今また流行りの素材にできないかと思っている。丸太のままだから加工は手間がかからないし、廃棄物も樹皮しか出ない。製材しないゆえ強度も保てる。だから丸さを活かしたデザインを考えてくれないかと。ある程度、大量生産も可能であることも条件。
 
これを売れるようにしたら、初期の間伐材を切り捨てにせずに収入源に変えられると睨んでいるのだけどな。
 
 

2018/12/15

京の町家という田舎移住

京都に移り住みました、という連絡をもらった人の家を訪ねた。場所は二条通りの町家。

 
再会するのは10数年ぶりか。
彼は、東京の大手出版社に勤務していて、私の本を手がけてくれたこともあるのだが、その後いくつか会社を渡った上に自らの出版社を立ち上げた(正確には買い取ったらしい)。
東京で社員を何人も抱えて経営していたのだが、60歳を迎えるに当たって考えるところがあって会社を縮小したうえで地方移住を決意した。その際に縁があった京都を選んだのだそうだ。市長さんの紹介とか。
 
場所は二条城の近隣だから、“京都カースト”的にはかなりの上位である。よそ者でも、こうした位置は有利かもしれない。
 
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で、私と今後のビジネス戦略を話し込んだ……ということはほとんどなく、話題はお互いの老親と自らの老後の生活のことばかり(^o^)。さらに古い町家の改修苦心談。田舎社会(ちなみに京都の中心街である町家なんて、完全な田舎社会である。)に住む大変さ。仕事のことと言えば、いかに出版界のパイが縮んで本が売れなくなったかという嘆き(^^;)。
 
ただ、ある程度の歳になると、残りの人生を考えるのは同じだ。ガツガツ生きるのもよいが、身軽になって心機一転するのもいいなあ。私も、次の本を出版したら、生活を変えたい思いはある。たとえば林業界とはおさらばしようか、と……。
 
彼の計画は、町家でブックカフェ&コミュニティ・スペースを開くこと。
 
こんなクラウドファンディング を立ち上げている。
 
こんな記事にもなったそう。
 
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これも楽しいかもしれない。私が感じたのは、むしろ都心の田舎移住のこと。
これまで田舎暮らしに憧れる人は、それこそ限界集落ぽい農山村の田舎をめざすケースがよく紹介されていたが、日本全体の人口が激減していく中で、正直そんな移住は現実的ではない。むしろ地方都市こそ狙い目ではないか、ということだ。
 
地方の中核都市に人口を集中しろ、というと、以前の増田レポートみたいだが、意図は逆だ。あちらは地方の周辺集落の人々を中核都市に集めて地方を維持させるべきという論調だったが、反対に東京などの大都市圏の人間を、仕事ごと地方都市に移り住まわせるのだ。地方都市を元気にすることで、周辺の田舎を支える体力を身につけさせる発想である。京都だってインパウンドが増えたのはともかく、住民の暮らしの内実はヤバイからね。
 
私も老後の設計をしっかりしないとなあ。。。

2018/12/14

静大の広葉樹林化研究

静大演習林の研究第2弾。

 
スギやヒノキの人工林を広葉樹林化、あるいは混交林化実験もやっていた。
 
まずどんなギャップを作れば広葉樹が入ってくるか。一辺5メートル、10メートル、20メートル、30メートルの4種類のギャップをつくって実験している。
 
その条件はいろいろあるのだが、一足飛びに結果を言えば30メードルがもっとも広葉樹が繁ったようだ。
 
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やっぱり広い方が光がよく林床に入るから……とそんなに単純化してはいけないのだが、現実的にも、これぐらい広い方がいいな、という印象である。ただ広葉樹の種子は、鳥が運んでいるらしい。そこでは外来種のソウシチョウが大活躍したという。
 
 
ちなみに演習林に隣接して、管理を任されている森に、「江戸時代のスギ造林不成績地」というのがあった。約150年前にスギを造林されたのは間違いないのだが、土質が向いていずにあまり成長がよくないため、広葉樹が入ってきた……というもの。
 
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つまり混交林化したわけだ。混交林づくりとしては成功?
なかには150年生のスギが混じっている。人為的に何かしたのではなく、混交林化するのも見本になるのではないか。
 
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森林の生態については、決めつけご用心。長大な時間とともに自然も結果をとりもどし、いまこの時代で行われている事件を笑ってスルーしそうだ。

2018/12/13

森林経営管理法の「優しさ」

森林経営管理法の怪しさについては、随分書いてきた。

その後、水道法改正や漁協法改正など、よく似た法律(改正)が相次ぐ。ま、批判する声は森林経営管理法よりはるかに強いのだが……。
 
ただ、私はそれらを比べているうちに「森林経営管理法は優しいなあ~」と思い出した (゚o゚;) 。
 
まずこうした新法および法律の改正を行う理由だが、いずれも将来の壁にぶち当たっていることに気づく。
森林は所有者や境界線の不明と、森林管理の主体が崩れてしまっていることだ。
水道も同じで、今後老朽化の補修は待ったなしなのに人口減。それなのに市町村の独立採算制だから破綻寸前。
漁業も、資源枯渇が酷くて漁師自体も食えなくなって崩壊一歩手前。
 
だから改革が必要なのは間違いない。ただ、いずれも金が要る。金なしに改革できない。そこでどんな改革をめざしたか。
 
水道事業に関しては、事業者に施設の維持・修繕や台帳整備を義務付けさせた。そのうえで、水道事業は民間企業に運営権を委託できるコンセッション方式を導入(これを民営化と呼んでいるが正確には違う)することと、行政の垣根を超えた広域連携をできることにした。
 
漁業は、資源の持続的管理の条項を加えた。そのうえで都道府県の管理責務を規定して、漁業者が適切に資源管理を遂行しているか都道府県は監督する責務を設けている。
 
つまり、どちらも管理主体をはっきりさせて義務を強めたことになる。そして必要な資金は、民間の知恵を使えとか、漁業者に我慢させて努力しろとか、まあ投げやり(-_-;)。
 
その点、林業は所有者不明や境界線問題は強権発動できる権限を市町村に持たせている。さらに資金面もしっかり確保した。そう、森林環境税である。林業のために新税・新法を設けているのだ。これをもって「優しい」と感じたのだ(笑)。納税者には全然優しくないけどね。。。
 
 
しかし全体を通して、本当の問題の核心をよくすることにはなっていない。
水道事業の破綻しそうな弱小自治体に民間は入らないし、水産資源を持続的に管理しろといいながら漁獲制限はアマアマだ。現在の漁獲量より狭める気がないのだから。むしろ「最大持続生産量」という考え方を導入している。これは規制になるのか、増産を促しているのか。
 
そして森林も、本当に管理が必要な放置林には委託するべき民間林業事業体が現れるはずがない。絶対に赤字だからだ。しかしそこには森林環境税の金を注ぎ込める。
 
おお、これで森林は安泰だ! と喜ぶべきだろうか。
 
喜びたい人はいるだろう。とくに公社公団関係者は。だって、今もっとも荒れている人工林は、たいてい公社公団が拡大造林などを仕掛けたところ。その資金は財政投融資などを使っているから、最終的には返さなくてはならない。しかし、伐期が来たところで今の材価では絶対に返せない。赤字必至。「緑のオーナー制度」どころではない規模である。
そこに、森林環境税が空から降ってくるのだ。これで赤字解消すれば、もっとも喜ぶのは公社公団関係者(ようは官僚)ではないか。もはや福音である。。。。
 
これが森林環境税と森林経営管理法の裏の理由ではないかなあ。優しかったのは、官僚に対してであったか。(以上は、私なりの考察・想像です。真偽のほどはわかりません。)

2018/12/12

小規模林家の施業術研究

静大は、100年檜にペンキを塗るバカだけではないことを記そう。

 
 
静大の阿多古演習林で行っている実験。
 
それは小規模林家向きのSSSモデル林(小規模Small scale持続型 Sustainable群状択伐 patch Selection) モデル林だ。
 
おバカな国は大規模林業ばかりを指向して研究するのも機械化だとかスマート林業だとか耳障りのよい?(ホントにいいのか)言葉ばかりを振り回しているが、日本の林家の大半が20ヘクタール以下で、とくに1ヘクタール2ヘクタールといった小規模山林の所有者が多いはず。
 
そこで小規模でも成り立つ林業の実験として、1,6ヘクタールを単位に考えてみたものだ。
まず森林を10年分に分け(つまり10等分)して、毎年その真ん中のほぼ40メートル×40メートルの部分を間伐し、その一部を群状択伐=皆伐する。そこには植栽を施す……という実験だ。それで伐採した木は搬出して販売する。この林地は約70年生のヒノキである。
これでコストと利益はどうなるか……。
 
開始して4年目というが、実質2回施業したという。
 
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皆伐(と言っても10メートル四方ぐらいだが)したところにはシカ除けのネットをはったり、ツリーシェルターを試している。
 
今のところ、利益が20数万円出て、コストは10数万円だから、ざっと10万円の利益というところか。赤字でないのなら優秀かもしれない。
 
これを自伐方式で外注しないのなら、何日かかるのかにもよるが、もう少し手元に残るかもしれない。あるいは毎年10万円程度のお小遣いが入る感覚でもいいのではないか。
 
1,6ヘクタールはさすがに狭すぎるというのなら、3倍の5ヘクタールぐらいで考えてもよいだろう。そうすると現実味が出てくるか。実際にいる副業自伐林家の姿が見えてくる。
 
演習林は最初から70年生まで成林していたこともあるし、どこまで一般に敷衍できるのかわからない。が、林家をないがしろにした素材生産業者の大規模機械化林業を研究するよりよほどマシと思わないか?
 

2018/12/11

静大農学部棟の100年檜

先日の静大講義で訪れた片山キャンパスの農学部棟。

 
恐ろしいものを見てしまった。。。
 
前夜の演習林講演の際に聞いたのだが、農学部棟を建て直すときに、演習林から100年もののヒノキを出したのだそうだ。この演習林はわりと高樹齢のヒノキが多い。撫育のレベルは高いとは言えないが、天竜地域だから天竜ヒノキということになる。
演習林の意地で100年ヒノキを出したわけだ。
 
ところが……最初は天井に使うとかで、節が抜け落ちて下の人に当たってはいけない、という???な要求があったそうだが、実際に使われたのは玄関。それがこれ。
 
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え、どこにヒノキが? 私は案内されて戸惑った。
しかし、よく見ればこの玄関の両脇は木製だった。ただし、ペンキが塗られて…… (゚o゚;) 。それもコンクリート色というか、周りのコンクリート打ち放し部分と区別がつかないようにしているのだ。 
 
これって何? 何を狙っているの?
この農学部棟の設計者および施工者は、よほど木材が嫌いだったらしい。それを使えというから、ロビーの天井用に何メートルにもわたる無節材とか無茶な要求をしたらしい。ちなみに無節を要求したのも、木材について何も知らない証拠かもしれない。
それでも材が提供されたら、結局天井に使わず、玄関に。そして腐食しないようペンキを塗ることにして、さらに目立たないようにコンクリート色にした……としか考えられない。
 
 
もったいない(泣)。100年ヒノキが泣いている。農学部の沽券に関わるぞ。情けなくて、この材の由来を示すプレートを付けるのも止めたそうである。
 
この辺りは、演習林の70年生のヒノキ林か。
 
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2018/12/10

岸田日出男シンポジウム

昨日は、奈良県大淀町で開かれた「吉野・熊野をつないだ偉人・岸田日出男の遺したもの」というシンポジウムに顔を出してきた。

 
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岸田日出男関係では、すでにYahoo!ニュースに「再発見されたニホンオオカミ頭骨……
ほかにもブログに「大正時代の筏流し…… 」など、
さらに毎日新聞にも記事を執筆している。
 
一般には吉野熊野国立公園の父として知られるが、その業績はもっとは深い。自然や地誌のほか民俗にも踏み込み、自然保護運動の先駆者でもある。さらに映画フィルムも残していることも歴史的価値が大きい。
 
満席の会場で、新発見の資料について次々と岸田日出男研究を話すのは、地元の学芸員のほか奈良女子大や奈良県立大、そして古いフィルムを再現したIMAGICA Labの技術者……さらに会場には、観客と見えていたニホンオオカミ研究者もいて急遽前に出るなど、そうそうたるメンバーが揃った。
 
折しも奈良女子大学には大和・紀伊半島学研究所が設立されたという。ここで岸田研究が行われる意味は小さくない。
 
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そうした動きを見て思ったのは、大淀町は岸田日出男に総力を挙げて取り組み、町おこしにつなげていくつもりだな、ということ。その業績研究が進めば、南方熊楠に匹敵する人物となって、全国的に注目される日が来るかもしれない。当然、その故郷たる大淀町も注目されるだろう。 
 
地元の偉人の存在は、想像以上に人々の吸引力がある。 それだけに研究と情報発信は、重要な地域づくり手段だ。
 
ああ、うらやましい。土倉庄三郎に関しても、これぐらい総力を挙げて取り組む場があれば……。さまざまな分野の専門家が取り組めば、これまでと違った発見もあるだろうに……と思ったのでした(-_-;)。

2018/12/09

Yahoo!ニュース「男のロマンは女のフマン…」を書いた裏の理由

Yahoo!ニュースに「男のロマンは、女のフマン。薪ストーブ導入を巡る夫婦の攻防戦 」を執筆しました。

 
Yahoo!ニュースには、毎年この季節になると、薪ストーブの記事を書いている。今年も、おあつらえ向きのネタを得たので書かずにはいられない(笑)。
 
面白いもので、薪ストーブ記事は比較的反応がよい。何かと言いたい人が多いようだ。ま、反対意見が多いのだが…。今回も、「うちの奥さんは反対どころか積極的だった」とか「林業女子なんていい加減だ」とか「薪ストーブで臭うなんてことはない!」とか、いろいろな声がわき出るだろうな、と想像している。 
 
私はそれでいいのだが、読者の中には薪ストーブに否定的な記事が書かれることが許せない人も多いようだ(^^;)。
もちろん、それを想定して書いている。だって、反論も含めてアクセス数が増えるのだもの\(^o^)/。
 
炎上狙い?ワハハ そんな大げさなものでないが、あえてあおるのは好き。とはいえフツーに読み流すとか、こちらが笑いを採ろうとして書いている意図を酌んで笑いで返してほしいね。本気で反論するヤツって、薪ストーブカルトの信者なんだろうか。
もう少しウィットに富んだ反論に期待する。

2018/12/08

奈良、最強!フォレスター・ギャザリング

本日、奈良でフォレスター・ギャザリングが開かれた。

 
会場は、橿原市今井町の今井まちなみ交流ンター「華甍」。知る人ゾ知る、戦国~江戸の環濠都市の街並みを残す今井町のシンボル的木造建築だ。おかげで、外を大型車が走ると、ビリビリと窓ガラスが揺れるのだが……。
 
フォレスター・ギャザリングとは、森林総合監理士を含めた、自称フォレスターの集まり。今年で4回目になるが、私も過去何回か参加&取材に訪れている。その際は、このブログにもアップしているはずだ。
 
 
今回は地元奈良で開かれるので、静岡帰りでちと忙しい中、駆けつけた。懇親会は抜き。
 
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以前は、参加したフォレスターがお互い語り合うのを目的としていた。ところが今回は,ちょっと趣向を凝らしたのか、シンポジウム形式。5人の話題提供的発表とパネルディスカッション。そしてライトニング・トークという一人5分以内の短い意見発表が11人。そのほか、森林管理局や奈良県庁からも出席していた。
 
私としては、森林監理業務に就いている人が語り合いの中で出る愚痴を聞くのが目的(^o^)というか、林業現場で起きていることに対する本音を探るつもりだった。それをネタに記事を書こう……。だが、今回は各地で行われている新しい試みというか、挑戦事例の披露の意味合いが強くなったようだ。 
 
 
そこで感じたのが、奈良の林業、最強じゃん! ということ(笑)。
 
そもそも5人の発表のうち3人が吉野の山守や山主だった。いずれも11代目です、うちは14代目、うちはまだ7代目で……なんて言葉が出るのだ。そこで生まれた500年の育成林業の伝統が育んだ技術と管理システム、そして商品開発や社会との関わり。その一方で、現在の苦境の中で行われている新たな挑戦事例。山守制度こそ、元祖フォレスターであると示す。
また今回の主催者でもある、奈良県森林総合監理士会は、日本で初のフォレスター組織化だった。進取の気性を示しているとも言えよう。
 
ほかの地方の発表と比べても、いかに奈良、とくに吉野が有利な立場にあるかと感じさせられた。いくら林業が不振と言っても、培った技術集団・山守はまだ健在だし、大山主の存在が山守を支えている。所有権などの集約化もすでにできているうえ、長期的な視野と体力を残す。何よりずば抜けた優良資源を抱えているのだ。
 
加えて発表者が、みんな漫談風で笑いを取りたがるのは、関西圏の宿命か。(笑いといえば大阪と思われがちだが、関西圏でその影響が強いのは意外と奈良なのである。) これもコミュニケーション能力の高さを示している! と言えなくもない。。。
 
実際、参加者も奈良林業人の取り組みには、結構関心を強めていた印象がある。奈良に続け、となるかどうか。 
 
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さて、その後の懇親会で参加者がどのような交流をしたのかわからないが、私としては愚痴を聞き出してネタを得るという目的は外してしまったような気がする。
ともあれ、私も次の挑戦を考えている。来年に出版する本の執筆だ。早く進めなくてはならない、という意を強くした。
 
もうタイトルは決めている。「絶望の林業」である。
 

2018/12/07

「静大育ち」

静岡大学より帰りました。

 
今日は、学生に「造林学」の講義。といっても、学士卒業である私が造林学そのものを語っても仕方ないので、ジャーナリスト視点で「森林環境情報のリテラシー学」を。
 
イマドキの学生ぽく静かで反応が心配であったが、そこそこ質問も出たし、終わってから拙著を持ってサインを頼まれたので、気をよくした(笑)。
 
その後は、帰る前に静大キャンパスをしばらく歩いて回る。懐かしのあの場所……というところはほとんどなく、どこを見ても目新しい。学舎もかなり建て替えられたし、グラウンドなども様子が変わっている(人工芝になったとか)。なんだか初めて来た未知の空間を探索する気分になれたのであった。
 
 
さて、そんな私にぴったりのお酒を。
 
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なんと、大学の酒があるのだ。その名も「静大育ち」(笑)。目の前にすると、ちょっと恥ずかしい(^^;)。でも、静大出身者のつくった酵母を使っているとか。
純米大吟醸である。端麗ながら、甘口?旨口?という味であった。結局、1本飲み干してしまった。。。。(私一人じゃないけれど。)
 

2018/12/06

ツリータワーin静岡

ツリータワー

 
静岡大学の地域フィールド科学教育研究センター、つまり演習林に来ている。

まずは、研究現場を見て回る。するとツリータワーがアチコチにあった。簡単に鉄パイプを組んだものだが、高さは30メートルあるという。なかには学生が組んだものも。
意外と簡単に建てられるのだなあ。かつて私は、ツリータワーに登ってボルネオまで行ったのに。。。

登りたかったが、安全ベルトがないとダメなのだった。。。

2018/12/05

コナラでなかった

我が家のある街の一角に、まだ台風被害の痕?が残っている。

 
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フェンスを破って道に倒れ込んできたのだが、結局、突き出た部分を切っただけで済ませている。倒木そのものの撤去も、壊れたフェンスも直していないまま。これが何本もある。
 
すると、その木から新しい枝葉が伸びてきた。根っこも浮いた状態で、なかなかの生命力。
ま、それはおいといて、この木、普通にコナラと思っていた。
 
2
 
ほれ、葉もコナラの葉だ。 
 
が、その隣にある倒木。
 
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こちらの葉はなんだ?
 
Photo
 
どう見てもブナ科のコナラではない。丸っこい葉はマメ科か?
 
よくよく見ると、ニセアカシアではないかと思う。公園とかではなく、一応山裾なんだが、ニセアカシアが生えていたか。でも、材質はいいじゃないか(笑)。
 

2018/12/04

むかごよ、むかご!

突然、娘からメール(LINE)で「むかごが食べたい!」と言ってきた。

 
な、なんじゃ。
 
我が家では、庭でむかごが採れる。それで時々、採集して食卓に供していたのだが……東京でそれを思い出したのか。しかし、ちょっと季節が外れつつあるぞ。12月に入って、山芋は蔓も枯れて葉を落とした。むかごも落ちる。
 
ちなみにむかごとは、山芋の珠芽である。蔓などに付く栄養繁殖器官。これが地面に落ちると、そこから芽と根が出て増える。イモではなく、また種子でもない。思えば不思議な存在だ。クローンであり、第3の繁殖方法か。
ヤマノイモ類に限らずできるが、一般に知られているのはヤマイモだろう。
 
そこで庭に出で、探してみた。夏に見たときは、ヤマイモの蔓と葉は、たしかにアチコチにあった。その下にイモも育っているだろう。しかし、今や枯れてしまっている。むかごは、風が吹いて蔓が揺れるだけでも落ちる。
 
が、見つけたのである。ちょっと高みに。植木に巻きついて伸びた高いところにむかごが成っているではないか。
 
1  2
 
そこで脚立を持ち出して、登って採る。高さ2~3mまで手を伸ばした。その気で探すと、結構あるものだ。もっとも、採っている最中でも、ボロボロ落ちる。一つを採ろうと触れると、その振動で周囲のむかごが落ちてしまう。地面に落ちたのを探すのはなかなかやっかい。
 
大小、形もいびつなものから真円までさまざまだが、これだけ採れた。もっともおおきなもので長径2センチ、小さなものは5ミリくらいか。 
 
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庭でできる採集生活(^o^)。田舎に住まなくてもできる(生駒は田舎じゃない)農のある生活。
娘の思いつきから、結構張り切ってしまったよ。
 
 
考えてみれば、むかご自体は、商品化もされている。一般の八百屋やスーパーでは少ないが、百貨店などには並んでいるね。それもわりとよい値段で。ちゃんと出回る一般野菜化、山菜化はできないか。食べ方は簡単だし、葉っぱものより食べでがあるから、ちゃんと宣伝すればコンスタントに売れると思うな。
 
さて問題は、これをいかに保存するかということだ。だって、娘が帰省するのは年末でしょ。
あと3週間以上あるんだよ。。。その前に食べ尽くしてしまうか(⌒ー⌒)。

2018/12/03

母校で講演

これは告知したって、一般の人には関係ないのだが……。

 
今週の6日7日と静岡大学に行きます。母校です(^o^)。
 
6日は浜松の演習林で教育、技術職員向けの講演。一部に他大学や外部の林業家の方も参加されるようだが。講演だ、講義だと言っても、少人数の座談会の話題提供のようなつもりだから、議論できるネタを用意しようと思っている。それに期待するのは、その後の懇親会だよなあ(⌒ー⌒)。
そして、演習林見学。ここで現在、どんな研究をしているのか楽しみ。 
 
そして7日は造林学の講義を大学2年生向きに行う。ただし、私が在籍した林学科はすでになく、その後改組された森林資源科学科も消えて、生物資源科学科というのだそうだ。森林分野専門の学科はなくなったということだろうか。ともあれ当世の学生気質がどんなものか知る機会となる。
 
ちなみに私は在野の人間ながら、森林科学系の学生と比較的接触している方ではないか。何かと連絡があり、わざわざ生駒まで訪ねてきたり、メール交換を繰り返した相手がいるからだ。先日は、ベトナムにインターンシップで滞在中の女子学生からメールが来た。
そうした熱心さは、学生当時の私にはなかったものだ。それが私が林業に対して持つ、わずかな希望である。 
 
 
しかし、だよ。私は留年しているのだよ。留年させられたのだよ。そんな母校で語るのは、何かと緊張するわ(ーー;)。とくに講師陣相手だからなあ。
ただ、ふと気づくと、大半は私より年下であることに気づいた。つまり後輩でもあるわけだ。それだけ自分が年を食ったというわけでもあるのだが。。。
 
実は十数年前にも一度静岡大学で講演したことはあるのだが、こちらは学生中心の公開講演会だった。当時は、留年がいかに楽しいか、ためになったかを力説したな。。。
 
久しぶりに、富士山を拝んでくるよ!
 
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2018/12/02

全銘展の栃

昨日の続き。意外な出品に目を奪われた。

 
栃だ。栃の大木が多数出展されていたのである。 
 
奈良の、吉野の木材市で栃の材がこんなに並ぶのは珍しいのではないか。
なかでも、びっくりしたのは、これ。
 
Dsc00251
 
これ、300万円だって。。。
 
太さは見ての通りだけど、長さは2メートルほどかな。
なんで、この値段? と聞くと、今、栃がブームなんだそうだ。かなり引っ張りだとのこと。しかも、栃の材は、辺材というか、回りの白い部分に価値があるそうだ。芯部の赤い部分が混じると値が落ちるとか。
 
写真を見ればわかるが、この材は異常に芯部が小さい。それだけ側が大きく、何枚も採れるわけだ。
 
「それに、これ杢があるんだよねえ」とは、近くにいた人の話。
 
え、どこ? と聞いて指さされても私にはわからない。でも樹皮を見たらわかるという。ううう。
 
「これがわからんか」と言われたが、素直に「わかりません。素人です。教えてください」とお願いする。樹皮の文様がどうのと……。ま、その場で教わってもとてもわからんのだが(´Д`)。
 
こうした栃は、だいたいテーブルの天板になるらしい。何枚採れるか……から考えると、一脚の価格が恐ろしいものになることが想像できる。それでも買う人は確実にいるらしい。
 
 
ちなみに、こんな出展もあった。
 
Dsc00254  Dsc00243
 
ここまで傷んでいても? ウロが空いていても?(確認したが、深さは1メートル弱くらいか)
 
小物には使えるのだろう。栃がそんなに人気なのか。この栃は川上村産。
 
「川上からスギやヒノキじゃなくて、栃が出されるとはねえ」という周りの声(^o^)。価格も、スギより高いし。
 
ちなみにケヤキの大木の出展もあったが、意外なほど安かった。かつて広葉樹材の王様だったのに。逆に栃は、栃の実を取るのが目的で、材として出すことはあまりなかったはず。また杢の中にカネクイと呼ばれる硬いところがあって嫌われるとも聞いた。それが大逆転。ずいぶん変わったものだ。
 

2018/12/01

全銘展に行ってきた

朝から電話があった。長野の林業家からだった。
 
「これから桜井に行くところなんよ」
「はあ。桜井というと……」
「銘木市やってるでしょ。奈良の銘協で全国の。それ見に行こうと思って」
 
それは奇特な。別に買いつけでもなければ出展でもなく、見学に行くのだという。
 
「頑張って見てきてくださいね」
私はすげなく返事する。私は、パソコンを立ち上げて週明け締め切りの原稿を書き始めたばかりなのだ。それに、近年の銘協の市は寂しくなった、と言われている。あまりよい木が出なくなったとの評判。それほど見どころがあるように思えなかったのだ。 
 
サクサクと原稿を書いて終盤に近づいたころ。昼前にまた電話があった。
 
「桜井に着いたよ。銘協に着いたところ。すごいよ。いっぱい並んでいるよ」
「それはよかったですね。全国からだから、少しはよい木が出ているかな」
「12メートル、13メートルのヒノキも出ているよ。量も多い。来ない?」
 
やっぱり誘いがきた。いやあ、原稿書いているし。風邪気味だし。そもそも生駒から桜井って近くないのだよ。車で、週末だから1時間半はかかる。
 
「立米178万円だって。材積が5,7あるから……1本で1000万円超すよ!」
「え……1000万円? ど、どこの」
「えっと、東京青海産だって」
「奈良じゃなくて東京の木?」
「福井もあるよ。こちらも長い。立米80万円付いているよ」
「……行きます」
 
というわけで、昼飯食わずに家を飛び出した。見事に釣られたのであった。
 
週末は混んでいる。渋滞しつつ桜井方面に車を転がす。会場は満員だった。こんなに人がいる木材市はあんまり知らない。
先に紹介しておくと、11月30日~12月1日で全国銘木展示大会が開かれているのだ。昨日が原木市で、今日は製材品市。
 
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たしかに出荷量が近年なく多い。何より大木が多い。直径60センチ以上が当たり前で、1メートルを超すものも少なくない。よくぞ集めた。広葉樹が多いのも特徴か。栃の大木がずらずらと並ぶ。その価格たるや……。
 
とりあえず、1本1000万円の木はこれ。
 
1  近畿中国森林管理局賞を取っていた。
 
昨日にセリが行われ、落札したものには価格が記されている。
 
3
 
青のチョークが書かれたのが価格。178万円だって。長さは13メートル、材積5,749。たしかに1022万円になるわあ。。。
 
今日は、これぐらいで。

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森と林業と田舎