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2018/12/13

森林経営管理法の「優しさ」

森林経営管理法の怪しさについては、随分書いてきた。

その後、水道法改正や漁協法改正など、よく似た法律(改正)が相次ぐ。ま、批判する声は森林経営管理法よりはるかに強いのだが……。
 
ただ、私はそれらを比べているうちに「森林経営管理法は優しいなあ~」と思い出した (゚o゚;) 。
 
まずこうした新法および法律の改正を行う理由だが、いずれも将来の壁にぶち当たっていることに気づく。
森林は所有者や境界線の不明と、森林管理の主体が崩れてしまっていることだ。
水道も同じで、今後老朽化の補修は待ったなしなのに人口減。それなのに市町村の独立採算制だから破綻寸前。
漁業も、資源枯渇が酷くて漁師自体も食えなくなって崩壊一歩手前。
 
だから改革が必要なのは間違いない。ただ、いずれも金が要る。金なしに改革できない。そこでどんな改革をめざしたか。
 
水道事業に関しては、事業者に施設の維持・修繕や台帳整備を義務付けさせた。そのうえで、水道事業は民間企業に運営権を委託できるコンセッション方式を導入(これを民営化と呼んでいるが正確には違う)することと、行政の垣根を超えた広域連携をできることにした。
 
漁業は、資源の持続的管理の条項を加えた。そのうえで都道府県の管理責務を規定して、漁業者が適切に資源管理を遂行しているか都道府県は監督する責務を設けている。
 
つまり、どちらも管理主体をはっきりさせて義務を強めたことになる。そして必要な資金は、民間の知恵を使えとか、漁業者に我慢させて努力しろとか、まあ投げやり(-_-;)。
 
その点、林業は所有者不明や境界線問題は強権発動できる権限を市町村に持たせている。さらに資金面もしっかり確保した。そう、森林環境税である。林業のために新税・新法を設けているのだ。これをもって「優しい」と感じたのだ(笑)。納税者には全然優しくないけどね。。。
 
 
しかし全体を通して、本当の問題の核心をよくすることにはなっていない。
水道事業の破綻しそうな弱小自治体に民間は入らないし、水産資源を持続的に管理しろといいながら漁獲制限はアマアマだ。現在の漁獲量より狭める気がないのだから。むしろ「最大持続生産量」という考え方を導入している。これは規制になるのか、増産を促しているのか。
 
そして森林も、本当に管理が必要な放置林には委託するべき民間林業事業体が現れるはずがない。絶対に赤字だからだ。しかしそこには森林環境税の金を注ぎ込める。
 
おお、これで森林は安泰だ! と喜ぶべきだろうか。
 
喜びたい人はいるだろう。とくに公社公団関係者は。だって、今もっとも荒れている人工林は、たいてい公社公団が拡大造林などを仕掛けたところ。その資金は財政投融資などを使っているから、最終的には返さなくてはならない。しかし、伐期が来たところで今の材価では絶対に返せない。赤字必至。「緑のオーナー制度」どころではない規模である。
そこに、森林環境税が空から降ってくるのだ。これで赤字解消すれば、もっとも喜ぶのは公社公団関係者(ようは官僚)ではないか。もはや福音である。。。。
 
これが森林環境税と森林経営管理法の裏の理由ではないかなあ。優しかったのは、官僚に対してであったか。(以上は、私なりの考察・想像です。真偽のほどはわかりません。)

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コメント

 その通りですね。 貴殿のかいているとおりですよ。

いやいや、このエントリーは、私の想像です。(とくに使い道の意図については。)

ただ水道法や漁協法に比べて、恵まれているのが森林経営管理法だと思います。

いつか税金に頼らなくてもいい日が来るといいですね

マジに税金(補助金)に頼ることを止めないかぎり、日本の林業に未来はないです。と依存症患者に言っても無理なんだろうな。。。

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