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森と林業の本

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2018/12/02

全銘展の栃

昨日の続き。意外な出品に目を奪われた。

 
栃だ。栃の大木が多数出展されていたのである。 
 
奈良の、吉野の木材市で栃の材がこんなに並ぶのは珍しいのではないか。
なかでも、びっくりしたのは、これ。
 
Dsc00251
 
これ、300万円だって。。。
 
太さは見ての通りだけど、長さは2メートルほどかな。
なんで、この値段? と聞くと、今、栃がブームなんだそうだ。かなり引っ張りだとのこと。しかも、栃の材は、辺材というか、回りの白い部分に価値があるそうだ。芯部の赤い部分が混じると値が落ちるとか。
 
写真を見ればわかるが、この材は異常に芯部が小さい。それだけ側が大きく、何枚も採れるわけだ。
 
「それに、これ杢があるんだよねえ」とは、近くにいた人の話。
 
え、どこ? と聞いて指さされても私にはわからない。でも樹皮を見たらわかるという。ううう。
 
「これがわからんか」と言われたが、素直に「わかりません。素人です。教えてください」とお願いする。樹皮の文様がどうのと……。ま、その場で教わってもとてもわからんのだが(´Д`)。
 
こうした栃は、だいたいテーブルの天板になるらしい。何枚採れるか……から考えると、一脚の価格が恐ろしいものになることが想像できる。それでも買う人は確実にいるらしい。
 
 
ちなみに、こんな出展もあった。
 
Dsc00254  Dsc00243
 
ここまで傷んでいても? ウロが空いていても?(確認したが、深さは1メートル弱くらいか)
 
小物には使えるのだろう。栃がそんなに人気なのか。この栃は川上村産。
 
「川上からスギやヒノキじゃなくて、栃が出されるとはねえ」という周りの声(^o^)。価格も、スギより高いし。
 
ちなみにケヤキの大木の出展もあったが、意外なほど安かった。かつて広葉樹材の王様だったのに。逆に栃は、栃の実を取るのが目的で、材として出すことはあまりなかったはず。また杢の中にカネクイと呼ばれる硬いところがあって嫌われるとも聞いた。それが大逆転。ずいぶん変わったものだ。
 

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コメント

私が材木屋の見習いの頃は、栃は床柱や床かまちや木目を活かした床板に使われたものです。
床柱は面をこぶに作り、4~5寸に挽いたものは値段も手ごろで
重宝したものです。

私の知っている栃は、広葉樹の中ではそんなに高い方ではなかったのですが、今やお宝になったようです。
もっとも、木取りがちゃんとできる職人がいないと活かせないでしょうね。

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