無料ブログはココログ

本の紹介

« 2018年12月 | トップページ | 2019年2月 »

2019年1月

2019/01/31

林業以外に配る林業補助金

林業はいいなあ、補助金いっぱいあるから……という声を聞いたことあるが、どうも林野庁の補助金制度は周辺産業にも拡大の動き。
 
国産木材の活用を促すため、関連産業の支援に乗り出すというのだ。具体的には、林業家などと連携しつつ国産木材で住宅を造る工務店や、家具を製造する会社、そして木材の流通業者など。低い金利で融資を受けられる形で資金支援の対象にし、設備投資や運転資金に使えるようにするのだ。債務保証も行う内容らしい。
すでに今通常国会に農林漁業信用基金の資金供給と債務保証制度を拡充することを可能にする法律改正案を提出する模様。
 
 
もともと林業の補助金は、植林からスタートしてどんどん各施業にも就くようになり、とうとう昨年から主伐にまで就くようになった。それらは一応、林業家向けだ。
 
林業家以外となると、2000年代に新流通加工システムや新生産システムのように合板製造企業や製材企業に出したことがわりと大きな動きだったように記憶する。だが、いよいよ川上~川中、そして川下まで下っていったか。
 
何やら私が『森林異変』で提案した「大林業構想」を地で行く拡大ぶり。狭義の林業から周辺産業まで含めて全体像を捉えようという問題提起のつもりだったが、まさか補助金対象にするとは思わなかったよ(-_-;)。
 
もっとも、それだと最後はリサイクル木材、つまり廃棄物処理業界も含めないとなあ。バイオマス発電の燃料生産をしているから、十分に林業と関係あるよ。
 
日本は財政危機だと言われているけど、林業関係ならば使い切れないほど配る金があるということだろうか。
すでに林業関係分野には、配りたくても受け取り手がいないほど潤沢だ。どんな小さな事業体でも、林業やっていたら債務保証してくれる。さらに森林環境税で市町村にもつかみ金。それでも余るから、対象を拡大するのだろう。
 
財務省、そして国会も、この法改正案を通すの?
 

2019/01/30

台風と皆伐地と風倒木

私が大面積皆伐を嫌っているのは、おそらく本ブログを読まれている方なら知っているだろう。

  
ただ、以前は皆伐も悪くないと主張していた時代がある(^o^)。
なぜなら、皆伐すれば伐採跡地は一時的に草原となるからだ。そこには草原生態系を成立するだろうし、それが周囲の森林地域とモザイク状に組み合わされば、さらに生物多様性が増すからだ。里山を頭に描いてもよい。雑木林と田畑や茅場がモザイク状に配置されることで非常に多様性のある環境と、そこにさまざまな生物が生息するようになる。
もっとも、その際の皆伐は小面積、せいぜい1~5ヘクタールを意識していたのだが。
 
現在でも、そんなに大きく意見は変わらない。森林だけがあればよいわけではない。また林業的には、完全な択伐は技術的に難しく、また木材生産の効率もはかばかしくないだろうから、経営的にも難しくなる。やはり一定のまとまった伐採地はほしい。だから、群状間伐(皆伐)のようなものがオトシドコロかな、と考えていた。小さな伐採地をモザイク状に散らした状態だ。
たとえば数十メートル四方の皆伐を森林内に点在させるのである。一カ所の伐採面積がどの程度まで可能なのかは研究を待ちたいが……。
 
 
さて、長い前置きになったが、静岡大学の大学院生による研究に触れる機会があった。
 
その中に「台風によるギャップ拡大現象の発生メカニズム」なるものがある。簡単に言えば、台風のような強風下でギャップ(伐採地)周辺の木々の風倒現象を調べたものだ。
 
Photo
 
ポスター発表の一部を抜き出した写真だが、下の方をよく見てほしい。これは一カ所の伐採跡地に見えるが、実は2カ所だったそう。上部の広い皆伐地の下に緩衝帯となる森林を設けた上で、小さな伐採地があった。
 
ところが台風で緩衝帯部分の木々が倒れてしまったのである。結果的には二つの伐採地がつながったようになってしまった。言い換えると、伐採によって生まれたギャップが台風で拡大してしまっている。
 
なぜ強風で風倒木が出るのか。それは風の強さだけでなく乱流が発生してしまうからだというが、詳しいメカニズムは十分に聞くことができなかった。ただ、モザイク状に小さな皆伐地を森林地域全体に散らした場合、もしかして連鎖的に倒れてしまう可能性が?
小さく多くの伐採地をモザイク状に作れば、森林の辺縁部の面積は必然的に広くなる。そこに風倒が発生しやすくなるとしたら、より倒れる木が増えかねないのだ。
 
もちろん緩衝帯の幅をどれぐらいにするかなど細かく見るべき点はあるが、私の発想であるモザイク皆伐施業も、下手すると危険かもしれない……と思わせたのであった。
 
う~ん。悩ましい(´_`)。

2019/01/29

町立林業学校!

全国各地で林業スクールの開校計画があることはこれまでにも伝えてきた。今春にもオープン予定のところがいくつかあるが……。そのほとんどが道府県によるもの。
その中で目立つのは市町村立だ。
 
にちなん中国山地林業アカデミー 」を開校するのは、鳥取県日南町。今年4月から開校する全国初の町立林業学校だ。町の担当者によると、高齢化と人材不足で安定的な木材確保ができず工場が停止するケースや、町内の林業事業体では人材育成できず新規雇用が進まないからという。
 
定員は10人程度で、在学期間は1年間。町が出資する産業振興センターが委託を受けてアカデミーの運営を行う仕組み。生徒募集の条件は、18歳以上で卒業後に林業分野に就職することなど。推薦と一般入試があり、授業料は年9万6000円。
前期(4月~11月)を「実践訓練期」として、技術に加え労働災害対策を指導する。後期(3月まで)は「就業準備期」であり、林業事業体でのインターンシップなどで就職を支援。 なお遠方の人向けに町営住宅や空き家などのあっせんもする。
 
ちょっと魅力的なのは、この町の森の大部分はFSCの認証を受けていること。現在1万9500ヘクタールにもなっているという。そのうち町有林668ヘクタールを演習林とするという。林業大学校で、これほどの面積の演習林を抱えているところはない。大学だって、こんなに広い演習林を持つのは、北大と東大、京大……を除くといくつあるか。
森林認証を取得したところでは、どんな施業をしているかわからないが、一味違うのだろうか。
 
労働災害対策に力を入れるのはよいが、講師役はセンターの職員と林業現場で働く人を招くという。 う~ん。よい人がいますように。
 
実際のところ前期の半年で教えて、後期は実践というか仕事はしながら学ばすOJTということだろう。まさに即席のワーカー養成である。
 
それにしても、本当に林業の現場従事者がそれほど足りないのだろうか。 一時的に不足しているとしても、いつまで続くか。卒業後に全員が町内で就職できるほど募集があるとは思えないし、また当人たちの希望も必ずしもそうではなかろう。
それに人材育成は、舵取り役も含めて考えてほしい。
 
 

2019/01/28

保持林業の実践地!

昨日は、「保持林業」という本を紹介した。(サイドバーに掲載)

 
簡単にもう一度紹介すると、保持林業とは、皆伐する際に広葉樹など一部の樹木を残し、森林生態系を回復しやすくする手法だ。海外では広がっているという。日本でも北海道などで実験的に行われているというが……。
 
なんと、私は先日実践している林家とその森を訪ねたのである。まずは写真を見てほしい。
 
1
 
2
 
林家の希望により、名前はもちろん場所も明かさない。(北海道ではない。)
 
ちなみに、この林家は、「保持林業」のことを知って実践したわけではない。自ら考えるところがあって広葉樹を残したのだという。また太い針葉樹もいくらか残している。かといって、種子散布を期待するような保残木施業でもないようだ。 
よく見ると、残された樹木はサクラやコナラ、カシ類が多いか。一部では、残すだけでなく広葉樹の苗を植えている。クスやケヤキなどがあった。
 
「広葉樹が好きだから」と理由を語ったが、完全に皆伐するのは忍びない気持ちがあったのだろう。経験則でも、少し樹木を残した方が、その後の植生の回復が早いこと。そして日陰ができて、作業が楽であることを考えたのだそうだ。
また、父の代から樹種も多く植えてきた。なかにはテーダマツなんてのもある。一方で流行りのコンテナ苗も試している。研究熱心なのである。
 
話を聞いても、全国の著名な林家や林学研究者のところを訪ねたり招いて話を聞いていた。実に熱心な篤林家であった。 
 
「保持林業」を読み終えたばかりで、その実践地を目にすることができるなんて、ついている。
 
ただ、せっかく残したカシの大木がナラ枯れで枯れてしまうなど、思い通りに行かない面もあるようだ。それも森林ゆえであろう。想定通り行かないからこそ、多様な試みをするというのが、リスク管理である。
 
そういや、私もタナカ山林の皆伐時にシンボルツリー的に大木を数本残した。もしかして、これも保持林業? 私も知らぬうちにやっていた!!よし、我がタナカ山林も保持林業実践地として公開しよう( ̄∇ ̄) 。  
……もっとも、残したコナラやアベマキの半分は、その後ナラ枯れで枯れてしまったのだが。
 
 

2019/01/27

書評『保持林業』

『保持林業』(柿澤宏昭+山浦悠一+栗山浩一[編] 2700円+税 築地書館)を読んだ。

※サイドバーに掲載してリンクを張っている。
 
分厚くて高い本である。多人数の編著は論点がばらついて読みにくく、あんまり気が進まなかったが、文献として必要だろうと。
 
Photo
 
読み終えて感じたのは、新たな林業界の方向性を紹介していて、興味深かった。編著も読むもんだ。 
 
最初に「保持林業」とは何かと説明しておくと、retention foresty の訳語として考えられたもの。
基本的に皆伐施業が前提である。だが、より生物資源の一定の保全と生態系の復活がしやすくなるようにすべての樹木を伐採せず、立ち枯れ木や生立木を残す施業法である。木材生産をしながら生物多様性を保全する、しやすくなるための施業と考えたら良いだろうか。
 
これが択伐などと違うのは、択伐は木材とする木を選んで抜き伐りするのに対して、こちらは生物多様性を残せるような木を選ぶこと。正反対の発想だ。
完全な森林保全にはならないが、その木があることで回復が早くなるとか、動植物の絶滅を防げるなどを意図する。
 
また傘伐など保残伐施業とも違う。そのため従来の言葉を使わずに新たに考えたのが「保持」だというのだが……はっきり言って語感がよろしくない。また保持という一般用語のイメージもあって、イマイチ林業や森林生態に関した言葉としてはこなれていない。この点は、私的には不満である。もうちょっと言葉が喚起する人々の感性にはこだわってほしかった。
 
ともあれ、世界的に注目されていて、今や1億5000万ヘクタールの森林で実施されているという。なお森林認証制度とも関わっている。これほど広がっているのに、日本にはほとんどこれまで紹介されなかったのはなぜだろうか。保残伐施業と混同していたのか。
 
では、どれぐらい残すのかと言えば、5~20%と幅があるようだ。皆伐と言いながら2割残せるのなら悪くはない。非皆伐施業と較べると、伐りすぎだが……。(もっとも、日本なら2割も残したら皆伐じゃないからと補助金対象から外れるだろう。)
ただ皆伐の場合と較べて木材生産量が落ちることや、選木眼も重要となるだろう。
 
詳しい世界的な状況や、技術的な面については本書を読んでほしいが、日本でも研究的に試みている森はあるし、民有林で挑戦する林業家もいるらしい。
 
とにかく施業法の選択肢を増やすという点からは注目に値する。何がなんでも全国画一的に行わせようとする林野庁の“悪魔の施業計画”から外れるためにも、選択の一つに加えられたら。
皆伐から完全保護までさまざまな森林に対する人の関わり方があって、所有者・管理者が将来まで目を配りつつ考え、自分で選ぶというスタンスを持たないと救われないと思うのである。
 
より貪欲に世界の潮流をつかみ、咀嚼するためにも、本書は価値があるのではなかろうか。
 
目次等を引用しておく。
成熟期をむかえる日本の人工林管理の新指標
オリンピックを契機として森林認証が注目されるなか、

そdiv>環境に配慮した伐採をどう進めるかがクローズアップされている。

だが、生物多様性の保全に配慮した施業のガイドラインは存在しない。
本書は、欧米で実践され普及している、
生物多様性の維持に配慮し、林業が経済的に成り立つ「保持林業」を
第一線の研究者16名により日本で初めて紹介。
保持林業では、伐採跡地の生物多様性の回復・保全のために、
何を伐採するかではなく、何を残すかに注目する。
北海道道有林で行なっている大規模実験、世界での先進事例、
施業と森林生態の考え方、必要な技術などを科学的知見にもとづき解説。
生産林でありながら、美しく、生き物のにぎわいのある森林管理の方向性を示す。
はじめに
第1章  保持林業と日本の森林・林業………………… …山浦悠一・岡 裕泰
第2章  アメリカ合衆国における保持林業の勃興…………中村太士
第3章  カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の事例
             ── 保持林業が渓流生態系に及ぼす影響……五味高志
第4章  保持林業の世界的な普及とその効果
              ── 既往研究の統合から見えてきたもの……森  章
第5章  北海道の人工林での保持林業の実証実験………尾崎研一・山浦悠一・明石信廣
第6章  保残木が植栽木・更新へ与える影響…… ………吉田俊也
第7章  保持林業と複層林施業……………………………伊藤 哲
第8章  諸外国の生物多様性を保全するための制度・政策…柿澤宏昭
第9章  日本における生物多様性配慮型森林施業導入の課題と可能性…柿澤宏昭
第10章  生物多様性の保全を進める新たな手法…………栗山浩一・庄子 康
おわりに
 
 
 

2019/01/26

アスペン材の驚異

先に「未来の中国は森林大国? 」という一文を書いた。

 
中国の植林面積がどんどん増えて、近く木材生産も盛んとなり、森林大国、林業大国になるんではないか、という想像を描いたものだ。
 
それを補強するものを目にした。
 
Dsc00641
 
これは何の木材だと思う? アスペンなのである。ポプラの一種で、和名はドロヤナギ。アメリカ原産でホワイトイプラなどと呼ぶ。
 
そのフローリング材。左の白いのが無垢材で、右の2つは熱処理している。なかなか美しく、日本人好みの柔らかい表情をしている。針葉樹みたいな木目だが、広葉樹材。表面は、結構硬い。
早生樹でもあるから、世界各国で盛んに植林されている。とくに中国では半砂漠地帯の緑化に使われてきた。その面積は、おそらく日本の国土の何倍かになるだろう。 
 
ただ材質は柔らかくて耐久性も低く使い道があまりないとされてきた。集成材や合板、パルプ材、OSB、LVLから家具の一部など。日本ではアスペン材でつくられた割り箸が入ってきているが、その材質を思い出してほしい。白くて柔らかいが、ちょっと荒い感じ?
 
木材消費の一角としては食い込むだろうが、建材などの国産材と競合することはないと思っていたが……なんの、このフローリング材を見てみよ。魅力的ではないか。ちなみに、この製品はエストニア製だそうだ。 
 
エストニアなど北欧からの輸入も考えられるが、もし中国産アスペンが、このような製品となって日本に来たら、価格も安いだろうし、太刀打ちできるか?
 
そのほか、中国南部ではコウヨウザン(広葉杉・中国杉)の植林面積もとてつもない。これは日本のマツ材に似ているし、柱や梁など構造材などスギ材、ヒノキ材の代用にもなるだろう。またユーカリやアカシアも植えられていて、家具材にもなっている。
 
覚悟しておいた方が良い。
 
 

2019/01/25

盗伐問題にのほほん答弁

厚生労働省の「毎月勤労統計」のデータ不正が問題になっている。

 
たまたまニュースを見ていたら、野党はもちろん、与党も怒っている。珍しい光景だ。どちらも怒っているのに……その中でのほほんな答弁をしている官僚。あくまでミスであって、故意にやったのではないという姿勢で押し切ろうとしている。力説するというより、私知らないもんね、と開き直ったような態度。
 
すごい度胸だ、と思っていたが、何か同じ光景を見た気がする、ことに気がついた。
 
しばらく考えて、これだ、と思い出す。昨年12月11日の農林水産委員会だ。
 
 
田村議員は宮崎県えびの市で起きた盗伐問題を取り上げたのだが、当然ながら厳しく追求する。そこに政府の小里康弘農林水産副大臣が答弁に立つ。彼は自民党の衆議院議員だが、現地を訪ねたことを話し、ケシカランことだ、警察とも連携するよう厳しく伝えた旨、報告する。それに対して、田村議員は謝意を示すのである。
共産党が政府を褒めるのだから、なかなか珍しいんじゃないか……と思っていたが、次に牧元幸司林野庁長官が答弁に立ったのだが、そこで口にしたのは
 
「盗伐と言われていますが、誤伐か盗伐かはわからない……」うんぬんという発言。
 
いやあ、これまた度胸あるわ。
 
盗伐と認めたくないらしい。できれば誤伐に済ませたいニュアンスだ。なぜなら盗伐なら刑事罰だが、誤伐ならわずかな賠償金で済むからね。あくまで林野庁は業者の味方。
ちゃんとコンクリートの測量杭がある山なのに、誤伐というのは度胸ある。しかも一カ所ではとなくて頻発しているのだから。与野党の声を無視したのほほん答弁。
 
しかも林野庁はクリーンウッド法で違法木材を扱わないようにする……とか。この法律、違法木材を締め出すとは条文のどこにも書いていないのだけど。あくまで「合法木材を推進」で終わらせている。罰則もないし、そもそも登録していない業者は関係ない。
 
こんな繰り返しで国会の質疑は進むんだろうな。。。
 
 

2019/01/24

Yahoo!ニュース「林業で見えた。外国人労働者の…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「林業で見えた。外国人労働者の受け入れは日本人の定着率の低さをカバーするため? 」を執筆しました。

 
 
限界までタイトルを長くすることに成功した(笑)。
 
せっかく大阪の森林の仕事ガイダンスに行ってきたのだし、今週末は東京でも開かれるのだから、何か記事を書こうと思って、以前から持っていた研究ネタなどと合わせて考察したもの。ただ、本当に外国人も山の中で働きたいと思うかどうかは不明。やっぱり都会をめざすのではなかろうか。
 
 
今回、もっとも工夫したのは、タイトルを長くすることと、やはり写真。
 
前回の「花粉症」ネタのように、きれいな外国人のネエチャンが山で草を刈っている写真はないかと探したのだが、なかった(当たり前!)ので、手持ちから選んだもの。
と言っても、切り捨て間伐や下刈りの写真はそんなにないのだよ。林業関係の写真ストックは相当あるのだが、そういう場面にあまり遭遇していないようだ。
 
ようやく見つけたのを使った。写っている人は小さいから顔もわからないと思うが、日本人である(^^;)。
 
もし下刈りをしている写真、もしくは細い木を林内に切り捨てている写真を持っている人、よろしければフリー素材としてお貸しください。いつ使うとは言えないが、また必要になるときが来ると思う。使用料は払えないが…。

2019/01/23

長崎県の「スーパー林業特区」を知ってる?

長崎県に「スーパー林業特区」なる構想があることを知った。国家戦略特区に採用されるよう政府に提案中のようだ。
 
Photo
 
長崎というと、あまり林業県のイメージはないが、対馬を中心にそこそこ木材生産はしている。旧鍋島藩の森も残されている。
 
そこでどんな特区を望んでいるのかというと。
 
【提案】固定資産課税台帳データ活用による林地台帳の整備促進
【提案】新たな森林管理システムによる所有者不明森林の流動化促進
【提案】外国貿易船の不開港への直接入港を可能とすることによる 原木、製材品等の輸出
【提案】検疫官の臨船が不要な無線検疫を拡大することによる 原木、製材品等の輸出拡大
【提案】農業法人等が共同出資するグループ運送会社の新設による 農林水産物の安定出荷体制の整備
【提案】特殊車両輸送の許可手続き一元化による大型CLTパネルの需要拡大
 
前半は新たな森林経営管理法などに基づく所有者不明山林などの整理だが、興味深いのは後半。主に貿易に関する項目が並ぶこと。
韓国で日本のヒノキブームが起きているが、長崎県ヒノキ産地でもあるし、もっと輸出を拡大したいのだろう。対馬材を、いったん九州本土に運ばず、そのまま韓国に輸送したら随分手間もコストも下げられる。
 
 
そして、CLTの大型パネルを運ぶ車両の緩和というのも面白いところに目をつけた。
欧米では、CLTはかなり巨大なパネルのまま輸送している。一辺が10メートルもあるパネルを巨大トラックで輸送するそうだ。そんなパネルが使えるからCLTも有効だと言えるし、コストも下がるが、日本だと最大何メートルまでだったか。6メートルを超えるのは難しいだろう。道路関係や運送事業法関係で制限されている。だいたい道路事情も悪い。
 
 
<経済効果> 県全体を森林整備した場合 年間売上164億円  新規雇用900人
※年間輸出額 21億円 (中国、台湾、 韓国、ベトナム 向け)
 
この見積もりがどこまで正しいのかわからないが、目のつけどころとしては悪くないと思う。ただ提案にある緩和案が本当に正しいのかもわからない。
 
たとえば関税法や、検疫法の用件を緩和するのはどうかなぁ。
松くい虫(マツノザイセンチュウ)が日本に入ってきたのは長崎港からだった。それが日本のマツを枯らしているのだから、検疫には万全の体制で臨むべきだと思うが。
 
巨大CLTにも、それほど需要があるのか首をかしげる。
 
 
この特区のコンセプト自体は、政府が掛け声上げている「林業の成長産業化」路線にぴったりと合っている。だが、その路線の正否を怪しく感じるのだから。気がついたら、木材輸出もCLTもしぼんでしまい、残されたのははげ山だけになりませんように。
 

2019/01/22

BS「奈良のシカ」番組

昨夜、BSプレミアムで、「奈良のシカの“野生”を見た!」 という番組があったのをご存じだろうか。文字通り、奈良のシカを取り上げたドキュメンタリー。
 
Dsc00639
 
「ワイルドライフ」という番組なのだが、これいつも海外の動物を取り上げることが多い。言い換えると外国の番組を購入しているように思えるのだが、今回は自前で制作したようだ。
なかなかの出来だった。丸1年取材をしたらしく、よいシーンがいっぱい。とくに撮影スタッフがシカに蹴り倒される?シーンは見所だ(笑)。
さらに親シカとはぐれて死んでしまう子鹿や、メスを20頭以上囲い込んでハレムをつくって、必死で逃げられないように囲い込んでいたのに人間に捕まって角を伐られてしまい全部逃げられてしまうシーンは、涙ぐむ?
 
Dsc00635  Dsc00636
 
朝、県庁に出勤するシカや、奈良女子大に通学するシカもとらえていた。
 
Dsc00631
 
番組の冒頭に紹介していたが、ここまで人になれた野性シカは世界的にも珍しいし、それには1000年の歴史がある。そして外国人観光客のイチバン人気なのだ。
 
私自身は、奈良観光に古寺古社に仏像ばかり宣伝するのはもったいないと思っていた。こうした宗教施設は、異教徒である大半の外国人にはさして響かない。単に一度見たらオシマイ。大仏はさすがに大きさで圧倒するが、もっと大きな仏像だって世界中にある(ただし、石仏)。
その点、動物はファンが生まれてリピーターにつながるのだ。だから奈良観光には絶対シカの方が魅力的だよ。
 
この番組を見て、ナラシカ(奈良のシカ)に興味を持たれた方は、より深く知るためにも、この本を一読くださいv(^0^)。 
 
Photo_2
 

2019/01/21

『新・冒険論』と私の探検?論

三浦雄一郎が、アコンカグア登頂を断念したようだ。

正確には、彼をサポートするメンバーが、彼に断念させた。本人は悔しかっただろうが、それに従った。それなりに勇気のいることであり、彼なりの判断である。 
 
ちょうど昨夜、『新・冒険論』(角幡唯介著・集英社)を読み終えたところなので、ちょっと両者の主張・行動を照らし合わせてしまった。
 
Photo  
 
この本は、文字通り「冒険とは何か」を論じており、それを「脱システム」であると断じてその論証を試みている。現代のテクノロジーから人々の関わり、世論まですべての現代人を取り巻く状況こそがシステムとして、それからいかに脱するかを冒険だと定義づけたわけだ。
 
細かな論考は本書を読んでいただきたいが、私も若いころはそんな哲学的な考察をずっと続けていたなあ、と妙に懐かしくなり、当時を思い出してワクワクした(笑)。なんたって、私も探検部出身である。余談ながら今年は静岡大学探検部創設50周年に当たるのだが……。
 
ただ私自身は冒険には興味がなく、むしろ遠ざけており、こだわったのは探検である。本書でも冒険と探検の違いを、どちらもおなじ脱システムだが「探検はシステムの外側の未知の世界を探索することに焦点を当てた言葉」であり、「冒険のほうはシステムの外側に飛び出すという人間の行動そのものに焦点を当てた言葉」と定義している。
 
私流に言えば、探検は未知の知識を求める行為であり、冒険は人間のフィジカルな面を表に出した行為だと分類している。
そして私自身は、学生時代から「できれば毎晩旅館に泊まって温泉浸かりながら探検したい」とうそぶいており、肉体的にきつくて危険な行為はなるべく避けてきた(笑)。探検を行う上で、ほかに手段がないのなら仕方なく肉体を使うし危険なこともするけど、できればしたくないという主義だ(⌒ー⌒)。
 
 
いずれにしろ、私は本書の主張を99%支持する。たとえば北極点到達の場合、GPSを使って進む方向を機械に教えてもらい、物資の輸送や帰り道は飛行機に頼るなんて冒険ではないだろう。それって現代社会の「システム」にどっぷりつかっているではないか。
また本来は脱システムであり冒険的であった登山も、今や山岳会が跋扈してルールが徹底してそれから外れたら指弾される有り様である。百名山ブームとか山ガールブームとかなんだ? ブームというのは物真似だ。もっとも先鋭的だったはずのアルパインクライミングさえ、ネットに掲載されている「みんなの登るルート」ばかりに集中する。
 
そんなにシステムから離れたくないのか。管理されたいのか。そんなの人間として生きる力を失っているんだよ……と著者は書いている。いや、書いていないけど、私は行間から勝手に読み取った(^o^)。
 
冒頭にもどると、三浦さんは年齢という世間の見る目(これもシステム)から脱しようと86歳の高峰登山を企てたのだけど、徹底的にサポート体制を整えたシステムの中に浸かって実施しようとした。結果として、同伴ドクターのストップがかかり、それに従ったのだから、システムから脱することはできなかったのだろうなあ。
 
 
本書の「終わりに」では、誰もが管理されたがる時代となったことを嘆く。それは内向き、不寛容、閉塞……などの言葉で表される現代の日本人の根幹かもしれない。管理されることに慣れきってしまった精神(自ら管理してもらいたがっている精神)があるのではないか、と述べる。
 
なぜ管理されたがるか。自ら判断せず他者に決めてもらったり自力ではなく頼るのか。他者の決めた枠の中から出ようとしないのか。出ようとした人を攻撃するのか。それはシステム内に居すわることで、便利さと安全が提供されるからだ。
 
もっとも震災など大変動の前では、GPSも携帯電話も使えなくなり、ネット情報からも遮断される。電気がなくなれば便利な道具の大半か使えなくなる。そのときこそ「冒険」で培った技術や精神が生きるのかもしれない。
 
さて、私も「温泉付き探検」であっても管理からなるべく外れて生き残る力は保持したい。便利さと安全は求めるけれど、未知は探し続けるだろう。ただ地理的空白がなくなった現在、新たな未知はどこにあるか。
実は森に入ることはその一つである。人の道から外れ獣道に分け入ると意外な動植物に出会う。地表ではなく樹上を覗いてサルの目ムシの目で見ると、景色が変わる。人の痕跡のない場所で森の歴史の痕跡を発見する。方向がわからなくなってテンションがハイになる中で途方もない人類進化論のアイデアを思いつく。
 
 
本書を読み終えた翌日(正確には未明までかかったので 本日)ということで、さっそく裏山の道のないルートを登って遭難してこようと思った。私が遭難と呼んでいる行為は、まさに一時的にシステムから脱出するためだ。もちろんGPSは使わない。ただ夕飯の時間までには帰宅しなければならないというシステムを逃れるのは簡単ではない。
 
ところが、なんと雨がちらつきだした。それに寝不足で体調不良。濡れるのヤだし、安全のためには、こうした日は山に入らない。
 
そもそも道のない山に未知はない……か。う~ん。

2019/01/20

森林の仕事ガイダンス2019

予告通り、森林の仕事ガイダンスin大阪に行ってきましたよ。

 
まず目立ったのは、トークショー。
 
Dsc00614昼の部は、黒滝村森林組合(奈良県)の梶谷哲也さんと、司会の葛城奈海さん。 
 
この二人のトークショーはもう何度目なのか。葛城さんも梶谷さんも、まだ(林業界では)新人の頃から幾度もガイダンスだけでなく、林業系のイベントには出演してきたはず。なんか、慣れを感じる(笑)。幼なじみの対談じゃないんだから、と思わず突っ込みたくなった( ̄∇ ̄) 。梶谷さんの話し方も上手くなって、ちゃんと落としどころを掴んでいるわ。
 
Dsc00616
 
 
さて各ブースをいくつか回ったのだが、その一つが福島県であった。もともと私が顔を出すのは、相談者がいなくて暇そうな オイオイブースを選んでいるのだが、福島県はかなり暇だったよう。
思わず「よく大阪まで出展しましたね」と声をかけてしまった。
 
実際、西日本からすると東北は遠いし、とくに福島は東北なのか北関東なのか区別がついていない人が多いヾ(- -;)。そのうえ林業のイメージが薄い。また原発事故の問題もあって、林業、大丈夫なの? と思っている人も多いはず。
 
実際、東京に出している延長で「福島もありますよ」という宣伝のつもりで来ています」とのことであった(笑)。なお放射性物質の問題も、当然残留値の高いところで林業はやっていないし、もう8年経ってほぼ地表に落ちて土壌に吸着されているし、樹皮に残っていたとしても皮は剥くので影響はなくなっている。
 
私も、求人から離れて林業全般の四方山話。会津の雪はすごいとか、磐城高箸の話題も出ましたv(^0^)。
 
Dsc00621
 
 
ほかのブースでも同じかな。みんな四方山話してきました。それなりに得るものもあり。それらは今後、機会を設けて公表することもあるだろう。 

2019/01/19

『山漁村生活史辞典』の価格!

ふと古本屋で見つけた本。

 
Img001
 
山漁村生活史辞典とは。40年近く前の本である。シリーズの1巻であるが、ばら売りらしい。
 
手にとると、驚きの内容だった。山村と漁村の生活、生業が図版で紹介してある。古今の古文書の絵を抽出しているのだ。 これは有り難い。各書を個別に調べないで済む。
 
たとえば……。
 
Img002
 
林業関係も多くページを割いており、多くは「吉野林業全書」の引用だが、ほかにも木曽や秋田の林業書などから引用されている。
林業だけでなく、金銀鉄、石炭など鉱山系も多いし、木工、木炭、狩猟、漆、紙漉き、そしてコンニャクまである。
 
こういう文献は、昔の世界を知るだけでなく、現在にも応用が効く分野もあるので興味津々。昔の獣害対策なんてのは、今も通用するかもよ。
 
Img003
 
いやあ、面白い文献だ。こうした文献は、新刊書ではなかなか見つからない。でも、高いんだろうな……。
 
と思って値段を確かめると! 表紙にシールが張られていましたよ。
 
200円。税込み。
 
いやあ、たまりませんわ。重いけど、即買いました。

2019/01/18

森林総合監理士PRサイト

森林総合監理士PRサイト  なるものがあった。
 
森林総合管理士の皆さん、知っていた? 資格を持っていても知らない人も多いのではないか。知られざるPRサイト(笑)。
 
どこが作成したのか書いていないが、まず林野庁系だろう。内容も、これまで林野庁サイトで説明していたことを繰り返しているだけである。
 
ただ、ちょっと驚いたのは、森林総合管理士の資格を持っている人の一覧とか活動実績報告書のページにリンクしていた。これは林野庁のサイトなのだけど、これまで気がつかなかった。まだ少し目を通しただけだが、なかなか面白い。
 
 
登録者数は1169人である。北海道は124人。これは面積から理解できるが、岐阜県が87人と異常に多い。こちらには地域森林監理士という資格もあったはずだが……。
せっかくだから奈良県を見てみた。すると31人もいる! 奈良県森林総合監理会に属しているのはこんなにいないはず……。
ようは活動可能地域に奈良県が入っていればよいので、全国とか関西地域としている人が加えられているのだ。必ずしも奈良県(近郊含む)に住んでいるわけではなさそうだ。おそらく林野庁の職員だろう。
 
 
ともあれ、この資格を使って「何ができるのか」ではなく、「何ができたのか」を楽しみに読んでみよう。
 
 

2019/01/17

ヨコジュン死去と改元年の物故者

横田順彌が亡くなったニュースが入ってきた。

 
横田(ヨコジュン)は、SF作家ではあるが、むしろ古典SF研究家、あるいは明治研究家としての方が有名ではないか。あるいは小説家としてはハチャハチャ小説の創始者として知られる。これはユーモアとかお笑いというよりは駄洒落のオンパレードでハチャハチャ……な内容で有名だ。が、同時に明治を舞台とした骨太で痛快な小説やノンフィクションも多い。
 
最近では、NHKの大河ドラマ『韋駄天』の第1回目に「天狗倶楽部」なるものが登場して押川春浪もメンバーにいたところが描かれたが、彼らを発掘し世間に知られるようにしたのもヨコジュンと言ってよいだろう。
私はオリンピックに興味がないのであまり期待せずに漫然とドラマを眺めていたのだが、天狗倶楽部が登場したとたんに見る気になった(笑)。
 
高校生の頃からハチャハチャ小説も愛読していたが、一方で明治の人物研究と古書漁りの方法などで影響を受けた面が強い。
 
私のHPに「知られざる探検家列伝 」というコーナーを設けている(というか、これを書きたくてHPづくりを行った)が、実はヨコジュンの影響が大きいのである。
ヨコジュン著作からの情報もいただいているが、私なりの知られざる人物を発掘したいという思いもあったからだ。
 
中世・近世の日本脱出者から始まり、江戸時代の本草学者、博物学者と追いかけ、幕末・明治初年の海外放浪者、冒険家、探検家……そして、この延長上に土倉庄三郎もいる。明治時代の知られざる巨人として。
 
 
2  1  3
 
実は、この探検家列伝コーナー、しばらく休止していたが、再開したいと思っていた。ちょうど読売KODOMO新聞からも問い合わせがあったばかりだ。アフリカに始めて訪れた日本人は……というテーマで、拙HPを見つけたのだという(笑)。
 
 
……それにしても、今年は平成の最後。年号が変わるわけだが、何かと物故者が目立つ。最近では市原悦子梅原猛と続いたが、思えば昭和が終わるときも時代を印象づける人々の訃報が続いたと記憶する。手塚治虫、松下幸之助、美空ひばり……。もちろん昭和天皇も。
 
そして、本日は1・17。阪神淡路大震災から24年である。多くの人が亡くなったのだ。未来の、知られざる?巨人もいただろうに。

2019/01/16

「森林の仕事ガイダンス」はあるけれど……

毎年この頃になると、森林の仕事ガイダンスが大阪、東京で開かれる。

 
大阪は1月19日(土)に大阪市北区の梅田センタービル。
東京は1月26日(土)に千代田区の東京国際フォーラム。
 
たいてい私も毎年、大阪会場に顔を出して全国から集まる森林組合などのブースで、近年の状況伺いをするわけだ。知り合いにも会うこともある。もし面白いゲストが来ていたら儲け物でもある。それで全国の現場感覚を仕入れるつもり。
 
しかし、最近はイマイチ気持ちが乗らない。この聞き込みで新しい情報が得られる気配がないというか、面白みにかける。
いつぞやは、隣の会場でやっていたアグリフォーラム?だったか農業系の雇用募集をやっていて、こちらの方が面白かった記憶がある(^^;)。そして本命のはずの森林の仕事会場を早々に退散してしまった。
 
今年は会場も少し変わるようだし、何か新しいネタが得られるだろうか。いや、もう林業ネタは食傷ぎみか。梅田に出るのなら、別の面白い場所があるかもしれない。
 
さて、どうしようかなあ。もし参加される方がいたら、声をかけてください。具体的にお会いできる人が予想できた方が面白いし。
 
 
……ところで、来年度の林野庁の予算請求を見ていると、「緑の人づくり」総合支援対策という項目があった。この中の「緑の雇用対策」に森林の仕事ガイダンスも含まれるのだろうが、ほかにもある。ちょっと引用する。
 
1.森林・林業新規就業支援対策 5,318(4,810)百万円
① 「緑の雇用」新規就業者育成推進事業 4,869(4,500)百万円
就業ガイダンス及び林業作業士(フォレストワーカー)研修(集合研修とOJTを組み合わせた3年間の体系的な研修)等に必要な経費を支援します。
② 緑の青年就業準備給付金事業 400(272)百万円
林業大学校等において、林業への就業に必要な知識・技術等の習得を促進し、将来的に林業経営をも担い得る有望な人材として期待される青年を支援します。
③ 多様な担い手育成事業 49(38)百万円
高校生等に対する就業体験、就業ガイドラインの整備等による女性の活躍推進、林業グループの育成に対する取組等を支援し、多様な担い手を育成します。
 
林業大学校や女性の就業も重視しだしたか。
加えて、こんなものもあった。
 
2.新たな森林管理システム導入円滑化対策 30(―)百万円
〇 新たな森林管理システムの円滑な運営を図るため必要な技術・指導力を有し、市町村の森林・林業担当職員を支援する人材を養成するとともに、その技術水準の維持・向上を図るための継続教育等を実施します。
 
新たな森林管理システム……森林経営管理法と森林環境税の導入に合わせて市町村の職員を鍛えるのか。まあ、セミナー受講するぐらいだろうけど。
 
そして、全体の政策目標はこうある。
 
○新規就業者の確保(1,200人[平成31年度])
○林業労働災害死傷者数(平成29年比5%以上減少[平成34年まで])
○林業労働災害死亡者数(平成29年比15%以上減少[平成34年まで])
○新たな森林管理システムの支援を行える技術者の育成(1,000人[平成35年度まで])
新規就業者を確保するのと同時に何人が引退・退職していくか。プラス何人を目標としているのだろうな。ともあれ、労働災害はなくしてほしい。
 
 

2019/01/15

サウンドウッズ設立の頃を思い出す

昨夜から、鼻水が出だした。寝たら直ると酒を食らって寝たが、鼻が詰まって苦しい(^^;)。 

朝からも調子はイマイチ。どうも風邪がぶり返したらしい。せっかく治したつもりだったのに。
 
というわけで、あんまり何もできません。ブログネタを考える頭も働きません。コタツに潜ってぬくぬくして過ごしております。
 
そこに届いたのが、「サウンドウッズ設立10周年フォーラム」の案内チラシであった。うむ。何十枚か届いたぞ。どこで配布すればいいんだ。
 
1   2
 
とりあえず、これを紹介してブログのノルマ?を済ませておこう。
 
ちなみに私がサウンドウッズと関わったのは、そもそもサウンドウッズを取材したことではないかと記憶している。その記事を探したところ、グリーンパワー2010年6月号であった。おそらくその前の「加古川流域森林資源活用検討協議会」の情報を仕入れて取材したら、それがサウンドウッズに模様替えしていたのではなかったか。
興味を持ったのは、立木価格を通常の2倍3倍で購入するシステムである。
 
その当たりのことは記事を読んでほしい。
 
20190115_220836_3
 
つまり、この頃は立木直接販売システムの運営母体としてのサウンドウッズであった。それが記事の中にもあるように、木材コーディネーター養成へと舵を切ったのであった。
 
そして私が直接フォーラムに出演したのは、2011年7月。まさに養成講座立ち上げであったと思うが、3・11のこの年であるだけに、私の講演でも東北各地の視察報告も含めていた。
 
ま、そんな思い出と関わりのあるサウンドウッズである。
 
今年の私の出番は2月15日だそうである。オイオイ……。
興味のある方は、ご参加ください。

2019/01/14

Yahoo!ニュース「花粉症対策の嘘。……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「花粉症対策の嘘。間伐すればするほど花粉飛散量は増え補助金で潤うカラクリ 」を執筆しました。

 
このネタは、実は結構前から考えていて、その意味では満を持して?書いたわけである。ま、書くのは数時間だったが……。
 
で、もっとも悩んだのは、写真だった。最初はスギの枝から花粉がぱっと散っているような写真を選んでいたのだけど、なんかありきたり。これまでもよくにた写真を使ったことあるし。
 
そこでアフロのライブラリーで探していたのだが、いっそのこと、可愛い女性のマスク姿の方が読者の目を引きつけるかも? と思いついた(笑)。
ちなみに使ったトップの写真は、花粉症なのか風邪なのかわかりません(⌒ー⌒)。
 
今のところ、これでアクセスがとくに増えたようには思えないが、何かとヴィジュアルにも気を回さなくてはいけない昨今なのですよ。
 
 
ちなみに花粉症については、毎年この季節にはYahoo!ニュースに書いているが、元をたどれば20年以上前の著作でも書いていて、その度に読者からクレームが来るという曰く付きのネタであった。スタンスが、「スギが悪いんじゃなくて、花粉症になるアンタの身体が悪い」だからかな?

2019/01/13

古代の筏と箸

先に、平城宮跡記念公園(平城いざない館)の展示されていた木材から、古代の筏流し について紹介した。

 
その際にエツリ穴について記したが、どうもわかりやすい資料がなかったのだが……。
 
発見しましたよ。なんだ、同じ公園の中でも文化庁の施設(いざない館は国交省の施設)である平城宮跡資料館に。
 
Dsc00592
 
こんな図があったのだ。筏をよく見てほしい。箸を縄で結んでいるが、エツリ穴を通している。
気になるのは、舟の方だが、積んでいるのは板だろうか。陸上から引っ張っているところが面白い。
この手の絵にどれほど時代考証をしているのかわからないが、奈良文化財研究所がバックについているのだから、そんなに酷い間違いはないと思う。
 
 
さて、展示でもう一つ気づいたこと。
 
Dsc00593
 
当時の食器の土器(須恵器、土師器)の展示なんだが、なんと箸まで添えられている。
この時代、すでに箸があったのか。見たところ、木の丸箸ぽい。いま、正確には丸くなくて削った痕もあって角張っているとも見える。また1枚の匙や杓文字のようなカトラリーもある。
 
日本の箸の起源は、少なくても飛鳥時代まで遡る。写真の箸は、レプリカとは記されていないから、発掘されたものだろう。(土器類もみんな本物)
 
見たところ、割り箸みたい(^^;)。
うむ。割り箸評論家としての血が久しぶりに騒いだのであった。
 

2019/01/12

樹穴の正体は

生駒山を歩いて目についたスギの木。

 
1
 
うむむ。
 
2
 
中は、わりと深くて広がっているようにも見える。
 
これの正体はなんだろう?
 
キツツキか? こんなに縦に列をつくって5つも開けるだろうか。
しかも位置的には、地表から1,5メートルぐらいで、巣穴としては不適切だろう。
 
まさか人ではあるまいな。 
誰か、この分野に詳しい人はいないだろうか。
 

2019/01/11

苔が覆う森の傷口

森にタンコロ(短く刻んだ丸太)が山ほど転がっていたら、あまり美しくない。

 
だが、こんな風景はどうだろう。
 
20181117_095608_2
 
20181117_095618_2
 
20181117_095637
 
苔が覆うと、不思議な空気が漂い出す。森の傷口を覆い隠すように。
人が機械で切り刻んだ丸太が、自然界に溶け込む。そのうちタンコロは腐って自然に還って行くのだろう。
 
苔の力、恐るべし。
 
by 智頭町

2019/01/10

楽器とイヤホンの違い

オークヴィレッジの人と話す機会があったのだが、そこで紹介された商品がこれ。

 
Img002
 
これは「オークヴィレッジ通信№427号に掲載された商品の紹介記事だが、木製イヤホンだ。
JVCケンウッドと共同開発したというのだが、驚いたのは価格。なんと20万円!
 
この小さな、耳の穴に入ってしまいそうな……いや、入るようにつくられたイヤホンである。大きさとしては1立方センチメートル×2ぐらい?これを1立方メートル材価にしたらいくらになるだろう……と考えて阿呆らしくなった(笑)。
 
使われたのはイタヤカエデで、漆塗り仕上げである。それも本漆の手塗り。ほかに和紙や絹も使っている。何も材料を高級にしようということではなく、もっともよい音質を求めた結果だそうだ。化学塗料より漆の方がよい、それも添加物を入れない方が音が伝わるとか。しかし、木の部分の加工は0,1ミリ単位。木工の立場からすれば、常識外の精度である。
 
もちろんこの価格は、木材や漆、そのほか金属部品の価格というよりは職人仕事と音質を調整する検品などの手間が価格の積み上げになっているのだろう。
 
これが売れているのだ。目標は2年で2000個の予定が半年で2000を売り切ってしまう勢いだという。オーディオファンの底力というか財力を感じてしまった(笑)。
 
 
木材のもっとも高級な使い道は楽器だという。最高級の楽器に使われる木材は最高級と言われる。楽器に採用されたと聞けば、その木材の価値も上がるのだ。
 
奈良県が、吉野杉でバイオリンをつくったことは以前にも紹介した。誰もが無理、という中で試作してみたら、予想外によい音が出たという。そこで現在はヴィオラなどもつくって弦楽カルテットにしようとしているのだが……。
 
2  
 
たしかにバイオリンにも使える吉野杉は、イメージとして価値を上げた。しかし、それで吉野杉バイオリンが発売されて、どんどん作りどんどん売れて山元にも還元される……という話にはならない。
いくら音がよくても、吉野杉バイオリンは一般には売れない。音楽家もまず使わない。際物扱いになってしまう。吉野杉イメージ戦略には成功したが、それが林業振興にはつながらないのだ。
 
そこにイヤホンというのが虚を衝いた(笑)。
なるほど~。楽器は演奏家のものだが、イヤホンはその音楽を聴く人の求めるグッズだ。当然、パイが全然違う。しかもオーディオに凝って音にうるさい人は概して金に糸目をつけない。市場が大きいのだ。
 
 
ならば奈良県にご提案。吉野杉のバイオリンやヴィオラはもういい。それが可能ということを示しただけで、十分に研究成果は出せた。おめでとう。 
これからは、現実に商品として世に出せるものを試作しよう。そして実際のメーカーに持ち込んで商品化してもらおう。購買層の広い聴衆向けオーディオ機器を狙うべきだ。
 
それは何か? イヤホンではないよ。これは職人芸すぎる(^^;)。オークヴィレッジでなければつくれないだろう。たとえば木製スピーカーなどはどうだろう。ほかにアンプ。それらを入れるラック。音響板としての壁材。みんな音に関係するから、こだわりがあるはず。なんなら吉野和紙も使ったらよい。
 
吉野杉の壁板に包まれた部屋で、オーディオ機器を吉野杉ラックに入れて、最高級吉野杉スピーカーで好きな音楽を聴く……売れないかなあ。

2019/01/09

未来の中国は森林大国?

中国の植林事情に関するニュースを読んだ。
 
中国の森林率は、 現在21,5%だそうだ。約40年前は5%前後、1990年で16,4%だったというから、恐るべき伸び率だ。これは計画的な植林事業の結果なのだが、最終的には2050年に中国全土の42,4%となる406万9000平方キロメートルの造林をめざしているという。
 
さすが大陸!と思わせる数字だが、ふと気がついた。
 
戦前日本の森林面積は、約17万平方キロメートルで森林率では約46%だったが、戦後は急速に伸びて現在は約25万平方キロメートル、約67%とされている。森林蓄積(材積)で言えば、4倍から5倍に増えた。
一方で人口は減少期に入って木材消費は伸びなくなった。結果として現在「木余りの時代」を迎えている。だから、もっと木材を使え、(バイオマス発電で)燃やしてしまえ、と叫ばれているわけだ。
 
それと同じことが、遠からず中国でも始まるのではないか?
 
中国が遠からず森林大国、木材大国となるのは間違いない。40年前から広まった植林だということは、そろそろ初期の植林木は使えるようになっているはず。すでに緑化用に植えられた早生樹のアスペン(ポプラ)などは収穫期に入って、集成材やLVL(単板積層板)、合板などに加工されて輸出されている。日本で多く出回る割り箸もアスペンを材料にしているものが多い。
もちろん中国の植林は緑化や防災目的の役割も大きいので、すぐに林業と結びつけられないが、間伐材だけでも莫大な量が出荷されるだろう。
 
森林の面積だけではない。先日、香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニングポスト紙が、「中国の人口が減少に転じた」という記事を流した。これは政府の公式発表ではないが、2018年は250万人減だった推測も出ているそうだ。政府系シンクタンク中国社会科学院も、2029年を境に人口は減少に転じると予測している。
木材需要は経済の伸びも関係するものの、人口が減れば自国内の木材消費は徐々に減っていくだろう。もともと中国の建築に木材はあまり使っていなかった。
 
森林は増えて、人口減の進展。日本の後追いだ(笑)。
 
 
日本は、木材輸出を今後の産業と捉えて期待を高めている。 2017年の木材輸出額は前年比37%増の326億円で、主な輸出先はアメリカのほか中国だ。中国へは前年比 61%増の145億円である。今後も、増え続けると予測しているが……中国が再び木材の自給を始めるのはそんなに遠い将来ではないように思える。
 
しかも日本から輸出されているのは、低品質の安い木材が中心。取って代わられる可能性が高い。日本の木材輸出が必ずしも伸び続けるとは思えない。さあ、どうする?
 
木材を輸出することで日本林業は復活する、中国が日本の木材を爆買い……なんて喜んでいる場合じゃない。将来を読んで政策を立ててほしい。
 

2019/01/08

日経ケボニー記事の写真に注目!

年末の12月30日の日経新聞にケボニーの記事が掲載されたようだ。 

 
 
あれ、取材されたとは聞いていないが……と思ったら、どうやら11月の「日経 xTECH/日経ホームビルダー」に掲載された記事の再構成らしい。
 
こちらの記事は、以前にも紹介していた。
http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2018/11/post-d802.html
 
ただ、一般人は登録しないと読めないものだったのが、こちらは日経本紙なので比較的読める人が増えるのではなかろうか。
さすがに専門誌の記事だっただけに専門的(^o^)である。興味のある方はどうぞ。
 
ところで、あえて最後の部分を引用。
 
2
 
ここに写っている写真に注目してほしいのだ。これ、鳥取県智頭町のパン屋&カフェ・タルマーリーの庭先にあるデッキである。この店に覚えはないかな? 
 
そう、私がYahoo!ニュースに書いた「カフェが田舎を救う?」 の記事のトップに写真とともに登場していただいた店。実は、こここそ、ケボニー化したスギを使った施工例の第一なのだ。
 
Photo_2 Yahoo!ニュース記事の冒頭写真。
 
合わせて読んでいただくと味わい深い……かも?
 

2019/01/07

国際年「家族農業の10年」を考える

年末年始のテレビドラマ「下町ロケット」では、無人農業機械をテーマにしていた。
後継者難に苦しむ農家を救うため、無人トラクターや無人コンバインをつくる話なのだが、私が気になったのは、その無人機の価格である。おそらく、結構な値段がするだろう。それを導入できる農家はどれほどの農地を持っているのか。
 
その点には、ほとんど触れられなかったが、台風の直撃を受ける新潟の農家を救うため、無人コンバインが投入されるという局面で、「50町歩」の水田を持つ農家が登場していた。そこに4台5台の無人コンバインが出動して、一晩のうちに稲刈りを済ませるという筋立て。しかし、50町歩……約50ヘクタールの水田を持たないと、あまり役に立たないのかもと思わせる。
 
そもそも50ヘクタールの農地を持つ農家は日本では少ないだろう。しかも、緊急事態でなければ一晩でやる必要性もない。結局、組合か農業法人などで農地を集約化しないと出番がないのではないか。そこでは大規模化が指向されるわけだ。
 
 
そんなことを考えたのは、国連総会で2019年から2028年までの10年間を「家族農業の10年」に選ばれたからである。国連の国際年である。
このブログでも、年初に「国際年」を取り上げることが幾度かあった。
2010年の国際生物多様性年や、11年の国際森林年……15年は国際土壌年だったから、私は土壌ジャーナリスト宣言をしたのだった(^o^)。
ただ18年は何の国際年も決められなかった(謎)ので、忘れていたのだが……今年はちゃんとあった。
 
国際先住民言語年、国際節度年、国際元素周期表年
なんかよくわからない。とくに「節度(Moderation)年」ってなんだ?
 
ともあれ、家族農業が10年間の目標とされたのだ。実は2014年が「国際家族農業年」だったのだが、それを再び10年に延長したことになる。
 
「家族農業」とは、農場の運営の大部分を、1戸の家族で営んでいる農業のこと。大規模・企業的な農業とは一線を画した農業経営形態である。
 
現在、世界の食料生産に関わる農業のうち約8割が家族農業によるとされているが、大規模化の指向が強まって全体的には衰退している。まつさに日本も同じ状況だ。
だが国連が取り組む2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」には、家族農業という農業形態は持続性があるとして注目されているのだ。また貧困や飢餓の撲滅という目標に家族経営の方が向いていると考えられたらしい。
 
このことは、農業だけでなく林業も水産業も、自然を利用した産業には共通しているのではなかろうか。大規模化し、利益の共同体が経営の主体になると、長期的視点を奪い目先の利益に左右されることが多い。その際に自然を相手にした場合、持続的になりにくいと国連も認めたのだ。
 
林業も、そろそろ大規模化に見切りをつけた方がよい。世界中で行き詰まりを見せているのだから。日本が今頃になって時代後れの大規模林業に参入しようとするなんて、馬鹿げている。家族とか自伐という言葉が合っているのかどうかはともかく、小規模・多様な林業の展開を描くべきではないか。
 
現在では100ヘクタールの山林があっても自立できないと言われるが、せいぜい10ヘクタールぐらいの山林で維持できる経営形態を模索すべきだ。少面積ゆえに丁寧な施業ができて、高く売れる木材商品を生産できるという考え方を研究してほしい。
 
日本家族林業年なんてのを設けないかね?
 
 

2019/01/06

古代の筏流しと砥石

正月は平城宮跡記念公園を訪れたのだが、そこの資料館で見かけたもの。

4
 
この中がくり抜かれている大木は、水道管、木樋である。なんとも贅沢な……。が、もっと気になるのは、その端にある穴だ。
 
2
 
これは「エツリ穴」と呼ばれるが、木材を運び出すために筏にして川を流すが、その際に丸太を結びつけるための縄を通すためのもの。後世になると、金属製のカンと呼ばれる金具を取り付けてそこにロープを通すが、奈良時代の筏流しでは、丸太に穴を空けていたのだ。当然、使う際には切り落とすことが多くて、その分木材の寸法が短くなる。
 
042
 
これは京都の大堰川(保津川)で行った筏流しの再現実験の様子だが、丸太が細いし、カンを使っているからエツリ穴は開けられていない。
 
しかし、大木をくり抜いたり貫通した穴を開けるには、どんな刃物を使ったのだろうか。
 
ここで登場するのが、これ。 
 
1
 
砥石なのだ。平城宮跡から砥石が出土しているのには驚いた。見たところ粒子は荒いが、研いだ痕を確認して砥石と鑑定したのだろう。
 
つまりこの時代に金属製の刃物が存在して、砥石で研いでいたことがわかる。
 
が、これで治まらない。実は、この木樋は、奈良時代のものてはないことがわかってきたからだ。つまり、最初から木樋にするために伐られたのではなく、まず柱として使った痕が見つかっている。それは、藤原宮の宮殿だったらしい。
つまり建設時期~伐採時期はさらに数十年遡る。西暦で言えば700年以前だろう。 
 
この時代に、金属刃物で伐採して、筏流しして、加工したのか。しかも砥石もあったのか。。 
 
石器だって刃を尖らすには研いだはずだが、何を使ったのかよくわからない。やはり硬い石だろうか。ただ金属に対して砥石を使うケースはそんなにない。金属には金属で研いだのではなかろうか。実は世界的に見て金属刃物に砥石を使っていた記録は意外と少ない。むしろ日本は例外的に砥石が発達した地域だ。
 
古代遺跡の遺物を見て、そんなことを考えたのであった。

2019/01/05

木の街づくりを支えるもの

久しぶりに大阪駅前に出た。いやあ、最近は大阪の繁華街に行くことはすっかり減ってしまって(^^;)。

 
で、わずかな空き時間に紀伊國屋書店梅田店に寄ったのだが、その並びに見つけた横丁。
 
1_2
 
3
 
ここ、正確には阪急電車のガード下というか駅下であったのだが、全体をリニューアルしたらしい。いつ完成したのかまったく知らなかったのだが、こんな木を全面に出したデザインになっているとは。
入っているのは古書店などが多いが、本より木の新しさがヤケに目立つ(^^;)。
 
よく木をもっと建築に使おうという掛け声は聞こえるが、やはり五月雨式では魅力になりにくく、街づくり全体のデザインが行われないといけない。
 
 
そういえば、こんなグッズも見かけた。
 
20181231_144929 イオンの300円ショップ
 
切株のクッション。これが300円だ500円だかで売り出すようになるとは……。
これと類似のものを見かけたのはスイスのチューリッヒだった。そこで切株模様のクッションを見かけて、こういうのが売れる国なんだ、日本ではなかなかなあ、と思った記憶がある。それがしばらくすると日本でも売られているのに気づいた。それはヴィレッジバンガードのような特種なマニアック店だけかと思ったら、次々と広がってきたわけだ。
 
14 チューリッヒで見かけたクョッション(2012年)。
 
こうした店舗デザインやグッズが各地で見かけるようになったというのは、日本人の意識にも木が根付きだしたのだろうか。

2019/01/04

トレンドは動物漫画?

年末年始は、ウサギと過ごしている。帰省した娘が連れ帰ったものだ。

面倒な面はあるが、やっぱり可愛い(^o^)。
 
1  3
 
種類はネザーランド。横顔はなかなか端正だ。
 
ところで、本屋でこんなコーナーを見つけた。
 
20181231_144428_1
 
漫画本コーナーだが、よく見てほしい。動物漫画ばかりではないか。
それも、「かってにシロクマ」「クマとたぬき」「キツネとタヌキ」、そして「うさぎは正義」
何種類もあって、いずれもかなりの部数がでているのだ。
 
ざっと傾向を調べると、基本、主人公は動物自体。動物を飼う人間ではない。人間に飼われているネコを主人公にしても、あくまで動物視線なのだ。そのうえでキツネとタヌキ、クマとタヌキなど異種が仲良く過ごしている。イヌやネコも多いがペンギンなど珍しい動物もある。
「うさぎは正義」なんかはすごいぜ。強いウサギがオオカミ2頭を従えているのだ。オオカミのボスがウサギ!
 
なかなかシュールな設定だが、実は内容はいたっておとなしい。スペクタルもアクションもなく、むしろ日常の中のちょっとした愚痴や笑いを描いている(ものが多い)。
 
これが今のトレンドか……。
 
次はシカを主人公にした漫画は誰か描かないだろうか。獣害としてのシカ、狩猟対象としてのシカではなく。
私は、奈良のシカを主人公にするとよいと思う(^o^)。奈良のシカの視線で、観光客や保護に奮闘する人間たちを描くと面白いと思うよ。その際は、『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』を参考文献に(⌒ー⌒)。なんなら原作を私が書き下ろします!
 
今年は、こんなスタートです。

« 2018年12月 | トップページ | 2019年2月 »

April 2019
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

森と林業と田舎